かわいすぎる友だち〈2〉「 本較べ」と「裸較べ」

第2話 かわいすぎる友だち 2
R18
このシリーズは、性的表現を含む官能読み物です。
18歳未満の方は、ご退出ください。
高野満は、姿のいい男の子だった。
オレは満と親しくなっていくことに、
密かな喜びを感じていた。
オレの部屋を訪ねてくるようになった
満とオレは——。

ここまでのあらすじ 中高一貫の受験校に1クラスだけ設けられた編入クラスで、オレはあいつと出会った。高野満は、姿のいい男の子だった。その満とオレは、たがいの部屋を訪ね合う親しい関係になった――
男だけの世界の中では、同性を性の対象と見る心理が生まれる。
姿のいい満は、周りにそういう倒錯を起こさせてしまうタイプだった。
その衝動を、直接、行動として表してくるやつもいた。
下校しようとする満の肩を、「満、一緒に帰ろう」といきなり抱き寄せてくる男。放課後、ラグビーに誘っては、満にタックルをかけ、その体をグラウンドに組み伏せて腰を振るマネをする男。
満は、そういう野卑な友情の示し方を好んではいなかった。相手によっては、避けているようにも見えた。
しかし、相手によっては、それを受け入れてしまうだろう――と思わせるところもあった。
高野満には、そういう危うさがあった。
オレは、その危うさに惹かれていった。
「おまえの下宿、どこや? 遊びに行ってもええか?」
満がそう声をかけてきたときには、オレは、少しうれしくなって、「おう、来いや」と声をはずませていた。
姿のいい満は、周りにそういう倒錯を起こさせてしまうタイプだった。
その衝動を、直接、行動として表してくるやつもいた。
下校しようとする満の肩を、「満、一緒に帰ろう」といきなり抱き寄せてくる男。放課後、ラグビーに誘っては、満にタックルをかけ、その体をグラウンドに組み伏せて腰を振るマネをする男。
満は、そういう野卑な友情の示し方を好んではいなかった。相手によっては、避けているようにも見えた。
しかし、相手によっては、それを受け入れてしまうだろう――と思わせるところもあった。
高野満には、そういう危うさがあった。
オレは、その危うさに惹かれていった。
「おまえの下宿、どこや? 遊びに行ってもええか?」
満がそう声をかけてきたときには、オレは、少しうれしくなって、「おう、来いや」と声をはずませていた。

満は、部屋に来ると、「見てもいいか」とオレの本棚を見て、「おっ、これ、読んだ」「これはまだだなぁ」などと、無邪気な好奇心を発揮した。
その好奇心は、オレのアルバムにも向けられた。「ヘェ」だの「フーン」だのと言いながらページをめくっては、「好きな子、おったん?」などといたずらっぽい目を向けてくる。
「中学校時代は、あんまり、女の子と話したりせんかったからなぁ」
オレが答えると、満は「ワシもや」と目をほころばせた。
「好きになった子もおらんかったん?」
「おらんかった」
「よかった」
「何がよかったんぞ?」
「おまえが変な女の子につかまらんで……」
そう言って、満の肩をポンと叩いた。
満は、ニコッと笑ってオレの顔を見つめ返した。

満とオレは、よく一緒に下校するようになった。
オレたちは駐輪場から自転車を引っ張り出すと、「きょうは石手寺に行ってみよう」「港に船見に行こう」「重信川を遡ってみよう」などと、市内をあちこち走り回った。
5月に入ると、午後の太陽が照り付けて、上半身にびっしょりと汗をかく。「風呂に入ろうか」と言い出したのは、満のほうだった。
オレの下宿から5分ほど歩いたところに、「新湯」という道後温泉の外湯があった。
30円払うと、道後温泉の湯に浸かれる銭湯だ。
3時になると湯が開く。
その日は学校が早く終わったので、オレたちは、石鹸とタオルを持って、オープン間もない道後湯に飛び込んだ。
浴室には、まだ、2、3人しか客がいない。
浴槽に浸かる前に、オレたちは洗い場に並んで座って体を洗った。
おたがいの素裸を見るのは、それが初めてだった。
「おまえ、何かやってたんか?」
満は、横目でチラとオレの上半身を見ながら言う。
「スポーツか? 別になんもやっとらんよ」
「そやけど、ええ筋肉しとるやん。胸の筋肉もガッチリしとるし、腕から肩にも、ええ筋肉ついとるし……」
言いながら、満は、オレの上腕をつかんで、それをギュッと握った。
満の目にオレの筋肉が魅力的に映ったとしたら、それは、中3の夏から続けている腕立て伏せのせいだろう。
人に負けない強靭な肉体を身に着けたいという欲望は、少年期から青年期への一時期、どんな男にも、多かれ少なかれ存在する。たぶん、高野満にも、それはあるのだろう。「ええ筋肉しとるなぁ」と、オレの上半身を見つめる満の目には、羨望に似た眼差しが含まれているようにも見えた。
そういう眼差しを向けられることが、少し誇らしくもあった。
しかし、オレには、満のどこにもムダのない、シュッとした体がまぶしくもあった。
ほとんど客のいない昼下がりの浴場で、オレたちの自尊心は、そうやって相手の体を自分の体と比べ、それを評価し合った。
自尊心の関心は、相手の体を上から下へ……とたどっていく。
そこには、最終的に男としての自尊心を決定するパーツがぶら下がっている。
オレは、体を洗いながら、チラ……と、視線を満の下半身へと滑らせた。
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教師のビンタが支配する教室から、突如、姿を消した美少女。40年後、真実を知ったボクは…。
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