小さな「嫌い」が積もって爆発。カタルシス型 《恋愛オセロ》

法則55 小さな「嫌い」が積もると、いつかカタルシスを起こす
多少難ありだが、この程度なら我慢できるという
「小さな嫌い」。しかし、それが蓄積されると、
いつか大爆発。これも、恋愛オセロ現象のひとつ。
人は、人を少しずつ「嫌い」になっていくのではない。
ひとつ「嫌い」なところが見えてしまうと、
一気に、全部が「嫌い」になってしまう。
そういうことが、しばしば起こりますよ――という話を、前回は、ご紹介しました。
一枚の黒石を打つことで、挟まれた「白」の列が一気に「黒」に変わってしまうオセロゲームのように、恋愛の中では、それまでの「好き」がバタバタ……と「嫌い」に変わってしまう。
これを「恋愛オセロ現象」と名づけ、こういう現象が、なぜ起こるのか?――について、考察を加えてきました。
前回は、こういう話をしました。
恋愛初期には、相手を「美化」してしまう「錯覚」が働く。しかし、その「錯覚」は、初期の熱が冷めていくとともに、メッキが剥がれるように剥がれてしまう。1箇所、メッキが剥がれてしまうと、あそこも、ここも……と次々に素地がむき出しになって、「なんだ、こんな人だったのか?」と、一気に「全部が嫌い」になってしまう。
これが、ひとつの「嫌い」で「全部が嫌い」になるメカニズムである――という話でした。
しかし、そうではない場合もあります。
実は、元々、ふたりの間には、「小さな嫌い」が「地雷」のように埋め込まれていた――というケースです。
F代さんの場合もそうでした。

その小さな「嫌い」は、「蓄積」されていく
「ちょっと難あり」な男ではあるけど、「ま、いいか……」とカレとの交際をスタートさせたF代さん。その「難あり」が、交際が進むにつれ、増えていった――と言うのです。
「このひと、ちょっと違うかも……」という思いが、F代さんの中には、少しずつ少しずつ、蓄積されていきました。そして――。
それは、さる超高層ホテルのラウンジで夜景を見ながらカクテルを飲んでいるときのことでした。
化粧直しにトイレに立ったF代さんが席に戻ると、カウンターのカレが何かを熱心に何かをのぞき込んでいます。ン……と思ってみると、それは、スマホの画面でした。
また、ゲーム…? まったく……。
半分、あきれながら近づいたF代さんは、ハッ……となり、そして、頭からサーツと血が引いて行くのを感じた――と言います。
カレがのぞき込んでいたのは、なんと、F代さんのスマホだったのです。
ナニ、ひとのスマホを勝手に見てるの?
カレの手からスマホをひったくるようにして取り戻したF代さんに、カレは、こううそぶいたそうです。
あ、ちょっと着信があったようだから。いいじゃない、もう、他人じゃないんだし……。
その瞬間でした。
F代さんの「このひと、難あり」は、《臨界点》を超えてしまいました。
ひとつ「嫌い」なところが見えてしまうと、
一気に、全部が「嫌い」になってしまう。
そういうことが、しばしば起こりますよ――という話を、前回は、ご紹介しました。
一枚の黒石を打つことで、挟まれた「白」の列が一気に「黒」に変わってしまうオセロゲームのように、恋愛の中では、それまでの「好き」がバタバタ……と「嫌い」に変わってしまう。
これを「恋愛オセロ現象」と名づけ、こういう現象が、なぜ起こるのか?――について、考察を加えてきました。
前回は、こういう話をしました。
恋愛初期には、相手を「美化」してしまう「錯覚」が働く。しかし、その「錯覚」は、初期の熱が冷めていくとともに、メッキが剥がれるように剥がれてしまう。1箇所、メッキが剥がれてしまうと、あそこも、ここも……と次々に素地がむき出しになって、「なんだ、こんな人だったのか?」と、一気に「全部が嫌い」になってしまう。
これが、ひとつの「嫌い」で「全部が嫌い」になるメカニズムである――という話でした。
しかし、そうではない場合もあります。
実は、元々、ふたりの間には、「小さな嫌い」が「地雷」のように埋め込まれていた――というケースです。
F代さんの場合もそうでした。

その小さな「嫌い」は、「蓄積」されていく
「ちょっと難あり」な男ではあるけど、「ま、いいか……」とカレとの交際をスタートさせたF代さん。その「難あり」が、交際が進むにつれ、増えていった――と言うのです。
・食事しながら、スマホをチラチラ見る ⇒ これくらい、ま、いいか…。
・ひとの話に「生返事」しか返さない ⇒ これくらい、ま、いいか…。
・待ち合わせにいつも遅れてくる ⇒ 頭に来るけど、ま、大目に見るか…。
・飲むと、いつもグチが口をついて出る ⇒ ちょっと…と思うけど、ま、いいか…。
・自分の上司(女性)を「ババア」と言う ⇒ エッ、そんな言い方するの…?
・ひとの話に「生返事」しか返さない ⇒ これくらい、ま、いいか…。
・待ち合わせにいつも遅れてくる ⇒ 頭に来るけど、ま、大目に見るか…。
・飲むと、いつもグチが口をついて出る ⇒ ちょっと…と思うけど、ま、いいか…。
・自分の上司(女性)を「ババア」と言う ⇒ エッ、そんな言い方するの…?
「このひと、ちょっと違うかも……」という思いが、F代さんの中には、少しずつ少しずつ、蓄積されていきました。そして――。
それは、さる超高層ホテルのラウンジで夜景を見ながらカクテルを飲んでいるときのことでした。
化粧直しにトイレに立ったF代さんが席に戻ると、カウンターのカレが何かを熱心に何かをのぞき込んでいます。ン……と思ってみると、それは、スマホの画面でした。

半分、あきれながら近づいたF代さんは、ハッ……となり、そして、頭からサーツと血が引いて行くのを感じた――と言います。
カレがのぞき込んでいたのは、なんと、F代さんのスマホだったのです。

カレの手からスマホをひったくるようにして取り戻したF代さんに、カレは、こううそぶいたそうです。

その瞬間でした。
F代さんの「このひと、難あり」は、《臨界点》を超えてしまいました。

溜まりに溜まった不満が、限界に達したその瞬間に
「あばた」も「えくぼ」と見て、「錯覚ボレ」してしまった前回のA美さんの場合、「オセロ現象」は、そのメッキが剥がれた瞬間に、一気に起こってしまいましたが、F代さんの場合は、少しずつ入ったヒビが限界に達して、ふたりの関係が崩落――という局面を迎えます。
現象的には、どちらも、「○」が突然「●」に変わってしまったように見えますが、そのメカニズムが少し違います。
交際当初から、カレには「難あり」を感じていたF代さんの場合、A美さんのように、盲目的にカレにのめり込んだわけではありません。「この程度の難点なら、愛があれば乗り越えられる」と、目つぶり、ガマンすべきところはガマンして、なんとか破局を迎えずにすむようにしよう――と努力してきたフシが見受けられます。
つまり、忍耐を重ねてきたわけです。
しかし、この種の忍耐は、心理学的に言うと、「心的外傷」として蓄積されていきます。そうして蓄積された「心的外傷」は、これ以上貯めるとキケンというところまでくると、一気に自らを解き放とうとします。
解き放つとは、心の内に溜め込んだ「鬱屈」を一気に外部に吐き出して、胸の奥を「クリーン・アップ」するということ。精神療法の世界では、このプロセスを意図的に行わせることもあり、これを「カタルシス」療法と呼んだりしています。
F代さんは、彼女の精神をそれ以上のダメージから守るために、自らこの「カタルシス」を実践に及んだ、というわけです。
たぶん、カレと別れることを決意したF代さんは、「いままでガマンしてきたけど……」と、心の中に溜めた不満を一気にまくしたてました。

ダンナにガマンを重ねてきた奥さんがキレるときも、これに似てます。
「そもそも、あなたって……」と、いったん不満が噴出し始めると、もう止まらない。実際、機関銃みたいに飛び出す「不満弾」を浴びてゲキ沈した――という経験のある人も、いらっしゃろうかと思います。

「カタルシス型恋愛オセロ」は、ガマン強い人が起こす…?
このタイプの「オセロ現象」を起こす人は、元々、ガマン強い人が多いようです。
「ガマン強い」から、小さな「嫌い」を溜め込み、溜めすぎてはそれを爆発させて「カタルシス」を起こしてしまうのだと思います。
こういう「オセロ現象」を起こしやすい人には、いくつかの特徴があります。
チェックリストを作ってみましたので、参考までにチェックしてみてください。
「カタルシス型恋愛オセロ」を起こしやすい人の特徴
・血液型は「B型」ではない。
・「ひとりっ子」または「末っ子」ではない。
・「ま、いいか」が口グセだったりする。
・食べ物に小さな虫やゴミが入っていても、取りよけて食べてしまうほうだ。
・自分は、あまり寝つきがいいほうではない。
・カーキ色や茶系の服を身に着けることが多い。
・格闘技を見るのは、あまり好きじゃない。
・待ち合わせ相手の遅刻は、30分までは待つほうだ。
・職場や学校の中では、「苦手」と感じる人とも、何とかうまくやっていけるほうだ。
・コツコツと何かを作ったり、育てたりする趣味が、けっこう好きだ。
・血液型は「B型」ではない。
・「ひとりっ子」または「末っ子」ではない。
・「ま、いいか」が口グセだったりする。
・食べ物に小さな虫やゴミが入っていても、取りよけて食べてしまうほうだ。
・自分は、あまり寝つきがいいほうではない。
・カーキ色や茶系の服を身に着けることが多い。
・格闘技を見るのは、あまり好きじゃない。
・待ち合わせ相手の遅刻は、30分までは待つほうだ。
・職場や学校の中では、「苦手」と感じる人とも、何とかうまくやっていけるほうだ。
・コツコツと何かを作ったり、育てたりする趣味が、けっこう好きだ。
以上のチェックリストに6項目以上あてはまる――という人は、「カタルシス」型の「オセロ現象」を起こしやすい人、と言っていいかと思います。
「恋愛オセロ」が起こるケースには、もうひとつ、
実は、「嫌い」が目につくようになったのは、
だれかと比較した結果である。
というケースがあります。
「恋愛オセロ」の3つのタイプの中では、もっともやっかい。
これについては、次回、ゆっくり、検討を加えてみたいと思います。
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