「カレのお母さん」をめぐるバトルを防ぐために
男と女の間で何かとぶつかる会話。
そのひとつに「カレのお母さん」をめぐる会話があります。と言っても、カレのお母さんが「好き」とか「嫌い」といった話ではありません。
ぶつかり合うのは、「私のやり方」と「カレのお母さんのやり方」です。
まずは、よくある会話例を2つほど、挙げてみましょう。
ある、ある……というパターンの会話ですよね。
嫁・姑バトルは、この種のちょっとした行き違いから始まったりしますから、初期に修正しておかないと、後々、大変な問題にも発展しかねません。
さて、この2つの会話例で問題になっているのは何でしょう?
一見、問題は、《彼女のやり方》と《カレのお母さんのやり方》のズレ――というふうに見えるのですが、問題の本質は、そこにはありません。
対決しているのは、《嫁(彼女)vs姑(カレのお母さん)》ではなく、《彼女vs母をリスペクトするカレ》なのです。ここを見誤ると、この種のスレ違いは、永久に解決することができません。
そのひとつに「カレのお母さん」をめぐる会話があります。と言っても、カレのお母さんが「好き」とか「嫌い」といった話ではありません。
ぶつかり合うのは、「私のやり方」と「カレのお母さんのやり方」です。
まずは、よくある会話例を2つほど、挙げてみましょう。
会話例1 ある日のダイニング。冷蔵庫の中を整理していた妻が夫に――
妻 ねェ、こないだ、お義母さんが持ってきてくれたニンニクのしょうゆ漬けなんだけどさぁ、これ、捨てちゃっていいかなぁ。
夫 捨てる……って、おまえ、それ、うまいんだゾ。うちじゃ、万能調味料だって言って、オフクロは、炒め物にも煮物にも使ってたんだ。おまえもやってみろよ。
妻 いやだよ。私、ニンニクのニオイって、好きじゃないもん。もぉ、こんなに持ってきちゃって、冷蔵庫のジャマになるだけだし……。
夫 ジャマ……って、おまえ……。
妻 ねェ、こないだ、お義母さんが持ってきてくれたニンニクのしょうゆ漬けなんだけどさぁ、これ、捨てちゃっていいかなぁ。
夫 捨てる……って、おまえ、それ、うまいんだゾ。うちじゃ、万能調味料だって言って、オフクロは、炒め物にも煮物にも使ってたんだ。おまえもやってみろよ。
妻 いやだよ。私、ニンニクのニオイって、好きじゃないもん。もぉ、こんなに持ってきちゃって、冷蔵庫のジャマになるだけだし……。
夫 ジャマ……って、おまえ……。
会話例2 ファミレスで注文した目玉焼きの食べ方をめぐって――
E美 (ウエートレスに)すみません。マヨネーズ、もらっていいですか?
T男 エッ、おまえ、目玉焼きにマヨネーズかけるの?
E美 そうだよ。これが、けっこう、うまいんだから……。
T男 ゲッ! 信じらんね。オフクロは、目玉焼きにはゼッタイ、しょうゆだって言ってたゾ。
E美 古いのよ、あんたのお母さん。そういう頭の固い人は、私、ちょっと苦手。
T男 おまえなぁ……(ムスッ)。
E美 (ウエートレスに)すみません。マヨネーズ、もらっていいですか?
T男 エッ、おまえ、目玉焼きにマヨネーズかけるの?
E美 そうだよ。これが、けっこう、うまいんだから……。
T男 ゲッ! 信じらんね。オフクロは、目玉焼きにはゼッタイ、しょうゆだって言ってたゾ。
E美 古いのよ、あんたのお母さん。そういう頭の固い人は、私、ちょっと苦手。
T男 おまえなぁ……(ムスッ)。
ある、ある……というパターンの会話ですよね。
嫁・姑バトルは、この種のちょっとした行き違いから始まったりしますから、初期に修正しておかないと、後々、大変な問題にも発展しかねません。
さて、この2つの会話例で問題になっているのは何でしょう?
一見、問題は、《彼女のやり方》と《カレのお母さんのやり方》のズレ――というふうに見えるのですが、問題の本質は、そこにはありません。
対決しているのは、《嫁(彼女)vs姑(カレのお母さん)》ではなく、《彼女vs母をリスペクトするカレ》なのです。ここを見誤ると、この種のスレ違いは、永久に解決することができません。

男性と話をするときに、ともすると忘れがちなこと、つい見落としてしまうことが、ひとつあります。それが、この「どんな男でも、自分の母親はリスペクトしている」ということです。
中には、「オレはオフクロなんて嫌いだ」と言う男性も、いるかもしれません。しかし、口では「嫌い」と言っても、「血の中を流れるリスペクト」は、簡単に消せるものではないと思っていてください。
「うちのオフクロってバカでさぁ」なんて言うカレに、
「ホント、バカよねェ」などと合わせては、
絶対にいけないのです。
「リスペクト」は、通常、「尊敬」と訳されますが、頭がいいから尊敬するとか、働き者だから尊敬するという「尊敬」ではありません。たとえ頭はわるかろうが、性格がわるかろうが、その存在はきわめて重い、無視できない――という「尊敬」です。むしろ、「尊重」と言ったほうがいいかもしれません。
その男性が、どんなに母親のことをあしざまに言おうが、その心に占める割合はきわめて大きい。そのことを忘れて、「ホント、バカよねェ」なんて調子を合わせてしまうと、相手は、「おまえにそれを言う資格はないだろう」「人の親をバカとはなんだ」となるわけです。

さて、もう一度、冒頭の会話例に戻りましょう。
【会話例1】では、お母さんが渡してくれた「ニンニクのしょうゆ漬け」をめぐって、【会話例2】では、「目玉焼きに何をかけるか」をめぐって、彼女のやり方とカレがお母さんから教わったやり方が、衝突し合っています。
私は、こういう衝突やスレ違いは、あってもいいのだと思います。
問題は、その言い方です。
【会話例1】の妻が口にした「冷蔵庫のジャマになるだけ」、【会話例2】の彼女が口にした「古いのよ、あんたのお母さん」――どちらも、母親をリスペクトしているカレの心情を、グサリと突き刺すような言い方です。
母親のやり方を批判しているように見えて、実は、男性の心の中にある「母へのリスペクト」を粉砕してしまう言い方になっているわけですね。
ここで教訓をひとつ――。
「リスペクト」は、リスペクトすべし。
このことを頭に入れて話したら、先の会話例はどうなるか?
改善例を挙げておきましょう。
会話例3 【会話例1】の改善例
妻 ねェ、こないだ、お義母さんが持ってきてくれたニンニクのしょうゆ漬けなんだけどさぁ、どう使ったらいいかわからなくて、困っちゃってるのよねェ。ショージキ言うと、ニンニクって、私、ちょっと苦手だし……。
夫 うちじゃ、万能調味料だって言って、炒め物にも煮物にも使ってたけどなぁ。
妻 そぉ。じゃ、今度、お義母さんに訊いてみようかなぁ、「これ、どう使ったらいいんですか」って。量もちょっとふたりには多すぎるから、「もう少し少なくてもいいんですけど」って、お願いしちゃっていい?
夫 おお。じゃ、それ、オレから言っといてやるよ。
妻 ねェ、こないだ、お義母さんが持ってきてくれたニンニクのしょうゆ漬けなんだけどさぁ、どう使ったらいいかわからなくて、困っちゃってるのよねェ。ショージキ言うと、ニンニクって、私、ちょっと苦手だし……。
夫 うちじゃ、万能調味料だって言って、炒め物にも煮物にも使ってたけどなぁ。
妻 そぉ。じゃ、今度、お義母さんに訊いてみようかなぁ、「これ、どう使ったらいいんですか」って。量もちょっとふたりには多すぎるから、「もう少し少なくてもいいんですけど」って、お願いしちゃっていい?
夫 おお。じゃ、それ、オレから言っといてやるよ。
会話例4 【会話例2】の改善例
E美 (ウエートレスに)すみません。マヨネーズ、もらっていいですか?
T男 エッ、おまえ、目玉焼きにマヨネーズかけるの?
E美 そうだよ。これが、けっこう、うまいんだから……。
T男 ほんとかよ! うちは、全員、目玉焼きにはしょうゆ、だったゾ。
E美 今度、お母さんにも試してもらったら? 案外、イケるって思ってくれるかもよ。
T男 きっと、目まんまるにして驚くと思うけどな……。
E美 (ウエートレスに)すみません。マヨネーズ、もらっていいですか?
T男 エッ、おまえ、目玉焼きにマヨネーズかけるの?
E美 そうだよ。これが、けっこう、うまいんだから……。
T男 ほんとかよ! うちは、全員、目玉焼きにはしょうゆ、だったゾ。
E美 今度、お母さんにも試してもらったら? 案外、イケるって思ってくれるかもよ。
T男 きっと、目まんまるにして驚くと思うけどな……。
この改善例では、男性側の言い方にも改良を加えてあります。
「オフクロは……と言ってたゾ」という言い方を引っ込めて、単に「うちでは」に改めてあります。
この種の会話では、何かにつけて「オフクロは……」と持ち出す男性側の言い方にも、問題あり――ということが少なくありません。
男の母親は、彼女にとっては、ライバルである
このことが認識できていれば、彼女の前で「オフクロは」を出すことにも、もう少しブレーキがかかるかもしれません。
今回は、男性の母親vs彼女(妻)という例で解説しましたが、これは、他の親族でも同じこと。また、立場を替えて、男性vs彼女の親族という関係でも、おなじことが言えると考えてください。
大事なことはただひとつ。
愛する人がリスペクトしている関係は、あなたもリスペクトしてあげましょう。
これが、本日の結論です。
筆者の最新小説、キンドル(アマゾン)からリリースしました!

一生に一度も結婚できない「生涯未婚」の率が、男性で30%に達するであろう――と予測されている「格差社会」。その片隅で「貧困」と闘う2人の男と1人の女が出会い、シェアハウスでの共同生活を始めます。新しい仲間も加わって、築き上げていく、新しい家族の形。ハートウォーミングな愛の物語です。「Kindle」は、「Amazon.com」が世界中で展開している電子本の出版・販売システム。「Kindle専用端末」があればベストですが、なくても、専用のビューアーをダウンロード(無料)すれば、スマホでも、タブレットでも、PCでも読むことができます。
よろしければ、下記タイトルまたは写真をクリックして、ダウンロードしてください。
2016年3月発売 定価:342円 発行/虹BOOKS
妻は、おふたり様にひとりずつ (小説)
既刊本もどうぞよろしく タイトルまたは写真をクリックしてください。



【左】『聖少女~六年二組の神隠し』
2015年7月発売 定価:122円
教師のビンタが支配する教室から、突如、姿を消した美少女。卒業から40年経って、ボクはその真実を知ります。
【右】『『チャボのラブレター』
2014年10月発売 定価:122円
中学校の養護教諭と「ボク」の、淡い恋の物語です。
よろしければ、下記タイトルまたは写真をクリックして、ダウンロードしてください。
2016年3月発売 定価:342円 発行/虹BOOKS
妻は、おふたり様にひとりずつ (小説)
既刊本もどうぞよろしく タイトルまたは写真をクリックしてください。
2015年7月発売 定価:122円
教師のビンタが支配する教室から、突如、姿を消した美少女。卒業から40年経って、ボクはその真実を知ります。
【右】『『チャボのラブレター』
2014年10月発売 定価:122円
中学校の養護教諭と「ボク」の、淡い恋の物語です。

管理人は常に、下記3つの要素を満たそうと、知恵を絞って記事を書いています。
みなさんが投票してくださるポイントは、日々の反省の材料でもあり、執筆意欲のエネルギー源でもあります。
どうぞ、正直な、しかし、ちょっぴり温かめの感想ポチをお願いいたします。
→この記事は役に立った(FC2 恋愛/モテ)
→この記事に共感した(にほんぶろぐ村 恋愛/恋愛観)
→この記事は面白かった(人気ブログランキング 恋愛・結婚)
→このテーマの記事一覧に戻る →トップメニューに戻る
- 関連記事
-
- 夫を、妻を、10キロやせさせる「魔法の言葉」 (2019/09/19)
- 「カレのお母さん」をめぐるバトルを防ぐために (2019/08/30)
- 愛する人の前でホメてはいけない女・男がいる (2019/08/04)