西暦2072年の結婚〈32〉 「捨てる神」と「拾う神」

この小説には性的表現が含まれます。18歳未満の方はご退出を。
山辺俊介は「スラスト主義者」だ。
麻衣の妊娠中、俊介はそのスラストを
禁じられた。「俊介さん、大丈夫?」と
心配する声に俊介が答えた。
「捨てる神あれば拾う神ありさ」——。
連載 西暦2072年の結婚
第32章 「捨てる神」と「拾う神」

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麻衣によると、もうひとりの夫・俊介は、「スラスト主義者」だ。
ペニスを麻衣のヴァギナに挿入するや、それを激しく、力強く、麻衣の体の奥へ、奥へと突き立てることに快感を覚えるらしく、女もそれを待ち望んでいると考えているフシが見られる――と言う。
得意なのは、麻衣の両脚を自分の肩に担ぎ上げて、グイ、グイ……と突いてくるスタイルだ。その形をとると、俊介のペニスは、麻衣の子宮の入り口を激しくノックすることもある。
「ワイルドだねェ」
「ウン、ワイルド。あなたとはちょっと違うわ」
「じゃ……ボクは、どんななの?」
「あえて言うなら、ムード派……かな」
自分では「淡泊」なつもりでいた真弓は、ちょっと意外な気がした。
「ワイルドな俊介に、テクノな次郎。そして、ボクがムード派? なんか、バランスとれてるなぁ」
「わが家には、いろんなメニューがそろっておりま~す、なんちゃって」
「それで……?」と、真弓は、麻衣の顔をのぞき込んだ。
「お客さまのお好みは?」
「それは……」と言いながら、麻衣の指が真弓の胸の筋肉をなぞった。
「秘密にしておくわ」
ならば言わせてやるか……。
ペニスを麻衣のヴァギナに挿入するや、それを激しく、力強く、麻衣の体の奥へ、奥へと突き立てることに快感を覚えるらしく、女もそれを待ち望んでいると考えているフシが見られる――と言う。
得意なのは、麻衣の両脚を自分の肩に担ぎ上げて、グイ、グイ……と突いてくるスタイルだ。その形をとると、俊介のペニスは、麻衣の子宮の入り口を激しくノックすることもある。
「ワイルドだねェ」
「ウン、ワイルド。あなたとはちょっと違うわ」
「じゃ……ボクは、どんななの?」
「あえて言うなら、ムード派……かな」
自分では「淡泊」なつもりでいた真弓は、ちょっと意外な気がした。
「ワイルドな俊介に、テクノな次郎。そして、ボクがムード派? なんか、バランスとれてるなぁ」
「わが家には、いろんなメニューがそろっておりま~す、なんちゃって」
「それで……?」と、真弓は、麻衣の顔をのぞき込んだ。
「お客さまのお好みは?」
「それは……」と言いながら、麻衣の指が真弓の胸の筋肉をなぞった。
「秘密にしておくわ」
ならば言わせてやるか……。

真弓は、麻衣の首筋に顔を埋め、舌を這わせた。その舌を鎖骨に這わせ、腋の下へと潜らせ、乳房のなだらかなふくらみへと這い上がる。麻衣は、「ハァ~ン、ハァ~ン」と甘い息を吐きながら、上半身を右へ捩り、左へ悶えさせる。
胸の頂では、形のいい乳首が身を硬くしている。硬直するとピッテロビアンコのような形に尖る麻衣の乳首。麻衣の体を抱く度に、真弓はその形が好きになった。
そのかわいい硬直を唇で捉え、乳頭を舌先でなぶる。
麻衣の脚が「もうたまらない」というふうにすり合わされ、そして、あられもない形に開かれる。
それは、「早く来て!」という麻衣なりのシグナルだ。
その希求に、真弓は、ゆっくりと答えた。
乳首を口に含んだまま、右手を、開かれた両脚の奥へと忍ばせる。すでに蜜液を滴らせている肉の裂け目を探り当て、指先にねっとりとまとわりつく蜜をすくい取って、その指を花芯へと這わせる。
彼女の花園を縁取る、淡く茶色がかった2筋の丘陵。その合わせ目のこんもりと盛り上がった高まりの下に、彼女の花芯は密かに身を隠している。
高まりをそっと上に押し引っ張ると、ピンクに濡れ光る花芯が顔を出す。その頭を指先でトンとノックすると、麻衣の体がビクンと震える。グリッと押し揉むと、麻衣の背中はエビのようにのけぞり、腰が浮き上がる。
そういうアクメを何度か繰り返し、やがて麻衣は、「もうダメ……」というふうに首を振り、胸に埋まった真弓の頭を両手でつかんで引き寄せようとする。
真弓は、その両手をやさしくもぎ取って、万歳の形で彼女の頭の上に押さえつけ、上体をゆっくりと重ねていく。
いきり立った分身を彼女の入り口にあてがうと、すでにたっぷりとジェルをあふれさせた麻衣のヴァギナは、ニュルリ……と真弓の怒張を受け入れ、奥へ奥へと誘い込むように膣壁が動く。
真弓は、その誘いに応えるように、ゆっくりとペニスを彼女の体の中へ送り込む。
無抵抗の開城。そして、甘美な陥落。
「ね、ね、ね……」
何かを懇願するように開かれた彼女の口から、その言葉はもらされた。
「最高。あなたが、サ・イ・コ・ォ……」
やっと、返事が聞けた。
そして、吉高麻衣は、その1か月後、立花真弓の子を身籠った。

問題は、山辺俊介だった。
1年余に及ぶ、「挿入自粛期間」の間、「スラスト主義者」である俊介は、どうやって、その性的欲求を満たすのだろうか?
俊介に「得意ワザが使えなくなる」と冷やかされた次郎が、今度は、俊介をからかった。
「俊介さんこそ、伝家の宝刀が錆びついちゃうんじゃないですか?」
しかし、矛先を向けられた俊介には、どこか余裕があった。
「大丈夫。オレの宝刀は、いま、砥ぎに出してあるから」
「エッ、砥ぎ?」
次郎も、そして真弓も、意味がわからず、たがいの顔を見つめ合った。
そんなふたりの様子を見て、ニヤリと笑った俊介が、まるで鼻歌を歌うように言い放った。
「捨てる神あれば、拾う神あり――ってね」
ふたりは、ますます、ワケがわからなくなった。
「捨てる神」ってだれ?
「拾う神」ってだれ?
だいいち、麻衣は「捨てる神」なんかじゃないし――。
真弓たちが感じた疑問は、ほどなく解けることになった。
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【左】『聖少女~六年二組の神隠し』
2015年7月発売 定価/122円
教師のビンタが支配する教室から、突如、姿を消した美少女。卒業から40年経って、ボクはその真実を知ります。
【右】『『チャボのラブレター』
2014年10月発売 定価122円
中学校の美しい養護教諭とボクの、淡い恋の物語です。
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教師のビンタが支配する教室から、突如、姿を消した美少女。卒業から40年経って、ボクはその真実を知ります。
【右】『『チャボのラブレター』
2014年10月発売 定価122円
中学校の美しい養護教諭とボクの、淡い恋の物語です。

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