「恋愛エナジー」は、どこへ消えていく?

厚労省の「人口動態調査」によれば、未婚男性の7割、女性の6割が「恋人なし」。前回はそんな報告をしました。いったい、若い人たちの「恋愛エナジー」は、どこに消えてしまったのか? その向かう先は、バーチャルな「仮想恋愛」の世界? 今回は、そんな話をしてみようかと思います――。
Talker
哲雄 自ら著作を手がけるエッセイスト。当ブログの管理人です。
AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指すアラサーの美女。
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AKI 未婚男性の7割、女性の6割が「恋人なし」。
前回はそんなショッキングなデータを紹介したんですよね?
哲雄 ハイ、その理由として、「草食化」もあるだろう。「ジェンダー」があいまいになったってこともあるだろう。しかし、何といっても大きいのは、若い人たちの「貧困化」がもたらす「コスト感覚」ではないかと申し上げました。
AKI 恋愛⇒結婚なんていう不確実なものに、金をかける気になれない。若い人たちにそんな意識が広がっている――ってことですよね。だから、リアルに恋愛にのめり込もうとする恋愛エナジーが減退している。じゃ、その減衰した恋愛エナジーは、どこへ行ってしまったのか? 今回は、そんな話をするんでしたよね?
哲雄 「恋愛エナジー」とひと言で言いましたが、それには、恋愛にかけるお金も含まれるし、そのために費やす時間も、労力も含まれる。男であればペニスをいきり立たせ、女であればヴァギナを濡れ濡れにする「リビドー=性的欲動」も含まれます。それらのすべてが、対象である異性への求愛行動には向かわず、別の対象に向けられて、そこで消費されてしまう。私は、そここそが問題だと思っているんですよね。
AKI その「別の対象」とは何? 私、そこがいちばん気になるんですが……。
哲雄 ひと言で言うと、「自分」ではないですか。
AKI エッ、自分? 自分で自分を愛しちゃうってことですか?
哲雄 何だか、キミが言うと、妙にインランに聞こえてしまいますが、そういうことではなくてですね、
金も時間も労力も、自分のために使おう
——ということです。
AKI 考えようによっちゃ、ケチになった――とも言えますよね?
哲雄 なにしろ、コスパ(コスト・パフォーマンス)に敏感な世代ですからね。大してうまいとも思えない彼女好みの食事のために、安い給料から大枚はたいてレストランに出かけるくらいならば、自分の好きな行きつけの店で気楽にラーメンすすったほうがいい。彼女が見たいという映画や聴きたいというライブに出かけてガッカリするくらいなら、好きな映画やライブのDVDでも借りてきて、自分の部屋で寝っ転がって見てたほうがいい。それだけじゃありませんよ。
AKI わかった、あれですね?
哲雄 ハイ、あれです。デートでさんざん金を使った挙句、応じるかどうかわからないホテルに誘う勇気を奮い起こすくらいなら、最初から安いフーゾクでスッキリしたほうがいい。あるいは、エッチなビデオでも借りてきて、抜きまくったほうがいい。そんなふうに考える若い男性が増えているんですね。
AKI それ、男だけじゃないと思いますよ。女だって、気を遣う男と食事に出かけるくらいだったら、女子会でワイワイ騒いで地を出したほうがいいって思いますもの。
哲雄 男同士で遊ぶ、女同士で遊ぶっていうの、確かに増えていますねェ。ひとりで部屋にこもって、テレビやゲームで過ごすっていうよりはましだけど、これじゃあ、リアルな恋愛は復活できない。
前回はそんなショッキングなデータを紹介したんですよね?
哲雄 ハイ、その理由として、「草食化」もあるだろう。「ジェンダー」があいまいになったってこともあるだろう。しかし、何といっても大きいのは、若い人たちの「貧困化」がもたらす「コスト感覚」ではないかと申し上げました。
AKI 恋愛⇒結婚なんていう不確実なものに、金をかける気になれない。若い人たちにそんな意識が広がっている――ってことですよね。だから、リアルに恋愛にのめり込もうとする恋愛エナジーが減退している。じゃ、その減衰した恋愛エナジーは、どこへ行ってしまったのか? 今回は、そんな話をするんでしたよね?
哲雄 「恋愛エナジー」とひと言で言いましたが、それには、恋愛にかけるお金も含まれるし、そのために費やす時間も、労力も含まれる。男であればペニスをいきり立たせ、女であればヴァギナを濡れ濡れにする「リビドー=性的欲動」も含まれます。それらのすべてが、対象である異性への求愛行動には向かわず、別の対象に向けられて、そこで消費されてしまう。私は、そここそが問題だと思っているんですよね。
AKI その「別の対象」とは何? 私、そこがいちばん気になるんですが……。
哲雄 ひと言で言うと、「自分」ではないですか。
AKI エッ、自分? 自分で自分を愛しちゃうってことですか?
哲雄 何だか、キミが言うと、妙にインランに聞こえてしまいますが、そういうことではなくてですね、
金も時間も労力も、自分のために使おう

——ということです。
AKI 考えようによっちゃ、ケチになった――とも言えますよね?
哲雄 なにしろ、コスパ(コスト・パフォーマンス)に敏感な世代ですからね。大してうまいとも思えない彼女好みの食事のために、安い給料から大枚はたいてレストランに出かけるくらいならば、自分の好きな行きつけの店で気楽にラーメンすすったほうがいい。彼女が見たいという映画や聴きたいというライブに出かけてガッカリするくらいなら、好きな映画やライブのDVDでも借りてきて、自分の部屋で寝っ転がって見てたほうがいい。それだけじゃありませんよ。
AKI わかった、あれですね?
哲雄 ハイ、あれです。デートでさんざん金を使った挙句、応じるかどうかわからないホテルに誘う勇気を奮い起こすくらいなら、最初から安いフーゾクでスッキリしたほうがいい。あるいは、エッチなビデオでも借りてきて、抜きまくったほうがいい。そんなふうに考える若い男性が増えているんですね。
AKI それ、男だけじゃないと思いますよ。女だって、気を遣う男と食事に出かけるくらいだったら、女子会でワイワイ騒いで地を出したほうがいいって思いますもの。
哲雄 男同士で遊ぶ、女同士で遊ぶっていうの、確かに増えていますねェ。ひとりで部屋にこもって、テレビやゲームで過ごすっていうよりはましだけど、これじゃあ、リアルな恋愛は復活できない。
AKI 哲ジイ、知ってます? 部屋にこもってゲームに興じる若者たちって、実は、そのゲームの中で、恋愛しちゃったりしてるんですよ。
哲雄 でしょうね。
AKI エッ、驚かないんですか?
哲雄 ハイ、さもありなんと思います。そもそも、「たまごっち」に人々が夢中になり始めたときから、この国は、おかしな方向に向かい始めている。きっと、将来、
この国の人々は、リアルな人間関係を喪失するかもしれないなぁ
――なんぞと思っておりましたから。
AKI たまごっち? 聞いた記憶はあるけど、何でしたったけ、それ?
哲雄 あら、てっきりおやりになってたんじゃ……と思いましたが、ご存じなかった? これは、携帯型のゲームの一種で、「たまごっち」と呼ばれるキャラクターを育てていくというゲームです。ちゃんとエサをやったり、フンの始末をしてあげたりしないと、キャラクターはブンむくれたり、場合によっては死んじゃったりするんですよ。中には、「たまごっち」をほんとうのペットのように思っている人もいて、死んじゃったりすると、「ペットロス症候群」に似た症状を呈することもあり、一時は、奇妙な社会現象として取り上げられもしました。
AKI それがいまじゃ、アイドルを育成するゲームに変化したりしてるんですね?
哲雄 アイドルを育てる――は、ゲームだけじゃなくて、リアルにもやってますよね? たとえば、「会いに行けるアイドル」をコンセプトに誕生したAKB48に始まる一連の「48グループ」などは、「ファンがアイドルを育てる」を、ショービズのシステムとして作り上げたのですが、これって、ゲーム的な手法をリアルの世界に逆輸入したと言ってもいいのではないかと、私は思っています。
AKI でもね、哲ジイ。ああいうアイドルグループとファンの関係って、私は、やっぱり、リアルじゃないって思うんですよ。確かに、ライブとかには行けるし、握手会とかもあるけど、やっぱり、どこかバーチャル。
哲雄 そうですね。「ある」って思わせるけど、実際には「ある」という仮想をチラつかせているにすぎません。それにリアルにのめり込んでいくファンの姿は、ゲームにはまっていく人間と変わらないようにも見えます。
AKI 最近のゲームアプリには、恋愛シミュレーションゲームのようなのもあって、美少女やイケメンとバーチャルな恋愛を楽しむ人たちもいるようですよ。
哲雄 そのうち、それは画面上のゲームじゃなくなるかもしれませんね。
AKI エッ、どういうこと?
哲雄 「人工知能」を搭載したロボットが、実際に、言葉をやり取りしたり、スキンシップを交わしたりして、寂しい男や女と恋愛ゲームをしてくれるようになるかもしれません。いわば、「アイボ」の「美少女版」とか「イケメン版」。長崎のハウステンボスには、ロボットのコンシェルジュが登場したりしていますが、それが、「あなたの恋人役をつとめますよ」という時代だって、やがてやって来るだろうと思います。
AKI でも、それってお金かかりそう。
哲雄 ロボットってなると、確かに大変ですが、でもね、その機能の一部は、すでにスマホやタブレットという端末に搭載され始めているんですよ。たとえば、ユーザーの音声に応じてコンピュータが必要な情報を提供したり、命令を実行したりする「Googleアシスタント」などは、その一例。いまは、簡単な調べものをしたり、「ファイルを閉じて」とかいう命令に応える程度ですが、たぶん……と私は想像しています。このアシスタントは、もしかしたらそのうち、恋愛相談なんかにも応えてくれるようになるかもしれない。さらに10年か20年経てば、このアシスタントはフィギュア化されるかもしれない。
AKI フィギュア化? つまり、アシスタントに毛が生え、目が付き、手足が備わる――ってこと?
哲雄 そのうち、まるで恋人か友だちのようにふるまい始めるかもしれない。
AKI そうなると、まるでアンドロイドですね?
哲雄 ま、そんな時代が来ないとも限らない――という話です。でもね、そこまで行くと、ますますリアルな恋愛は消えてしまうしかなくなる。残念な話です。南無……。
AKI エッ、エッ、エ――ッ! 「南無……」なんてやんないでくださいよォ~。
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美しい養護教諭と「ボク」の、淡い恋の物語です。

管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
あなたの押してくださったポイントを見ては、喜んだり、反省したりの日々です。
どうぞ、正直な、しかしちょっぴり愛情のこもった感想ポチをお送りください。よろしくお願いいたします。



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