「一度でいいから」という「お願い」は、恋にも有効?

愛は、ひたすら「お願い」すると、叶えられるのか?
筆者の友人に、「一度でいいから」とお願いしまくる
男がいました。ある種の女には、いや、男にも、
それが効く場合がある、というのです――。
M は「男からのモテ技」、 W は「女からのモテ技」、 N は「男女共通のモテ技」です。

友人に、いきなり、こんなことを言い出す男がいました。
それも、とてもそんなことが言えないような情況で、そんなお願いが通用するとは思えない相手に向かって、「突然ですが」という感じでやるのです。
もちろん、相手は、

と、いきなり口にワサビを放り込まれたような顔をして、その友人をニラみ返します。
それでも、その友人はひるむどころか、さらに食い下がります。

と、手まで合わせて拝むのです。
さて、この手の「お願いします」作戦は、はたして有効なのか?
今回は、その話をしてみたいと思います。

結論から言いましょう。
「有効」です!
ただし、「ある種の女」や「ある種の男」には。
「ある種の」がどういう女か、どういう男かについては、後で触れるとして、とにかく、この「お願いします」作戦は、恋愛に限らず、あらゆる場面で効果的――と、まず覚えておいていただきたいのです。
もし、この手が効かないとなったら、日本の選挙運動は成り立ちません。セールスマンも、新聞勧誘員も、職を失うことになるでしょう。


日本の商談は、多くの場合、こうして成立します。


こうして、政権が交代しちゃったことも、過去にはありました。
恋愛も同じだ――と、わが友人はのたまうのです。
地縁・血縁で成り立つ村落共同体の性質を色濃く残す、アジア的風土の中では、恋愛も、この「ひたすらお願い」作戦を、むげには断れないようにできている、とおっしゃるわけです。
「いいかい、それにさ……」と、友人がニラレバ臭い息を吐き出しながら言った次の言葉には、一面の心理学的真理が含まれている、と筆者は考えます。

なのに、なぜ、世の男や女は、「やらせてください」「抱いてちょうだい」と、ストレートにお願いができないのか?
友人が言うには、それは、「相手にメイワクがかかるから」と配慮したからなんかではなくて、「お願いする自分のプライドが傷つくから」。ただそれだけだ――というのです。
なるほど、当たっているかもしれません。

プライドも何もかなぐり捨てれば、「やらせてください、お願いします」は言える。
「しかし」と、その友人は言うのです。
ただそれだけで、無事、「ご開門」となるかというと、世の中、そうは甘くない。
《求めよ、されば与えられん。
門をたたけ、されば開かれん。 マタイ伝(股出でん)》
というわけにはいきませんぜ、ダンナ――てなところでしょう。
肝心なのは――と、わが友人が挙げたポイントをいくつかまとめてみると、こうです。
「お願い」はしても、「卑屈」にはなるな。
いくら粘り強くお願いしようが、その態度が「卑屈」になってしまっては、相手の心は動かない。「卑屈」と感じさせた時点で、特に女性の心は引いてしまう。「お願いする姿」は「かわいい!」と感じさせるべし、と言うのです。
「同情」よりも「憐憫」を誘え。
「同情」は、相手と同じ立場に立って苦悩や不幸を共有すること。「憐憫」は「かわいそう」と思って「情け」をかけること。「同情」では、相手と自分の立場は対等だが、「憐憫」では、情けをかける相手のほうが立場が上、ということになる。「お願い」するときには、相手をうまく、この「上位」に置いてあげることが重要。
「お願い」は前置きなしに、突然、繰り出せ。
ともすると、人間は、「お願い」する前に、その理由をくどくどと説明しがち。しかし、友人によれば、それではインパクトなし。理由も前置きもなしに、したがって、相手に何の心の準備もないところで、突然、「やらせて」とお願いして、相手の心の動揺を誘う。これが、最大のポイント。
実際、筆者が目撃した友人の「お願い」シーンは、上記のポイントを見事にクリアしておりました。いくつか、スッパ抜いておきましょう。
〈1〉居酒屋での飲み会にて、酔った友人が……
友人 ○ちゃん、一回、やらせてよ。
彼女 何、バカなことを言ってるの。
友人 クソーッ、ぐれてやる(と、グラスの酒を一気飲み)。
(聞くところによると、彼女はその夜、友人を部屋にお泊めしたそうです)
〈2〉友人たち数人で公園から見える夕陽を眺めていたとき
彼女 きれいな夕陽だね。
友人 オレ、夕陽、嫌いだ。
彼女 どうして?
友人 夕陽を見てきれいだ……なんて感じる人間は、幸せなんだよ。
彼女 そうなの?
友人 ああ、幸せになりてェ。
彼女 何言ってるの。十分に幸せでしょうが、○さん。
友人 やらせてよ、○ちゃん。
彼女 な、ナニを突然……。
友人 一回でいいから。そしたら、夕陽をきれいだと感じるから。
(結局、彼女は、友人とふたり、夜の街に消えました)
この「お願い」作戦は、女性が男性に向けて繰り出すこともあります。
実は、私・長住も、女性からその種の「お願い」をされたことがあります。
〈3〉引っ越しの準備で手いっぱいの私に
彼女 私、手伝いに行ってあげるよ。荷造りとか大変でしょ?
私 いや、いいよ。持っていくものの選別とか、自分でやらないとわからなくなるし……。
彼女 片づけながら掃除したりもするでしょ?
私 それはやるけどさぁ……。
彼女 邪魔しないからさ。長住さんにはいろいろ面倒見てもらったから、ちょっとだけでも役に立たせてほしいの。いいでしょ?
(結局、私は彼女の熱意に負けたのでした)
ちなみにこの女性は、私の仕事上のスタッフのひとり。エプロンに掃除道具持参、「おなか空くだろうと思って」と、手作りのおにぎりまで用意しての押しかけヘルプでした。
つい、心が動きそうになった私。うっかり「一緒に暮らそうか」と口にしそうになりました(しませんでしたけどね)。

「小さなお願い」から始めるワル知恵
さて、以上の成功例に出てきた「お願い」に答えてくれる女性たちや男性たちには、筆者の目から見て、共通した特徴がありました。
それは、全員、面倒見のいいタイプであった――ということです。女性なら「よしよし母さん」タイプ、男性なら「太っ腹父さん」タイプ。
「お願い」されてしまうと、私が(オレが)、「何とかしてあげよう」と、庇護本能を発揮してしまうタイプです。
その逆のタイプ、依存性の強い「甘えん坊タイプ」や、自立心が強く、クールな「アダルト・タイプ」には、まったく通用しない……どころか、むしろ引かれてしまう戦法だと覚えておいてください。
ちなみに、「お願い」するほうがとった戦法は、心理学的には「フット・イン・ザ・ドア」と呼ばれるテクニックです。
実はこれ、セールスマンの常套テクニック。相手がドアを開けてくれたら、すかさずそこへ足を差し込む。そうすれば、相手はドアを閉めることができなくなるので、シャットアウトされることなく、話を聞いてもらえるゾ――という理屈です。
これを恋愛にも使ってみてはどうか――と、筆者は思うのです。
「一生、私とつき合って」と言われると、相手は気が重くなって腰が引けてしまいますが、「30分だけ」「一度だけ」と頼まれると、「それくらいなら」と応じてくれる可能性も高まります。
まず、相手が受け入れてくれる程度の「小さなお願い」を受け入れさせ、「一がOKなら二も。二がOKなら三も……」と、「お願い」をエスカレートさせていく。
わが友人の「一度でいいから」お願いが、そういうグランドデザインの元に描かれたものだとしたら、ヤツもなかなかのデキモノです。
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