かわいすぎる友だち〈1〉 青いレモンの汗

第2話 かわいすぎる友だち 1
R18
このシリーズは、性的表現を含む官能読み物です。
18歳未満の方は、ご退出ください。
高野満は、姿のいい男の子だった。
中高一貫の受験校に1クラスだけ
設けられた高校からの編入クラス。
そのクラスで出会ったオレと満は、
たがいに惹かれ合う関係になった——。
いまでも、あいつが椅子に座っている姿が、目に浮かぶ。
農家の母屋の外れにあった納屋を改造して作られた、10畳ほどの勉強部屋兼寝室。
あいつは、その北向きの窓際に机を置いて、勉強したり、本を読んだりしていた。
下宿の晩飯を食い終えると、オレはよく、自転車にまたがって土手っぷちまで飛ばし、川を渡った。
橋を渡った川の向こうには、田園地帯が広がっている。田んぼの中をまっすぐ伸びる県道を10分ほど走って、農道を右へ折れ、しばらく走ると、田んぼの中にポツンと明かりのともった小屋が見えてくる。
「あいつ、いるな」
そう思うと、ペダルを漕ぐ足に力が加わった。
農道から農家の敷地に入ると、オレはまず、先客の自転車が停まってないことを確かめた。
だれも来てないとわかると、トントンと小屋の戸を叩く。
中から、「ハイ」と声がする。
「ワシじゃ」と言うと、静かに椅子を引く音が聞こえ、それから、そっと戸が開けられる。
「勉強、してたんか?」
「まぁ……ちょっと……」
「もしかして、じゃまやったか?」
「いや」と首を振って、あいつはオレを部屋に迎え入れた。
「こっちからこんなんとこに行こうか、思うてたんよ」
「何か話したいことでもあったんか?」
「いや、なんもないよ。ちょっと話がしたいなぁ……思うただけや」
「そうか」と言って、オレは、あいつの肩に手を置いた。
あいつの肩は、少し、汗をかいていた。
その首筋から、甘酸っぱい汗の匂いが立ち上る。その甘酸っぱい匂いが、オレは嫌いじゃなかった。
農家の母屋の外れにあった納屋を改造して作られた、10畳ほどの勉強部屋兼寝室。
あいつは、その北向きの窓際に机を置いて、勉強したり、本を読んだりしていた。
下宿の晩飯を食い終えると、オレはよく、自転車にまたがって土手っぷちまで飛ばし、川を渡った。
橋を渡った川の向こうには、田園地帯が広がっている。田んぼの中をまっすぐ伸びる県道を10分ほど走って、農道を右へ折れ、しばらく走ると、田んぼの中にポツンと明かりのともった小屋が見えてくる。
「あいつ、いるな」
そう思うと、ペダルを漕ぐ足に力が加わった。
農道から農家の敷地に入ると、オレはまず、先客の自転車が停まってないことを確かめた。
だれも来てないとわかると、トントンと小屋の戸を叩く。
中から、「ハイ」と声がする。
「ワシじゃ」と言うと、静かに椅子を引く音が聞こえ、それから、そっと戸が開けられる。
「勉強、してたんか?」
「まぁ……ちょっと……」
「もしかして、じゃまやったか?」
「いや」と首を振って、あいつはオレを部屋に迎え入れた。
「こっちからこんなんとこに行こうか、思うてたんよ」
「何か話したいことでもあったんか?」
「いや、なんもないよ。ちょっと話がしたいなぁ……思うただけや」
「そうか」と言って、オレは、あいつの肩に手を置いた。
あいつの肩は、少し、汗をかいていた。
その首筋から、甘酸っぱい汗の匂いが立ち上る。その甘酸っぱい匂いが、オレは嫌いじゃなかった。

「ちょっと、汗くさいなぁ、おまえ」
オレが言うと、あいつは「エッ、ほんと?」と、首をひねって、自分の腕の付け根の匂いを嗅ごうとする。
そういうしぐさが、たまらなくかわいい。
「ウン。おまえの汗の匂い、青いレモンみたいや」
青いレモンがどういう匂いがするのかは知らなかったが、そう言いながらオレは、あいつの首筋に鼻をつけて匂いを嗅いだ。
うっすらと光る汗が、鼻先に触れる。
オレは、その味を確かめたくなった。
舌先をとがらせて、首筋に浮かんだ汗をチロッとなめると、かすかに塩の味がする。
「くすぐったいがや……」
あいつは、首をすくめて、上体を捩らせる。
その反応は、まるで、子ネコのようだ。
もっとその反応が見たい。
オレは、首筋に這わせた舌をあいつのあごに這わせ、それから、耳たぶへと這わせて、塩分をなめた。
なめながら、オレは、肩に置いた手であいつの上体を抱きしめた。
もだえるあいつの体は、オレの腕の中で、子ネコのように崩れていった。

「オレ、高野満っていうんや。おまえ、下宿しとん?」
最初に声をかけてきたのは、あいつのほうだった。
高校生としての生活がスタートしたばかりの4月半ばぐらいのことだ。
中高一貫教育の私立の受験高。オレたちは、試験を受けて、その高校に編入してきた編入組だった。
県内外のいろんな中学校から受験してバラバラに集まってきた48人のクラスメート。
オレたちの4月は、その48人の中から気の合う友だちを見つけ、学園生活の形を作り出す貴重な1カ月間になる。
そんな中で、自分から声をかけてきた高野満のアプローチは、オレには、ちょっぴりうれしかった。
満は、姿のいい男の子だった。
校則で頭は丸刈りと決められていたが、満は、その髪を校則で許されるギリギリまで、長めに刈っていた。
額の下には、大きく輝くクリッとした目。少し長めのまつ毛が、その目に小動物のような魅力を付与していた。
「おまえの顔、バンビみたいやな」
そう言って近づいてくるクラスメートの中には、満を女の子のように扱おうとするやつもいる。
高野満は、そういう対象になる男の子だった。
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