出戻りちなつの激しい夜② 過剰な女

新婚1カ月も経たずに「返品」されてしまった女。
「ちなつは、すごすぎたんだよ」と二村は言う。
「すごすぎる」と評価されたのは、彼女の夜。
それも、彼女が挙げる声だった——。
R18 このシリーズは、性的表現が中心の官能読み物です。18歳未満の方はご退出ください。
エロ 官能小説 オーガズム 不倫

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彼女は、なぜ、新婚1カ月も経たないのに出戻ったのか?
そのワケを知っているらしい男のひとりと、たまたま飲む機会があった。
「ああ、あいつね……」
オレが下園ちなつの名前を口にすると、二村浩一は、ウンザリ……という顔で口を開いた。
「あれはさ、出戻ったというより、返品されたんじゃないか」
「返品された? あの杉野聡太にか?」
「杉野だからだよ」
これまで何かに溺れたということもない、少し人生のレールを踏み外したということもない。そんな杉野のような男にとって、下園ちなつという女は、少し濃すぎたんじゃないか――と、二村は言うのだった。
「濃すぎた? 色気が……ってこと?」
「色気ならまだいいけどさ……」
「色気よりすごいものってこと?」
「たとえば、声とか……」
「声? 何だよ、それ?」
「すごいらしいんだよな、あいつの、あのときの声」
オレはピンと来た。「すごいらしい」などと言ってはいるが、おそらくそれは、二村が自ら体験したことに違いない。
「ヘェ、そんなにすごかったのか?」
カマをかけると、単純な二村は、簡単に落ちた。
そのワケを知っているらしい男のひとりと、たまたま飲む機会があった。
「ああ、あいつね……」
オレが下園ちなつの名前を口にすると、二村浩一は、ウンザリ……という顔で口を開いた。
「あれはさ、出戻ったというより、返品されたんじゃないか」
「返品された? あの杉野聡太にか?」
「杉野だからだよ」
これまで何かに溺れたということもない、少し人生のレールを踏み外したということもない。そんな杉野のような男にとって、下園ちなつという女は、少し濃すぎたんじゃないか――と、二村は言うのだった。
「濃すぎた? 色気が……ってこと?」
「色気ならまだいいけどさ……」
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「声? 何だよ、それ?」
「すごいらしいんだよな、あいつの、あのときの声」
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「初めて聞いたときには、オレだって、思わず彼女の口を塞ぎたくなったもんなぁ。あれは、もう、絶叫に近い。いや―――ッ。助けてェ―――ッ。もう死ぬ―――って、あの声で叫ばれたら、まず、ふつうのマンションとかでは、セックスなんてできないんじゃないか。杉野もさぁ……」
二村が声をひそめて明かしたのは、杉野聡太と下園ちなつの新婚旅行の旅先での夜のありさまだった。
「イク――ッ!」だの「死ぬ――ッ!」だの「助けて――ッ!」だのとさんざん叫んだちなつが、「殺して――ッ!」と断末魔の叫び声を挙げているとき、部屋のインターホンが鳴った。
受話器をとると、それは、フロントからの電話だった。
「お客さま、大丈夫でいらっしゃいますか?」
そこは「秘湯」と呼ばれる山奥の温泉宿。
「隣で『殺して』と悲鳴が聞こえたけど、何かあったのか――と、お隣のお客様から通報がありましたので、心配してお電話させていただいたのですが……」
恐縮してかけてきたという口調ではあったが、それは暗に、「お静かに願いたい」という注意の電話でもあった。
「ひと言で言うと、びびったんだね、杉野は」
「彼女の声にか?」
「そんな声を、夜毎、挙げられたんじゃ、とてもじゃないけど、日常生活はできないと思ったんじゃないの。なにしろ、杉野の家ってのは二世帯住宅でさ、やつの両親は、結婚後も杉野がそこに住むことを望んでたみたいだからよ」
「なるほど、そりゃムリだな」
しかし、杉野の神経が萎えた理由は、それだけではなかった。

下園ちなつは、龍野信一郎に言わせると、「トゥーマッチ」な女なんだそうだ。
感じたときの声の出し方もそうだが、愛情の示し方や感情の表現の仕方が全般に過剰で、それで相手をたじろがせてしまうようなところがある。
だれかが熱を出して仕事を休んだというだけで、「大丈夫かしら? 私、お見舞いに行って来ましょうか?」などと言い出し、本人が出社してくると、飲みきれないほどの栄養ドリンクなどをレジ袋いっぱいに満たして、「栄養つけなきゃダメよ。ハイ、これ!」と渡そうとする。
だれかが転勤する、昇進する、引っ越しするとなると、本人がビックリするほどの大きな花束を用意したりする。
相手が男であろうが、女であろうが、彼女の過剰ぶりには変わりがない。
彼女に欠けていたのは、それを相手がどう受け止めてくれるかを想像する推察力と、その反応を読み取る観察力だった。
それには、理由があった。
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美しい養護教諭と「ボク」の、淡い恋の物語です。
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美しい養護教諭と「ボク」の、淡い恋の物語です。

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