かわいすぎる友だち〈5〉許されざる関係

第2話 かわいすぎる友だち 5
R18
このシリーズは、性的表現を含む官能読み物です。
18歳未満の方は、ご退出ください。
満の唇の感触を思い出す度に、
オレは股間に手を伸ばした。
こういう感情を抱くのは「罪」なのか?
その迷いから満に対する態度は、
少しぎこちなくなった。

前回から読みたい方は、⇒こちらからどうぞ。
ここまでのあらすじ 中高一貫の受験校に1クラスだけ設けられた編入クラス。そこで出会った高野満は、姿のいい男の子だった。オレの部屋を訪ねてくるようになった満に、オレはいつしか惹かれていく。そんなある日、ふたりは汗を流すために道後温泉の外湯に入った。おたがいの体を較べ合ったふたりは、「おまえ、まだむけてないんか?」「ワシもや」と、イチモツをチラ見した。「むいとかんと、ガンになるそうや」。どこかのオヤジから聞いた言葉を伝えながら、「そこは、こうして洗うんよ」と教えるために、オレは満の股間に手を伸ばした。そんなことがあって、オレは農家の納屋を改造して作られた満の部屋を訪問するようになった。満の部屋には魅力的なものがあった。そのひとつが倍率30倍の望遠鏡。それで見ると、アンドロメダ星雲の渦の形まで見えるという。オレと満は田んぼに出かけて夜空を観測した。体を寄せ合って代わる代わる望遠鏡をのぞくオレと満。オレは満の体の熱を感じて、その体を抱き締めた――
目を閉じると、満の唇の感触が、頭の奥によみがえった。
サラッとして、繊細に織り上げられた絹のようにきめの細やかな感触。
それを思い出すと、オレの体は熱くなり、つい、股間に手が伸びる。
こういう感情を持つことは、許されないことなのか?
それとも恥ずべきことなのか?
頭の中に生じたそんな迷いのせいか、満に対するふるまいが、少し、ぎこちなくなった。

教室からは、自転車置き場で自転車を引き出す満の姿が見えていた。
いつもなら、満は、そこで少し時間をつぶすフリをして、オレが教室から下りて来るのを待つ。オレはあわてて荷物をまとめて階段を駆け下りる。
満と親しくなって1カ月とちょっと。それが、オレたちのルーティンになっていた。しかし、そのルーティンにちょっとだけ狂いが生じた。
オレたちは、このまま、いつものようにふるまっていていいのか?
そのちょっとした迷いが、オレの下校支度を遅らせた。
別にそう約束しているわけではないが、オレが現れるのを待ってくれているであろう満は、「あいつ、まだか」という顔で、駐輪場から引き出した自転車のハンドルに手を置いている。
その満のもとに、「よっ」と手を振って近づいていくヤツがいた。
同じ編入クラスの西田という男だ。
満とは同じ中学校の出身で、「満とは長いつきあいだから気が合う」と、勝手に思い込んでいるようなやつだった。
何かと言うと、「ミッちゃん、ミッちゃん」とベタベタしてくる西田を、満は、どこか避けているようにも見えた。
「あいつ、すぐ、人のタマを握ってきたりするんよ。そういうの、好きじゃないんじゃ」
そんなことを言いながら、顔をしかめて見せた満だったが、その満が何やら西田と話し込んでいる。
西田が何かを誘っているようにも見えた。満は顔の前で手を振って、それを拒んでいるようにも見えた。
しかし、最後には、肩に手を回して、「行こう、行こう」というふうに促す西田に、満は自転車のハンドルを押した。
あいつら、どこへ行く気だ?
少し、不安になった。
サラッとして、繊細に織り上げられた絹のようにきめの細やかな感触。
それを思い出すと、オレの体は熱くなり、つい、股間に手が伸びる。
こういう感情を持つことは、許されないことなのか?
それとも恥ずべきことなのか?
頭の中に生じたそんな迷いのせいか、満に対するふるまいが、少し、ぎこちなくなった。

教室からは、自転車置き場で自転車を引き出す満の姿が見えていた。
いつもなら、満は、そこで少し時間をつぶすフリをして、オレが教室から下りて来るのを待つ。オレはあわてて荷物をまとめて階段を駆け下りる。
満と親しくなって1カ月とちょっと。それが、オレたちのルーティンになっていた。しかし、そのルーティンにちょっとだけ狂いが生じた。
オレたちは、このまま、いつものようにふるまっていていいのか?
そのちょっとした迷いが、オレの下校支度を遅らせた。
別にそう約束しているわけではないが、オレが現れるのを待ってくれているであろう満は、「あいつ、まだか」という顔で、駐輪場から引き出した自転車のハンドルに手を置いている。
その満のもとに、「よっ」と手を振って近づいていくヤツがいた。
同じ編入クラスの西田という男だ。
満とは同じ中学校の出身で、「満とは長いつきあいだから気が合う」と、勝手に思い込んでいるようなやつだった。
何かと言うと、「ミッちゃん、ミッちゃん」とベタベタしてくる西田を、満は、どこか避けているようにも見えた。
「あいつ、すぐ、人のタマを握ってきたりするんよ。そういうの、好きじゃないんじゃ」
そんなことを言いながら、顔をしかめて見せた満だったが、その満が何やら西田と話し込んでいる。
西田が何かを誘っているようにも見えた。満は顔の前で手を振って、それを拒んでいるようにも見えた。
しかし、最後には、肩に手を回して、「行こう、行こう」というふうに促す西田に、満は自転車のハンドルを押した。
あいつら、どこへ行く気だ?
少し、不安になった。

満と一緒に自転車を走らせて帰る喜びを、西田に奪われたような気がして、夏休み前の数週間を、オレは少し憂鬱な気分で過ごした。
やがて、期末テストが始まった。
中間テストで成績を落としていたオレは、テストの準備に傾注しなければならず、満を誘ってどこかへ出かける時間も持てなくなった。
満も試験勉強をしなくちゃならないはずだったが、西田は、その間も満を何かと誘い続けるので、満はちょっとメイワクそうではあった。
西田のやつ……。
歯をギリギリとさせたが、それを口にすると、まるでヤキモチを焼いているようにしか見えないだろうから、オレは何も言わないでおいた。
3日間の期末テストが終わると、オレは自転車を引っ張り出して、一目散に下宿を目指した。
眠くて仕方がなかった。
昨夜は一睡もしてないし、その前日も、ろくろく眠ってない。早く帰って、夕飯の前までひと眠りしよう――と、自転車を飛ばした。学校から駅前へ出て、そこから城山を目指して走る約30分の行程だ。
その駅前を左折しようとしたとき、突然、「オイ!」と声をかけられた。
あわてて「キーッ」とブレーキをかけた。
振り向くと、満だった。サドルにまたがったまま両腕をハンドルに乗せ、体を預けるようにして、氷屋ののぼりの陰に停車していた。
「何しよんぞ、こんなとこで?」
「何って、待っとったんやないか、おまえを」
そう言ってオレを見る満の目が、少し、潤んでいるように見えた。

「待つんやったら、自転車置き場におればよかったやん」
オレが言うと、満は、ちょっと困った……というふうに眉を寄せた。
「あそこで待っとると、あいつが来よるし……」
「あいつ?」
「西田よ」
「なんや、おまえら、気が合うてんのか、思うとったで」
「よもだ、言うなや。あんなんと気が合うわけないやん。一緒に試験勉強しょうか言いもて、家に押しかけて来たりするけん、気が散る――ゆうて、追い返したんよ。それよか、おまえ……」
と、満はオレの顔をのぞき込んだ。
「ここんとこ、ひとりで勝手に帰りよったやないか」
「そやな……」
「もう、飽きたんか?」
「いや……」と、オレは首を振った。
「その逆や」
「逆……? 何や、それ?」
「そんなこと言わすな」
オレがペダルを踏みこむと、「オイ、待てや」と満が後を追ってきた。
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教師のビンタが支配する教室から、突如、姿を消した美少女。40年後、真実を知ったボクは…。
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美しい養護教諭と「ボク」の、淡い恋の物語です。

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