触り魔・T氏の弁明 〈1〉これも脳トレ…?

脳を活性化させるには、指先を使うのがいい。
言っていることは正しい。しかし、その方法は…?
氏が「脳トレ」に選んだのは「ブラインドタッチ」。
それも女性の肌への。あのね、それって……。
R18 このシリーズは、性的表現が中心の官能読み物です。18歳未満の方はご退出ください。
エロ 官能小説 オーガズム 不倫

「人間の体の中で、神経端末がもっとも緻密に分布してるのは、どこだと思う? 指だよ、指!」
エラそうに言うのである、友人・Tは。
「見てみなよ、これを」と見せてくれたのが、何やらワケのわからない図(下記)だった。
Tによれば、それは「ペンフィールドの地図」と呼ばれているもので、全身の神経端末からの入力が大脳の「体性感覚野」のどの部分に投射されているかを、地図の形で示したものだという。
「顔とか足とか手とかが書き込んであるだろ? 胴体とか足はものすごく小さいのに、手が異常に大きいと思わないか? 投射されている部分の表面積が、それだけ大きいってことなんだよな」
別に、Tは脳科学の講釈を垂れよう――というわけではない。
指先にはそれだけ神経が集中している。脳を活性化するには、「指先は使ったほうがいいんだよ」と、Tは言いたいらしいのだ。
そこまではわかる。よく言われていることだし……。
問題は、そのために、何をするか――だ。
Tは、その崇高な目的のために、ピアノの練習を始めたとか、パソコンのブラインドタッチを習得している、というわけではない。
いや、「ブラインドタッチ」は試みているらしいのだが、タッチするのは、パソコンのキーボードではない。
Tは、鼻をヒクヒクさせながらのたまうのである。
「どうせタッチするんなら、もっとやわらかくて、繊細で、脳が喜ぶものがいいだろう?」
それは何か?
Tによれば、「女の肌」に優るものはない――と言うのである。
ま、せいぜい、カミさんの尻を撫で、乳でももんであげるんだね――と言うと、Tは、力なく首を振った。
「たしかにやわらかくはあるが、あれは、もはやブヨブヨ。繊細でさえない。だいいち、おまえ、そんなものに触れても、脳が喜ばないだろう」
「脳トレ」として触れるのであれば、全神経を指先に集める「集中力」が求められる。その対象として、すでに触り慣れた古女房の体では、はなはだ不十分である――と、Tは言うのだ。
エラそうに言うのである、友人・Tは。
「見てみなよ、これを」と見せてくれたのが、何やらワケのわからない図(下記)だった。

「顔とか足とか手とかが書き込んであるだろ? 胴体とか足はものすごく小さいのに、手が異常に大きいと思わないか? 投射されている部分の表面積が、それだけ大きいってことなんだよな」
別に、Tは脳科学の講釈を垂れよう――というわけではない。
指先にはそれだけ神経が集中している。脳を活性化するには、「指先は使ったほうがいいんだよ」と、Tは言いたいらしいのだ。
そこまではわかる。よく言われていることだし……。
問題は、そのために、何をするか――だ。
Tは、その崇高な目的のために、ピアノの練習を始めたとか、パソコンのブラインドタッチを習得している、というわけではない。
いや、「ブラインドタッチ」は試みているらしいのだが、タッチするのは、パソコンのキーボードではない。
Tは、鼻をヒクヒクさせながらのたまうのである。
「どうせタッチするんなら、もっとやわらかくて、繊細で、脳が喜ぶものがいいだろう?」
それは何か?
Tによれば、「女の肌」に優るものはない――と言うのである。
ま、せいぜい、カミさんの尻を撫で、乳でももんであげるんだね――と言うと、Tは、力なく首を振った。
「たしかにやわらかくはあるが、あれは、もはやブヨブヨ。繊細でさえない。だいいち、おまえ、そんなものに触れても、脳が喜ばないだろう」
「脳トレ」として触れるのであれば、全神経を指先に集める「集中力」が求められる。その対象として、すでに触り慣れた古女房の体では、はなはだ不十分である――と、Tは言うのだ。
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もっともと言えば、もっとも――と思える理屈ではある。
で、Tがもっぱら「指先脳トレ」の対象に選ぶのは、よく知らない女性の肌。顔は知っているが、手をつないだこともなければ、飲み屋で肩を触れ合ったこともない、という程度の女性の肌。その肌(氏によれば、背中がもっともいいそうである)に、T氏はそっと手を伸ばして、「あのさ……」などと言いながら、そのやわらかな脂肪の層に指先を沈ませるのである。
指先がその脂肪の中にどの程度まで沈み込むか? その脂肪層の奥にある彼女の真皮層は、彼女のどんな本心を氏の指先に返してくるか?
それを読み取ることに全神経を研ぎ澄ます。「これほどの脳トレはないじゃないか」と、氏はのたまうのである。
Tの「脳トレ」は、さらにエスカレートした。
ある程度、反応が予測できる女性の肌に触れたところで、Tの脳神経ネットワークは、さして集中力を要さない場合もある。だったらそれを、「ある種の緊張感」と「細心の注意」が求められる状況で行うのがいいのではないか。
で、どうしたか?
Tは、もっぱら、通勤の電車内などで、氏が言うところの「脳トレ」に励むことになった。
つまり、「チカン」である。
もちろん、「チカン行為」は、触られた本人が「意思に反して触られた」と感じ、訴えれば、立派に「犯罪行為」となる。
したがって、氏の繊細と豪語する指先は、触れた女性の筋肉が伝えてくるメッセージの解読に、全神経を研ぎ澄ます。
そのメッセージは、氏の分析によれば、おおむね、次の4種に分類できる。
[1]憤怒――何よ、あんた。汚い手で触んじゃねェゾ、このオヤジ!
筋肉は硬直し、場合によっては、触れた手を押し返すようにぶつけて来たりする。チラと振り返って、顔をニラみつけようとするタイプもいる。
[2]不快――この人、チカン? やだ、触らないでよ!
触れたとたんに、体が忌避行動を起こしたり、触れている部分を手荷物などでガードする行動をとる。
[3]興味――あら、チカン…? 私の体に触りたいのかしら?
彼女の筋肉は、触れている手に接触を許したまま、その接触が「偶然」なのか「故意」なのかを確認しようとする動きを見せる。中には、体をモジモジとさせ、つり革などをつかんだ指先が、落ち着きのない動きを見せる場合もある。
[4]歓迎――チカン…? その触り方、嫌いじゃないわ。
筋肉は、硬直と弛緩を繰り返し、触れている手と肌の接触面積を増やすように、体の向きを変えたり、触れている手に肌を押しつけるような動きを見せる。中には、背中を反らしたり、まぶたをピクピク震わせたり……という「反応」を見せるものもいる。
いずれ、論文でもお書きになれば――と思うほどの観察力・分析力である。
もちろん、彼女の筋肉が伝えてくるメッセージが[1]や[2]である――と判断された場合には、Tは、ただちに接触行動を中止し、ターゲットとの間に距離をとる。
しかし、それが[3]または[4]に違いない――と判断した場合には、Tは、細心の注意を払いながら、指先のセンサーを研ぎ澄まし、その柔肌へと指先を這わせる。
もちろん、目的は「脳トレ」――と、本人は言い張っている。

その「脳トレ」の手順だが、Tがもっぱら、指先の感覚を磨くのは、女性の太ももらしい。
いわく、太ももには、実に立派な筋肉がついているから――。
特に氏が好むのは、大腿四頭筋。ヒールを穿いた女性が、電車の揺れに脚を踏ん張るときなどには、その大腿四頭筋が、スカートやパンツの中で、外からもその存在がわかるほどに硬直する。
Tは、その筋肉の強張った筋にそっと指の甲を触れさせてみる。
女の筋肉が、[1]の「憤怒」や[2]の「不快」の信号を返してくれば、Tは「失礼しました」とばかり、即撤収。
しかし、これは[3]または[4]である――と判断した場合には、Tは、彼女のかもしかのような大腿四頭筋を、その筋肉の流れに沿って、ツツーッとなぞり上げる。
踏ん張る彼女の筋肉は、そのまま、臀部へと連なっている。
Tの繊細な指先の神経は、ももと臀部の境界にあるはずものを、細心の注意で探索する。
あるはずのもの。それは、彼女のそこを覆っているはずの小さな布きれの縁、つまり、下着の縁である。
その縁を探り当てた瞬間の、Tの脳の喜びようは、尋常ではない。
これは、フルバックか? 素材は、ツルツルの化繊だな……。
オッ、こいつは、ガードルかぁ……。しっかりサポートしてんだなぁ。
あれ、こ、これは……。エッジが見当たらないゾ。
ま、まさか……Tバックかよ!
そんなことを考えながら、T氏の指は、下着のエッジをたどって匍匐前進を続けるのである。
目指すは、その下着が彼女の尻のもっともやわらかいゾーンへと食い込み、潜り込んでいくそのあたり……。
そのあたりまでたどり着くと、特に[4]のターゲットなどは、自分からヒップの向きを変え、Tの指がヒップの山の間にある窪みへと侵入しやすいように、ちょっと尻を突き出すようなしぐささえ、見せるのだそうである。
無論、Tは喜んで、ピンと伸ばした人差し指を、その窪みへと進ませていく。
ま、そこから先は、諸氏のご想像におまかせすることにしよう。

問題は、この「脳トレ」の結果、Tの脳がほんとうに「活性化」されたかどうか――だろう。
しかし、その効果が顕著に表れた――という確証は、まだつかめていない。
確かに、Tが女性を見つめる目は、いくぶん、ギラついてきたようには見えるが、それは、脳の活性化とはあまり関係がないようにも見える。
それよりも、この「脳トレ」には、最初に申し上げたとおり、ある種の危険が伴う。
もちろん、Tはそれも織り込みずみ。だからこそ、集中力が求められるのだが、それでも、好事魔多し!
そして、それはついに起こったのである。
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