オレを通せ!——順番にこだわる男と女のスレ違い

「オレを通せよ!」。「序列」「順番」にこだわる男性が
しばしば口にするフレーズです。そこから生まれるスレ違いを
防ぐためには、どうすればいいか——という話。
愛が生まれる日本語・殺す日本語 レッスン1-4
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世の中には、「ものの順番」にこだわる人たちがいます。
厳しい土地柄だと、結婚や出産の報告をする順番にさえ、本家から順に……など、厳しいルールを決めているところもある――と聞きます。
この順番は、しばしば、男女の間でも、問題になります。
まずは、よくある会話例を見てみましょう。
たぶん、M子は、T彦を通してK先輩を紹介され、3人は、何度か一緒に話をしたことはある――程度の関係なんだろうと思います。←まったく口をきいたこともないK先輩に、いきなり接触したとしたら、M子の態度は、やや問題ありになってしまいます。
ここで問題になっていることを数式にすると、こうなります。
=は親密意識、>は序列意識、を示す記号です。
【M子の数式】
T彦=K先輩、T彦=M子 ―→T彦=K先輩=M子
【T彦の数式】
K先輩>T彦、T彦>M子 ―→K先輩>T彦>M子
ここで「T彦>M子」となっているのは、別に「男である自分が女であるM子より序列が上」という意味ではありません。「K先輩を紹介したのは自分なんだから、ことK先輩に関しては、自分のほうが序列が上」という意味です。
その序列を無視して、自分の頭越しにK先輩に接触したことがルール違反だ――と、T彦は怒っているわけです。
一方のM子の頭の中には、この「序列」という意識がほとんどありません。「T彦に紹介されて仲よくなったんだから、みんな、仲間でしょ」としか思っていないのです。
こういうスレ違いを生み出す背景には、やはり、人間関係に関する男女の意識の差があります。簡単に言うと、
男は、人間関係を「序列」で考え、
女は、人間関係を「親しさの程度」でとらえる
ということです。
厳しい土地柄だと、結婚や出産の報告をする順番にさえ、本家から順に……など、厳しいルールを決めているところもある――と聞きます。
この順番は、しばしば、男女の間でも、問題になります。
まずは、よくある会話例を見てみましょう。
会話例1 「カレの先輩」は「私の先輩」でもある…?
T彦 あれ!? M子、『風の来た道』読んでるの? おまえ、『風の行く先』が読みたいって言ってたんじゃなかったっけ?
M子 そうなんだけど……K先輩に訊いたらね、Nの作品読むんだったら、『風の来た道』を先に読んだほうがいいって教えてくれたの。
T彦 おまえ、K先輩に訊いたの?
M子 ウン、だってT彦、Nのことなら、K先輩がめっちゃくわしいって言ってたでしょ?
T彦 言ったけど、そういうのは、まず、オレに訊けよ。
M子 エーッ!? どうしてェ?
T彦 勝手に訊くなつってんの。K先輩は、オレの先輩だろ?
M子 T彦の先輩なら、私にも先輩じゃん。わかんないよ、そういうの。
T彦 あれ!? M子、『風の来た道』読んでるの? おまえ、『風の行く先』が読みたいって言ってたんじゃなかったっけ?
M子 そうなんだけど……K先輩に訊いたらね、Nの作品読むんだったら、『風の来た道』を先に読んだほうがいいって教えてくれたの。
T彦 おまえ、K先輩に訊いたの?
M子 ウン、だってT彦、Nのことなら、K先輩がめっちゃくわしいって言ってたでしょ?
T彦 言ったけど、そういうのは、まず、オレに訊けよ。
M子 エーッ!? どうしてェ?
T彦 勝手に訊くなつってんの。K先輩は、オレの先輩だろ?
M子 T彦の先輩なら、私にも先輩じゃん。わかんないよ、そういうの。
たぶん、M子は、T彦を通してK先輩を紹介され、3人は、何度か一緒に話をしたことはある――程度の関係なんだろうと思います。←まったく口をきいたこともないK先輩に、いきなり接触したとしたら、M子の態度は、やや問題ありになってしまいます。
ここで問題になっていることを数式にすると、こうなります。
=は親密意識、>は序列意識、を示す記号です。
【M子の数式】
T彦=K先輩、T彦=M子 ―→T彦=K先輩=M子
【T彦の数式】
K先輩>T彦、T彦>M子 ―→K先輩>T彦>M子
ここで「T彦>M子」となっているのは、別に「男である自分が女であるM子より序列が上」という意味ではありません。「K先輩を紹介したのは自分なんだから、ことK先輩に関しては、自分のほうが序列が上」という意味です。
その序列を無視して、自分の頭越しにK先輩に接触したことがルール違反だ――と、T彦は怒っているわけです。
一方のM子の頭の中には、この「序列」という意識がほとんどありません。「T彦に紹介されて仲よくなったんだから、みんな、仲間でしょ」としか思っていないのです。
こういうスレ違いを生み出す背景には、やはり、人間関係に関する男女の意識の差があります。簡単に言うと、
男は、人間関係を「序列」で考え、
女は、人間関係を「親しさの程度」でとらえる
ということです。

こういう男女差は、職場や学校という組織の中では、しょっちゅう見られる光景です。
たとえば、職場での趣味の集まりとか飲み会なんていうケースを想定してみましょう。
女性同士の集まりだと、話は簡単です。
会話例2 課長が「NO」でも自分は行く
♀主任 あ、そうそう。Yさん(♀課長)がね、今度、フラワーアレンジメントの勉強会やんないかって言ってるの。
♀部下 あ、いいなあ。私、ちょうど、やってみようかと思ってたんです。
♀主任 じゃ、参加にしとくね。私は、ちょっと、花とかお茶とか、そういうの苦手だから、パスだけど……。
♀部下 エーッ!? やってみれば面白いのに。それに、ホラ、ああいうの、婚活にも効くらしいですよ。
♀主任 いいの。私は、このボディさえあれば、男には不自由しないの。
♀主任 あ、そうそう。Yさん(♀課長)がね、今度、フラワーアレンジメントの勉強会やんないかって言ってるの。
♀部下 あ、いいなあ。私、ちょうど、やってみようかと思ってたんです。
♀主任 じゃ、参加にしとくね。私は、ちょっと、花とかお茶とか、そういうの苦手だから、パスだけど……。
♀部下 エーッ!? やってみれば面白いのに。それに、ホラ、ああいうの、婚活にも効くらしいですよ。
♀主任 いいの。私は、このボディさえあれば、男には不自由しないの。
たとえ、主任が不参加でも、この部下は勉強会に参加するはず。女性の「集合」は、地位や序列に関係なく、「好きか嫌いか」で形成されていきます。
しかし、男はこうはいきません。
会話例3 課長が行かないのなら、自分も行かない
♂課長 なんか、部長がさぁ、今度、ボジョレヌーヴォーの試飲会をやるっていうんだよな。
♂部下 ボジョレヌーヴォーですか?
♂課長 キミ、確か、ワイン党だったよね。
♂部下 まぁ、ちょっとかじった程度ですけど。課長は参加されるんですか?
♂課長 いや、私は、どうも。ワインが苦手なんだよ。
♂部下 私も今回は、ちょっと……。いろいろ仕事が立て込んでまして。
♂課長 なんか、部長がさぁ、今度、ボジョレヌーヴォーの試飲会をやるっていうんだよな。
♂部下 ボジョレヌーヴォーですか?
♂課長 キミ、確か、ワイン党だったよね。
♂部下 まぁ、ちょっとかじった程度ですけど。課長は参加されるんですか?
♂課長 いや、私は、どうも。ワインが苦手なんだよ。
♂部下 私も今回は、ちょっと……。いろいろ仕事が立て込んでまして。
この課長が「私の代わりに出てくれないか」とでも頼まないかぎり、たとえホンネは「出席したい」でも、「自分もやめときます」になってしまいます。
課長抜きで自分が部長の集まりに出席しちゃまずかろう――という判断が働いてしまうわけです。
まったく、男の社会ってややこしいですね。

こうした性質は、男の脳、女の脳に、DNAとして刷り込まれているものですから、一朝一夕には直らないかもしれません。
無用の誤解やトラブルを避けるためには、女性の側からちょっぴり配慮してあげる必要がありそうです。
冒頭の会話例1を、アレンジしてみましょう。
会話例4 「あなたから訊いて」のひと言を付け加えるだけで
M子 ねェ、K先輩って、Nに詳しいって言ってたよね。
T彦 ああ、めっちゃ詳しいよ。
M子 私もさ、Nの本、読もうと思ってるんだけど、何から読んだらいいのかなぁ。T彦、訊いてみてくんないかなぁ。
T彦 めんどくせぇよ、そんなの。オレ、K先輩に言っとくからさ、おまえ、直接、訊けばいいじゃん。
M子 わかった。じゃ、言っといてね。
M子 ねェ、K先輩って、Nに詳しいって言ってたよね。
T彦 ああ、めっちゃ詳しいよ。
M子 私もさ、Nの本、読もうと思ってるんだけど、何から読んだらいいのかなぁ。T彦、訊いてみてくんないかなぁ。
T彦 めんどくせぇよ、そんなの。オレ、K先輩に言っとくからさ、おまえ、直接、訊けばいいじゃん。
M子 わかった。じゃ、言っといてね。
これで、M子は、T彦の顔も立て、欲しい情報も手に入れられることになります。
めんどうかもしれませんが、「あなたから訊いてみて」というワンクッションを入れる。これだけで、無用の混乱を防ぐことができます。
覚えておいて損はない知恵だと思いますよ。
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