出戻りちなつの激しい夜① ワケを知る男たち

彼女が結婚すると知って、落胆した男も、
何人かいた。しかし、その彼女が結婚1カ月も
経たないうちに出戻ってきた。男たちの何人かは
「やっぱりな」とうなずき合った——。
R18 このシリーズは、性的表現が中心の官能読み物です。18歳未満の方はご退出ください。
エロ 官能小説 オーガズム 不倫
「あいつ、出戻ったらしい」
男たちの間で、そんなウワサがささやかれるようになったのは、長い連休が終わって、夏の熱気がスーツの下の下着をベトベトに濡らし始めた季節だった。
「あいつ」というのは、商品開発部のプランナー、下園ちなつ。一部の男たちに惜しまれつつも、4月の初めに結婚し、連休を利用して新婚旅行に出かけたはずの女。ふつうなら、今頃は、熱々のハネムーンを満喫中……のはずだった。
「出戻った――って、まだ、1カ月も経ってないんじゃないの?」
驚いて尋ねるオレに、龍野が声をひそめた。
「何でもよ、新婚旅行先で問題あったらしいんだよな」
「てことは、アレか? ハネムーン離婚?」
「だな……」
オレと龍野は、たがいの顔をのぞき合って、それからニッ……と口の端を緩めた。
その「ニッ」には、「何があったのか、興味あるよな?」「ウン、大いにある」という含意の交換が含まれていた。
男たちの間で、そんなウワサがささやかれるようになったのは、長い連休が終わって、夏の熱気がスーツの下の下着をベトベトに濡らし始めた季節だった。
「あいつ」というのは、商品開発部のプランナー、下園ちなつ。一部の男たちに惜しまれつつも、4月の初めに結婚し、連休を利用して新婚旅行に出かけたはずの女。ふつうなら、今頃は、熱々のハネムーンを満喫中……のはずだった。
「出戻った――って、まだ、1カ月も経ってないんじゃないの?」
驚いて尋ねるオレに、龍野が声をひそめた。
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「てことは、アレか? ハネムーン離婚?」
「だな……」
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下園ちなつは、いわゆる美人ではない。
美人ではないが、なぜか、男たちを惹きつけてしまう不思議な魅力を備えていた。
「魅力」というより「魔力」と言ったほうがふさわしいかもしれない。その「魔力」を感じさせるのは、ひとつには、彼女の発する声だった。
「あ、いや~ん!」
たとえば、自分の長い髪が、ボールペンのキャップに絡まったというだけで、「何事か?」と思うような声を挙げる。その語尾が、妙に色っぽくビブラートする。
「あの声で泣かせてみたい」
男たちの中には、露骨にそんな願望を口にする者もいた。
そんな男たちが、もうひとつ、目を細めたのは、彼女がその皮膚の下に蓄えた脂肪のふくらみだった。
そのしなやかな……と思える弾力は、彼女の体を包む下着の縁から低反発ウレタンのようにはみ出して、存在を主張しているように見える。その主張に応えようと、手を伸ばす男もいた。
龍野がそのひとりかどうかは、オレは知らない。訊いてみる気にもなれなかった。

その下園ちなつが、結婚する――というニュースが流れたとき、何人かの男たちは、「ヘーッ!」と露骨な関心を示した。
彼らが発した「ヘーッ!」には、「意外だ」という驚きも含まれていた。どこか「魔性を秘めた」と思われていたちなつには、「結婚」という平凡なゴールが、あまり想像できなかったからだ。
「意外」と感じた男たちの中には、こう口走る者もいた。
「どこの好きものだよ、あいつをヨメにするなんていうのは?」
しかし、その「好きもの」は、まるっきり「好きもの」には見えない男だった。
杉野聡太。庶務課で商品のクレームに対応したりする地味な役目を務めている男で、入社6年目。カタブツというわけではないが、これまで浮いたウワサのひとつもない、目立たない男だった。
言われれば、「オッ、そういう男もいたなぁ」と思う程度の男だったので、男たちの中には「あいつ、大丈夫かよ?」と心配する声もあった。
「大丈夫か?」と心配されたのは、ちなつのほうではなく、ちなつをヨメに迎える男のほうだった。
そういう声を挙げた男たちの何人かは、彼女がハネムーンもそこそこに出戻ってきたらしい――という話を耳にすると、「やっぱりな」という顔をした。
その顔には、「ワケは想像つくがね」と書いてあった。
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2014年10月発売 定価122円
美しい養護教諭と「ボク」の、淡い恋の物語です。
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美しい養護教諭と「ボク」の、淡い恋の物語です。

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