西暦2072年の結婚〈31〉 夜のおつとめ

この小説には性的表現が含まれます。18歳未満の方はご退出を。
麻衣の懐胎で、吉高ファミリーの
夜の生活は、変化を余儀なくされる。
「これからは、入れるのなし!」
そう宣言したのは俊介。その横で次郎が、
「エッ、指も?」と不安な声を挙げた……。
連載 西暦2072年の結婚
第31章 夜のおつとめ

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「ママ、ビョーキ……?」
やっと単語を覚え始めたばかりの由夢ちゃんが、おとなたちのやりとりを見て、不安そうに母親の顔を見上げた。
「大丈夫よ。ママは元気だからねェ」
麻衣は、由夢を抱きかかえて、額と額を合わせてほほ笑む。その目を見て、由夢ちゃんの顔がほころんだ。
その横で、努クンが不思議そうな顔をしていた。
「ねェ、パパ。夜のおつとめって何?」
不意を衝かれた質問に、俊介は「オウ、それはな……」と応じたものの、後が続かない。目線が「何とかしてよ」とパスの相手を探している。その目が、真弓の目と合った。
「お母さんはね、努クン。朝からみんなの晩ご飯がすむまで、お家の中の仕事をいっぱいやってるから、体がパンパンに疲れちゃうんだよ。みんなのご飯が終わって片づけをすませて、キミたちが寝たら、やっと自分の時間がもてるんだよね。その時間に、お母さんは、疲れた体をマッサージしたりして手入れするんだよ。そうしないと、次の日のお仕事が辛くなっちゃうからね。努クンだって、サッカーとかやった後は、クールダウンするでしょ? あれと同じだよ」
「それが夜のおつとめ? フーン……」
努クンがそれで納得したのかどうかはわからないが、俊介も麻衣も、真弓の解説にウンウンとうなずいた。
やっと単語を覚え始めたばかりの由夢ちゃんが、おとなたちのやりとりを見て、不安そうに母親の顔を見上げた。
「大丈夫よ。ママは元気だからねェ」
麻衣は、由夢を抱きかかえて、額と額を合わせてほほ笑む。その目を見て、由夢ちゃんの顔がほころんだ。
その横で、努クンが不思議そうな顔をしていた。
「ねェ、パパ。夜のおつとめって何?」
不意を衝かれた質問に、俊介は「オウ、それはな……」と応じたものの、後が続かない。目線が「何とかしてよ」とパスの相手を探している。その目が、真弓の目と合った。
「お母さんはね、努クン。朝からみんなの晩ご飯がすむまで、お家の中の仕事をいっぱいやってるから、体がパンパンに疲れちゃうんだよ。みんなのご飯が終わって片づけをすませて、キミたちが寝たら、やっと自分の時間がもてるんだよね。その時間に、お母さんは、疲れた体をマッサージしたりして手入れするんだよ。そうしないと、次の日のお仕事が辛くなっちゃうからね。努クンだって、サッカーとかやった後は、クールダウンするでしょ? あれと同じだよ」
「それが夜のおつとめ? フーン……」
努クンがそれで納得したのかどうかはわからないが、俊介も麻衣も、真弓の解説にウンウンとうなずいた。

吉高家の3人の夫たちは、これから約1年、授乳期間も含めると、あるいはもう少し長い期間、妻である麻衣とのSEXを控えることになる。
といっても、まったくその体に触れないというわけではない。3人は、それまでのローテーションを守って麻衣の寝室に通い、グルーミングに努めよう――ということになった。
すでに、子どもたちは子ども部屋に帰って眠りに就いている。麻衣も、由夢ちゃんを寝かしつけるために子ども部屋に行き、そのまま自分の寝室に戻っている。
男3人だけがリビングに残って、「黒霧島」をロックにしてなめながら、麻衣の言う「夜のおつとめ」について密談を交わしていた。
「ただし」と言い出したのは、俊介だった。
「入れるの、なし! アレはもちろんだけど、指も、変な器具も、いっさい挿入しない。ということで、いいですかね、兄貴?」
いつの頃からか、俊介は、3歳年上の真弓を「兄貴」と呼ぶようになっていた。「いいですかね?」と真弓の了解を求めたのは、麻衣の子宮に宿っているのが真弓の子であることを気遣っているのだろう――と、真弓は思った。
「指もなしですかぁ……」
次郎が、少し残念……という声を出す。
「次郎クンの得意ワザ、使えなくなっちゃうね?」
「な、ナニ言ってるんですかぁ」
次郎が、あせったように、俊介の肩を押す。
3人の夫たちは、他の2人の夫がどのように麻衣を抱き、どのように結ばれているかを知っているようだった。
知っているとすれば、それは、麻衣を通して――だろう。

真弓も、何度か、寝物語にそれを聞かされたことがある。
「次郎クンは、テクニシャンのつもりでいるらしいわ」
次郎が使うのは指。その指をヴァギナの中に差し込んで、麻衣のやわらかな膣壁を、右へ、左へ、奥へ、手前へ――とかき回す。麻衣の反応を見ながら、ここが「ツボ」だと思ったら、指の腹を使って猛烈な勢いで押しまくる。
麻衣が次郎に探り当てられた場所は、入口から数センチ入った腹側の壁。そこを押されると、思わず「あっ!」と叫びたくなるような鋭い感覚が生まれ、何かを放出したい衝動が、下腹部全体を襲う。
「次郎クンってね、その様子を観察してるの。そろそろだな……って思ったら、出していいよ――とか言いながら、まるでマウスをクリックするように、すごい速度でそこをノックするの」
「それで……?」と、真弓は、その先を聞きたくなる。
「全部、言わせたいの?」
「話し始めたのは、キミだよ」
「そうか。そうだよね。ウーン……」
真弓の胸に置かれた麻衣の指が、尺取虫のように、真弓の胸の筋肉をたどる。それが、少しくすぐったい。
「何かがね……ピュッと飛び出すような感じはあるの」
「もしかして、お××こ?」
「わかんない。次郎クンは、シオだって言うんだけど……」
「シオ? シオって、あの調味料のシオ?」
「次郎クンに言わせると、潮吹きのシオなんだって」
「潮吹き? そんなの、初めて聞いた」
「わたしも知らなかった。何、それ?――って訊いたら、女も射精するんだって。射精のようにピュッて吹くから、潮吹きって言うらしいわよ」
やっぱり、理系だ。次郎は、まるで生物の実験でもするかのように、麻衣の体にさまざまな刺激を加えては、その反応を見て満足を得る――というSEXスタイルを好むらしい。
「試してみる?」
麻衣が少し挑戦的な目を向けて来た。
真弓は、恐る恐る、ひっそりと口を開けた麻衣の「肉の細道」の中に、指を潜り込ませた。すでに潤った麻衣の細道は、真弓の指にねっとりとした分泌物をまとわりつかせてくる。
「もうちょっと手前」
「もう少し左」
「あ、そこ。そこの前のほう。指を曲げて押してみて」
言われるままに押すと、麻衣は「あっ……」と小さな悲鳴を挙げた。
何だか、変な気分だった。麻衣にナビされるままに指を進ませてはみたのだが、その場所を発見し、麻衣に教えたのは、次郎だ。
つまり、真弓は、間接的に次郎のナビを受けて麻衣の体を探索していることになる。
それは何だか情けないような気もする。なので、真弓は、指での刺激を止めた。それは、次郎に任せておくことにしよう。
その代わり、おおよその位置だけを頭に入れて、真弓はペニスをそこに差し入れることにした。
真弓の決断は、麻衣を喜ばせた。それが、結果的には、麻衣を妊娠へと導いたのかもしれない。
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【右】『『チャボのラブレター』
2014年10月発売 定価122円
中学校の美しい養護教諭とボクの、淡い恋の物語です。
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【右】『『チャボのラブレター』
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