シランケンの不純愛講座　精液の「飛距離」を生み出す驚きの仕組み

精液の「飛距離」を生み出す驚きの仕組み

女性の方はご存じないかもしれませんが、
男の精液、あれは意外なほど飛ぶのです。
その「飛距離」を生み出すのは、実は——。

　性とエッチの《雑学》file.07 改訂版　　　Ｒ15　
このシリーズは真面目に「性」を取り上げるシリーズです。
15歳未満の方はご退出ください。

【今回のキーワード】　不感症　オーガズム　

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　それが初めて飛んだ日のことを、男の子だったら、だれでも鮮やかに覚えているに違いありません。
　「それ」というのは、精液のこと。俗に言う「ザーメン」のことです。
　ただ、「初めての射精」が「飛ぶ」ではなかった人も、意外と多いかもしれません。
　というのも、気持ちいいから布団にスリスリ……なんてやってるうちに出ちゃった――というケースもあるからです。
　この場合、あれは「飛んだ」ではなく「もれた」としか意識されません。

　

なんか、出ちゃった。
　ワッ、なんだ、このヌルヌルしたものは？
　ヤバイ！

　理由はわからないのですが、それは、母親に見つかるとまずいもの――という意識だけは、あったようです。ハイ、少年・長住も、発覚を恐れて、一生懸命、パンツに付着したそれをちり紙で拭い取っていた記憶があります。
　しかし、ある日、発見するんですね。

　

実は、あれはもれ出ていたのではなく、飛び出していたんだ！

　——と。
　しかも、その飛距離が、自分の想像をはるかに越えている。
　どこまで飛んだかわからずに、部屋の中を歩き回っていて、足がベチャッと気持ちのわるいものを踏みつけ、初めて、「ワッ、こんなとこまで飛んでたのか！」と驚かされたことも、ありました。

あれは、意外と飛ぶんです！

　いったい、どれくらい飛んでいるのか？
　残念ながら、医学的統計は見つけられなかったのですが、少なくとも50センチは飛ぶ。たぶん、１メートルも珍しくない。ときによっては、２～３メートルほど飛ぶことだってあるのではないかと思います。
　フランクな友だちに恵まれた男の子だと、壁に向かってマスターベーションして、だれのがいちばん飛ぶか――なんて競争をしたりもするのですが、残念ながら、長住にはその経験はありません。
　ただ、友人たちからは、こんな話も聞きました。

居間のソファに座って、ＡＶを見ながらいたしていたところ、空中高く飛翔したそれが液晶画面に付着して、こすり落とすのに苦労した。

　また、別の友人からは、こんな話も訊きました。

飛んだあれがパソコンのキーボードに粘菌のようにへばり付き、とうとう、キーボードを買い換えるハメになってしまった。

　ま、ことほど左様に、あれは飛ぶ――ということです。

「飛距離」を生み出すのは「筋肉ポンプ」の力

　知的探究心に満ちた諸兄の中には、当然、疑問を感じる人もいるだろうと思います。
　なぜ、精液は、飛ぶ必要があるのか？
　答えは、単純。

　精子を、少しでも子宮近くまで送り届けるため。

　ペニスには、ただそのため、精液を遠くへ飛ばすためだけに存在してるんじゃないか――と思われる筋肉があります。
　精液が、尿道口から送り出されるためには、いくつもの筋肉の力を借りる必要があります。
　まず、精子を輸精管へ送り出すために、睾丸の精巣上体にある平滑筋の収縮が必要になります。
　次に、精嚢まで到達した精子が精嚢分泌液とブレンドされたのち、前立腺を通って尿道まで押し出されるのに、精嚢の平滑筋の収縮を必要とします。
　しかし、これらの筋肉の力だけでは、精液を押し出すところまではできても、それを飛ばすなんてことは、できません。
　飛ばすためには、ポンプのような役目を果たす、もっと力強い筋肉が必要となります。
　あるんですね、そういう筋肉が。

　このシリーズの３回目「男をカチンカチンにする驚きの仕組み」で、ペニスを構成しているのは、２種類の海綿体だという話をしましたが、このうちの尿道海綿体は尿道をすっぽり包み込むような形で存在し、先端は亀頭部を形成しています。
　尿道は、ぼうこうから前立腺を抜けてペニスへと向かうのですが、ちょうど、前立腺を抜けてペニスの根元に達するあたりで、管そのものがふくらみ、そこを球海綿体筋という筋肉が取り囲んでいます。
　尿管内に精液が溜まり、もうガマンできない、という状態になると、この球海綿体筋が瞬間的に収縮して、それを勢いよく外へ押し出す働きをします。手押し式の給油ポンプの、あの手押しの部分のような働きをするわけです。
　言うならば、天然の「水鉄砲」みたいなものでしょうか。

はたして、あれは、「溜まる」ほど飛ぶのか？

　射精の勢いも、飛距離も、この球海綿体筋の筋力次第――と言っていいかと思います。
　歳をとるとその筋力が衰えてくるので、射精も、飛ぶという感じではなく、流れ出すという感じになってしまいます。もう、壁に向かって飛ばしっこ、なんてこともできなくなるわけです。
　もちろん、筋肉ですから、トレーニングによって鍛えることはできるのですが、その話は、またいずれ。

　さて、男性の中には、射精の飛距離についてちょっとした誤解をしている人がいるようなので、ひと言、申し上げておきます。
　「溜まってると、よく飛ぶ」などと言う人がいますが、それはまったく無関係。
　だいいち、溜まった精液は、体内に吸収されて分解されてしまいますから、たとえ何十年、ガマンしてようと、それがゆえに「内圧」が高まって、ボルケーノ（噴火）するなんてことは、あり得ない話です。
　コンテストに出場したければ、筋肉を鍛えるしかない。
　本日は、そんなお話でした。

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