第75夜☆エロス短し、恋せよ、アラフォー!
第75夜
「愛とは何か?」をめぐって、管理人・哲雄がパートナー・AKIを相手に展開する、オヤジ・ギャグ風+ちょっぴりアカデミックおしゃべり。今回は、アラフォー世代が直面する「エロス」と「フィリア」の危機について、リンク先「ももの花びら」のももこさんのケースを取り上げながら、話を進めます――。
【今回のキーワード】 職場恋愛 エロス フィリア アラフォー W不倫
哲雄 結婚して、子どもができて、家族を形成すると、夫婦の愛は、「エロス」の要素よりも「フィリア」の要素のほうが強くなる――と、前回は、確かそういう話をしたんでしたね。
AKI ハイ。もう一度、確認しとくと、「エロス」は自己中心的な「情欲の愛」、「フィリア」は信義・信頼を絆とした「友愛(=同士愛)」でしたよね。でも、この「フィリア」は、家族結合のかなめである子どもが自立していくと、その目的を失って消えてしまうこともある――と、哲ジイは力を込めて、そう語っておりました。
哲雄 い、いや……別に、力を込めてたわけではなくて、その……。
AKI なんでしょう? この歯切れのわるさ。奥歯にニラがはさまったような……。
哲雄 ニラじゃなくて、「過去の愛」です、はさまってるのは。
AKI 例の……20世紀の彼女の話ですか?
哲雄 しょうがないじゃないか。それ以来、彼女なんて作ってないんだから。
AKI その20世紀の彼女と「フィリア」が、何か関係でも?
哲雄 「フィリア」のほころびが、愛の終焉を招いたという、90年代最大の悲劇について語ろうと思っているのです。
AKI ハイハイ、90年代最大のね。でも、哲ジイは結婚してないんだよね。その「フィリア」は、どこで成立してたんです?
哲雄 男女の間で「フィリア」が成立する場面は、別に家庭だけとは限らないでしょう。
AKI たとえば、職場とか? わかった、それ、職場恋愛
だったんだ。
哲雄 単なる職場恋愛なら、それほど強固な「フィリア」は成立しない。でもね、たとえば、そんなふたりが力を合わせて、小さなオフィスを立ち上げたとか、お店を開いたとかいう関係になると?
AKI オーッ! それは、かなり強力な「フィリア」が成立しますね。
「エロス」と「フィリア」のコラボ。
鬼に金棒(←ちょっと違うと思う。哲雄注
)みたいな関係じゃないですか。
哲雄 そういう関係、少なくないと思うんだ。自営業って、ほとんどそんな世界でしょ。うまくいけば、これほど強力なコラボはないと思うんだけど、ただし、問題もある。
AKI わかった。父ちゃんが、店の売上を持ち出しちゃキャバクラ通いするとか、母ちゃんが店の客に色目使うとか……。
哲雄 キミのレベルだと、そういう話になっちゃうか……。いや、実はね、このサイトでリンクを張っている
「ももの花びら」というブログがあるんだけど……。
AKI あ、知ってる。ももこさんのブログですよね。
哲雄 きのう、リンク先のブログを見て回ってたら、そのももこさんがご主人とのなれそめを書き綴った記事があったんだ。
ももこさんの記事はこちら→「恋愛の次のステージは…」
AKI 私も読みました。そうか、ももこさんも、最初は職場恋愛だったんですよね。それで、カレが会社を興すということになって、ももこさんもカレについていった。尊敬するカレのためにと、一生懸命、ガンバったんですよね。
哲雄 ウン。ところがね、本人いわく、ガンバりすぎちゃった。ちょっとそのさわりを引用してみようか。
ももこさんの記事から1
私が頑張れば頑張る程、夫あっての私じゃなくて、私あっての夫の様になってしまうのが、
多分気に入らなかったのでしょう……。
次第に、仕事のやり方にケチをつける様になり、
人格や容姿においても否定された。
夫は、私のボス的存在で居続ける為に
私から〝自信〟という言葉を全て奪いたかったのかもしれない。
AKI 出る杭を打ちたかったわけですね、この夫兼ボスは。ボスはおまえじゃない、オレだゾ――って言いたかったのかな?
哲雄 かもしれない。でね、この公私両面でももこさんのボスであったご主人は、何をしたかというと、ここも引用しますね。
ももこさんの記事から2
『子育ての片手間に仕事をしているお前は使えない』と
他の女性スタッフとタッグを組む様になり、
私は第一線から退き、夫と仕事に注いだ情熱を子供に注く事で感情をコントロール
(以下略)
ということになったわけです。
AKI エーッ、了見が狭すぎませんか、それ?
哲雄 でもね、こういう話、よくあると言えばよくあるんだよね。たとえば、夫が社長で妻が副社長みたいな関係のコラボだと。
AKI 外向的で人当たりのいい妻のほうが、ついつい目立っちゃったりとか? 夫のほうは、それが面白くない……。
哲雄 ももこさんの場合は、たぶん、そうだったんじゃないかな。この時点で、ふたりを結びつけていた「フィリア」は崩壊してる、と思うんだよね。「フィリア」が崩壊すると同時に、「エロス」も消えうせた。ももこさんは、仕事を離れることで、かえって外の世界がよく見えるようになり、自分の中では「偉大だ」と思っていたご主人への尊敬の念も薄れて、W不倫の世界にのめり込んでいくんだけど、ウーン、どうもこれが他人事とは思えない。
AKI 哲ジイと20世紀の彼女の関係も、そうだったの?
哲雄 ふたりで会社を立ち上げてガンバってきたというのも、16歳年下だった彼女にとって、私が公私両面にわたるボスであったということも、たぶん、ももこさんのケースとそんなに変わらない。ただ、そのあとの経緯が少し違う。
AKI わかった。哲ジイが浮気した?
哲雄 じゃなくて、ほかのスタッフたちが彼女を責めた。仕事に関しては、私はガンコで口うるさくて、絶対に妥協を許さないという性格だったから、それに不満を溜めたスタッフたちが、それを私にじゃなくて、彼女にぶつけた。それに気づかなかったんだね、このガンコオヤジは。
AKI あ~あ、彼女、板ばさみになっちゃったんだ。それを哲ジイにはこぼさなかったの?
哲雄 こぼさなかった。それに、プライベートで仕事の話をするのをイヤがったからね、私が。
AKI かわいそうに。彼女、ひとりで小さな胸を痛めたんだ。
哲雄 いや、胸は大きかった。
AKI コラ!! そういう問題じゃないでしょ。で、どうなったの? そのあと、ふたりは?
哲雄 ももこさんはW不倫に走ったでしょ。で、私の彼女には、新しい男ができた。で、涙のウエディング。
AKI そんな歌、ありましたね。あ、哲ジイも出席したんだ、そのウエディングに?
哲雄 ま、その話はいいでしょ。でね、私が言いたかったのは、
「エロス」と「フィリア」のコラボは、うまくいけば強力なタッグになるけど、
どちらかにほころびができると、どっちもダメになってしまう
ということなんだよね。
AKI でもさ、うらやましいようなコラボもあるよ。奥さんがパン種をこねて、ご主人がそれを焼いて……みたいな。それを何十年も続けているような夫婦。私、夢なんだけどな、そういう夫婦になるのが。
哲雄 やればいいじゃないか。キミが出張エステやって、ご主人が雨の日も風の日も、そのドライバーを勤めて……って。いいねェ、そういうの。
AKI 明らかにバカにしてる。
哲雄 けっしてバカになんてしてません。それで、どちらもが、「ああ、この人がいてくれるから、私は安心して仕事できる、生きていられるんだ」って思えれば、美しいコラボが成立するじゃありませんか。でも、そのためにはね……。
AKI ハイ。そこが知りたいんです。
哲雄 リアルな話からすると、こういう場合、ふたりの仕事が競合し合うような関係にないほうが、関係はスムーズにいく。同じことをやってたんじゃ、必ず「どっちが上?」という問題が生じるからね。
AKI さっきの例で言うと、奥さんがパン種をこねて、ご主人がそれを焼く――みたいな関係ですね。
哲雄 『共産党宣言』を書いたマルクス流に言うと、「労働の使用価値」ってことになるんだけど、わかりやすく言うと、異能同士の結合ってことだよね。おたがいが相手の「職能」を必要としている。そういう関係のほうが、コラボは絶対、うまくいく。
AKI でも、なかなかそういう組み合わせは……。
哲雄 ウン、むずかしいかもしれないね。そこで、考えられる方法は2つ。ひとつは、
「エロス」と「フィリア」を分割民営化してしまう。
AKI 「エロス」は「エロス」で満たしましょうってこと?
哲雄 ウン。仕事と家庭を維持するということでは、ふたりは協力関係を続けましょう。でも、「エロス」はもう、おたがいに求め合わないことにしましょう――という関係。
AKI ももこさんが選んだのは、この道ですね。
哲雄 それに近いと思います。そして、たぶん、世の中の、特にアラフォー世代が、不倫に走ったりする構造も、これに近いと思います。私は、これは間違った選択だとは思わないんだな。
AKI 分割民営化路線が……?
哲雄 ハイ。エロス短し、恋せよ、アラフォー!! です。
AKI オーッ! なんと過激な。で、もうひとつの方法とは?
哲雄 「聖なる夫婦」路線です。
AKI 何すか、それ?
哲雄 ウワッ、もうこんな時間。長くなっちゃったから、この話は、次回に続くということで。
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哲雄 男女の間で「フィリア」が成立する場面は、別に家庭だけとは限らないでしょう。
AKI たとえば、職場とか? わかった、それ、職場恋愛

哲雄 単なる職場恋愛なら、それほど強固な「フィリア」は成立しない。でもね、たとえば、そんなふたりが力を合わせて、小さなオフィスを立ち上げたとか、お店を開いたとかいう関係になると?
AKI オーッ! それは、かなり強力な「フィリア」が成立しますね。
「エロス」と「フィリア」のコラボ。
鬼に金棒(←ちょっと違うと思う。哲雄注

哲雄 そういう関係、少なくないと思うんだ。自営業って、ほとんどそんな世界でしょ。うまくいけば、これほど強力なコラボはないと思うんだけど、ただし、問題もある。
AKI わかった。父ちゃんが、店の売上を持ち出しちゃキャバクラ通いするとか、母ちゃんが店の客に色目使うとか……。
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AKI あ、知ってる。ももこさんのブログですよね。
哲雄 きのう、リンク先のブログを見て回ってたら、そのももこさんがご主人とのなれそめを書き綴った記事があったんだ。

AKI 私も読みました。そうか、ももこさんも、最初は職場恋愛だったんですよね。それで、カレが会社を興すということになって、ももこさんもカレについていった。尊敬するカレのためにと、一生懸命、ガンバったんですよね。
哲雄 ウン。ところがね、本人いわく、ガンバりすぎちゃった。ちょっとそのさわりを引用してみようか。

私が頑張れば頑張る程、夫あっての私じゃなくて、私あっての夫の様になってしまうのが、
多分気に入らなかったのでしょう……。
次第に、仕事のやり方にケチをつける様になり、
人格や容姿においても否定された。
夫は、私のボス的存在で居続ける為に
私から〝自信〟という言葉を全て奪いたかったのかもしれない。
AKI 出る杭を打ちたかったわけですね、この夫兼ボスは。ボスはおまえじゃない、オレだゾ――って言いたかったのかな?
哲雄 かもしれない。でね、この公私両面でももこさんのボスであったご主人は、何をしたかというと、ここも引用しますね。

『子育ての片手間に仕事をしているお前は使えない』と
他の女性スタッフとタッグを組む様になり、
私は第一線から退き、夫と仕事に注いだ情熱を子供に注く事で感情をコントロール
(以下略)
ということになったわけです。
AKI エーッ、了見が狭すぎませんか、それ?
哲雄 でもね、こういう話、よくあると言えばよくあるんだよね。たとえば、夫が社長で妻が副社長みたいな関係のコラボだと。
AKI 外向的で人当たりのいい妻のほうが、ついつい目立っちゃったりとか? 夫のほうは、それが面白くない……。
哲雄 ももこさんの場合は、たぶん、そうだったんじゃないかな。この時点で、ふたりを結びつけていた「フィリア」は崩壊してる、と思うんだよね。「フィリア」が崩壊すると同時に、「エロス」も消えうせた。ももこさんは、仕事を離れることで、かえって外の世界がよく見えるようになり、自分の中では「偉大だ」と思っていたご主人への尊敬の念も薄れて、W不倫の世界にのめり込んでいくんだけど、ウーン、どうもこれが他人事とは思えない。
AKI 哲ジイと20世紀の彼女の関係も、そうだったの?
哲雄 ふたりで会社を立ち上げてガンバってきたというのも、16歳年下だった彼女にとって、私が公私両面にわたるボスであったということも、たぶん、ももこさんのケースとそんなに変わらない。ただ、そのあとの経緯が少し違う。
AKI わかった。哲ジイが浮気した?
哲雄 じゃなくて、ほかのスタッフたちが彼女を責めた。仕事に関しては、私はガンコで口うるさくて、絶対に妥協を許さないという性格だったから、それに不満を溜めたスタッフたちが、それを私にじゃなくて、彼女にぶつけた。それに気づかなかったんだね、このガンコオヤジは。
AKI あ~あ、彼女、板ばさみになっちゃったんだ。それを哲ジイにはこぼさなかったの?
哲雄 こぼさなかった。それに、プライベートで仕事の話をするのをイヤがったからね、私が。
AKI かわいそうに。彼女、ひとりで小さな胸を痛めたんだ。
哲雄 いや、胸は大きかった。

AKI コラ!! そういう問題じゃないでしょ。で、どうなったの? そのあと、ふたりは?
哲雄 ももこさんはW不倫に走ったでしょ。で、私の彼女には、新しい男ができた。で、涙のウエディング。

AKI そんな歌、ありましたね。あ、哲ジイも出席したんだ、そのウエディングに?
哲雄 ま、その話はいいでしょ。でね、私が言いたかったのは、
「エロス」と「フィリア」のコラボは、うまくいけば強力なタッグになるけど、
どちらかにほころびができると、どっちもダメになってしまう
ということなんだよね。
AKI でもさ、うらやましいようなコラボもあるよ。奥さんがパン種をこねて、ご主人がそれを焼いて……みたいな。それを何十年も続けているような夫婦。私、夢なんだけどな、そういう夫婦になるのが。
哲雄 やればいいじゃないか。キミが出張エステやって、ご主人が雨の日も風の日も、そのドライバーを勤めて……って。いいねェ、そういうの。
AKI 明らかにバカにしてる。
哲雄 けっしてバカになんてしてません。それで、どちらもが、「ああ、この人がいてくれるから、私は安心して仕事できる、生きていられるんだ」って思えれば、美しいコラボが成立するじゃありませんか。でも、そのためにはね……。
AKI ハイ。そこが知りたいんです。
哲雄 リアルな話からすると、こういう場合、ふたりの仕事が競合し合うような関係にないほうが、関係はスムーズにいく。同じことをやってたんじゃ、必ず「どっちが上?」という問題が生じるからね。
AKI さっきの例で言うと、奥さんがパン種をこねて、ご主人がそれを焼く――みたいな関係ですね。
哲雄 『共産党宣言』を書いたマルクス流に言うと、「労働の使用価値」ってことになるんだけど、わかりやすく言うと、異能同士の結合ってことだよね。おたがいが相手の「職能」を必要としている。そういう関係のほうが、コラボは絶対、うまくいく。
AKI でも、なかなかそういう組み合わせは……。
哲雄 ウン、むずかしいかもしれないね。そこで、考えられる方法は2つ。ひとつは、
「エロス」と「フィリア」を分割民営化してしまう。
AKI 「エロス」は「エロス」で満たしましょうってこと?
哲雄 ウン。仕事と家庭を維持するということでは、ふたりは協力関係を続けましょう。でも、「エロス」はもう、おたがいに求め合わないことにしましょう――という関係。
AKI ももこさんが選んだのは、この道ですね。
哲雄 それに近いと思います。そして、たぶん、世の中の、特にアラフォー世代が、不倫に走ったりする構造も、これに近いと思います。私は、これは間違った選択だとは思わないんだな。
AKI 分割民営化路線が……?
哲雄 ハイ。エロス短し、恋せよ、アラフォー!! です。
AKI オーッ! なんと過激な。で、もうひとつの方法とは?
哲雄 「聖なる夫婦」路線です。
AKI 何すか、それ?
哲雄 ウワッ、もうこんな時間。長くなっちゃったから、この話は、次回に続くということで。

管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
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