男が「ひとの妻」にホレてしまう理由〈2〉 慈母願望

男は、なぜ、「人の妻」にホレしまうのか? 前回、男には「救い主本能」があり、女性を「不幸な結婚」から救い出そうとして、それが「ホレる」につながる場合がある、という話をしました。今回は、その逆。「救い出してほしい」と願う男もいる、という話をご紹介します――。
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哲雄 自ら著作を手がけるエッセイスト。当ブログの管理人です。
AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指すアラサーの美女。
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AKI しかしなぁ……。
哲雄 どうしました? 何だか、納得がいかない――って顔、してますけど。
AKI ナットクは、ちょっといかない部分もありますねェ。特にナットクいかないのは、前回、哲ジイがおっしゃった「男には《救い主本能》がある」って部分。相手が不幸な結婚生活に耐えていると知ったら、そこから救い出してやりたくなるっていう本能が、男には備わっているとおっしゃいましたよね。でも、思うんですよ、私。もちろん、それもあるだろうけど、その逆もあるんじゃないか――ってね。
哲雄 逆? と申しますと?
AKI 「救い出してやりたい」じゃなくて、「救い出してほしい」って願う男もいるんじゃないか――って話です。私の周囲には、そういう男のほうが多かったようにも思うんですよ。
哲雄 それは、あなた様が男たちの目に「やさしい女」と見えたからじゃありませんか?
AKI 私が、や・さ・し・い・女……? きっと何かの間違いですわ。
哲雄 いやいや、私の目にも、そう見えることがありますよ。「やさしい」というより「慈しみに富んだ」と言ったほうがいいかもしれませんがね。
AKI 「慈しみ」ですか? エーと……それは、ただ「やさしい」というのとは違うわけですね?
哲雄 ちと違いますなぁ。たとえば観音さまのように、あるいは聖母マリアのように、力の弱いもの、苦しんでいるもの、悲しんでいるもの……などに、分け隔てなく与えられる深い愛――と申し上げたらよろしいでしょうか。男という生きものは、常に、そういう愛に包まれていたいと願う願望をどこかに持っているのでございますよ。
AKI でも、「分け隔てなく」なんですよね?
哲雄 別に「博愛」ということではありませんよ。正確に言うと、「自分のようなもの」にも「分け隔てなく」です。
AKI 自分のようなもの? ひがんでるんですか?
哲雄 いや、別にひがんでるというわけではなくて、「自分のようなダメな男」とか「自分のような罪深い男」というふうに、どこかに自分を否定するような心の負荷を背負っている男という意味です。そういう男性は、「よくやった」とか「あなたってすごい」というふうに、成果主義で男を評価する女性には、冷たくあしらわれてしまいます。「あなたって、ほんと、役立たずねェ」とか「何をやってもダメな男」と、あからさまに罵倒されることもあるし、何かにつけて、「〇〇さん家のご主人なんて」と他家のご主人と比較されることもあるかもしれません。
AKI いるでしょうねェ、そういう奥さん。わかった! そんなふうに自分を「ダメ亭主」呼ばわりしたり「役立たず」となじったりする妻がいると、男は、「〇〇さんって、かわいそう」となぐさめてくれる相手を求めたくなってしまうんですね?
哲雄 どうしました? 何だか、納得がいかない――って顔、してますけど。
AKI ナットクは、ちょっといかない部分もありますねェ。特にナットクいかないのは、前回、哲ジイがおっしゃった「男には《救い主本能》がある」って部分。相手が不幸な結婚生活に耐えていると知ったら、そこから救い出してやりたくなるっていう本能が、男には備わっているとおっしゃいましたよね。でも、思うんですよ、私。もちろん、それもあるだろうけど、その逆もあるんじゃないか――ってね。
哲雄 逆? と申しますと?
AKI 「救い出してやりたい」じゃなくて、「救い出してほしい」って願う男もいるんじゃないか――って話です。私の周囲には、そういう男のほうが多かったようにも思うんですよ。
哲雄 それは、あなた様が男たちの目に「やさしい女」と見えたからじゃありませんか?
AKI 私が、や・さ・し・い・女……? きっと何かの間違いですわ。
哲雄 いやいや、私の目にも、そう見えることがありますよ。「やさしい」というより「慈しみに富んだ」と言ったほうがいいかもしれませんがね。
AKI 「慈しみ」ですか? エーと……それは、ただ「やさしい」というのとは違うわけですね?
哲雄 ちと違いますなぁ。たとえば観音さまのように、あるいは聖母マリアのように、力の弱いもの、苦しんでいるもの、悲しんでいるもの……などに、分け隔てなく与えられる深い愛――と申し上げたらよろしいでしょうか。男という生きものは、常に、そういう愛に包まれていたいと願う願望をどこかに持っているのでございますよ。
AKI でも、「分け隔てなく」なんですよね?
哲雄 別に「博愛」ということではありませんよ。正確に言うと、「自分のようなもの」にも「分け隔てなく」です。
AKI 自分のようなもの? ひがんでるんですか?
哲雄 いや、別にひがんでるというわけではなくて、「自分のようなダメな男」とか「自分のような罪深い男」というふうに、どこかに自分を否定するような心の負荷を背負っている男という意味です。そういう男性は、「よくやった」とか「あなたってすごい」というふうに、成果主義で男を評価する女性には、冷たくあしらわれてしまいます。「あなたって、ほんと、役立たずねェ」とか「何をやってもダメな男」と、あからさまに罵倒されることもあるし、何かにつけて、「〇〇さん家のご主人なんて」と他家のご主人と比較されることもあるかもしれません。
AKI いるでしょうねェ、そういう奥さん。わかった! そんなふうに自分を「ダメ亭主」呼ばわりしたり「役立たず」となじったりする妻がいると、男は、「〇〇さんって、かわいそう」となぐさめてくれる相手を求めたくなってしまうんですね?
哲雄 なぐさめてくれるかどうかはわかりませんが、「私は、そんなあなたをちゃんと認めてるし、いつだって応援してますよ」と言ってくれる女性がいると、心がスーッとラクになる。グラッと心が傾くということも、あるかもしれません。
AKI なるほどねェ、それが、「慈しみに富んだ女性」ですか?
哲雄 男の中には、そんなふうに観音様的な女性や聖母マリア的女性を求める願望がある。私は、そういう心のありようを「慈母願望」と呼んでるんですけどね。
AKI それが「ひとの妻」だったりする――と?
哲雄 まれに、そういうケースもあるかもしれません。
AKI まれに――なんですか?
哲雄 そうですね、まれでしょうね。たいていの場合、「慈母願望」の対象になるのは、職場で自分をサポートしてくれる部下の女性であったり、かかりつけの医院の女医や看護師だったり、よくあるのが、行きつけの飲み屋のママやホステスだったりで、「ひとの妻」であるというケースは、そう多くはないだろうと思います。ただ、なくはない。
AKI それはどういう場合?
哲雄 私が見聞きしてきた範囲で申し上げると、多いのは、よくできた先輩の奥さんや友人の奥さん。かいがいしく亭主の世話を焼くばかりか、その客である自分にまで、慈愛に富んだ眼差しを向けてくれる。そんな姿に感動し、「うちのヨメとはずいぶん違うなぁ」などと感じると、「ひとの妻」ながらホレボレしてしまう――ということが、よくあるようですよ。
AKI それってさぁ、隣の芝生は――ってやつじゃないんですか?
哲雄 ああ、隣の芝生は青く見える――ですね? 確かに、それもある。しかし、それは、「慈母願望」とは次元の違う話かもしれませんね。
AKI 「慈母願望」でないとしたら、何でしょう?
哲雄 男はね、つい、やっちゃうんですよ。
AKI やっちゃう――って、何をですか?
哲雄 「妻くらべ」です。あ、でも、これは、女性もやるかもしれませんね。
AKI てことは……「夫くらべ」ですか? 確かに、やるかもしれませんね。「うちの人、料理やってくれるのはいいんだけどさぁ、高級食材ばかり使いたがるのよ」「いいじゃない。うちなんて、キュウリひとつ満足に切れないのよ」なんて、よくやってますもの、奥さん同士って。
哲雄 ま、あれですね。買ったクルマのスペックとか、スマホの機能を自慢し合うなんてのと同じレベルの話ですね。しかし、男と女では、比べ合うものがちょっと違うかもしれない。
AKI エッ、そうなんですか? それ、知りたい!
哲雄 知らないほうがいいかもしれませんよ。
AKI エーッ、ますます知りたくなっちゃった。
哲雄 ようがす。では、次回、そこらへんを掘り下げてみることにいたしましょう。
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