死ぬまで愛してくれる?――と訊くバカに答えるバカ
なぜだろう――と思うくらい、女性が何かにつけて発する質問のひとつに、
ずっと、私を愛してくれる?
というのがあります。
男性にとって、これほど返答に窮する質問はありません。
根が正直な筆者などは、これを訊かれたとたん、「ウーン……」と考え込んでしまいます。
「ずっと」って、どれくらい「ずっと」だろう?
「ずっと」なんて言っておいて、途中で「ずっと」でなくなっちゃあ、
「ずっと」を偽装したことになるよなぁ……。
「偽装」はまずいよなぁ。
などと考えて、即答できなくなってしまうんですね。
ところが、そうやって考え込んでしまうと、彼女の顔は、みるみる不安に曇っていきます。そして、こんな言葉をお発しになるんですね。
エッ、考えちゃうの……?
ここは、ウソでもいいから、「ウン、死ぬまでずっと」などとお答えすべきなのか?
今回は、この問題を考えてみたいと思います。
まずは、3通りの会話例から――。
さて、この3人の男性の答え方、女性のみなさんは、どれがいちばんうれしいですか?
そりゃ、最初のやつに決まってるじゃない――と、たいていの女性は思うでしょうね。安っぽい恋愛小説だと、ヒーローはだいたい、《会話例1》の勇雄のような答え方をすることになってます。←そうでないと売れないんです、小説が。

というのがあります。
男性にとって、これほど返答に窮する質問はありません。
根が正直な筆者などは、これを訊かれたとたん、「ウーン……」と考え込んでしまいます。
「ずっと」って、どれくらい「ずっと」だろう?
「ずっと」なんて言っておいて、途中で「ずっと」でなくなっちゃあ、
「ずっと」を偽装したことになるよなぁ……。
「偽装」はまずいよなぁ。
などと考えて、即答できなくなってしまうんですね。
ところが、そうやって考え込んでしまうと、彼女の顔は、みるみる不安に曇っていきます。そして、こんな言葉をお発しになるんですね。

ここは、ウソでもいいから、「ウン、死ぬまでずっと」などとお答えすべきなのか?
今回は、この問題を考えてみたいと思います。
まずは、3通りの会話例から――。
会話例1
律子 ねェ、私のことをずーっと愛してくれる?
勇雄 愛してるよ、死ぬまでずーっと。いや、死んで生まれ変わっても、またキミと出会って、愛し続けると思う。
律子 ウ・レ・シ・イ……。
会話例2
克子 ねェ、私のことをずっと愛してくれる?
正男 ウ、ウン……。
克子 私がシワシワのおばあちゃんになっても?
正男 ウン……たぶん。
克子 エーッ、たぶんなのォ?
正男 ずっと愛していられるように努力する。それしか、言えないよ。
会話例3
依子 ねェ、ねェ、私のことをずーっと愛してくれる?
真男 ずーっと? そんな先のことはわからないよ。
依子 エーッ、わからないの?
真男 わかるのは、いま、とても愛してるってことだけ。
依子 じゃ、明日は?
真男 明日になったら、また訊いて。あさってになったら、また……。そうして、毎日、毎日、訊いてくれたら、オレも毎日、毎日、「愛してるよ」と答えるから。そういう日がずっと続くことを願ってる、心の底から。
律子 ねェ、私のことをずーっと愛してくれる?
勇雄 愛してるよ、死ぬまでずーっと。いや、死んで生まれ変わっても、またキミと出会って、愛し続けると思う。
律子 ウ・レ・シ・イ……。
会話例2
克子 ねェ、私のことをずっと愛してくれる?
正男 ウ、ウン……。
克子 私がシワシワのおばあちゃんになっても?
正男 ウン……たぶん。
克子 エーッ、たぶんなのォ?
正男 ずっと愛していられるように努力する。それしか、言えないよ。
会話例3
依子 ねェ、ねェ、私のことをずーっと愛してくれる?
真男 ずーっと? そんな先のことはわからないよ。
依子 エーッ、わからないの?
真男 わかるのは、いま、とても愛してるってことだけ。
依子 じゃ、明日は?
真男 明日になったら、また訊いて。あさってになったら、また……。そうして、毎日、毎日、訊いてくれたら、オレも毎日、毎日、「愛してるよ」と答えるから。そういう日がずっと続くことを願ってる、心の底から。
さて、この3人の男性の答え方、女性のみなさんは、どれがいちばんうれしいですか?
そりゃ、最初のやつに決まってるじゃない――と、たいていの女性は思うでしょうね。安っぽい恋愛小説だと、ヒーローはだいたい、《会話例1》の勇雄のような答え方をすることになってます。←そうでないと売れないんです、小説が。

ずーっと愛してくれる?
よくも、そんなバカな質問ができるもんだ、と思うからです。
人間がどういう存在であるかがわかっていたら、まず、こんな訊き方はできないはずだと、筆者は思っています。
人というのは、有限な存在です。
明日、自分がどうなっているかさえ、自分では決められない存在です。
世界の賢人たちは、そういう人間の危うさを知っているからこそ、こういう問題については、「然り、然り」「否、否」であるべきだと教えています。
有名なのは、聖書に出てくる、イエスとペテロのやり取りです。
ペテロというのは、イエスの一番弟子と言われていた人物です。ほどなく、ユダヤの官憲に捕えられるかもしれないというので、イエスが弟子たちを集めて最後の晩餐を催した後のことです。
「死んでもあなたについていきます」と言うペテロに、イエスはこう言い放つのです。

実際、ペテロは、イエスが捕まった後、群集から「おまえもイエスの仲間だろう」と指摘されて、三度、「あんな人は知らない」と言ってしまうことになります。
この話は、私たちに「人間よ、自分の弱さ、罪深さを知れ」と教えています。
明日のことさえどうなるかわからない人間が、「一生」などという誓いを軽々しく口にするでない――と教えているわけで、これは、キリスト教であろうと、仏教であろうと同じです。
というわけで、筆者は、この「ずーっと私を……」という質問が好きではありません。少なくとも、自分が心を許した女性には、口にしてほしくないと思っています。「バカか、おまえ」と思いたくないからです。

とはいうものの、訊きたくなる気持ちも、わからないではありません。
でも、不思議ですね。
この種の質問をするのは、たいてい女性です。男が「ずーっとボクのことを……」なんて訊いている姿は、想像しただけでも気持ちわるくなってしまいます。
もし、男が同種の質問をするとしたら、「ずーっとかどうか」ではなく、「オレだけかどうか」を問うような気がします。
女は「継続性」を問題にし、
男は「占有率(瞬間視聴率)」を問題にする生きものだ
――と、筆者は思っているのですが、その理由は、女性が「コミュニティの維持」を本来の使命とする生きものだからに違いない、と思うのです。
女性は、家というコミュニティを守り、子孫を育てる――という生物的使命を背負っています(いまは、だいぶ違うような気がしますが)。そのためには、伴侶の愛が不変でないと困る。きょうは愛してるけど、10年後は知らないよ……じゃ、困るわけです。
そこで、「ずーっと?」と訊くことになる。これが真相だろうと思います。
その問いに対する回答が、「わからないよ」じゃ、やっぱり女は不安になる。その気持ちもわかるので、男もなんとか、彼女が不安を感じずにすむ答えを返そうとするわけですね。
《会話例1》の勇雄の返事は、その代表例というわけですが、しかし、どう考えてもこれは、過剰サービスです。

筆者もかつて、同じような質問を受けて、《会話例1》のような答えを返したことがあります。
しかし、当時19歳だった筆者の彼女は、そんな男の欺瞞性をスルドい質問で突いてきました。



彼女が言いたかったことは、こうなんじゃないかと、私は推測しています。
あなたが好きになったのは、この顔の私でしょ。
その顔がだれの顔だかわからなくなっても好きでい続けるなんて、
どうして言える?
私は、そんな安易な言葉を聞きたかったわけじゃないの。
恐るべし、19歳。
それが、彼女に心を奪われた理由のひとつでもあったわけですが、ただし、彼女のこの質問は、ルール違反です。
仮定の状況を設定して相手の愛を問う――というのは、やってはいけないこととされています。愛は、試してはいけないのです。

本題に戻りましょう。
「ずーっと愛してくれる?」という彼女の質問に、それでは、どう答えればよかったのか?
彼女を喜ばすだけであれば、《会話例1》の答え方が模範的となるのでしょうが、こんな言葉が間髪を入れずに出てくるようでは、その男性は、「ウソつき」「偽善者」のレッテルを貼られても仕方がないと思います。
結婚詐欺師が乱発するのも、この手の言葉です。
《会話例2》の答え方は、正直なのですが、ちょっと相手に不安を感じさせてしまう答え方かもしれません。
同じ「先のことはわからない」というニュアンスなら、《会話例3》のような答え方のほうが、迫力があり、説得力もあります。何より、実存的です。
個人的には、《会話例3》の答え方が好きだし、おすすめしたいのですが、さて、みなさんのお好みは?
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中学校の養護教諭と「ボク」の、淡い恋の物語です。

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