「カレあり」「彼女あり」の心に忍び込む《略奪話法》

心寄せる相手には、すでにカレや彼女がいる。あきらめるか?
しかし、その心を自分に振り向かせる方法はあります。そんな
ときに役立つ《略奪話法》が、実は、あるんです――。
愛が生まれる日本語・殺す日本語 レッスン2-12
何とか親しくなりたい――と思う彼女やカレには、すでに交際中の恋人がいる。
珍しくないケースだと思います。というか、たいていの男や女には、いるよね――と思うのですが、ここで「そんな男(女)止めて、オレ(私)とつき合え」と露骨に迫っても、相手の心は動きません。
動かないどころか、かえって心を閉ざされてしまうかもしれません。
そんなとき、どんな言葉で相手の心を自分に向けさせるか?
今回は、そんな話をしてみたいと思います。
まずは、よくあるこんな場面を想定してみましょう。
そこは、雰囲気のいいカフェ。あなたは、カクテルを傾けながら、以前から憎からず思っている彼女と語り合っています。彼女には交際中の男性がいますが、あなたはそれを知りながら彼女に接近。心の中では、彼女の心を奪いたいと思いながら、会話を続けている――とします。やがて、彼女の口からは、カレについてのグチらしきものが聞かれるようになり……という場面。
こんなときのアプローチを2例、ご紹介してみます。
2つの会話例に登場する男性2人は、それぞれ、彼女が口にしたカレに関するグチ、たぶん、「カレったら、こんなこと言うんですよ」的なことを聞いて、そこを突破口に、彼女の心を揺り動かそう――と話を進めています。
最終的に、彼女のハートを揺り動かすのはどっちだと思います?
わかりますよね。圧倒的に、男Bのほうです。
なぜか?
その理由がわかったら、あなたは「略奪愛」のスーパー達人になるはず。ご説明しましょう。
珍しくないケースだと思います。というか、たいていの男や女には、いるよね――と思うのですが、ここで「そんな男(女)止めて、オレ(私)とつき合え」と露骨に迫っても、相手の心は動きません。
動かないどころか、かえって心を閉ざされてしまうかもしれません。
そんなとき、どんな言葉で相手の心を自分に向けさせるか?
今回は、そんな話をしてみたいと思います。
まずは、よくあるこんな場面を想定してみましょう。
そこは、雰囲気のいいカフェ。あなたは、カクテルを傾けながら、以前から憎からず思っている彼女と語り合っています。彼女には交際中の男性がいますが、あなたはそれを知りながら彼女に接近。心の中では、彼女の心を奪いたいと思いながら、会話を続けている――とします。やがて、彼女の口からは、カレについてのグチらしきものが聞かれるようになり……という場面。
こんなときのアプローチを2例、ご紹介してみます。
会話例1 彼女のカレをこき下しにかかる男の話法
男A エーッ、そいつ、キミにそんなこと言うの? それって、ひどくね?
女 ちょっと……傷つくこともあるけど……。
男A ひでェよ。オレだったら、ゼッタイ、そんな言い方しねェな。
女 でもね、そんなこと言いながらも、けっこうやさしいところ、あるんだ。
男A そんなの、ただのアメとムチじゃん。止めたほうがいいよ、そんな男。
男A エーッ、そいつ、キミにそんなこと言うの? それって、ひどくね?
女 ちょっと……傷つくこともあるけど……。
男A ひでェよ。オレだったら、ゼッタイ、そんな言い方しねェな。
女 でもね、そんなこと言いながらも、けっこうやさしいところ、あるんだ。
男A そんなの、ただのアメとムチじゃん。止めたほうがいいよ、そんな男。
会話例2 まずは、彼女の心に寄り添ってみる男の話法
男B フーン、カレ、そんなこと言うの?
女 ね、ひどいでしょ?
男B ひどいって感じる分だけ、カレを愛してるんだね。
女 エッ、そうなのかなぁ……。
男B 同じことをボクが言っても、キミは痛くもかゆくもないはずだよ。
女 そ、そんなこと、ないですよォ。
男B 言わないけどね、そんなことは……。
女 ですよね。○○さんは、そんなこと言う人じゃないですよね。
男B フーン、カレ、そんなこと言うの?
女 ね、ひどいでしょ?
男B ひどいって感じる分だけ、カレを愛してるんだね。
女 エッ、そうなのかなぁ……。
男B 同じことをボクが言っても、キミは痛くもかゆくもないはずだよ。
女 そ、そんなこと、ないですよォ。
男B 言わないけどね、そんなことは……。
女 ですよね。○○さんは、そんなこと言う人じゃないですよね。
2つの会話例に登場する男性2人は、それぞれ、彼女が口にしたカレに関するグチ、たぶん、「カレったら、こんなこと言うんですよ」的なことを聞いて、そこを突破口に、彼女の心を揺り動かそう――と話を進めています。
最終的に、彼女のハートを揺り動かすのはどっちだと思います?
わかりますよね。圧倒的に、男Bのほうです。
なぜか?
その理由がわかったら、あなたは「略奪愛」のスーパー達人になるはず。ご説明しましょう。

この会話例に登場している女性は、交際中のカレについてのグチを、同席した男性にもらしています。
パートナー以外の異性に、パートナーについてのグチをもらす――これは、男女を問わず、「攻略可能」のサインと受け取って間違いありません。
考えてみてください。
「私は(オレは)、カレ(彼女)に100%満足」なんていう人間が、この世にいるでしょうか?
私は、いないと思います。必ず、どこかに不満がある。それが人間です。
しかし、相手への愛がゆるぎないものであれば、その不満を外部に、それも外部の異性にもらすということは、絶対にしません。いや、しないだろう、しないでほしい――と、長住は思っています。
それをもらすということは、彼女または彼のパートナーに対する愛に、
なんらかの迷いや、「このままでいいんだろうか」という疑念が生じている証拠。
少なくとも、私だったら、そう考えます。
この会話例に登場する男Aも、男Bも、彼女がそうした心境にあるのではないか――と感じとったからこそ、「こりゃ、いけるかも……」と、自分の売り込みにかかっているわけです。
一見、男Bの話法は、自分を売り込んでいるようには見えませんが、それこそが、Bの達人たるゆえん。
それに対して、Aの売り込みはミエミエです。
あまりにもミエミエなので、かえって女性の反発を受けてしまいます。
断言してもかまいませんが、Aの売り込みは、絶対に失敗します。

Aが失敗する最大の理由は、それが「ネガティブ・キャンペーン」だからです。
「ネガティブ・キャンペーン」とは、主に競争相手を落とし込む目的で、非難や批判を浴びせるキャンペーンのこと。
【会話例1】の男性Aは、ライバル男性のことを「ひどい」と非難した上で、「オレだったら」と、自分のPRにつとめています。
いくら不満があろうとも、彼女にとっては、「好きでつき合った男」です。それを「ひどい」と言われたら、心理的には、彼女はカレを弁護するほうに回ってしまいます。現に、彼女は、こう言ってますよね。

この時点で、カレの負け。北風で彼女のコートをはぎとろうとした男は、かえって彼女のガードを固めさせてしまったわけです。
しかも、そこで、「オレだったら、ゼッタイ、そんな言い方しねェ」という露骨な自己PR。こういうPRは、彼女がよほどのバカでない限り、「品性に欠ける」と嫌われてしまいます。
一方の達人Bは、ライバルの非難も、自己PRも、いっさい口にしませんでした。そんなことはおくびにも出さず、見事に彼女の心を奪ってしまうのですが、そのメカニズムはこうです。

Bのすごいところは、彼女のグチを聞いても、彼女が不満を言うその男に対するコメントをいっさい、発してないところです。
コメントしているのは、「彼女の心の内」に対してだけ。このひと言がすごいんです。

女性にしてみれば、「何、それ?」という感じでしょう。グチを聞いてもらいたいから話をしたのに、「その分だけ愛してる」なんて言われたんじゃ、「ジョーダンじゃない」と思うかもしれません。そして、つい、言ってしまうんですね。

この「そうなのかなぁ」には、「そうじゃないと思うけど」が含まれています。つまり、彼女は、自らの口で、「カレに対する愛」への疑念を表明してしまったことになるわけです。 というより、表明するように仕向けられた――と言ったほうがいいかもしれません。
いったん、疑念を口にしてしまうと、彼女の脳は、「私、ほんとにカレを愛してると言えるだろうか? もしかして、この人が言うほどには愛してないのかも……」という思いで占められてしまいます。

ここで、Bは、さらに追い討ちをかけます。

ものすごい高等作戦です。
たったこれだけのコメントで、Bは、2つの効果を狙っています。
ひとつは、彼女の頭の中に、「もし、相手がいまのカレじゃなくて、Bだったら?」という情況を想像させ、シミュレートさせています。
もうひとつのネライは、ここでも、「彼女に否定させること」なのです。

言いながら、彼女は気づくはずです。
「そんなことない」ということは、「同じことをBに言われたら、やっぱり傷つく?」―→「てことは、もしかしたら、私、Bを愛してる、ってことになるわけ?」。
彼女の中に、このシミュレーションを描かせた時点て、Bの作戦は大成功なのですが、そこで、Bは、最後のダメを押します。

よく考えると、強烈な自己PRなのですが、会話の流れの中では、だれも「PR」とは気づきません。
そして彼女の心は、このひと言に揺らぎます。
「もし、Bにまで同じようなことを言われたらどうしよう?」とシミュレートしているところへ、「言わないけどね」のひと言。ホッと安心し、「よかった」と思い、「Bさんだったら、安心してつき合えるかも……」という願望が生まれます。
その安心と願望が言わせるのが、彼女の最後のひと言。これです。

《彼女の心は~、Bさんのものなのよォ~(←春歌の歌詞です)》が、この段階で成立、というわけです。

さて、ここでは、《カレありの彼女と男の会話》という設定でお話しましたが、これは、《彼女ありの男と女の会話》でも、まったく同じだと思ってください。
もう一度、ポイントをまとめておきますね。
[1]彼女、カレの交際相手を、絶対に非難しないこと。
[2]彼女・カレのパートナーへの「愛」を、彼女自身・カレ自身の口を通して否定させよ。
[3]「もし自分だったら…」は、自らPRするのではなく、彼女・カレ自身にシミュレートさせよ。
[4]「自分だったらそうはしない」は、PRと悟らせず、チラリと匂わせよ。
[2]彼女・カレのパートナーへの「愛」を、彼女自身・カレ自身の口を通して否定させよ。
[3]「もし自分だったら…」は、自らPRするのではなく、彼女・カレ自身にシミュレートさせよ。
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