女を奪い合い、金を、領土を奪い合う「強欲」な男たち

「獲得」にこだわる男と「関係性」を重視する女。しかし、どちらにも、それが「長所」としてはたらく場合もあれば、「短所」になってしまう場合もあります。「獲得性」が強くはたらきすぎると、それは、「強欲」という欠点になるのですが、今回は、その「強欲」に走る男たちの話――。
Talker
哲雄 自ら著作を手がけるエッセイスト。当ブログの管理人です。
AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指すアラサーの美女。
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哲雄 「何を獲得できるか?」を重視する男と、「他者とどんな関係をキープできるか?」を重視する女の間では、どうしてもスレ違いが起こってしまう。前回はそんな話をしました。
AKI 哲ジイ、おっしゃいましたよね。「獲得」を重視する生き方にも、「関係性」を重視する生き方にも、それぞれ、「いい面」もあれば「わるい面」もある――って。
哲雄 そりゃそうでしょ。どんな事柄にも、表もあれば裏もありますからね。「いい面」が表面に出れば「長所」になるわけですが、「わるい面」が表面に出れば「短所」と思われてしまいます。
AKI では、まず、男からいっちゃいますか? 男は「獲得」にこだわる「獲得性」の生きものである――と、哲ジイはおっしゃいました。これがいい方向に出ると、どういう長所になるんですか?
哲雄 しっかり目標を立てて、そこを目がけて一心不乱に邁進する。そして、見事に目標を達成して、自分にも家族や友人や隣人たちにも、物質的・精神的充足をもたらす。その目標を設定したり、そこにたどり着くルートを考察したり、そのルートに困難が立ちはだかったときには、知恵をはたらかせ、血と汗を振り絞ってハードルを乗り越える。そういう闘争性あふれるところやガンバリ屋なところ、それが、「獲得」に生きる男の長所と言える部分だと思います。
AKI ね、哲ジイ、獲得したい「目標」っていうのは、お金とかですか?
哲雄 お金という場合もあるだろうし、地位や権力という場合もあるでしょうね。
AKI 女はどうです?
哲雄 もちろん「女」もです。欲望の対象となるものすべてが、「獲得」の「標的」となるんですからね。
AKI でもね、哲ジイ。そんな目標の獲得に躍起になる姿ってさ、ある意味、「強欲」とも映るんじゃありませんか?
哲雄 おっしゃるとおり。実はそこが、「獲得」にこだわる男の「短所」となる場合があるんですね。「獲得したい」という気持ちがあまりに強くなると、どういうことが起こるでしょうか? ちょっと想像してみてください。
AKI 奪い合いが起こる……?
哲雄 獲得したいと思う「獲物」が少ない場合には、そういうことにもなるでしょうね。人類は、誕生以来ずっと、その奪い合いを続けてきました。原始の時代には、食糧をめぐって、人と人が、部族と部族が、民族と民族が争いました。女をめぐって、同様の闘いが繰り広げられたこともありました。
AKI 哲ジイ、おっしゃいましたよね。「獲得」を重視する生き方にも、「関係性」を重視する生き方にも、それぞれ、「いい面」もあれば「わるい面」もある――って。
哲雄 そりゃそうでしょ。どんな事柄にも、表もあれば裏もありますからね。「いい面」が表面に出れば「長所」になるわけですが、「わるい面」が表面に出れば「短所」と思われてしまいます。
AKI では、まず、男からいっちゃいますか? 男は「獲得」にこだわる「獲得性」の生きものである――と、哲ジイはおっしゃいました。これがいい方向に出ると、どういう長所になるんですか?
哲雄 しっかり目標を立てて、そこを目がけて一心不乱に邁進する。そして、見事に目標を達成して、自分にも家族や友人や隣人たちにも、物質的・精神的充足をもたらす。その目標を設定したり、そこにたどり着くルートを考察したり、そのルートに困難が立ちはだかったときには、知恵をはたらかせ、血と汗を振り絞ってハードルを乗り越える。そういう闘争性あふれるところやガンバリ屋なところ、それが、「獲得」に生きる男の長所と言える部分だと思います。
AKI ね、哲ジイ、獲得したい「目標」っていうのは、お金とかですか?
哲雄 お金という場合もあるだろうし、地位や権力という場合もあるでしょうね。
AKI 女はどうです?
哲雄 もちろん「女」もです。欲望の対象となるものすべてが、「獲得」の「標的」となるんですからね。
AKI でもね、哲ジイ。そんな目標の獲得に躍起になる姿ってさ、ある意味、「強欲」とも映るんじゃありませんか?
哲雄 おっしゃるとおり。実はそこが、「獲得」にこだわる男の「短所」となる場合があるんですね。「獲得したい」という気持ちがあまりに強くなると、どういうことが起こるでしょうか? ちょっと想像してみてください。
AKI 奪い合いが起こる……?
哲雄 獲得したいと思う「獲物」が少ない場合には、そういうことにもなるでしょうね。人類は、誕生以来ずっと、その奪い合いを続けてきました。原始の時代には、食糧をめぐって、人と人が、部族と部族が、民族と民族が争いました。女をめぐって、同様の闘いが繰り広げられたこともありました。
AKI エッ、女をめぐっても?
哲雄 ハイ、それはもう、血で血を洗うような争いが起こったのですよ。
男と男が特定の女を奪い合って殺し合うなんてことは、人類はいまだにやってますけど、それを近代以前は、
部族と部族、国家と国家の間でやったりもしていました。
部族と部族、国家と国家の間でやったりもしていました。
AKI エッ、国と国が女を奪い合うの?
哲雄 たとえば、建国間もない古代ローマには、女性が少なく、そのままでは、国が一代で滅びることが懸念されたので、建国者・ロームルスは、近隣に住む部族・サビニ人を襲って未婚の女たちを略奪し、ローマの有力な男たちに妻として配分して、子どもを産ませたりしました。ま、これは、半分、伝説のような紀元前の話なのですが、後々、これは絵画の主題として描かれてもいるんですよ。

資料画像
「サビニの略奪」
二コラ・プッサン画(1634-1635)
AKI でも、あり得る話ですよね。ひとりの美女をめぐって国と国が争うなんて話、日本の戦国時代にもあったんじゃありませんか?
哲雄 歴史もののフィクションとしてはありましたけど、事実がどうなのかはわかりません。でもね、AKIクン、「もっといい女を手に入れたい」「もっと多くの女を自分の支配下におきたい」という「強欲」は、現代にいたるまで、男の「獲得性」の中から消え去ることがありません。目についた女を次々にモノにしようとする「ハンター本能」も、「いい女」と思ったら、権力や金力に物を言わせても自分の支配下におこうとする「テリトリー本能」も、欲しい女は腕ずくでも自分のペニスで征服しようとする「レイピング本能」も、依然として男の中には根強く残っています。
AKI ね、哲ジイ、そういう男ってさぁ、女だけじゃなくて、お金にも権力にも強欲なんじゃありません?
哲雄 さすが、AKIクン。男を見抜く目は曇っていませんねェ。そうなんです。
女を強欲にモノにしようとするような男は、
金も貪欲に得ようとし、地位に執着し、権力を手にしようとします。
金も貪欲に得ようとし、地位に執着し、権力を手にしようとします。
ま、おおむね、権力者にはそういう傾向が見られますがね。
AKI そう言えば、どこかの国の大統領も、強欲丸出しでしたよね? セクハラもやりたい放題だったみたいだし……。
哲雄 そうですね。あの男は、そういう強欲をまるごと認めてしまう思想の持ち主ですから、もう、やりたい放題、言いたい放題になっちゃってます。
AKI 強欲を丸ごと認めてしまう思想……? エ、何ですか、それ?
哲雄 ひと言で言うと、「市場原理主義」ってことになりますかね。
AKI 市場原理主義? 簡単に言うと、どういう考え方ですか?
哲雄 簡単に言うと、「社会のため」とか「世界の理想のため」なんてことは言わずに、強欲な人間には強欲に利益を追求させておけばいい――という考え方です。「古典派経済学」と言われるアダム・スミスの経済理論に基づいた考え方ですね。
AKI でも、そうすると、あこぎに稼ぐ人たちばかりが太っていくっていう世の中になっちゃうんじゃありません? 格差はどんどん広がっていくだろうし……。よくないですよ、それ。
哲雄 ふつうに考えるとそうなりますよね。でも、古典派の経済学は言うんです。たとえ、そうなったとしても、それはいずれ、「見えざる神の手」によって「調和」される。これを「予定調和論」と言って、キリスト教プロテスタントのカルヴァン派によって唱えられた考え方なんですが、はたしてその「調和」は行われたのか?
AKI 私の目には、どうも調和されてるようには見えないんでございますが……。
哲雄 調和されるどころか、「強欲」はますます「強欲」になって、格差がどんどん広がる一方のように見えます。「神の手」の「神」がどこかへ行っちゃったんですね。そうしてやりたい放題の「強欲」がまかり通るようになった市場原理主義の状態を「強欲資本主義」と呼んだりしてます。
AKI 何とかしなくちゃ……とは思わなかったんですかね、人類は?
哲雄 思いましたよ。このままじゃ、世の中が「強欲」の支配下に治められ、戦争の絶えない世界になってしまうというので、20世紀以降、世界にはさまざまな思想が登場して、「強欲」にブレーキをかけようとしました。
AKI 「強欲」にブレーキをかける思想? いいですね、それ。具体的には、どんな思想が生まれたのですか?
哲雄 ようがす。お話しますけど、それ、ちょっと長くなりますので。
AKI では、そこから先は次回ということにしましょうか。ついでに、哲ジイの「強欲」がいかに萎えるにいたったか――についても、お聞きしたいものですわ。
哲雄 ハ……? 身に覚えのない話でございますが……。
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