なぜ、男は家で仕事の話をしたがらないのか?

家では仕事の話をしたがらない男、逆に、事細かに
話したがる女。対照的なこの違いの背景には、
根本的な男女の性質の違いがひそんでいます。
愛が生まれる日本語・殺す日本語 レッスン1-7
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男はしばしば、自分のパートナーについて、こんなふうに感じることがあります。
まったく、うちのやつと来たら、どうしてこう一日中、しゃべっていられるんだよ。まったく、うるさいったらありゃしない。少し、だまっててくれないかな……。
反対に、女もしばしば、自分のパートナーについて、こういう不満を抱きます。
どうして、何も言ってくれないの? 私が何か訊いても、生返事ばっかりだし。仕事のことを訊いても、うるさそうにするだけ。ああ、私たちの愛は、もう冷めてしまったの?
男が男である限り、女が女である限り、おたがいのこの種のスレ違いがなくなることはないだろう――と、筆者は思っています。
そんなスレ違いが、もっとも顕著に表れるのが、家で交わすこんな会話でしょう。
仕事から帰ってきた夫に、妻が「仕事、どうだった?」と尋ね、夫がそれに生返事を返す――たぶん、どの家庭でも、ふつうに見られる光景だと思います。
妻は、「うちの人、外の話は何もしてくれない」と不満を溜め、夫は夫で、「うちのやつ、家に帰ってまで仕事の話させたがるんだよな。こっちは疲れてるのにさぁ」と、ウンザリ顔。
そうなんです。
男は、家庭では仕事の話をしたがらず、女は聞きたがる。
これは、男女の大きな違いと言ってもいいと思います。
立場を逆にしても、同じことが起こります。
妻は職場での仕事の話を、一生懸命に伝えようとしているのですが、夫は適当に聞き流していて、「それより、オレのメシは?」と、妻の役割を思い出させようとします。
やはり、この場合も――
女は家庭でも仕事の話をしたがり、男は聞きたがらない。
という関係が成立しています。

反対に、女もしばしば、自分のパートナーについて、こういう不満を抱きます。

男が男である限り、女が女である限り、おたがいのこの種のスレ違いがなくなることはないだろう――と、筆者は思っています。
そんなスレ違いが、もっとも顕著に表れるのが、家で交わすこんな会話でしょう。
会話例1 「仕事」について話したがらない男
妻 どうだったの、仕事は?
夫 別に、いつも通りさ。
妻 きょう、大事なプランを提案するとか言ってたじゃない。うまくいったの?
夫 まあな。それより、早くメシ食わせてよ。腹ペコなんだ。
妻 どうだったの、仕事は?
夫 別に、いつも通りさ。
妻 きょう、大事なプランを提案するとか言ってたじゃない。うまくいったの?
夫 まあな。それより、早くメシ食わせてよ。腹ペコなんだ。
仕事から帰ってきた夫に、妻が「仕事、どうだった?」と尋ね、夫がそれに生返事を返す――たぶん、どの家庭でも、ふつうに見られる光景だと思います。
妻は、「うちの人、外の話は何もしてくれない」と不満を溜め、夫は夫で、「うちのやつ、家に帰ってまで仕事の話させたがるんだよな。こっちは疲れてるのにさぁ」と、ウンザリ顔。
そうなんです。
男は、家庭では仕事の話をしたがらず、女は聞きたがる。
これは、男女の大きな違いと言ってもいいと思います。
立場を逆にしても、同じことが起こります。
会話例2 家でも「仕事」の話をしたがる女
妻 ねェ、聞いて。きょう、私のプランを提出したらね、ホラ、こないだ、あなたにも聞かせたでしょ。あれよ。覚えてないの?
夫 ああ、なんか言ってたね。
妻 そしたら、Mちゃんがね……。
夫 Mちゃん?
妻 去年、うちに遊びに来た子よォ。手土産に自分でピザ焼いて持ってきた子、いたでしょ。そのMちゃんが、「先輩、すご~い」って、喜んでくれたの。主任とか課長は、「ウーン、こういうのは、いまの時代にどうなの?」とか言ってたんだけどね、Mちゃんが、「ぜったい面白いですよ、これ」とか後押ししてくれて、Y子とかN子たちも一緒になって押してくれたから、あのプランね、やってみようってことになったの。
夫 よかったじゃないか。
妻 だからね、帰りにMちゃんたち誘って、ホルモン食べてきちゃった。知ってる? 「○○○」のホルモンってさ、ホント、味が上品なのよ。コリッとしてるんだけど、やわらかくて、スパイシーで。今度、あなたも一緒に……。
夫 どうでもいいけど、オレのメシは?
妻 あ……。
妻 ねェ、聞いて。きょう、私のプランを提出したらね、ホラ、こないだ、あなたにも聞かせたでしょ。あれよ。覚えてないの?
夫 ああ、なんか言ってたね。
妻 そしたら、Mちゃんがね……。
夫 Mちゃん?
妻 去年、うちに遊びに来た子よォ。手土産に自分でピザ焼いて持ってきた子、いたでしょ。そのMちゃんが、「先輩、すご~い」って、喜んでくれたの。主任とか課長は、「ウーン、こういうのは、いまの時代にどうなの?」とか言ってたんだけどね、Mちゃんが、「ぜったい面白いですよ、これ」とか後押ししてくれて、Y子とかN子たちも一緒になって押してくれたから、あのプランね、やってみようってことになったの。
夫 よかったじゃないか。
妻 だからね、帰りにMちゃんたち誘って、ホルモン食べてきちゃった。知ってる? 「○○○」のホルモンってさ、ホント、味が上品なのよ。コリッとしてるんだけど、やわらかくて、スパイシーで。今度、あなたも一緒に……。
夫 どうでもいいけど、オレのメシは?
妻 あ……。
妻は職場での仕事の話を、一生懸命に伝えようとしているのですが、夫は適当に聞き流していて、「それより、オレのメシは?」と、妻の役割を思い出させようとします。
やはり、この場合も――
女は家庭でも仕事の話をしたがり、男は聞きたがらない。
という関係が成立しています。

昔から、日本では、「家庭に仕事を持ち込まない」が、男の美徳とされてきました。
しかし、これは、何も日本に限ったことではなさそうです。
『わかりあえない理由』(講談社刊)を書いたデボラ・タネンによれば、アメリカの食卓も似たようなもので、タネン女史は、朝食を食べながら新聞を広げる亭主と、それを「コミュニケーションの拒絶」と受け取ってしまう妻との間の、コミュニケーションのあり方の違いを、男女の性差として取り上げています。
同女史によれば、男は「パブリック・スピーキング」を重視する生きもので、女は「プライベート・スピーキング」を重視する生きものなんだそうです。「パブリック」を「公」、「プライベート」を「私」と置き換えると、わかりやすいかと思います。
で、タネン女史は、こう言っています。
男は「公的」な場所では饒舌になるが、「私的」な場所では寡黙になる。
女は「公的」な場所では寡黙だが、「私的」な場所では饒舌になる。
こう考えると、前出の2つの会話例に出てきた夫と妻の態度も、「なるほど、そうか」と納得できるかと思います。
しかし、中には「え?」と思った人もいるかもしれません。

スルドイご指摘です。
もう一度、「会話例2」の妻の話し方を見てください。

「会話例2」の妻は、確かに仕事の話をしているのですが、その内容と言えば、「Mちゃんがどうした」「Y子とN子がどうした」……と、もっぱら、人間関係の話ばかり。つまり、この妻は、「仕事」というパブリックな話を、「プライベート・スピーキング」しているわけです。
ここが、男性との大きな違い。
もし、男が同じ話を妻にしようとしたら、こうなるはずです。
会話例3 男がする「仕事の話」は、なぜ退屈なのか?
妻 ね、どうだったの? きょう、プランを提案したんでしょ?
夫 おお、あれね。いや、商品コンセプトとしては間違ってないんじゃないか、と主任も課長も言うんだけどさ。
妻 コ、コンセプト……はね。
夫 しかし、実現するためには、原価率をどう下げるか、それによって、どんなコスト・パフォーマンスを得られるか――ってところが問題になってさ。どうも、現在の広告戦略などから言うと、レスポンス率が5.5%以上ないと、厳しいぞ、ってことになったんだよな。実際、いまのマーケット情勢を見ると……。
妻 ネ、先に、ご、ごはんにしようか?
妻 ね、どうだったの? きょう、プランを提案したんでしょ?
夫 おお、あれね。いや、商品コンセプトとしては間違ってないんじゃないか、と主任も課長も言うんだけどさ。
妻 コ、コンセプト……はね。
夫 しかし、実現するためには、原価率をどう下げるか、それによって、どんなコスト・パフォーマンスを得られるか――ってところが問題になってさ。どうも、現在の広告戦略などから言うと、レスポンス率が5.5%以上ないと、厳しいぞ、ってことになったんだよな。実際、いまのマーケット情勢を見ると……。
妻 ネ、先に、ご、ごはんにしようか?
男は、どうしても、こんな「パブリック・スピーキング」になってしまいます。
聞いている妻のほうも、つまらないので話を打ち切ってしまいました。
男は、外にいる間は、ほとんどの時間を、こんな「パブリック・スピーキング」に費やしています。クタクタになってしまいます。家に帰ってきたら、やっと、その「パブリック・スピーキング」から解放される、と思っています。
そこへ、妻から「仕事、どうだった?」と、またもや「パブリック・スピーキング」の催促。生返事になる理由がわかります。
女性のみなさんは、こう覚えておくといいかと思います。

では、女性の場合はどうなのでしょう。
女性は、「会話例2」に見られるように、本来「パブリック」と思われる事柄についても、「プライベート・モード」のしゃべり方をしてしまう習性を持っています。というより、もともと、「公」と「私」を分けるという発想が、あまりないのかもしれません。
前出のタネン女史によれば、女性は、こうして「プライベート・スピーキング」を続けることによって、相手との親密感を保とうとする生きものなのだそうです。
男性のみなさんは、こう覚えておくといいでしょう。

こうした男女の「しゃべり方」についての習性は、直そうと思っても直るものではありません。
「直して」と要求するのではなく、その習性に対応する術を身につけるしかありません。
以下は、筆者からのアドバイスです。
しゃべらない夫には、黙ってお茶を出して微笑みかけてあげる。
しゃべる妻には、あいづちと生返事でもいいから、聞いてるフリをしてあげる。
これも愛情だと思うのですが、いかがでしょう?
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