東アジアの「道徳」は、「身内原理」

このトークも、回を重ねて400回。記念すべき400回目のトークでは、日本の社会に潜む「隠蔽体質」を問題にしてみます。実はこれは、東アジア全域に共通する体質。その根源にあるのは、「身内原理」を優先せよ、と教える「儒教」です――。
Talker
哲雄 自ら著作を手がけるエッセイスト。当ブログの管理人です。
AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指すアラサーの美女。
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AKI 前回、日本人は「旅の恥」はかき捨ててもいい――と考えてしまう。それは「周囲の目」ばかりを気にする性質に原因があるんじゃないか――という話をしたんですよね?
哲雄 ハイ、いたしました。でもね、AKIクン、それは、日本人だけの話じゃない。お隣の朝鮮半島の人々にも、そして、中国の人々にも、等しく見られる傾向でもあるんです。
AKI そう言えば、中国や韓国からやって来る旅行者のマナーのわるさとかが、けっこう、指摘されたりしてますよね。
哲雄 そうですね。かつては、日本人旅行者も、旅行先の観光地などでそういう指摘を受けていた時代がありました。いまでも、一部の旅行者の素行には、問題行動が見られることがあります。いちいち取り上げたらキリがありませんので、ここでは申し上げないことにしますけどね。それでね、AKIクン、これら中国人や朝鮮人や日本人の問題行動の裏には、その行動を決定するときにはたらく「あること」が共通しています。それは、何だと思います?
AKI もしかして道徳観とか……ですか?
哲雄 確かに、識者の中には、「道徳教育」が不足しているからだ――などと主張する人もいますね。おバカな文部省などは、義務教育に「道徳」を復活させようとしているようですが、「道徳教育」を復活させたところで、問題は一向に解決しないだろうと私は思います。というのも、日本で「道徳」と言われるもののそのベースになっている考え方が、そもそも諸悪の根源と思われるからです。
AKI 道徳のベースが諸悪の根源? どういうことですか?
哲雄 中国や韓国や日本での「道徳」っていうのは、「身内の原理」だからです。
AKI 身内の原理? 何ですか、それ?
哲雄 身内から指を指されなければいい。外部に何を言われようと、身内に認められればそれでいい――とする原理です。AKIクンは、「儒教」って知ってますか?
AKI なにげに存じてはおります。孔子とか孟子とかが主張した思想でしょ?
哲雄 その儒教は人々に何を教えたかと言うと、まず「家を治めなさい」ということでした。家を治めれば、国が治まる。国が治まれば、天下は平安となる。人と人の関係を説くにあたって、儒教は、
家⇒国家⇒天下
という優先順位をつけたわけです。私が「身内の原理」と言うのは、こういう順位が存在するからなのです。
哲雄 ハイ、いたしました。でもね、AKIクン、それは、日本人だけの話じゃない。お隣の朝鮮半島の人々にも、そして、中国の人々にも、等しく見られる傾向でもあるんです。
AKI そう言えば、中国や韓国からやって来る旅行者のマナーのわるさとかが、けっこう、指摘されたりしてますよね。
哲雄 そうですね。かつては、日本人旅行者も、旅行先の観光地などでそういう指摘を受けていた時代がありました。いまでも、一部の旅行者の素行には、問題行動が見られることがあります。いちいち取り上げたらキリがありませんので、ここでは申し上げないことにしますけどね。それでね、AKIクン、これら中国人や朝鮮人や日本人の問題行動の裏には、その行動を決定するときにはたらく「あること」が共通しています。それは、何だと思います?
AKI もしかして道徳観とか……ですか?
哲雄 確かに、識者の中には、「道徳教育」が不足しているからだ――などと主張する人もいますね。おバカな文部省などは、義務教育に「道徳」を復活させようとしているようですが、「道徳教育」を復活させたところで、問題は一向に解決しないだろうと私は思います。というのも、日本で「道徳」と言われるもののそのベースになっている考え方が、そもそも諸悪の根源と思われるからです。
AKI 道徳のベースが諸悪の根源? どういうことですか?
哲雄 中国や韓国や日本での「道徳」っていうのは、「身内の原理」だからです。
AKI 身内の原理? 何ですか、それ?
哲雄 身内から指を指されなければいい。外部に何を言われようと、身内に認められればそれでいい――とする原理です。AKIクンは、「儒教」って知ってますか?
AKI なにげに存じてはおります。孔子とか孟子とかが主張した思想でしょ?
哲雄 その儒教は人々に何を教えたかと言うと、まず「家を治めなさい」ということでした。家を治めれば、国が治まる。国が治まれば、天下は平安となる。人と人の関係を説くにあたって、儒教は、
家⇒国家⇒天下
という優先順位をつけたわけです。私が「身内の原理」と言うのは、こういう順位が存在するからなのです。
AKI 身内というのは、「家」のこと?
哲雄 自分にとって、より身近な集団が「身内」というふうに考えられます。「世界」に対しては「私の国」が「身内」だし、「私の国」に対しては「うちの会社」や「うちの学校」が「身内」だし、「うちの会社」に対しては「家族」が「身内」ということになるわけです。ご承知のように、人が生きていく一生には、自分の家族、恋人や友人という小さな世界から、会社や学校という組織、国や民族という大きな組織、さらには人が生きているこの世界全体まで、さまざまなスケールのステージが用意されています。しかし、「身内の原理」に縛られた人たちは、こんなふうに考えてしまいます。
A・世界の平和や幸福を問題にするとき
⇒世界の平和? 難民の受け入れ? そんなことより国内の治安のほうが大事だろ!
B・会社の不正などを指摘する声に接したとき
⇒まず、社内に訴えて、問題解決を図るのが「筋」だろ!
C・学校で「いじめ」や「セクハラ」などの疑惑が持ち上がったとき
⇒外部には漏らしちゃまずいな。内部に調査委員会を設置して、穏便に解決を図ろう。
AKI そう言えば……。
哲雄 何か思い当たることがあるんですね。
AKI ホラ、例の貴ノ岩への暴行のとき、相撲協会が言ったじゃないですか。「警察に訴える前に、相撲協会に報告するのが先だろ!」とかなんとか。
哲雄 オオーッ、よく気がつきましたね。
AKI 報告してたら、協会はどうしたんでしょうね?
哲雄 最悪の場合、表に出ないように握りつぶそうとしたかもしれませんね。せいぜい、本人に訓戒を与えるくらいにして、内部処理ですませてしまおうとするとか……。
AKI ありそう……って感じるだけに、怖い話ですね。
哲雄 国会でもよくやるじゃありませんか。何か問題が起こる度に、「調査特別委員会」だの「第三者委員会」だのが設置されるでしょ? しかし、私は思うんですよ。「第三者委員会」の「第三者」がほんとうに「第三者」かどうかは、きわめて疑わしい。所詮は、「身内の調査」じゃないか。「公正さ」は、いったい、どうやって担保されるんだ――ってね。
AKI フーン、そうかぁ……。「身内」「身内」っていう文化は、何とかしないと、社会がいつの間にか腐ってしまいますね。
哲雄 私もそう思います。諸悪の根源は「身内の原理」だと思うのですが、日本の社会には、それを助長してしまう2つの要素が潜んでいる――と、私はニラんでいます。
AKI その2つの要素とは?
哲雄 ひとつは、先にも触れた「儒教的倫理観」。もうひとつは、「体育会的体質」に代表されるような「長幼の序」です。
AKI ああ、「3年神様、2年は奴隷」とかっていう、例のやつですね。
哲雄 ま、それも、儒教的価値観から来てると思うんですがね。
AKI 儒教的価値観の中では、「まず家を治めなさい」と教えたんですよね?
哲雄 そしてそれを実践するにあたっては、「孝」を第一義とせよ――と教えました。「孝」とは「親孝行」の「孝」です。たとえ重要な公務に就いていても、自分の親が病気になったりしたら、公務を放り出してでも、親の見舞いに行け、というわけです。
AKI じゃですよ、もしその親が主張する「義」が自分の公務上の「義」とぶつかったらどうするんですか?
哲雄 孟子が説いた「義」は君臣間の「道義」でした。日本に入って来ると、それは「忠義」というふうに変わって、武家の社会では、「忠ならんとすれば孝ならず。孝ならんとすれば忠ならず」というジレンマを生み出したりするのですが、中国では、文句なしに「孝をとれ!」なんですね。そんな儒教思想を中国以上に教条的に受け継いだ朝鮮では、たとえ親が社会的には不正をはたらいたとしても、それに従うのが子の務めというふうに考えられました。韓国では、それが巨大財閥を生み出す理由にもなったんですがね。
AKI そう言えば、例のナッツ姫の一族などは、親が親なら子も子。一族そろってパワハラを続けてましたよね?
哲雄 そういう企業風土の中では、「社長、それはおかしいでしょ」と「義」を主張する社員なんて出てきません。出てきたら、たちまち首になってしまうでしょうね。
AKI とんでもないですね、儒教っていう宗教は。
哲雄 儒教を「宗教」と考えるかどうかは、議論の分かれるところですがね。明治時代まで、日本の指導者たちも、この教えをさんざん利用してきました。しかも、日本流にアレンジして。
AKI エッ、アレンジしちゃったんですか?
哲雄 ええ、アレンジしちまうのは、日本人の得意ワザですから。
AKI どうアレンジしたのか、知りたいです。
哲雄 エーと、そこらへんについては、話をすると長くなっちゃいますので、次回ということにしましょうか。
AKI ファーイ!
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