「ひとりメシ」は食えなくても、「ふたりメシ」は食える

法則32 「一緒に食事した回数」と「絆の深さ」は比例する
どんな体験でも「共有」を重ねれば重ねるほど、
ふたりの絆は深くなります。「だから、早いとこ、
ふたりメシを食え」と世人は教えるのですが——。
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筆者・長住の郷里、福岡地方には、こんな格言があります。
ひとりメシは食えんばってん、
ふたりメシは食えるとぞ(よ)。
読んで字のごとし――です。
通常、この言葉は、「オレ、まだ稼ぎもないし、結婚なんて……」と、自信なさそうな言葉を吐く若者に、先輩男性や世話焼きなおばちゃんなどが、言って聞かせる言葉。
そりゃそうでしょう。
ふたりで一緒に暮らせば、ひとりあたりの光熱費は半分ですむ。食費だって、ひとりで外食したり、ひとり分の食事を作るよりも、ウーンと安くすみます。
「それに……」と、おじちゃんやおばちゃんたちはおっしゃるんですね。
夜だっちゃ、ふたりで肌寄せ合うとりゃ、暖房も要らんばい。
単に「暖房費」のことだけを言ってるのではなくて、「寂しいから」と飲み屋に通ったり、フーゾクに通ったりする費用だって、バカにならないだろう。
だから、四の五の言わずに、早いとこくっついちまいな――と言いたかったんでしょうね。そう言って、盛んに私をけしかけた世話焼きたちが、独身の私とくっつけようとしたのは、当時、足繁く通っていたスナックで働いていた女性のひとりでした。
明るく、元気に働く姿に好感を持っていたので、親しく言葉を交わしてはいたのですが、彼女は「出戻り」で、いや、別に「出戻り」でもいいのですが、高校生になるひねたガキもいて、私のほうには、一緒になりたいなどという気は、さらさらなかったので、丁重にお断り申し上げた次第でした。
ま、そんな話はどうでもよくて、お話しようと思ったのは、この「ふたりメシ」の話。
「ひとりメシは食えなくても、ふたりメシは食える」ということの、深い意味について考えてみようと思うわけです。
ひとりメシは食えんばってん、
ふたりメシは食えるとぞ(よ)。
読んで字のごとし――です。
通常、この言葉は、「オレ、まだ稼ぎもないし、結婚なんて……」と、自信なさそうな言葉を吐く若者に、先輩男性や世話焼きなおばちゃんなどが、言って聞かせる言葉。
そりゃそうでしょう。
ふたりで一緒に暮らせば、ひとりあたりの光熱費は半分ですむ。食費だって、ひとりで外食したり、ひとり分の食事を作るよりも、ウーンと安くすみます。
「それに……」と、おじちゃんやおばちゃんたちはおっしゃるんですね。

単に「暖房費」のことだけを言ってるのではなくて、「寂しいから」と飲み屋に通ったり、フーゾクに通ったりする費用だって、バカにならないだろう。
だから、四の五の言わずに、早いとこくっついちまいな――と言いたかったんでしょうね。そう言って、盛んに私をけしかけた世話焼きたちが、独身の私とくっつけようとしたのは、当時、足繁く通っていたスナックで働いていた女性のひとりでした。
明るく、元気に働く姿に好感を持っていたので、親しく言葉を交わしてはいたのですが、彼女は「出戻り」で、いや、別に「出戻り」でもいいのですが、高校生になるひねたガキもいて、私のほうには、一緒になりたいなどという気は、さらさらなかったので、丁重にお断り申し上げた次第でした。
ま、そんな話はどうでもよくて、お話しようと思ったのは、この「ふたりメシ」の話。
「ひとりメシは食えなくても、ふたりメシは食える」ということの、深い意味について考えてみようと思うわけです。

絆の強度は、「共有体験」の量に比例する
「ふたりメシ」には、単に、「ふたりで暮らしたほうが合理的だ」というだけではない意味が込められています。
そこには、こんな意味もあるのではないか、と私は思っています。
男と女の関係を深め、絆を強めるのは、
単に「ホレた」「ハレた」の量だけじゃない。
ファミリーを支えるという「共同作業」を通じて、
深まっていくのである。
だから、まず、ふたりでメシを食ってみよ!(生活を始めてみよ!)
勝手な解釈かもしれませんが、長住は、そう言われているように感じるわけです。
突き詰めて言うと、こういうことかもしれません。
グズグズ言わずに、「一緒に暮らす」という事実を積み重ねてみろ。
そうすれば、自然と絆は作られていくもんだ!
なるほど、一理ある――と、長住は思っています。
心理学的に翻訳し直すと、こう言ってもいいかもしれません。
ふたりを結びつける関係の強さは、
共有した体験の量に比例する。
これは、男と女の関係に限った話ではありません。
生徒に愛校心を植え付けようとする学校経営者や校長は、全校一丸となって取り組めるような学校行事を繰り返し経験させることによって、子どもたちの結合力(=団結力)を高めようとします。
不満を抱える国民を「愛国心」の名のもとにまとめようとする権力者は、国民を熱中させるようなイベント(たとえばオリンピックのような)を企画することによって、国内の矛盾を「ないものの」のように包み隠してしまおうとします。
接着剤としての「共有体験」は、それほどに強い効力を持つ、ということです。
これを、男女の関係に応用しない手はない。
それなのに――です。

「絆」は「既製品」ではありません
近頃の恋愛事情を見ていると、本来は、「共有体験」を積み重ねることによって築き上げられていくはずの絆を、「既製品」として手に入れようとする男女が、増えているような気がします。
つまり、まだ何も始まらないうちから、「強い絆」を求めたり、その保証を求めたりする人が、増えている。特にその傾向が、女性に強くなっているように、長住には感じられるわけです。
そういう人たちが望む「既製品」は、もちろん、マーケットで売られているわけではありません。
しかし、サンプルは、提示されています。
たとえば、TVドラマの主人公やアニメのキャラクターとして。あるいは、感動もののヒューマン・ドキュメントに登場するリアルな人物像として。
そういうサンプルを見て、イメージを刷り込まれた女性は、自分との交際を求める男性に誓わせようとするのですね。たとえば、こんなふうに――。

あのね――と、長住は思うわけです。
そういう「もしも」を持ち出して、相手から誓約を引き出そうとするの、反則でしょ?
ドラマやドキュメントが見せてくれる「深い絆」は、当人たちが長い年月を積み重ねて築き上げた「結果」でしょ?
それを、「出して見せて」と言う男や女を見ると、私は「バカか」と思ってしまいます。
そんなことを確約させようとするヒマがあったら、事実を積み重ねなさい――と、私は申し上げたい。
いろんなことをふたりで一緒に経験して、その経験を「共有化」して、「ウン、これなら、自分たちは何があっても大丈夫」という確信を、自分たちで見つけなさいよ――と申し上げたいわけです。

「共有体験」はムリしてでも作るべし
ところで、「共有体験」が絆を強固にする――という点から言うと、もうひとつ、気になることがあります。
実は、愛し合って結婚した夫婦の場合でさえ、何かを「共有体験」とするという機会が、近年、目に見えて減っているのではないか――ということです。
夫婦ふたりがどちらもフルタイムで働かないと、生活が維持できないような時代になった、ということも理由のひとつでしょう。
朝もバラバラに出勤して、帰りもバラバラ。食事を共にすることも、ふたりで協力し合って何かを作ることも、力を合わせて難題に取り組むなんていう機会も、どんどん減っているような気がするのです。
「共有体験」を積み重ねる機会そのものが、男女の間から奪われつつあるのではないか――と、長住は思うわけです。
そういうことも離婚率を押し上げる理由のひとつになっているのではないか、と思うのですが、残念ながら、それを証明するようなデータは、発見することができませんでした。
でも、こういうことだけは言えるのではないか、と思います。
夫婦がバラバラに働いている都市勤労者の世帯よりも、たとえばふたりで力を合わせて店を切り盛りしているとか、農場や工房を維持しているといった世帯のほうが、おそらく離婚率も低いのではないか。
ただ、現代の都市生活では、そういうライフスタイルを実現できるのは、限られた人たちだけです。
もし、それがムリなのなら――と、私は思うのです。
力を合わせて何かをするという機会が、なかなか得られないのであれば、そういう機会は、意識的に作るしかない。
たとえば、休日には、できるだけ、ふたりで一緒に体を動かす時間を作る。ふたりで計画した何かを実現するために、力を合わせる時間を作る。できるだけ一緒に食事を作る、食べる。掃除は当番制ではなく、協同制にする――などなどです。
消費するだけの時間ではなく、創造する時間。
ぜひ、試してみてください。
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