女刑事さまをナンパしたバカな男たち〈下〉

ナンパのメッカ「コンパ」で声をかけた女2人組を
「同伴喫茶」へと誘い出すことに成功した私たち。
しかし、そこからがうまくいかずに撤収。翌週、
再び「コンパ」を訪れた私に、女の片割れが……。
R18 このシリーズは、性的表現が中心の官能読み物です。18歳未満の方はご退出ください。
エロ 官能小説 オーガズム 不倫

この話は、連載2回目です。最初から読みたい方は、⇒こちらから どうぞ。
私と友人は、「コンパ」で知り合った2人の女性を伴って、次なるステージ「同伴喫茶」へと向かいました。
当時の社会状況がまるでわからない――という方も多かろうと思いますので、ちょっとだけ解説しておきますね。
この記事に度々登場する「同伴喫茶」ですが、「同伴喫茶」という看板を掲げた喫茶店があったわけではありません。
ふつうの喫茶店に「同伴席」というのが設けられていたわけです。
「ドトール」とか「スタバ」とかを想像しないでくださいね。
当時の喫茶店、特に新宿・歌舞伎町のような繁華街にある喫茶店は大型で、2フロア、3フロアなんて当たり前――という時代でした。
たとえば3フロアある喫茶店なら、その1フロアを「同伴席」にしていたわけで、このゾーンには、男ひとりとか男同士の客は入れませんでした。←たぶん、「のぞき行為」を排除するためです。
「同伴席」は、どこが違うか――というと、まず、シートの背が高い!
カップルで座ると、ふたりの姿はすっぽりシートの背に隠れて、後ろからは、何をしているか、見ることができません。
前から見ればいいじゃないか?
それは、ムリです。
座席は、ボックスではなくて、全部ペア・シート。それが、同じ方向を向いて並んでいますから、立ち上がって振り向きでもしない限り、後ろのシートのカップルが何をしているかなんて、見ることができません。
ま、そんな造りなので、この席に連れ込めば、かなりのことができます。
キスするぐらいは当たり前で、お盛んなカップルになると、乳をもむ、太ももをまさぐる、指をそこに這わせる――ぐらいのことはやっていました。
なんで知ってるか?
ちょっとだけ、ウェーターのバイトをしたことがあるからです。
そういうわけで、女の子を「同伴席」に連れ込むことができれば、「彼女の7割は~、あなたのものよ~」(歌の文句です)ということになる。
私は、ルンルン気分で上戸彩風を伴って、友人は「クソーッ、長住のやつ」みたいな顔をしながら米倉涼子風を伴って、夢の「同伴席」へと足を踏み入れたのでありました。
当時の社会状況がまるでわからない――という方も多かろうと思いますので、ちょっとだけ解説しておきますね。
この記事に度々登場する「同伴喫茶」ですが、「同伴喫茶」という看板を掲げた喫茶店があったわけではありません。
ふつうの喫茶店に「同伴席」というのが設けられていたわけです。
「ドトール」とか「スタバ」とかを想像しないでくださいね。
当時の喫茶店、特に新宿・歌舞伎町のような繁華街にある喫茶店は大型で、2フロア、3フロアなんて当たり前――という時代でした。
たとえば3フロアある喫茶店なら、その1フロアを「同伴席」にしていたわけで、このゾーンには、男ひとりとか男同士の客は入れませんでした。←たぶん、「のぞき行為」を排除するためです。
「同伴席」は、どこが違うか――というと、まず、シートの背が高い!
カップルで座ると、ふたりの姿はすっぽりシートの背に隠れて、後ろからは、何をしているか、見ることができません。
前から見ればいいじゃないか?
それは、ムリです。
座席は、ボックスではなくて、全部ペア・シート。それが、同じ方向を向いて並んでいますから、立ち上がって振り向きでもしない限り、後ろのシートのカップルが何をしているかなんて、見ることができません。
ま、そんな造りなので、この席に連れ込めば、かなりのことができます。
キスするぐらいは当たり前で、お盛んなカップルになると、乳をもむ、太ももをまさぐる、指をそこに這わせる――ぐらいのことはやっていました。
なんで知ってるか?
ちょっとだけ、ウェーターのバイトをしたことがあるからです。
そういうわけで、女の子を「同伴席」に連れ込むことができれば、「彼女の7割は~、あなたのものよ~」(歌の文句です)ということになる。
私は、ルンルン気分で上戸彩風を伴って、友人は「クソーッ、長住のやつ」みたいな顔をしながら米倉涼子風を伴って、夢の「同伴席」へと足を踏み入れたのでありました。

ひとつだけお断りしておかなくてはなりませんが、私にとって、見知らぬ女性に声をかけてどこかへ連れ出すのも、まして「同伴喫茶」に入るなんていうのも、それが人生初の経験でした。
したがって、以下の行動がどんなにたどたどしく、がさつで幼稚であったとしても、どうか笑わないでいただきたいのです。
さて、無事、同伴シートに腰を落ち着けた私は、さっそくにも上戸彩風の肩に手を回して、その耳元にささやきかけたのであります。
子細は記憶しておりませんが、たぶん、
「カウンターにキミの姿を見かけたときには、アポロが月に着陸するのを見たときくらい、驚いた(アポロの月面着陸は、確か……その前年あたりでした)」
とか、
「ボクの胸は、まだこんなにドクドクしてるよ(と言いながら、彼女の手をとってわが心の蔵あたりに導く→すると、必然的に彼女の体は私の胸に抱き寄せられる形になる)」
とか――。
おおよそ、その程度のことを口走りながら、抱き寄せた彼女の頭蓋骨(?)に口づけし、額にチュッとし、頬にブチュッとやり……頃やよしと、その唇めがけて唇を近づけました。
しかし……です。
上戸彩風の貞操は、意外にも堅いのです。私の唇があわや接触しようとする度に、彼女は頭を右に振り、左に振り、下を向き、実に巧みに(と私には思えました)、粘膜間接触を避け続けました。
作戦変更!
ならば……と、やさしく彼女のももに手を置いて、
「きれいな指をしてるね。その指で摘まれたら、花もうれしいだろうね」
だの、
「きれいな目をしてるね。そんな目で見つめられたら、ボクなんて固まって、神社の狛犬になってしまうよ」
だのと、歯の浮くような(奥歯が虫歯で痛んでました!)セリフを並べながら、ゆっくりと手を奥へ滑らせました。
しかし、その手も、ひざ上23センチのあたりでストップ。
そこまでくると、上戸彩風はピタッとひざを閉ざしてしまうのです。

「おい、どうだ?」
というふうに、前の席に陣取って、米倉涼子風の肩に手を回していた友人が振り返りました。
あかんな……と首を振ると、友人は、自分の腕時計を指差して、「そろそろ時間やで」というサイン。
つまり、こういうことです。
このまま、どこかにしけこんで朝まで過ごすなら、それでもいいけど、そうでなかったら、そろそろ行かないと電車がなくなるゾ――というわけです。
よし、撤収!
こうして、『平凡パンチ』に毒されたふたりの若者は、夜の新宿に別れを告げることにしたのでした。
情けなッ!
ただ、ちょっとだけ望みがありました。
「私たち、週末にはまた、ここに来てるかもしれないから、よかったら、またお会いしましょう」
別れ際に、米倉涼子風がそう言ってニコリと笑うのです。

さて、この愚かな若者ふたりはどうしたか?
友人は、「ワシゃ、もういいぞ」と、米倉涼子風に懲りた様子です。
私も、あまり乗り気がしません。
ま、こういう経験は、一度でたくさん――と思っていたのですが、週末の夜になると、愚かな虫が腹の底でうずき始めました。
ダメ元で行ってみるか――。
既婚の友人はどうせダメだろうから、今度は、私ひとりで行くことにしました。
「コンパ」は相変わらず混んでいました。
先週と同じ席に座って、店内を見渡すと、な、なんと! いるではありませんか、先週の、例の……米倉涼子風が。
しかし、連れの上戸彩風の姿が見えない。
キョロキョロしていると、彼女と目が合い、結局、同席することになってしまいました。
「きょうは、ひとりですか?」
「ああ、彼女? いると思ったんでしょ?」
「いたらいいな……とは思ったけど……」
「彼女は、もう来ないわよ」
「エッ、そ、そうなんだ」
「彼女ねェ、まだ、保護観察中なの」
「ほ、保護観察……?」
「いろいろいきさつがあってね、私が何かと面倒みてるの、あの子の……。別に、保護司ってわけじゃないのよ。ただ、こないだは、たまに息抜きしたいとか言うので、じゃ、私が付き添ってあげよう、ってことになってね。あ……私ね、実は……」
言いながら、バッグの中から名刺入れを取り出して、一枚を抜き取ると、それを私の目の前に差し出した。
その肩書きを見て、ブッ飛びました、わたくし。
警視庁国際刑事部
エッ、エーッ!! け、刑事さん? しかも、本庁の……?
「大丈夫よ。別に、捜査に来てるわけじゃないから」
「そりゃ、そうでしょうけど。よかったですよ、強制ワイセツとか言われなくて……」
「ああ、あんなの、ワイセツにも何にもなってないわよ。それにしても、ヘタだよねェ」
「エ、エッ!?」
「あなたたちの口説き方。いきなり、あんな迫り方したって、女の子が落ちるワケないでしょ? そりゃ、あの子だって、気晴らしに来てたわけだから、うまく口説かれていい関係になるんだったら、私は目をつぶってあげようって思ってたんだけどね」
「そ、そうだったんですか?」
「ヘンな男に引っかからないように……って、付き添ってたのよ。昔のよしみでね。ま、あななたちならいいか――と思って見てたんだけど、あれじゃあねぇ」
いや、あれに関しちゃ……わるいのは『平凡パンチ』で――なんて言い訳はしないことにしました。
それから延々と聞かされた、米倉涼子風・女刑事の「女を口説くなら……」式のお説教は、いちいちごもっともなことばかり。
ここに再録するのもハラが立つので、詳細は省かせていただきます。
「私でよかったら、朝まで飲んでもいいわよ。こう見えても、底なしだから、私……」
ありがたいお申し出ではあったのですが、私は、これ以上ない……というほど丁重にご辞退申し上げて、二度と、その手の店には近寄らないことに決めたのでした。
この話、これにて幕。
若気の至り……のお粗末でした。
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美しい養護教諭と「ボク」の、淡い恋の物語です。

管理人は、常に、フルマークがつくようにと、工夫して記事を作っています。
みなさんのひと押しで、喜んだり、反省したり……の日々です。
どうぞ正直な、しかしちょっぴり愛のこもった感想ポチをお願いいたします。



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