ひとつの「嫌い」で全部が「嫌い」になる 《恋愛オセロ》

法則 58 ひとつの「嫌い」で全部が「嫌い」になってしまうことがある
人は人を少しずつ「嫌い」になっていくのではない。
たったひとつの小さな「嫌い」で、一気に、その人の
何もかもがイヤになることがあるのです。その仕組み。
男と女の間では、ときに、不思議な力学が働くことがあります。
たとえば、
「10-1」が、「9」ではなく、一気に「0」になる
という、不思議な引き算。
どういうこと……? と思った人も多いかと思います。
実はこれ、人が人を「嫌い」になっていくときに、しばしば働く不思議な力の数式なんです。
人は、人を少しずつ「嫌い」になっていくのではない。
ひとつ「嫌い」なところが見えてしまうと、
一気に、全部が「嫌い」になってしまう。
そういうことが、しばしば起こりますよ――ということを言っているわけです。
一枚の黒石を打つことで、挟まれた「白」の列が一気に「黒」に変わってしまうオセロゲームのように、恋愛の中では、それまでの「好き」がバタバタ……と「嫌い」に変わってしまう、ということが起こる。筆者はこれを、「恋愛オセロ現象」と呼んでいます。
こういう現象が、なぜ起こるのか?
今回は、その話をしてみようかと思います。

その「オセロ現象」は、ある日、突然に
もうダメ! この人とはやっていけない。
筆者の知人・A美さんが、カレの何もかもが嫌いになってしまったのは、あるレストランで食事をしているときのことでした。
まずッ! 食えないよ、こんなの!
食べていたのは、イカスミのパスタ。味覚は人それぞれなので、A美さんが「うまいよ」とすすめた料理を「まずい」と言われても、「ま、それもありか」ですませられたかもしれない、とA美さんは言います。
しかし、そのとき、カレがとったある行動で、A美さんの心の糸がプツンと切れてしまいました。
その行動とは――?
それまでパスタをつまんでいたハシを、カレは、「まずッ!」の声とともに、ポンと皿の上に投げ出したのです。
その瞬間でした。
A美さんの心の盤面で優勢となっていた「白=好き」の石が、一気に、まるで音を立てるようにパタパタ……と、「黒=嫌い」に変わっていった、と言うのです。
それまで、A美さんにとってカレは、「ワイルドな魅力」に富んだ男でした。「乱暴」と見えるしぐさも、「なよなよ」「ヘラヘラ」とした周囲の男たちに比べると、「男らしい」とさえ映っていました。
しかし、「まずッ!」とハシを放り投げるしぐさを目にしたとき、その見方が180度、変わってしまいました。
この男は、ただ、わがままに育っただけの「お子ちゃま」なのではないか。ただ、無教養で「粗野」なだけの男なのではないか。
頭の片隅に芽生えた疑念は、あっという間にA美さんの脳全体を支配し、「好き」が、一瞬にして、「嫌い」に変わってしまいました。
いまでも、そのときの光景を思い出すと、背中がブルッとするほどの嫌悪感に襲われる――と、A美さんは言うのです。
それにしても、なぜ、こんな「オセロ現象」が起こってしまったのか?
たとえば、
「10-1」が、「9」ではなく、一気に「0」になる
という、不思議な引き算。
どういうこと……? と思った人も多いかと思います。
実はこれ、人が人を「嫌い」になっていくときに、しばしば働く不思議な力の数式なんです。
人は、人を少しずつ「嫌い」になっていくのではない。
ひとつ「嫌い」なところが見えてしまうと、
一気に、全部が「嫌い」になってしまう。
そういうことが、しばしば起こりますよ――ということを言っているわけです。
一枚の黒石を打つことで、挟まれた「白」の列が一気に「黒」に変わってしまうオセロゲームのように、恋愛の中では、それまでの「好き」がバタバタ……と「嫌い」に変わってしまう、ということが起こる。筆者はこれを、「恋愛オセロ現象」と呼んでいます。
こういう現象が、なぜ起こるのか?
今回は、その話をしてみようかと思います。

その「オセロ現象」は、ある日、突然に

筆者の知人・A美さんが、カレの何もかもが嫌いになってしまったのは、あるレストランで食事をしているときのことでした。

食べていたのは、イカスミのパスタ。味覚は人それぞれなので、A美さんが「うまいよ」とすすめた料理を「まずい」と言われても、「ま、それもありか」ですませられたかもしれない、とA美さんは言います。
しかし、そのとき、カレがとったある行動で、A美さんの心の糸がプツンと切れてしまいました。
その行動とは――?
それまでパスタをつまんでいたハシを、カレは、「まずッ!」の声とともに、ポンと皿の上に投げ出したのです。
その瞬間でした。
A美さんの心の盤面で優勢となっていた「白=好き」の石が、一気に、まるで音を立てるようにパタパタ……と、「黒=嫌い」に変わっていった、と言うのです。
それまで、A美さんにとってカレは、「ワイルドな魅力」に富んだ男でした。「乱暴」と見えるしぐさも、「なよなよ」「ヘラヘラ」とした周囲の男たちに比べると、「男らしい」とさえ映っていました。
しかし、「まずッ!」とハシを放り投げるしぐさを目にしたとき、その見方が180度、変わってしまいました。
この男は、ただ、わがままに育っただけの「お子ちゃま」なのではないか。ただ、無教養で「粗野」なだけの男なのではないか。
頭の片隅に芽生えた疑念は、あっという間にA美さんの脳全体を支配し、「好き」が、一瞬にして、「嫌い」に変わってしまいました。
いまでも、そのときの光景を思い出すと、背中がブルッとするほどの嫌悪感に襲われる――と、A美さんは言うのです。
それにしても、なぜ、こんな「オセロ現象」が起こってしまったのか?

「錯覚」というメッキが剥がれる瞬間がある!
実は、これは、だれにも起こり得ることなのです。
人が人に抱く「好き」と「嫌い」の境界線は、実は、とてもビミョーです。人がだれかを「好き」と感じるポイントは、一歩間違えれば、「大嫌い」と思えるポイントのすぐそばに潜んでいたりします。
A美さんの例で言うと、
「ワイルドで男らしい」のすぐそばに
「粗野で無教養」な男
がひそんでいました。
この境界はとてもビミョーなので、ほんのちょっとしたきっかけで、「好き」と「嫌い」を表示する針が、反対側に振れてしまうことがよくあります。
似たような例を挙げておきましょう。
慎重で思慮深い人 ⇔ 優柔不断で決断力のない人
冷静でクールな人 ⇔ 非情な冷血人間
やさしくて情愛に富んだ人 ⇔ だれにでもいい顔をする八方美人
緻密で繊細な人 ⇔ 神経質な人
これらは、同じ性質の「表」と「裏」の関係にあります。
よく言えば「○」だけど、わるく言えば「●」という関係。つまり、オセロの表と裏というわけです。
この表と裏は、簡単にひっくり返ってしまいます。
ほんのちょっとしたことで「あれ…?」という疑問が発生すると、それまでの「○」が一気に、「●」に見え始めてしまうわけです。
しかし、ここでみなさんに考えていただきたいことがあります。
こういう「恋愛オセロ現象」が起こってしまうのは、「○」が「●」に見えるようになったことに原因があるのか、それとも、そもそも「●」であったものを「○」と思い込んでいたことに原因があるのか?――という問題です。
わかりやすい例で言うと、
「えくぼ」が突然、「あばた」に見え始めたのか、
それとも、
元々「あばた」にすぎなかったものを「えくぼ」と思い込んでいたのか?
という問題です。
実は、どちらもある――と、私は思っています。

「恋」とは、そもそも「錯覚」のゲームである
元々、恋は「盲目」と言われます。
人は、ある人間を「好き」と思い始める段階では、相手の何もかもを「美化」して考えます。つまり、「●」を「○」と思う、「あばた」も「えくぼ」と錯覚してしまう。「恋」とは、そういう錯覚の上に成り立つもの――という言い方もできるかと思います。
しかし、恋愛初期の熱情が冷めて、冷静に相手を見られるようになると、この「美化」というメッキがポロッ……と剥げ落ちてしまうことがあります。
もしかしたら、自分をよく見せようとムリをしていた側に油断が生じて、メッキが剥がれてしまったのかもしれません。
あるいは単に、相手を「美化」していた側の「錯覚」というメガネが外れてしまったために、現実がよく見えるようになった――というだけの話なのかもしれません。
A美さんの場合は、「まずッ!」とハシを投げ捨てるように放り出したカレの「素の行動」を見た瞬間に、そのメガネが外れてしまったのだろう――と、想像できます。
ちなみに、こうしてメッキ剥がれタイプの「オセロ現象」を起こしやすい人には、いくつか共通の特徴があります。チェック・リストを作ってみましたので、気になる人は試してみてください。
「メッキ剥がれ型恋愛オセロ」を起こしやすい人の特徴
・血液型は「A型」ではない。
・「長女」または「長男」ではない。
・「かわいいッ!」を一日に3回は口にしている。
・一度、好きになった食べ物は、飽きるまで食べ続けるほうだ。
・服やアクセサリーは、つい、衝動買いしてしまうほうだ。
・黄色やオレンジ色を目にすると、心がウキウキする。
・「ひと目ボレ」した経験が、過去、何度かある。
・自分は、けっこう「人の意見」に左右されるほうだと思う。
・自分は、人の「好き・嫌い」がけっこう激しいほうだと思う。
・何かを作ったり、育てたりする趣味には、あまり心を惹かれない。
・血液型は「A型」ではない。
・「長女」または「長男」ではない。
・「かわいいッ!」を一日に3回は口にしている。
・一度、好きになった食べ物は、飽きるまで食べ続けるほうだ。
・服やアクセサリーは、つい、衝動買いしてしまうほうだ。
・黄色やオレンジ色を目にすると、心がウキウキする。
・「ひと目ボレ」した経験が、過去、何度かある。
・自分は、けっこう「人の意見」に左右されるほうだと思う。
・自分は、人の「好き・嫌い」がけっこう激しいほうだと思う。
・何かを作ったり、育てたりする趣味には、あまり心を惹かれない。
上記のチェック項目に6項目以上あてはまる、という人は、「錯覚」から恋に落ちることが多く、結果的に、メッキが剥がれて「恋愛オセロ現象」を起こしやすい人――と言っていいかと思います。
これが、「恋愛オセロ現象」が起こる、もっとも一般的なパターン。
しかし、この現象を起こす背景には、あと2つほど、もっと深刻な理由が潜んでいる場合もあります。
〈1〉 実は、小さな「嫌い」が少しずつ蓄積されていて、一気に「臨界点」に達した。
〈2〉 実は、「嫌い」が目につくようになったのは、だれかと比較した結果である。
というケースです。
この2つについては、次回以降、じっくり検討してみたいと思います。
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