シランケンの不純愛講座

　問題は、オーガズムにいたるまでの麻薬中毒状態とその後の虚脱状態です。
　これがまるで「バカになった」ように見えるところから、「オナニーしすぎるとバカになる」の俗説を生んだものと思われます。
　しかし、考えてみたらこれは、オナニーであろうが、女性を相手としたＳＥＸであろうと同じこと。オナニーでバカになるのなら、妻への義務を忠実に果たす愛妻家も、次々に女性をゲットするプレイボーイも、みんなバカになってしまうはずです。


「やりすぎ」は、何事もよろしくない――のは事実

　では、しすぎるからいけないのか？
　確かに精神疾患を患って病院に収容されている患者の中には、一日中、オナニーにふける者もいるのだそうです。
　そうなると、この快楽と虚脱の状態を一日中、繰り返していることになるわけですが、この場合、問題は、オナニーのしすぎにあるわけではなく、オナニーをし続けてしまう精神症状のほうにあるわけで、これをもってオナニー有害説の根拠とするのは、筋が違う、という気がします。

　もちろん、一日に３度も４度もオナニーするとなると、そのために使う時間も、そのために使うエネルギーも、バカになりません。
　連続して何回も――というのも、少し控えたほうがいいかもしれません。
　男性の中には、せっかく借りてきたＡＶを有効活用（？）しようと、１本で３回抜くだの５回抜くだのに挑戦する方もいらっしゃるようですが、これをやっていると、一時的に精嚢が空になってしまう場合があります。
　別に空になってもいいのですが、ま、負担はかけてるんでしょうね。
　筆者も、まだ十分にそれくらいの元気があった頃、あまりに素晴らしい女優の演技に感動して、「もう一回」「もう一回」とやっていたら、最後に黄緑色の液体が出てきて驚愕したことがありました。

　 あ～あ、とうとう壊れちまったか、こいつ……。

　と、翌日、あわてて泌尿器科へ飛んで行ったのですが、診断は、「使いすぎじゃないの」で終わりでした。
　しばらくお休みした後でいたしてみると、元の色に戻っていたので、やはり、あれはムリをかけすぎたのか――と反省。以後、過度の負荷はかけないようにつとめております。
　ま、何事も、過度は禁物、ということで、これは何もオナニーに限った話ではなかろうと思います。

　ちなみに少年時代の筆者の友人には、きわめて計画的に学習を進める受験勉強の達人がいましたが、彼から聞いた効率的な勉強のコツは、「１科目、勉強を終えたら、オナニーする」でした。
　エッ、それじゃやりすぎだろう……と思ったのですが、残念ながら、ひと晩に何科目勉強するのかは、聞き漏らしてしまいました。
　そして、彼の《１科目１オナニー》という勉強法の結果、その成績がいちじるしく向上したのか、下がってしまったのかについても、残念ながら、確かめることはできませんでした。

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