第70夜☆「恋愛」のゴールは、はたして「結婚」なんだろうか?
第70夜
「愛とは何か?」をめぐって、管理人・哲雄がパートナー・AKIを相手に展開する、オヤジ・ギャグ風+ちょっぴりアカデミックおしゃべり。今回は、「恋愛のゴールはどこにあるか?」をめぐって、「恋愛」と「所有」の関係について語り合います――。
哲雄 AKIクンは、「結婚は恋愛の墓場」って言葉、知ってる?
AKI エーッ!? 「人生の墓場」じゃなくて?
哲雄 それ、「間違いだらけの日本語」とかによく出てくる、典型的なカン違い日本語のひとつ。だって、考えてごらんよ。「結婚が人生の墓場」だったら、みんな、結婚したとたんに死んじゃうことになるじゃないか?
AKI あ、そっかあ。結婚したとたんに死んだんじゃ、困りますわねェ。そうなりそうなのも、約1名いますけど……。
哲雄 それ、もしかして、私のことでしょうか、お嬢様。
AKI それでは、ふたりで誓いの口づけを……おお、新郎は喜びのあまり、天に召されてしまいました――って、それじゃダメじゃん。
哲雄 だれが召されるんだ、だれが喜びのあまり……(ワナワナ)。
AKI ダイジョーブ、そういう日は永久に来ませんから。それで? 「恋愛の墓場」がどうしたんですか? 早く先に進んでくださいよ。
AKI エーッ!? 「人生の墓場」じゃなくて?
哲雄 それ、「間違いだらけの日本語」とかによく出てくる、典型的なカン違い日本語のひとつ。だって、考えてごらんよ。「結婚が人生の墓場」だったら、みんな、結婚したとたんに死んじゃうことになるじゃないか?
AKI あ、そっかあ。結婚したとたんに死んだんじゃ、困りますわねェ。そうなりそうなのも、約1名いますけど……。
哲雄 それ、もしかして、私のことでしょうか、お嬢様。
AKI それでは、ふたりで誓いの口づけを……おお、新郎は喜びのあまり、天に召されてしまいました――って、それじゃダメじゃん。
哲雄 だれが召されるんだ、だれが喜びのあまり……(ワナワナ)。
AKI ダイジョーブ、そういう日は永久に来ませんから。それで? 「恋愛の墓場」がどうしたんですか? 早く先に進んでくださいよ。
哲雄 ウ……ム、ギリギリ(歯ぎしりの音です)。つまりですね、言いたかったのは、なぜ「結婚」が「恋愛の墓場」だなどと言われるようになったのか?
AKI そりゃ、結婚した時点で恋愛が終わるからじゃないですか?
哲雄 そ、それでいいの? AKIクンは?
AKI いいもわるいも、恋愛のゴールを「結婚」だって考えたら、そうなりませんこと?
哲雄 「ゴール」だと思わなきゃいいんじゃないの?
AKI ポトッ……。
哲雄 何じゃ、それ?
AKI 目からウロコが落ちた音です。そうだ! 「ゴール」だって思わなければいいのよねッ。よしッ!
哲雄 その「よしッ」って、ちょっと怖いんですけど……。
AKI 別に、なんかしようってわけじゃないですよ。でも、「結婚」が恋愛のゴールでなかったら、どこがゴールなんでしょうね?
哲雄 キミはどうしても、ゴールを設定したいわけですね?
AKI すると何ですか? 哲ジイは、ゴールを設定するなと?
哲雄 前回はちょっと回り道をしちゃったけど、その前の回で、キミに尋ねたよね。キミにとって「恋が実る」とはどういうことか……と。キミはこう答えた。自分が相手を「好き」で、相手も自分を「好き」ってなったら、それで恋愛は実ったと言えるのではないかと。
AKI 確かに言いました。若気の至りで……。
哲雄 いやいや、それでいいんです。私に言わせると、それは、「実った」というより「成立した」または「スタートラインに着いた」という感じに近い。「実った果実」は落ちるだけ……だからね。
AKI あ、そうか。つまり、哲ジイはこう言いたいわけだ。恋愛にはゴールがない。「実った」とか「成就した」と思ってしまったら、そのときから「落下」が始まるゾ――と。
哲雄 おお、さすが人気エステティシャン。指名人気ナンバーワン!
AKI クーッ!! バカにしてる。
哲雄 いやいや、バカになんかしてません。いま、キミがまとめてくれたとおりなんだけど、現実には、ゴールを設定せずに延々と恋し続けるってのは、これは相当にむずかしい。
AKI ずっとドキドキし続けるってことですものね。緊張感も必要なわけだし……。
哲雄 そう考えると、「少~し愛して、長~く愛して」は、けだし名言だったね。
AKI あ、それ、テレビCMのコピーでしょ。大原麗子さんがやってた……。
哲雄 ホォ、よく知ってるね。やっぱり、年齢ごまかしてるでしょ?
AKI してませんッ!! でもね、哲ジイ、このコピーってさ、うがった見方をすると、「愛は出し惜しみしなさい」と言ってるようにも聞こえちゃうんだよね。
哲雄 思いっきし、うがっちまいましたね。しかし、たぶん、そういう意味じゃない。何もかも所有しようと思うな――と言ってるように、私には聞こえます。
AKI ショユウ……?
哲雄 つまり、相手を「自分のもの」にしてしまおうという欲望です。20世紀の初めくらいまで、女は「男の私有財産」だと考えられてたって話、したよね。
AKI ハイ、「結婚」という制度には、そんな時代の名残が色濃く残っているという話を、確か、最初の第1夜と第2夜に聞いたような気がします(←第1夜「結婚は財産問題である」、第2夜「結婚式はワイセツである」を参照)。
哲雄 現代では、夫を自分の「私有物」であると考える奥さんたちもいるし、子どもを「私有物」扱いするお母さんたちもいる。浮気相手を「ドロボー猫」呼ばわりする奥さんとか、何かといえば「うちの子が」「うちの子さえ」なんて連呼するお母さんは、だいたいこのタイプだと思うんだけど、実はね、
この「所有欲」こそが、「恋愛」の大敵
だと私は思うのです。
AKI おっと、新説登場です。
哲雄 ぜんぜん、新説でもなんでもない。昔から言いふるされてきたことです。ただね、私は、人間というのは「利己的な生きもの」だから、この所有欲を「ゼロにしろ」と言われてもムリだと思う。
AKI ハイ、ムリです。私、クロレッツだって、1個はあげるけど、2個はあげませんから。
哲雄 知ってますよ。キミがそういうせこい人間だってことぐらい。でもね、ここで言う「所有」は人間を相手にしての「所有」です。はたして、人間に他の人間を「所有」することが許されているか――というと、これは、倫理的にも法律的にも許されてない。
AKI にもかかわらず、人は人を所有しようとするわけですね。特に、恋愛という世界では……。
哲雄 ウン。「あの女をものにする」とか言うし、「ひとの男に手を出して」なんて言い方を平気でする。つまり、こういう人たちにとっては、「恋愛=所有」なんですね。
「所有欲」は「所有」が成立した時点で終わる。
したがって、こういう恋愛には「ゴール」があるわけです。
AKI するってえと、何ですか、ご隠居。どこが「ゴール」になるかは、「所有」の目的が何であるかによって変わってくる――と、こういうわけでやんすね。
哲雄 そのとおりじゃよ、八っつあん……って、私は水戸黄門か。たとえば、その男(または女)の所有したいものが、相手の肉体であれば、エッチしたとたんにその目的は達成されるから、もうそんな女(または男)に用はない……とばかり、とっとと次のターゲットに向かっていく。
AKI ドンファン・タイプですね。
哲雄 ビンゴ! もし、所有の目的が「この女をオレの妻にする」とか「この男を夫にする」であれば、結婚式を挙げた時点で「恋愛」は終わり。あとは、「家政婦代わりの妻」または「給料運搬人の夫」という役割が残るだけ、ということになる。
AKI 悲しい―ッ。
哲雄 もっとありますゾ、八っつあん。もし、所有の目的が「子孫の確保」だったら……。
AKI 子どもを産んだ時点で「恋愛」が終わる? もしかして、セックスレス?
哲雄 てことも考えられるし、「子孫の確保」に「養育」までが含まれていたら、子どもが自立した時点で、「恋愛」の役目が終了する。
AKI 熟年離婚……ですか? それって、悲しすぎますね。
哲雄 恋愛=所有、と考えると、そうなってしまうということです。さらに、この「所有欲」には、宿命的な欠陥があります。
AKI な、何ですか、宿命的な……って?
哲雄 「所有効果逓減の法則」というのですが、この話は長くなるので、次回ということにしましょう。では、みなさん、バハハ~イ。
AKI みなさんのお友だち、乾燥しかかった哲ジイでした。
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AKI そりゃ、結婚した時点で恋愛が終わるからじゃないですか?
哲雄 そ、それでいいの? AKIクンは?
AKI いいもわるいも、恋愛のゴールを「結婚」だって考えたら、そうなりませんこと?
哲雄 「ゴール」だと思わなきゃいいんじゃないの?
AKI ポトッ……。
哲雄 何じゃ、それ?
AKI 目からウロコが落ちた音です。そうだ! 「ゴール」だって思わなければいいのよねッ。よしッ!
哲雄 その「よしッ」って、ちょっと怖いんですけど……。
AKI 別に、なんかしようってわけじゃないですよ。でも、「結婚」が恋愛のゴールでなかったら、どこがゴールなんでしょうね?
哲雄 キミはどうしても、ゴールを設定したいわけですね?
AKI すると何ですか? 哲ジイは、ゴールを設定するなと?
哲雄 前回はちょっと回り道をしちゃったけど、その前の回で、キミに尋ねたよね。キミにとって「恋が実る」とはどういうことか……と。キミはこう答えた。自分が相手を「好き」で、相手も自分を「好き」ってなったら、それで恋愛は実ったと言えるのではないかと。
AKI 確かに言いました。若気の至りで……。
哲雄 いやいや、それでいいんです。私に言わせると、それは、「実った」というより「成立した」または「スタートラインに着いた」という感じに近い。「実った果実」は落ちるだけ……だからね。
AKI あ、そうか。つまり、哲ジイはこう言いたいわけだ。恋愛にはゴールがない。「実った」とか「成就した」と思ってしまったら、そのときから「落下」が始まるゾ――と。
哲雄 おお、さすが人気エステティシャン。指名人気ナンバーワン!
AKI クーッ!! バカにしてる。
哲雄 いやいや、バカになんかしてません。いま、キミがまとめてくれたとおりなんだけど、現実には、ゴールを設定せずに延々と恋し続けるってのは、これは相当にむずかしい。
AKI ずっとドキドキし続けるってことですものね。緊張感も必要なわけだし……。
哲雄 そう考えると、「少~し愛して、長~く愛して」は、けだし名言だったね。
AKI あ、それ、テレビCMのコピーでしょ。大原麗子さんがやってた……。
哲雄 ホォ、よく知ってるね。やっぱり、年齢ごまかしてるでしょ?
AKI してませんッ!! でもね、哲ジイ、このコピーってさ、うがった見方をすると、「愛は出し惜しみしなさい」と言ってるようにも聞こえちゃうんだよね。
哲雄 思いっきし、うがっちまいましたね。しかし、たぶん、そういう意味じゃない。何もかも所有しようと思うな――と言ってるように、私には聞こえます。
AKI ショユウ……?
哲雄 つまり、相手を「自分のもの」にしてしまおうという欲望です。20世紀の初めくらいまで、女は「男の私有財産」だと考えられてたって話、したよね。
AKI ハイ、「結婚」という制度には、そんな時代の名残が色濃く残っているという話を、確か、最初の第1夜と第2夜に聞いたような気がします(←第1夜「結婚は財産問題である」、第2夜「結婚式はワイセツである」を参照)。
哲雄 現代では、夫を自分の「私有物」であると考える奥さんたちもいるし、子どもを「私有物」扱いするお母さんたちもいる。浮気相手を「ドロボー猫」呼ばわりする奥さんとか、何かといえば「うちの子が」「うちの子さえ」なんて連呼するお母さんは、だいたいこのタイプだと思うんだけど、実はね、
この「所有欲」こそが、「恋愛」の大敵
だと私は思うのです。
AKI おっと、新説登場です。
哲雄 ぜんぜん、新説でもなんでもない。昔から言いふるされてきたことです。ただね、私は、人間というのは「利己的な生きもの」だから、この所有欲を「ゼロにしろ」と言われてもムリだと思う。
AKI ハイ、ムリです。私、クロレッツだって、1個はあげるけど、2個はあげませんから。
哲雄 知ってますよ。キミがそういうせこい人間だってことぐらい。でもね、ここで言う「所有」は人間を相手にしての「所有」です。はたして、人間に他の人間を「所有」することが許されているか――というと、これは、倫理的にも法律的にも許されてない。
AKI にもかかわらず、人は人を所有しようとするわけですね。特に、恋愛という世界では……。
哲雄 ウン。「あの女をものにする」とか言うし、「ひとの男に手を出して」なんて言い方を平気でする。つまり、こういう人たちにとっては、「恋愛=所有」なんですね。
「所有欲」は「所有」が成立した時点で終わる。
したがって、こういう恋愛には「ゴール」があるわけです。
AKI するってえと、何ですか、ご隠居。どこが「ゴール」になるかは、「所有」の目的が何であるかによって変わってくる――と、こういうわけでやんすね。
哲雄 そのとおりじゃよ、八っつあん……って、私は水戸黄門か。たとえば、その男(または女)の所有したいものが、相手の肉体であれば、エッチしたとたんにその目的は達成されるから、もうそんな女(または男)に用はない……とばかり、とっとと次のターゲットに向かっていく。
AKI ドンファン・タイプですね。
哲雄 ビンゴ! もし、所有の目的が「この女をオレの妻にする」とか「この男を夫にする」であれば、結婚式を挙げた時点で「恋愛」は終わり。あとは、「家政婦代わりの妻」または「給料運搬人の夫」という役割が残るだけ、ということになる。
AKI 悲しい―ッ。
哲雄 もっとありますゾ、八っつあん。もし、所有の目的が「子孫の確保」だったら……。
AKI 子どもを産んだ時点で「恋愛」が終わる? もしかして、セックスレス?
哲雄 てことも考えられるし、「子孫の確保」に「養育」までが含まれていたら、子どもが自立した時点で、「恋愛」の役目が終了する。
AKI 熟年離婚……ですか? それって、悲しすぎますね。
哲雄 恋愛=所有、と考えると、そうなってしまうということです。さらに、この「所有欲」には、宿命的な欠陥があります。
AKI な、何ですか、宿命的な……って?
哲雄 「所有効果逓減の法則」というのですが、この話は長くなるので、次回ということにしましょう。では、みなさん、バハハ~イ。
AKI みなさんのお友だち、乾燥しかかった哲ジイでした。

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