「栄誉」なんぞで人の一生は「豊か」にはならない

抱き枕 心の抱き枕 〈50〉 

「栄誉」を受けることを人生の目標と考える人もいます。
しかし、そんなものは欲しくないと言う人もいます。
筆者もまったく欲しくありません。そんなものを求める心からは
豊かな人生は得られないと思うからです。その理由——。


【リンク・キーワード】
メンタル エロ 恋愛観 男の心理 女の心理 官能小説




 先日は、イチローが「国民栄誉賞」の受賞を辞退しました。
 何とこれで3度目の辞退。

  現役を退いた後でいただけるのであれば、ありがたい。

 というのが、辞退の弁でしたが、筆者には「現役を退いた後に」は、「死んだ後に」と言っているようにも聞こえました。
 つまり、この人は、「生きているうちには栄誉など求めない」と言っているようにも感じられたのです。
 「栄誉」など求めない――ということについては、筆者もまったく同感です。
 そんなものを求めて、記念のメダルやらトロフィーやらをマントルピースの上に並べるとか、額縁に入れた賞状で欄間を埋め尽くすなんぞということは、やってみようとも思いません。(←やってみようにも、ブツがないんでございますがね)
 もちろん、死んだ後でどこかに銅像を建ててもらおうなんていう野心も、まったく持ち合わせておりません。
 しかし、世の中にはいるんですね、それこそが「人生の目標」とばかりに、追い求め続ける人たちが。

人から「評価」されることを求める卑しい性質

 「栄誉」とは、他人から与えられる「評価」です。
 「栄誉」を追い求め続ける生き方は、すなわち、他人からの「評価」を求め続ける生き方という言い方もできるかと思います。
 人からどう評価されるかをたえず気にして、「いい評価」得よう、得よう――と行動する生き方。
 はたして、そんな生き方で、人は心豊かに生涯を過ごすことができるか?
 私の答えは「NO」です。
 そんなの息苦しいし、だいいち、「他人の評価を得よう」とする心根が「卑しい」と感じられるので、私はやらないのですが、周りを見回してみると、どうも、そんなふうに「ひとの目」を気にして生きている人たちが、けっこういます。
 その「ひとの目」には、いろんな「目」があります。
 筆者の友人には「カミさんの目」という「ひとの目」を気にする男がいます。
 「カミさんがいやがるから」と焼き鳥の臭いを着けて家に帰るのを避けたり、「カミさんがホメてくれるから」と白髪を染めてみたりもします。しかし、こんな「ひとの目」ならかわいいものです。「カミさんの目」が「友人の目」に代わろうが、「子どもの目」に代わろうが、その目を気にしたところで「栄誉」を求めるということにまではなりません。

 筆者の知人には、こういう男もいました。この男が気にした目は、「上司の目」です。
 何かにつけて「こんなことしたら、上はどう思うだろう?」と上司の評価を気にし、「上はオレの仕事をきちんと見てくれてない」とボヤきます。こうなると、「ひとの目」は「組織」という他人の目に近くなります。
 「上司は……」が「課は……」とか「部は……」とかに代わり、さらに「会社は……」に代わると、もはや、それを気にする態度を「かわいいもの」とは言っていられなくなります。求める「評価」も「栄誉」に近いものとなります。
 「評価」を求める「組織」が大きくなればなるほど、その「評価」は「栄誉」と呼ぶにふさわしいものとなり、それを求める態度は、人の目に「強欲」と映るようになります。
 そうやって、自らその「栄誉」を求めようとする強欲な人間が、実は私は、あまり好きではありません。というか、嫌いです。

「悪」に評価されても、うれしくない

 仮に私が、何らかの功績を評価されて「栄誉」を手に入れたとしても、そんなことで人生が豊かになったなどとは決して思えないだろう――と最初に申し上げましたが、その理由のもうひとつは、評価してくれる相手のせいでもあります。
 たいていの場合、人を評価してなんらかの「栄誉」を与えようとするのは、学校や企業、地方公共団体や自治体、国家などの「組織」です。
 その「組織」が「善」であると判断できる場合ならともかく、管理人が見る限り、「善なる組織」などというものは、存在しない。というか、「善なる組織」は、その成員を評価し、栄誉を与えることによって忠誠を誓わせよう――なんてことをしません。
 極論を言わせてもらうなら、

 組織は、組織であるがゆえに「悪」なのである。

 ですかね。
 そんな「悪」に評価されたりしてもうれしくない――どころか、不名誉でさえあると思うので、私はこれまで、「組織に評価される」ことを追い求めてはきませんでした。

「絶対」を持たない人間は「評価」に揺すぶられる

 「評価」されることを好まず、「栄誉」を求めないとすれば、人はいったい、何をもって自らの人生を総括すればいいのか?
 私の場合、希求するのは、「それでいいんだよ」という声です。
 その声は、どこからもたらされるのか?
 家族や友人たちではありません。学校や会社でもありません。市でも、県でも、国家でもなく、したがって「社会」でもありません。
 そういう「有限」の存在ではなく、「無限」であり、「絶対的」な存在です。
 無限で絶対的な存在。それは、一般的に「」とか「」と呼ばれる存在です。
 筆者は、どんなときでも「いいんだよ、それで」と認めてくれる存在を心の中にキープしているので、「世間的な評価」を気にすることもないし、「栄誉」なんぞを追い求めたりもしないですんでいます。

 しかし、日本の社会では、そんな態度でいると、「けしからん」と責められたり、「あいつ、変わり者だから」と変人扱いされたりしてしまいます。
 「周りからどう思われているか、もっと気にしろ!」というわけです。
 日本では、親は子どもを「そんなことしてると、周りに笑われるぞ」と教育し、TVはしきりに「日本は世界からどう思われているか?」を報道したりします。
 そうして「世間体」や「外聞」を気にする傾向は、日本人の場合、他の傾向に比べて、図抜けて高いのだそうです。それは、日本人が「絶対的な神」を持たず、「神との一対一の関係」を築けてないからだ――とも言われています。
 心理学的には、それは「従順な子どもであろうとする性質」というふうにも分析されています。
 「評価」を気にするからこそ、「評価されない自分」を気に病み、極端な場合には、それが「自殺の原因」になったりもします。

 「ひとの目」から自由になれ!

 私は、思春期を過ぎた頃から、ず――っと、自分にそう言い聞かせてきました。
 おかげで、気楽にここまで生きてこられた。それでいいんだよ――と、心の中の「絶対なるもの」は言ってくれています。



   筆者の最新小説、キンドル(アマゾン)からリリースしました!   

 一生に一度も結婚できない「生涯未婚」の率が、男性で30%に達するであろう――と予測されている「格差社会」。その片隅で「貧困」と闘う2人の男と1人の女が出会い、シェアハウスでの共同生活を始めます。新しい仲間も加わって、築き上げていく、新しい家族の形。ハートウォーミングな愛の物語です。
 「Kindle」は、「Amazon.com」が世界中で展開している電子本の出版・販売システム。「Kindle専用端末」があればベストですが、なくても、専用のビューアーをダウンロード(無料)すれば、スマホでも、タブレットでも、PCでも読むことができます。
 よろしければ、下記タイトルまたは写真をクリックして、ダウンロードしてください。

2016年3月発売 定価:342円 発行/虹BOOKS
妻は、おふたり様にひとりずつ (小説)



   既刊本もどうぞよろしく    タイトルまたは写真をクリックしてください。

【左】『聖少女~六年二組の神隠し』
2015年7月発売 定価/122円
教師のビンタが支配する教室から、突如、姿を消した美少女。卒業から40年経って、ボクはその真実を知ります。

【右】『チャボのラブレター』
2014年10月発売 定価122円
中学校の美しい養護教諭と「ボク」の、淡い恋の物語です。


13 あなたの感想をClick Please!(無制限、押し放題!)
管理人は、常に、下記3つの要素を満たすべく、知恵を絞って記事を書いています。
みなさんのポチ反応を見て、喜んだり、反省したり……の日々です。
今後の記事作成の参考としますので、正直な、しかし愛情ある感想ポチを、どうぞよろしくお願いいたします。


→この記事はためになった(FC2 恋愛)
→この記事に共感した(にほんぶろぐ村 恋愛)
→この記事は面白かった(人気ブログランキング 恋愛)

 ⇒「心の抱き枕」の記事一覧に戻る       ⇒トップメニューに戻る  

関連記事
拍手する

テーマ : 愛し方・愛され方
ジャンル : アダルト

コメントの投稿

非公開コメント

ご訪問ありがとうございます
現在の閲覧者数:
Profile
プロフ画像《当ブログの管理人》
シランケン・重松シュタイン…独自の人間関係論を元に、長住哲雄のペンネームで数々の著書を刊行してきたエッセイスト&編集者。この度、思うところあって、ペンネームを変えました

    姉妹サイト    

《みなさんの投票で恋愛常識を作ります》
★投票!デート&Hの常識

《管理人の小説をこちで保管》
おとなの恋愛小説倶楽部

Since 2009.2.3


 このブログの読者になってくださる方は 

不純愛講座 by 長住哲雄 - にほんブログ村


管理人の近著
 シランケン重松としての著書 


『初夜盗り
物語』


2022年8月発売
虹BOOKS


かつて、嫁ぐ娘の
初夜権は、土地の
権力者がものにして
いた――。
定価:650円


『裏タイプ~
あなたは人の目には「こんなタイプ」に見えている



2022年8月発売
虹BOOKS

人の目に映るあなたは
期待したタイプでは
ない。その理由。
定価:1500円

『盆かか
三日間だけの交換妻


2020年9月発売
虹BOOKS

盆が来ると、新妻の妙は
三日間、あの男の
「かか」になる――。
筆者初の官能小説。
定価:200円

お読みになりたい方は、下記よりどうぞ。
★Kindle版で読む
★BOOK☆WALKER版で読む



『好きを伝える技術』

2019年発売11月発売
虹BOOKS


「好き」「愛してる」と口にするより
雄弁にあなたの恋を語ってくれる
メタメッセージ。
勇気がなくても、口ベタでも、
これならあなたの想いは
確実に伝わる!
定価:600円




 長住哲雄としての著書です 


写真をクリックすると、詳細ページへ。

長編小説

『妻は、おふたり様にひとりずつ』

2016年3月発売
虹BOOKS


3人に1人が結婚できなくなる
と言われる格差社会の片隅で、
2人の男と1人の女が出会い、
シェア生活を始めます。
愛を分かち合うその生活から
創り出される「地縁家族」とは?
定価:342円



シリーズ
マリアたちへ――Vol.2

『「聖少女」
6年2組の神隠し』

2015年7月発売
虹BOOKS

ビンタが支配する教室から
突然、姿を消した美少女。
40年後、その真実をボクは知る…。
定価:122円



シリーズ
マリアたちへ――Vol.1

『チャボの
ラブレター』

2014年10月発売
虹BOOKS

美しい養護教諭・チャボと、
中学生だった「ボク」の淡い恋物語です。
定価:122円

  全国有名書店で販売中  

写真をクリックすると、詳細ページに。

『すぐ感情的に
なる人から
傷つけられない本』

2015年9月発売
こう書房
定価 1400円+税

あなたを取り巻く
「困った感情」の毒から
自分を守る知恵を網羅!



『これであなたも
「雑談」名人』


2014年4月発売
成美堂出版
定価 530円+税

あなたの「雑談」から
「5秒の沈黙」をなくす
雑談の秘訣を満載!


30秒でつかみ、
1分でウケる
『雑談の技術』


2007年6月発売
こう書房
定価 1300円+税

「あの人と話すと面白い」
と言われる
雑談のテクを網羅。

★オーディオブック(CD)も、
好評発売中です!


――など多数。
ランキング&検索サイト
  総合ランキング・検索  

FC2ブログ~恋愛(モテ)
にほんブログ村~恋愛観
にほんブログ村~恋愛小説(愛欲)
人気ブログランキング~恋愛



 ジャンル別ランキング&検索 

《Hな体験、画像などの検索サイト》
愛と官能の美学愛と官能の美学


《当ブログの成分・評価が確認できます》


おすすめ恋愛サイトです
いつも訪問している恋愛系ブログを、
独断でカテゴリーに分けてご紹介します。

悪魔
勉強になります
「愛」と「性」を
究めたいあなたに


《性を究める》
★性生活に必要なモノ
★セックスにまつわるエトセトラ
★飽きないセックスを極める
★真面目にワイ談~エロ親父の独り言



《性の不安に》
★自宅でチェック! 性病検査



女の子「男と女」はまるで劇場
いろいろな愛の形
その悦びと不安


《不倫》
★幸せネル子の奔放自在な日々

《MとSの話》
★M顔で野生児だった私の半生

《国際結婚》
★アンビリーバブルなアメリカ人と日本人

《障害者とフーゾク》
★KAGEMUSYAの裏徒然日記

妻くすぐられます
カレと彼女の
ちょっとHな告白


★嫁の体験リポート
★レス婚~なんだか寂しい結婚生活

女王写真&Hな告白
赤裸な姿を美しく
大胆に魅せてくれます


《美しい自分を見せて、読ませてくれます》
★Scandalous Lady

音楽女
ちょいエロなサイトです
他人の愛と性を
のぞき見


《Hな投稿集》
★人妻さとみの秘密の告白
★エッチな告白体験談ブログ


上記分類にご不満のブログ運営者さまは、管理人までご連絡ください。
創作系&日記系☆おすすめリンク
読むたびに笑ったり、感動したり、
勉強になったりするサイトです。

女の子ヘッドホン

読む悦び、見る愉しみを!
小説&エッセイ&写真

《官能小説》
★~艶月~
★愛ラブYOU

《おとなのメルヘン&ラブストーリー》
Precious Things

《ミステリー》
★コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

《書評・レヴュー・文芸批評》
★新人賞を取って作家になる
★頭おかしい認定ニャ
★読書と足跡
★緑に向かって New

《写真&詩、エッセイ、日記》
★中高年が止まらない New
★質素に生きる
★エッチなモノクローム
★JAPAN△TENT
★いろいろフォト

傘と女性ユーモアあふれるブログです
いつもクスリと
笑わせられます


スクーター
社会派なあなたへ
政治のこと、社会のこと

《政治批評&社会批評》
★真実を探すブログ
★Everyone says I love you!

  素材をお借りしました   

★写真素材・足成
★無料画像素材のプロ・フォト
★カツのGIFアニメ
★無料イラスト配布サイトマンガトップ

上記分類にご不満のブログ運営者さまは、
管理人までご連絡ください。
にほんブログ村ランキング
にほんブログ村内の各種ランキング、 新着記事などを表示します。
アクセスランキング
リンク元別の1週間のアクセス・ランキング。

検索フォーム
QRコード
QR