ものが決められないカップルの話し方

なかなかものが決められないカップルがいます。実は、それは、
ふたりの会話のベクトルが「交差」してしまっているから。
今回は、その修正法を考えてみます。
愛が生まれる日本語・殺す日本語 レッスン 2-4
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決められないふたり――とでも呼ぶべきカップルがいます。
決めようという意思はあるのですが、なぜかいつも、話がまとまらないのです。
なぜ、そうなるのか?
秘密は、会話にあります。まずは、ものが決められないカップルにありがちな会話のパターンをご紹介しましょう。
上の2つの会話例は、たぶん、このままじゃ、ふたりの間で何も決まらないだろうな――と思われる会話の典型的なパターンです。
もしかしたら、私たちもふだん、こんな話し方をしているかもしれません。
問題はいろいろあるのですが、この会話に特徴的な性質は、「依存性」です。
これも、エゴグラムを使って、分析してみましょう。
冒頭の会話を「交流分析」の考え方に基づいて図にすると、次のようになります。
決めようという意思はあるのですが、なぜかいつも、話がまとまらないのです。
なぜ、そうなるのか?
秘密は、会話にあります。まずは、ものが決められないカップルにありがちな会話のパターンをご紹介しましょう。
会話例 1 「レストランでメニューを見ながら
R美 ねェ、何食べる?
T男 何でもいいよ。適当に決めて。
R美 ねェ、何食べる?
T男 何でもいいよ。適当に決めて。
会話例 2 休暇の計画をめぐって
妻 ねェ、ねェ。今度の旅行、このスパにしようよ。タラソテラピーとかあるんだよ。私、行きた~い! ここに決めよう! ネ、ネ、ネッ!
夫 つまんねェよ、そんなとこ。それよか、オレは、ゴルフがしたいの!
妻 ねェ、ねェ。今度の旅行、このスパにしようよ。タラソテラピーとかあるんだよ。私、行きた~い! ここに決めよう! ネ、ネ、ネッ!
夫 つまんねェよ、そんなとこ。それよか、オレは、ゴルフがしたいの!
上の2つの会話例は、たぶん、このままじゃ、ふたりの間で何も決まらないだろうな――と思われる会話の典型的なパターンです。
もしかしたら、私たちもふだん、こんな話し方をしているかもしれません。
問題はいろいろあるのですが、この会話に特徴的な性質は、「依存性」です。
これも、エゴグラムを使って、分析してみましょう。
復習――エゴグラムと交流分析
「エゴグラム」と「交流分析」の考え方については、前々回の記事 『心理学が見つけた、絶対、ケンカにならない話法』 で詳しく解説しましたが、もう一度、簡単にまとめておきましょう。
「エゴグラム」では、自我の状態を大きく次の3つに分けて考えます。
ほんとうは、「P=親の自我」には、「CP=批判的親」「NP=養護的親」の2種類が、「C=子どもの自我」には、「FC=自由な子ども」「AC=順応する子ども」の2種類があって、全部で5つなのですが、ここでは簡略化するために3つにまとめて考えます。
P=親の自我……相手を子どものように支配したり、面倒をみたりしようとする自我の状態。
【この自我で話すときに期待する相手の反応】相手が素直に耳を傾け、言うことを聞いてくれるか、同じ親同士としての対等な反応を期待。
▼期待する相手の自我=C(子どもの自我)、P(共感する親の自我)
▼歓迎しない相手の自我=A(冷静なおとなの自我)、P(支配的な親の自我)
A=自立したおとなの自我……合理的、客観的な冷静な心で、他者と接しますが、しばしばその態度は、「冷たい」と受け取られることも。
【この自我で話すときに期待する相手の反応】相手が冷静で、客観的な反応を示してくれること。
▼期待する相手の自我=A(おとなの自我)
▼歓迎しない相手の自我=P(支配的にふるまう親の自我)、C(依存的な子どもの自我)
C=子どもの自我……相手に依存したり、わがままを言って甘えたり、順応して「いい子」になろうとする自我の状態。
【この自我で話すときに期待する相手の反応】相手がわがままや願いを聞き入れてくれるか、
子ども同士として共感し合うこと。
▼期待する相手の自我=P(養護的または指導的な親の自我)、C(共感する子どもの自我)
▼歓迎しない相手の自我=A(冷静なおとなの自我)、P(過度に批判的な親の自我)
【図の見方】
話し手が、自分のどんな自我から相手のどんな自我に向けて語りかけているかを「→」で示しています。「P→C」とあれば、その人は自分の「親の自我」を使って、相手の「子どもの自我」に向けて語りかけている――ということになるわけです。
この「→」が交差し合う交流を「交差交流」と呼んで、こうした交流ではストレスが蓄積されると考え、これをストレスのたまらない(→が交差しない)「相補交流」に変えましょう――というのが、「交流分析」の基本的な考え方です。
「エゴグラム」と「交流分析」の考え方については、前々回の記事 『心理学が見つけた、絶対、ケンカにならない話法』 で詳しく解説しましたが、もう一度、簡単にまとめておきましょう。
「エゴグラム」では、自我の状態を大きく次の3つに分けて考えます。
ほんとうは、「P=親の自我」には、「CP=批判的親」「NP=養護的親」の2種類が、「C=子どもの自我」には、「FC=自由な子ども」「AC=順応する子ども」の2種類があって、全部で5つなのですが、ここでは簡略化するために3つにまとめて考えます。
P=親の自我……相手を子どものように支配したり、面倒をみたりしようとする自我の状態。
【この自我で話すときに期待する相手の反応】相手が素直に耳を傾け、言うことを聞いてくれるか、同じ親同士としての対等な反応を期待。
▼期待する相手の自我=C(子どもの自我)、P(共感する親の自我)
▼歓迎しない相手の自我=A(冷静なおとなの自我)、P(支配的な親の自我)
A=自立したおとなの自我……合理的、客観的な冷静な心で、他者と接しますが、しばしばその態度は、「冷たい」と受け取られることも。
【この自我で話すときに期待する相手の反応】相手が冷静で、客観的な反応を示してくれること。
▼期待する相手の自我=A(おとなの自我)
▼歓迎しない相手の自我=P(支配的にふるまう親の自我)、C(依存的な子どもの自我)
C=子どもの自我……相手に依存したり、わがままを言って甘えたり、順応して「いい子」になろうとする自我の状態。
【この自我で話すときに期待する相手の反応】相手がわがままや願いを聞き入れてくれるか、
子ども同士として共感し合うこと。
▼期待する相手の自我=P(養護的または指導的な親の自我)、C(共感する子どもの自我)
▼歓迎しない相手の自我=A(冷静なおとなの自我)、P(過度に批判的な親の自我)
【図の見方】
話し手が、自分のどんな自我から相手のどんな自我に向けて語りかけているかを「→」で示しています。「P→C」とあれば、その人は自分の「親の自我」を使って、相手の「子どもの自我」に向けて語りかけている――ということになるわけです。
この「→」が交差し合う交流を「交差交流」と呼んで、こうした交流ではストレスが蓄積されると考え、これをストレスのたまらない(→が交差しない)「相補交流」に変えましょう――というのが、「交流分析」の基本的な考え方です。
冒頭の会話を「交流分析」の考え方に基づいて図にすると、次のようになります。
会話例-1の交流図

「何、食べる?」と訊く彼女は、相手にメニューの決定を委ねようとし(依存)、彼のほうも、「何でもいい」と自分の決定権を相手に投げ返して(依存)、やはり→は、どちらも「C→P」となって、交差しています。ウエートレスが、いちばんイライラする客かもしれません。
会話例-2の交流図

「行きた~い」と、駄々をこねる子どものような態度の妻は、それを相手に聞き入れてもらいたいと、「C→P」のメッセージを発していますが、対する夫は、「つまんねェよ、そんなとこ」と、冷静な対応(破線の「A→C」)を含ませつつも、「オレはゴルフがしたいの」と、わがままな子どもの自我で、「C→C」のメッセージを投げ返しています。やはり、→は交差したまま。このふたりの旅行は、いつまでたっても実現しそうにありません。
さて、こんなふうな会話では、いつまでたっても物事が決められないので、改善の要あり! 先に、依存された側がどう答えを返すかが重要になります。
その際、自分も同じ「C→P」の姿勢では、→が交差してしまいますので、スタンスの変換が必要になるのですが、そこでとるべきスタンスは、次の3つのどれかしかありません。
[1] 依存してくる相手に対して、「P→C」で強い指導性を発揮する。
多少、きつい言い方になるかもしれませんが「CP=批判的親」の自我を使って、「○○ではダメだ。××しなさい」と、ハッキリ、ものを言う――ということです。
[2]依存してくる相手に対して、「P→C」で受容的な態度を示す。
同じ「P」でも、こちらは「NP=養護的親」の自我を使って、「しょうがないな。じゃ、今回は、キミのわかせままを聞いてあげよう」と、寛容な態度を見せます。
[3]依存してくる相手に対して、冷静なおとなの対応を求める。
つまり、「A→A」の話し合いに持ち込むということですが、いきなり「A→A」で話をすると、→が交差してしまいますから、いったん、「P→C」のスタンスで受け止めたあとで、「A→A」への転換を図ります。
実際にどう変わるか、図で示してみましょう。
会話例3 会話例1の改善例

会話例4 会話例2の改善例



会話例3は、[2]の方法で、会話例4は[3]の方法での改善例を示しましたが、どの例にどの方法をあてはめても、問題は解決できると思います。
今度、試してみてください。
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【右】『『チャボのラブレター(マリアたちへ-1)』
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中学校の養護教諭と「ボク」の、淡い恋の物語です。

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