シランケンの不純愛講座　彼女を「ボクの１番」にする方法

彼女を「ボクの１番」にする方法

男と女のモテ技　Ｍ-05　　

「ナンバーワン」には手を出さない——を
ポリシーとする男がいます。その男がネラうのは、
常に「ナンバー２」や「ナンバー３」。そして、その耳に
ささやきかけるのです。「キミの〇〇が１番だよ」と――。　

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　Ｍ　は「男からのモテ技」、　Ｗ　　は「女からのモテ技」、　Ｎ　は「男女共通のモテ技」です。

　子どもの頃から、わたくし長住が守り続けてきたポリシーがあります。
　それは、

　ナンバーワンには手を出すな！

　です。
　好きじゃないんです、「ナンバーワン」っていうのが。
　お断りしておきますが、ここで言う「ナンバーワン」というのは、「私にとっての」じゃありませんよ。みんなが言う「ナンバーワン」、つまり「人気ナンバーワン」ってことです。

　私の友人に、「遊び人の金ちゃん」と呼ばれている男がいました。別に、姓が「遠山」とかってわけじゃないですよ。単に、苗字に「金」の字が入っているので「金ちゃん」と呼ばれるようになり、「遊び人の」っていうのは、女の子に声をかけちゃナンパし……のようなことを繰り返していたから、いつの頃からか「遊び人」という冠がつくようになった――と、まぁ、それだけの話です。
　で、この「金ちゃん」が声をかける相手というのが、私と同じで、ナンバー２とかナンバー３とか……なんですね。
　「金ちゃん」が言うには、そのほうが落としやすいから――。
　つまり、こういうことです。

「ナンバーワン」でない女というのは、
どこかに、「ナンバーワン」ではない「引け目」のようなものを抱えている。
そして、「もっと自分の順位を上げたい」という野心を隠し持っている。
そこで、「キミも負けちゃいないよ」と自尊心をくすぐってあげれば、
そういう女の心はグラリと傾く。

　とまぁ、そういう理屈です。
　いかにも「遊び人」らしい計算高さ。
　「ナンバー２」や「ナンバー３」に心情的に惹かれるという私とは、ちょっと動機が違うのですが、同じ「２番手」「３番手」狙いですから、ターゲットがしばしばバッティングしてしまいます。
　結果は――と言うと、どうも、「金ちゃん」のほうが成功率が高い。
　実は、この「金ちゃん」、ちょっとずるい手を使うんですよね。
　それが、こちら――。

彼女の「小さな１番」を見つける、という特技

　とにかくホメるんです、「金ちゃん」は。
　私に言わせれば、よくもそんな歯が浮くようなことを――と思うのですが、その「歯の浮くようなホメ言葉」を、「金ちゃん」は平気で連発するんですね。そりゃ、もう、見事なくらいに。
　そのせいで、「金ちゃん」の歯は浮きまくって、いまじゃ「総入れ歯」なんですが、ま、それもまた身から出た錆――ということで……。
　私が「ホウ」と感心したのは、その「ホメ方」です。
　「金ちゃん」は、けっして、だれにも当てはまるような「きれいだ」「美人だ」「いい女だ」なんてホメ言葉は、使いません。そういう言葉は、「ナンバーワン」のために他の男たちがさんざん使い古してますから、効果がない――と言うんですね、「金ちゃん」は。
　では、どうホメるか？
　これは、「金ちゃん」の得意ワザなんですが、「ナンバー２」や「ナンバー３」の女の子たちの、「でも、あなたのここはだれにも負けない」を見つけて、そこを徹底的にホメあげるんです。
　その「ここ」は、案外、小さいことだったりするのですが、その「小さな１番」を見つけるのが、「金ちゃん」は、実に得意なんですね。そして、「金ちゃん」は、それをちゃんと口に出して言ってあげるわけです。こんなふうに――。

笑ったときにエクボができるんだね。世界でいちばんかわいいえくぼだよ……。

背中を伸ばしたときの肩甲骨、まるで鶴が跳び立つときみたいにきれいだよ。きっと、この背中には、昔、翼が生えてたんだね。

いままで、そんなにおいしそうにペロペロ・キャンディをなめる舌、見たことないよ。

きれいなふくらはぎしてるよね。まるで歩く宝石みたいだ。

だれも気づいてないようだけど、キミの首筋、まるでユリの花みたいにきれいだよ。

やっぱり、○ちゃんのいれてくれたお茶がいちばんおいしい。

　きりがないので、これくらいにしときますけど、とにかく、どんな小さなポイントでもいいから、そこをとらえて、彼女を自分の中の「いちばん」にしてしまう。
　この手で、いったい何人の女の子をその毒牙（？）にかけたことか、口惜しいので、言わないことにしておきます。

カラス

　ポイント　
カレ・彼女を「心のいちばん」にする作戦

　ご紹介した「金ちゃん」風ホメホメ作戦。これは、恋愛に限らず、あらゆる場面で使える「グランド・ルール」なんですね。
　異性であろうと、仕事上の上司vs部下の関係であろうと、教師vs教え子の関係であろうと、共通して言えることですが、ランキング上の「２番手以下」の人間というのは、「自分は１番ではない」というコンプレックスに、常に悩まされています。
　そこへ、「いや、キミの○○は、だれにも負けないナンバーワンだよ」とささやきかける。言われた人間は、自分の「１番」を見つけ出し、そこを評価してくれた人間に感謝し、なんとかその評価に応えようと、ガンバるようになります。
　男女の関係だと、「評価に応える」は「愛に応える」と同義と思っていいでしょう。
　歌の文句にも、「キミは心のクイーン」というのがありましたよね。他の男や女にとっては、「ナンバー２」や「ナンバー３」かもしれないけど、自分には「キミ（あなた）がナンバーワン」。「小さな１番」を見つけてあげる、ということは、「ボクにはキミがいちばん」「私にはあなたがいちばん」を発見する、ということと同じなんですね。
　どうぞ、彼女やカレの「いちばん」を見つけてあげてください。

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