なぜ、男は「何人目?」と訊き、女はそれを隠すのか?

肌を重ね合ったふたりが交わす言葉。男はそんなとき、
よく「自分は何人目か?」を彼女に尋ねます。彼はたいてい、
回答を拒否します。それはなぜ——という話。
愛が生まれる日本語・殺す日本語 レッスン 1-9
【リンク・キーワード】 エロ 官能小説 コミュニケーション 不倫
まずは、よくある男女の寝室トークから。
そこは、ホテルのベッドの上。激しく愛し合ったばかりのF男が、まだ余韻の残るK実の髪をなでながら、聞かずもがなの質問を耳元に吹き込んでいます――。
こんなことを訊いたことがあるという男性も、訊かれたことがあるという女性も、決して少なくないだろうと思います。
自白します。
ハイ、不肖・長住も訊いたことがあります。こんなあからさまにではありませんが……。
実は、「恋するたびに、その人が初恋」という部分だけは、そのときの彼女の発言でした。
「かなわないな、このひとには」と、筆者は感服したものです。
男は、女の更新履歴を知りたがり、
女は、それを隠したがる。
これは、おそらく世界共通の……というより、哺乳類に共通して見られる傾向だろうと思います。
なぜか――?
オスは自分の「血統」を守りたがり、メスは自分の「子ども」を守りたがるからです。
一般に、哺乳類のオスは、メスが生んだ自分以外のオスの子どもは殺してしまいます。その「子殺し」から子どもを守るためには、自分の履歴は隠す必要があるというわけです。
頭のいいチンパンジーのメスにいたっては、子どもがだれの子かわからなくしてしまうために、「乱婚」するのだとさえ言われています。
そこは、ホテルのベッドの上。激しく愛し合ったばかりのF男が、まだ余韻の残るK実の髪をなでながら、聞かずもがなの質問を耳元に吹き込んでいます――。
会話例1 「愛し合った後」のベッドの中で
F男 なぁ、K実。
K実 なに……?
F男 オレってさぁ、おまえの何人目の男?
K実 知らない……。
F男 知らない……って、知らないほどたくさんなの? なぁ、教えろよ。
K実 恋をするたびに、私にはその人が初恋になるの。だから、前のことなんて忘れちゃうの。もう、訊かないで、そんなこと……。
F男 なぁ、K実。
K実 なに……?
F男 オレってさぁ、おまえの何人目の男?
K実 知らない……。
F男 知らない……って、知らないほどたくさんなの? なぁ、教えろよ。
K実 恋をするたびに、私にはその人が初恋になるの。だから、前のことなんて忘れちゃうの。もう、訊かないで、そんなこと……。
こんなことを訊いたことがあるという男性も、訊かれたことがあるという女性も、決して少なくないだろうと思います。
自白します。
ハイ、不肖・長住も訊いたことがあります。こんなあからさまにではありませんが……。
実は、「恋するたびに、その人が初恋」という部分だけは、そのときの彼女の発言でした。
「かなわないな、このひとには」と、筆者は感服したものです。
男は、女の更新履歴を知りたがり、
女は、それを隠したがる。
これは、おそらく世界共通の……というより、哺乳類に共通して見られる傾向だろうと思います。
なぜか――?
オスは自分の「血統」を守りたがり、メスは自分の「子ども」を守りたがるからです。
一般に、哺乳類のオスは、メスが生んだ自分以外のオスの子どもは殺してしまいます。その「子殺し」から子どもを守るためには、自分の履歴は隠す必要があるというわけです。
頭のいいチンパンジーのメスにいたっては、子どもがだれの子かわからなくしてしまうために、「乱婚」するのだとさえ言われています。

人間のオスも、他の哺乳類同様、「血統」にこだわります。
かつて男たちが花嫁の処女性にこだわった(いまでもそれを重視する文化圏がかなり残っています)のも、ひとつには、女に間違いなく自分の子どもを産ませるためでした。
しかし、冒頭の会話のように「何人目?」と尋ねる心理は、それだけではないような気がします。
この会話に登場する男女それぞれの心理を分析してみました。
男の心理
・ ほんとは彼女の「1番目」になりたかったけど、ムリかも…。ま、2番目とか3番目ぐらいなら、許容の範囲とするか。しかし、138番目なんてのは、絶対、いやだからな。おめでとうございます。あなたが500人目の訪問者です? ジョーダンじゃないよ。
・ こいつ、前の男たちと、どんなSEXしてたんだろう――と想像すると、なんだか燃えてくるなぁ。どんな男とどんなふうにつながってたんだろ? そのときも、こんな声出したわけ? もっと? なぁ、教えろよ。
・ ほんとは彼女の「1番目」になりたかったけど、ムリかも…。ま、2番目とか3番目ぐらいなら、許容の範囲とするか。しかし、138番目なんてのは、絶対、いやだからな。おめでとうございます。あなたが500人目の訪問者です? ジョーダンじゃないよ。
・ こいつ、前の男たちと、どんなSEXしてたんだろう――と想像すると、なんだか燃えてくるなぁ。どんな男とどんなふうにつながってたんだろ? そのときも、こんな声出したわけ? もっと? なぁ、教えろよ。
女の心理
・ どうして、人数なんかにこだわるの? 私は、あなたと恋に落ちた時点で、それまでの恋は全部、リセットしてしまうのに……。
・ それより、教えて。私のあの中ってどうだった? いままでの女の人たちと比べて、よかったの? それとも……よくなかった?
・ どうして、人数なんかにこだわるの? 私は、あなたと恋に落ちた時点で、それまでの恋は全部、リセットしてしまうのに……。
・ それより、教えて。私のあの中ってどうだった? いままでの女の人たちと比べて、よかったの? それとも……よくなかった?
個人差はあるかもしれませんが、おおむね、こんなところでしょう。
ところで、お気づきでしょうか?
男が彼女の履歴を気にする理由の中には、「血統」の維持という目的以外に、2つの重大な心理的動機が隠されています。
[1]自分が「序列1位」でありたい、という心理
このシリーズでたびたび指摘してきた序列意識です。
「何人目?」という問いの中には、実は「第何位?」という問いが隠されているのです。たとえ、「138番目」であっても、「数え切れないくらい」であっても、彼女がこう答えてくれたら、きっとこのカレは満足したはずです。

こんなに感じたの、あなたが初めてよ。
ここまで白々しくはウソがつけない――というショージキなあなたなら、冒頭の会話例に出てくるように、「恋するたびに、それが初恋」と答えておけばいいのだと思います。
[2]彼女と他の男の淫らな姿を想像しないと燃えない
実は、こういう男性が増えている――のだそうです。
自分が触れている彼女の体によってではなく、彼女と他の男がしているそのビジュアルを頭に描かないと燃えない、というのです。
その原因のひとつは、AVではないか――と、筆者は推測しています。
若い頃から「AVを見てオナニーする」を習慣としてきた男性の中には、その映像的刺激がないとコーフンしないという人が多いのではないか、と推測するわけです。
こういう男性の場合、彼女とSEXしながらも、頭の中では、自分ではない他の男が彼女を犯している――というイメージを思い描いたりしています。
難儀な話やなぁ……と思う女性もいるかもしれませんね。
しかし、たとえAV中毒ではなくても、もともと男性の中には「征服欲」というものがあります。「征服欲」は無垢な女を自らの手で征服することによっても満たされますが、それ以上にコーフンするのが、他の男の手にかかった女を、それ以上のパワーやテクニックで自分になびかせる、というシチュエーションです。
どっちにしても、「他の男」は、このタイプの男性にとっては不可欠の刺激剤なわけですから、「前の男とはどうしてた?」なんて質問を受けたときには、できるだけ、カレの劣情を刺激するように答えてあげる、というのもひとつの方法でしょう。たとえば――

私は、ちっとも気持ちよくなかったわ。
間違ってもここで、「私もすごくコーフンして、イキまくってた」なんてことは言わないことです。こういうのをヤブヘビと言います。

一方の、女性が過去歴を隠そうとする心理の中にも、オスの「子殺し」から子どもを守る――というだけではない理由が、含まれているような気がします。
一般に、女性は、男性のようには過去の恋愛を引きずらない、と言われます。
太古から「狩り」をナリワイとしてきた男性は、恋愛にも「狩り」感覚を持ち込んで、自分がゲットした女性を、いつまでも「獲物」として誇示しようとしますが、女性には、その感覚はありません。
というのも、女性は、恋の結果、体内に新しい生命を宿す――という、生物的宿命を負っているからです。
いつまでも昔の恋を引きずっていたのでは、昔の男が言い寄ってきたりしたときに、それを拒めなくなってしまいます。それは、体内の生命に危険を及ぼすことにもなるので、「過去」はスッパリ消去してしまうのだ――と、説明されてきました。
筆者も、たぶん、そのとおりだろうと思います。
新しい恋が始まったら、女性は、過去を「ゼロ」にして、新しい生命を宿せるように体内環境(精神的なものも含めて)を整えるのだろうと思います。
ただし、女性は、自分の体がどうであったか――ということについては、男性以上に気にしているフシも見られます。
「私のあの中って、どうだった?」と尋ねる(口に出さなくても気にする)のは、おそらくは、自分の生殖能力が他の女性よりすぐれているかどうか――を気にしているからだろうと思います。
そして、その質問が求めているのは、「過去との比較」よりは、むしろ「将来の不安の除去」だろうと、筆者は推測しています。つまり、

その保証が欲しくて、「どうだった?」と尋ねるのではないか、と思うわけです。
ベッド・トークひとつとっても、男と女は、こんなに違う。恋って、ほんとに不思議ですね。
本日は、これにて。
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