西暦2072年の結婚〈17〉 忍ぶ声、忍ばせる足音

この小説には性的表現が含まれます。18歳未満の方はご退出を。
俊介と次郎に「ハネムーン期間」とされた
真弓と麻衣のふたりだけの夜。
麻衣は発しそうになる声を懸命に耐えた。
声をこらえた分、麻衣の爪は激しく真弓の
尻に食い込み、真弓を傷だらけにした。
連載 西暦2072年の結婚
第17章 忍ぶ声、忍ばせる足音

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吉高麻衣は、口からもれようとする声を懸命にこらえているように見えた。
真弓の手が彼女の乳房を包み込み、その弾力をムギュッと包み込み、右回りに押し揉んだときも、その頂でコリッと硬度を増す乳首をTシャツの上から口にふくみ、舌先で愛撫したときも、そのTシャツをめくり上げて脱がせ、パンツをゆっくりとはぎ取り、鎖骨から乳房へ、乳房から腹部へ、腹部から脚へ……と、舌での愛撫を続ける間も、彼女は口からもれ出ようとする声を必死に押し殺した。
声に出すべき感情の高まりを、激しくなっていく息の荒さで伝え、右に左に……と捩る体で訴え、眉間を寄せ、唇を半開きにした苦悶とも喜悦ともつかない表情で哀訴する。
その姿を、真弓はいじらしいと感じた。
「I&You」の「フィッティング・ルーム」で、初めて肉体の相性を確かめ合ったときには、「あーっ、あーっ!」と歓喜の声を挙げ、真弓の背中と尻を傷だらけにした麻衣だったが、ここではそうはいかない。あのときの奔放で動物的とも思える姿は、廊下ひとつ隔てた子ども部屋で寝息を立てている子どもたちには、けっして気取られてはいけない。
それでも、彼女が懸命にこらえているものを、抑制の壁の奥から引き出したくなる。
真弓は、ゆっくり、彼女の体に重なった。
麻衣のその位置は、記憶の中に書き込まれていた。やや薄めに、美しく生えそろったヘアの下から始まる渓谷が、尻に向かって落ち込む縁にひっそりと口を開けたそれは、通常よりやや下方に位置して蜜をあふれさせている。
ふつうに上から下へと突き進んだのでは、真弓の竿は彼女の後壁に遮られて、先へ進めなくなる。しかし、少し彼女の腰を浮かせるようにして、下から上へ突き上げるようなつもりで腰を進めると、竿は彼女の体の奥へ、ニュルニュルともぐりこんでいく。
もぐり込んだ先端は、前壁にある彼女がもっとも感じるらしいスポットをくすぐる。
彼女の両脚が真弓の腰に巻き付いてくる。手は真弓の尻の肉をつかんで、それを少しでも自分の体に引き寄せようとする。しかし、「フィッティング・ルーム」で見せたように両手ではない。もう一方の手は、自分の口に当てられている。指の甲を口にくわえて、もれそうになる声を自らの手で抑えようとしている。
その姿に、真弓のポテンツが高まった。
「ハフーッ、ハフーッ……」
くわえた指の間から、息の音だけがもれてくる。こらえにこらえる唇がワナワナと震える。「もう、ダメ……」と、その目が訴えてくる。
真弓は、その表情に応えるように、体の内に湧き起こったものを解き放った。
真弓の手が彼女の乳房を包み込み、その弾力をムギュッと包み込み、右回りに押し揉んだときも、その頂でコリッと硬度を増す乳首をTシャツの上から口にふくみ、舌先で愛撫したときも、そのTシャツをめくり上げて脱がせ、パンツをゆっくりとはぎ取り、鎖骨から乳房へ、乳房から腹部へ、腹部から脚へ……と、舌での愛撫を続ける間も、彼女は口からもれ出ようとする声を必死に押し殺した。
声に出すべき感情の高まりを、激しくなっていく息の荒さで伝え、右に左に……と捩る体で訴え、眉間を寄せ、唇を半開きにした苦悶とも喜悦ともつかない表情で哀訴する。
その姿を、真弓はいじらしいと感じた。
「I&You」の「フィッティング・ルーム」で、初めて肉体の相性を確かめ合ったときには、「あーっ、あーっ!」と歓喜の声を挙げ、真弓の背中と尻を傷だらけにした麻衣だったが、ここではそうはいかない。あのときの奔放で動物的とも思える姿は、廊下ひとつ隔てた子ども部屋で寝息を立てている子どもたちには、けっして気取られてはいけない。
それでも、彼女が懸命にこらえているものを、抑制の壁の奥から引き出したくなる。
真弓は、ゆっくり、彼女の体に重なった。
麻衣のその位置は、記憶の中に書き込まれていた。やや薄めに、美しく生えそろったヘアの下から始まる渓谷が、尻に向かって落ち込む縁にひっそりと口を開けたそれは、通常よりやや下方に位置して蜜をあふれさせている。
ふつうに上から下へと突き進んだのでは、真弓の竿は彼女の後壁に遮られて、先へ進めなくなる。しかし、少し彼女の腰を浮かせるようにして、下から上へ突き上げるようなつもりで腰を進めると、竿は彼女の体の奥へ、ニュルニュルともぐりこんでいく。
もぐり込んだ先端は、前壁にある彼女がもっとも感じるらしいスポットをくすぐる。
彼女の両脚が真弓の腰に巻き付いてくる。手は真弓の尻の肉をつかんで、それを少しでも自分の体に引き寄せようとする。しかし、「フィッティング・ルーム」で見せたように両手ではない。もう一方の手は、自分の口に当てられている。指の甲を口にくわえて、もれそうになる声を自らの手で抑えようとしている。
その姿に、真弓のポテンツが高まった。
「ハフーッ、ハフーッ……」
くわえた指の間から、息の音だけがもれてくる。こらえにこらえる唇がワナワナと震える。「もう、ダメ……」と、その目が訴えてくる。
真弓は、その表情に応えるように、体の内に湧き起こったものを解き放った。

真弓も、麻衣も、避妊をしなかった。
「早く子どもを産みたい」と麻衣が言い、真弓もそれを望んだからだった。
31歳の麻衣は、30代前半のうちに出産を終えたいと願っていた。真弓には、体力のあるうちに子どもを一人前に育てたいという希望があった。
できることなら、このハネムーン期間のうちに懐妊できれば――という願いが、麻衣にも、そして真弓にもあった。
もしそれがかなえば、「もうひとりぐらいはいけるけど」と麻衣は言う。しかし、4人目の子どもをつくるとして、その父親をだれにするのか、だれがそうなれるのかについては、特にアテがあるというふうでもなかった。
そんなことを考えながら、情事の後のけだるい気分に浸っていると、麻衣が目の縁にいたずらっぽい笑みを浮かべて言った。
「テクニシャン……」
言いながら、真弓の胸をチョンと突く。
「あとのふたりは? テクニシャンじゃないの?」
「気になる?」
「ちょっとだけね」
「そうね……」と言って、麻衣はクスリ……と笑った。
「ひとりはワイルド。もうひとりは、どっちかと言うと、かわいい……かな」
どっちが「ワイルド」で、どっちが「かわいい」か、何となく、見当がついた。しかし、それ以上は聞かないでおくことにした。

吉高麻衣は、いつも6時半には起き出して、夫3人と子どもたち2人分の朝食を用意する。まさか、朝、彼女の部屋から起き出してくるというわけにもいかないので、12時前には彼女の部屋を出て、2階の自室に戻ることにした。
足音を忍ばせて階段を上り、自分の部屋に戻ると、隣の部屋から「ゴホン」と咳払いの声が響いた。
俊介は、まだ起きていたのか?
もしかしたら、階下で何をしていたのか、気づかれてしまったか?
ハネムーン期間なわけだし、別に、そんなこと、気にする必要はないのだが、「あいつ、やってきたな」と思われるのも、何となく癪に障る。
真弓は、「フゥ」とため息をつき、思い切り屁をかまして、布団の中にもぐり込んだ。麻衣に爪を立てられた尻の肉が、ヒリ……と痛んだ。
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【右】『『チャボのラブレター』
2014年10月発売 定価122円
中学校の美しい養護教諭とボクの、淡い恋の物語です。
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妻は、おふたり様にひとりずつ (小説)
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教師のビンタが支配する教室から、突如、姿を消した美少女。卒業から40年経って、ボクはその真実を知ります。
【右】『『チャボのラブレター』
2014年10月発売 定価122円
中学校の美しい養護教諭とボクの、淡い恋の物語です。

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