働く妻に「イヤなら辞めれば」と簡単に言う夫

働く妻は、家に帰って来ても、何かとグチをもらします。
それを聞いた夫は、「イヤなら辞めれば?」とひと言。
よくあるこのスレ違い。解決の方法は——?
愛が生まれる日本語・殺す日本語 レッスン 1-11
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女性は、家の中や、ご近所や、勤め先などで起こったことを、何やかやと報告したがる生きものです。もしかしたら、その大半は、いわゆるグチかもしれません。
もちろん、聞き役は、伴侶である男。
ところが、その聞き方が、女にとってはすこぶる不満。余計にストレスを溜めてしまうということが、珍しくないんですね。
まずは、よくあるこんな会話から――。
おそらく、この種の会話、日本中の共働き家庭で、多かれ少なかれ交わされているのじゃないかと思います。
ただし、これは、妻が働かなくても十分に生計が立てられる家庭での話です。
妻が働かなくては一家が食べていけないという――という家庭では、さすがに夫も、「いやなら辞めれば?」なんてことは、恐ろしくて口にできません。
さて、この会話例に出てくる、夫と妻の胸の内をのぞいてみましょう。
夫のホンネ
まったく、女ってやつは、仕事を何だと思ってるんだ。その程度のことは、仕事してれば毎日のようにあることなんだよ。それを家に持ち帰ってブツブツ言うくらいなら、最初から「仕事する」なんて言うなよ。おまえが働かなくたって、オレが稼いでくる金で十分、やっていけるじゃないか。それでも「働きたい」というから認めてやったのに、「やってられない」とは何だ? その程度のことで「やってられない」なんて、だから、女の仕事は甘ちゃんだって言うんだよ。
妻のホンネ
だいたい、この人って、「女が働く」ということの意味がわかってないんだわ。女は黙って家のことだけやってればいい――って頭なのよね。そんな考え方、半世紀古いのよ。会社だって、いまだにそんな頭の人たちが上にいたりするから、ワーキング・ウーマンが苦労してるってのに、その苦労話を「じゃ、辞めれば」のひと言で片づけてしまうなんて、この人、ほんとに私のことを考えてくれてるのかしら?
管理人・長住、ごく公平な立場から言わせていただくならば、両者の言い分には、それぞれ一理があります。
夫の一理
自ら望んで仕事しているのに、そのグチを家に持ち込むな―→これは○です。
男性だったら、まず、仕事上の問題を家に持ち込んでブツブツ言うなんてことはしません。妻から「会社どうなの?」と尋ねられても、「うん、まぁ」ぐらいでごまかしてしまいます。家庭は、仕事の話を持ち込む場所ではない――と思っているからで、これは、評価してもいいところだと思います。
妻の一理
女が働くのは、何も家計が苦しいからではない。働きたいから働くのだ――これは、○です。
なのに、亭主は、まるで「働かせてやっている」という顔をする。だから、「イヤなら辞めれば」という言葉が飛び出す。男社会がそんな考え方をするから、働く女たちの立場が一向によくならない、という主張は、ある意味で的を得ています。
もちろん、聞き役は、伴侶である男。
ところが、その聞き方が、女にとってはすこぶる不満。余計にストレスを溜めてしまうということが、珍しくないんですね。
まずは、よくあるこんな会話から――。
会話例1 会社の上司についての不満を並べ立てる妻に夫は……
妻 ああ、疲れた。もう、やんなっちゃう。うちの課長って、言うことがコロコロ変わるんだもん。やってられないわ。
夫 そんなにイヤなら、辞めれば? ムリして働くことないよ。
妻 そんな……簡単に辞めればなんて言わないでよ。女だって、仕事する権利があるんだから。
夫 オレは、別に、働いてくれなんて頼んだ覚え、ないぞ。
妻 ああ、疲れた。もう、やんなっちゃう。うちの課長って、言うことがコロコロ変わるんだもん。やってられないわ。
夫 そんなにイヤなら、辞めれば? ムリして働くことないよ。
妻 そんな……簡単に辞めればなんて言わないでよ。女だって、仕事する権利があるんだから。
夫 オレは、別に、働いてくれなんて頼んだ覚え、ないぞ。
おそらく、この種の会話、日本中の共働き家庭で、多かれ少なかれ交わされているのじゃないかと思います。
ただし、これは、妻が働かなくても十分に生計が立てられる家庭での話です。
妻が働かなくては一家が食べていけないという――という家庭では、さすがに夫も、「いやなら辞めれば?」なんてことは、恐ろしくて口にできません。
さて、この会話例に出てくる、夫と妻の胸の内をのぞいてみましょう。
夫のホンネ
まったく、女ってやつは、仕事を何だと思ってるんだ。その程度のことは、仕事してれば毎日のようにあることなんだよ。それを家に持ち帰ってブツブツ言うくらいなら、最初から「仕事する」なんて言うなよ。おまえが働かなくたって、オレが稼いでくる金で十分、やっていけるじゃないか。それでも「働きたい」というから認めてやったのに、「やってられない」とは何だ? その程度のことで「やってられない」なんて、だから、女の仕事は甘ちゃんだって言うんだよ。
妻のホンネ
だいたい、この人って、「女が働く」ということの意味がわかってないんだわ。女は黙って家のことだけやってればいい――って頭なのよね。そんな考え方、半世紀古いのよ。会社だって、いまだにそんな頭の人たちが上にいたりするから、ワーキング・ウーマンが苦労してるってのに、その苦労話を「じゃ、辞めれば」のひと言で片づけてしまうなんて、この人、ほんとに私のことを考えてくれてるのかしら?
管理人・長住、ごく公平な立場から言わせていただくならば、両者の言い分には、それぞれ一理があります。
夫の一理
自ら望んで仕事しているのに、そのグチを家に持ち込むな―→これは○です。
男性だったら、まず、仕事上の問題を家に持ち込んでブツブツ言うなんてことはしません。妻から「会社どうなの?」と尋ねられても、「うん、まぁ」ぐらいでごまかしてしまいます。家庭は、仕事の話を持ち込む場所ではない――と思っているからで、これは、評価してもいいところだと思います。
妻の一理
女が働くのは、何も家計が苦しいからではない。働きたいから働くのだ――これは、○です。
なのに、亭主は、まるで「働かせてやっている」という顔をする。だから、「イヤなら辞めれば」という言葉が飛び出す。男社会がそんな考え方をするから、働く女たちの立場が一向によくならない、という主張は、ある意味で的を得ています。

両者のスレ違いの背景には、「女性が働くことをどう考えるか?」という、世界観の違いが潜んでいます。
亭主は、「女は家庭を守るのが基本」と考え、「外で働くのは女房の勝手」と思っています。一方、妻のほうは、「女性にも働く権利がある」と考え、それを「働かせてやっている」などと考えるのは、「男性の横暴だ」と思っています。
世界観の違いですから、このスレ違いは、『朝まで生テレビ』を100回ぐらいやっても、もしかしたら解消できないかもしれません。
つまり、冒頭のやりとりは、世界観のバトルにしたのでは収拾がつかない――ということです。
では、どうするか?
もう一度、冒頭の妻の言葉を検証してみましょう。



ここで、妻が夫に求めていることは何でしょう?
コロコロ言うことが変わる課長を、どうとっちめるか――という知恵でしょうか?
それとも、そんな課長とどうつき合ったらいいのか――という知恵でしょうか?
それとも、「いい転職先、ない?」という相談……?
どれも違うと思います。
妻が夫に訴えたかったことは、例文中に下線で示した部分、「疲れた」と「やんなっちゃう」という部分だけ。夫には、ただそれをわかってほしかっただけ、できることなら、「そう、キミもたいへんだね」と、同情を示してほしかっただけ――ではないかと、筆者は推測します。
このことについては、このシリーズの第2回『男はなぜ、グチを聞くのがヘタなのか?』でも触れましたが、もう一度、整理しておきましょう。
女性が、男性を前に、不満をもらすときの女性の心理と男性の心理。
女性→共感して、同情してほしい。
男性→解決策を提示しなくちゃいけないな。
この会話例でも、夫は解決策を求められていると思ってしまったので、「じゃ、辞めれば?」という究極の策を示したのではないかと思うのです。
冒頭の妻の言い方がほんのちょっと変われば、もしかしたら、夫の対応はまったく違ったものになったかもしれません。

どう変えれば、よかったのでしょう。
ポイントはたったひとつ。

ということがわかるような言い方をする、ということです。
そして、その中にちょっとだけ、「あなたが支えてくれてるから、私は安心して働ける」というニュアンスを付け加えます。
それだけで、冒頭の会話は、見違えるほど変わるはずです。
ちょっとだけ、サンプルをお見せしましょう。
会話例2 これは「グチだから」というひと言ですべて解決
妻 ねェ、上司って、コロコロ言うことが変わるものなの?
夫 ああ、そんなのもいるよ、うちにもひとり。
妻 えらいわねェ。あなたって、そういうグチ、全然こぼさないもんね。
夫 ま、よくある話だからさ。なんだよ、何かあったの?
妻 ちょっとだけ、グチ聞いてもらっていい? 訊いてくれるてだけでいいから。あなたにしか、こんな話、できないんだもん。
夫 ああ、いいよ。
妻 実はね、今度きた課長がね……(このあと、課長の話が続く)
妻 ねェ、上司って、コロコロ言うことが変わるものなの?
夫 ああ、そんなのもいるよ、うちにもひとり。
妻 えらいわねェ。あなたって、そういうグチ、全然こぼさないもんね。
夫 ま、よくある話だからさ。なんだよ、何かあったの?
妻 ちょっとだけ、グチ聞いてもらっていい? 訊いてくれるてだけでいいから。あなたにしか、こんな話、できないんだもん。
夫 ああ、いいよ。
妻 実はね、今度きた課長がね……(このあと、課長の話が続く)
どうでしょう? だいぶ、会話の雰囲気が変わったと思いませんか?
夫に話を聞いてもらったあとは、必ず、こんな言葉で締めくくりましょう。

そして、こう付け加えます。

最後のは、余計でした。
いや、これも必須……?
そこから先は、どうぞご勝手に……です。では、また。
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中学校の養護教諭と「ボク」の、淡い恋の物語です。

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