第62夜☆解放されないリビドーは前立腺を苦しめる
第62夜
「愛とは何か?」をめぐって、管理人・哲雄がパートナー・AKIを相手に展開する、オヤジ・ギャグ風+ちょっぴりアカデミックおしゃべり。今回は、欲望を「昇華」させるには、どんな「自我」が必要か、というテーマで話を進めます――。
AKI ねェ、哲ジイ、私、こないだの話が、ものすごく気になるんですけど……。
哲雄 ナニ? 英雄がエロだって話?
AKI 英雄だけじゃないでしょ? 偉大な芸術家も、スポーツ選手も、政治家も、実業家も、哲ジイの話によると、みんな、女にモテなかったから偉大になった――って話でしたよね。
哲雄 いやいや、そうじゃないでしょ。そういう人たちは、もともとリビドーが旺盛、つまりエロ度が高かった――と話したつもりだよ。で、もしそういう人たちが小さい頃からモテまくって、エロ成分を使い果たしてしまってたら、そういう偉大な功績は残せなかったかもしれない……とね。だいいち、時間がないでしょう。
AKI 時間? 何の時間です?
哲雄 マリリンは会ったらしつこくて、2時間は解放してくれない。アンジェラは、入浴プレーからマッサージ・プレーまでやるから、これも2時間近くかかる。ソフィーときた日にゃ、上になったり、下になったり、それはもう……。
AKI もしもし。何、トロンとした目で妄想の世界に入ってるんですか?
哲雄 つまり、こんなのを一日に2本も3本もこなしてたら、勉強の時間もレッスンの時間もとれないでしょ、ってこと。
AKI ま、2本も3本もはこなせないでしょうけどね、いくらモテるったって。その点、哲ジイは、たっぷり時間がとれたので、ひたすらお勉強に打ち込んだ……と。そして見事にリビドーを昇華させることに成功した……と。こういうことでしたよね。
哲雄 昇華させたかどうかはわかりません。いまでも昇華しきれないリビドーが、悶々と渦を巻いておりますから。この、下腹の、前立腺のあたりで。ねェ、AKIちゃん……。
AKI あ、お代官さま、お止めください……って、エッ!? リビドーって、前立腺にあるんですか?
哲雄 そんなバカな。リビドーは、目に見える形で存在するわけじゃないけど、もしそれを発生させる場所はどこか? と言われたら、大脳の奥深いところにある「大脳辺縁系」ってところかな。これまでの話でも何度か登場した、いちばん原始的な大脳組織だね。で、そのリビドーが活発化して、性欲という形になって暴れ出すと、前立腺がコーフンしてくる。ナニも頭をもたげてくる。
AKI でも、そうなったら、やるっきゃないわけでしょ?
哲雄 ずいぶんあっさり言ってくれますねぇ。ところが、彼女はなかなかやらせてくれない。一日、立ちっぱなしのまま、リビドーを解放することもなく、デートを終えて帰ってくると、下っ腹が鈍痛に襲われてる。
AKI それ、前立腺の痛み?
哲雄 たぶんね。
AKI どうするんですか、そういうときは? 想像はつくけど、一応、読者のためにお尋ねしときます。
哲雄 ヌキます。
AKI もちろん、ご自分の手で?
哲雄 それしかないでしょ。そうしないと勉強も手につかない。
AKI まだ勉強する気なんだ、このおっさん。
哲雄 いや、いまの話じゃないよ。これは青少年時代の話だからね。勉強は、自分の社会的使命だと思ってましたから。
AKI じゃ、哲雄青年は、勉学のためにおヌキになってたわけですね? 一日に何本くらい?
哲雄 もしかして、これ、取り調べ?
AKI フィールド・ワークです。男性研究のための。で、何本?
哲雄 エーッと……ま、多いときで3本……少ないと1本くらいですむことも……。その日の勉強の科目数にもよりますけれど……。
AKI エッ!? じゃ、1科目1本? なんちゅー勉強法しとんじゃ、この少年は?
哲雄 妄想力高かったからね。たとえば、113÷14なんて計算をしてるでしょ? これ割れるか? ワ・レ・ル……ワ・レ……ワ・レ・メ……というふうに妄想が働き始めるわけですよ。そうなると、1本抜かないと、勉強が先へ進まなくなってしまう。
AKI それ、妄想しすぎ! そんなに妄想働かせてたら、栗饅頭なんて食べられないじゃないですか?
哲雄 クリ……マン……タベル……ああ、もうダメ。
AKI 変態だわ、このおっさん。
哲雄 妄想力は、創造力なり!
AKI ハイハイ、わかりました。ああ、もう、きょうは話が脱線しっぱなし。それでね、そういう妄想力なり、リビドーなりを、もっと高度な欲望へと昇華させるには、発達した「自我」が必要だとおっしゃいましたよね、前回。きょうは、そこのところを詳しく聞きたかったんです、ほんとは。前回、「自我」は発達するものだと言いましたよね?
哲雄 「発達」というより「拡大」すると言ったと思うけど。
AKI ただの子どもの自我から「社会的自我」へ、さらには「超自我」もいるゾ―ーと、そんな話でしたよね。
哲雄 わかりやすく言うとさ、AKIちゃんは、父・○○、母・××の「子ども」という自我を、まず獲得するわけだよね。細かく言うと、そこにも「いい子のAKI」とか「かわいいAKI」とか「叱られてばかりいるAKI」とか、いろんな自我が存在するわけだけど、ま、その違いはここでは置いておきます。次に学校に進みます。すると、今度は……。
AKI 「1年B組のAKI」とかになっちゃいますよね。
哲雄 私はこの段階の自我は、「チームの自我」だと思ってるんだ。この「チーム」というのは、「クラス」かもしれないし、仲よし同士の「グループ」かもしれないし、スポーツとかをやっていれば、文字通りその「チーム」かもしれない。どんなに拡大しても、せいぜい「学校」どまり。小学校ぐらいまで、発達の遅い子だと、中学校ぐらいまでは、自我はこの範囲にとどまる。だから、この「チーム」からはじき出されたりすると、自我そのものがものすごく傷つくんだよね。
AKI 友だちからのいじめに苦しんだりするのも、この段階の自我ってわけですね。
哲雄 前に話したリビドーの発達レベルで言うと、この段階のリビドーの対象は「同性の仲間」(第56夜「男の子がおチンチンの快感に目覚める日」図参照)だから、余計に打撃が大きい。ところが、早い子だと中学校の後半、遅くても高校生ぐらいになると、「チームの自我」を超える「社会的自我」を獲得し始めるんだね。
AKI 私は、この宇宙船「地球号」の一員である……みたいな?
哲雄 いきなり、そこまではいかないね。「社会的自我」というときの「社会」は、もう少しリアリティのある「社会」なんだ。「リアリティ」は感受性の問題だから、ものすごく個人差がある。せいぜい「学校」ぐらいまでしかリアリティを感じられない子にとっては、「学校」が「社会」だけれど、地域社会とか、日本の社会とかまで感じられる子なら、「この街」とか「日本」とかが「社会」になる。中には、アジアとかこの世界全体とかにまでリアリティを感じる子だっているかもしれないよね。そうなると、そういう子にとっての「社会」は、「この世界」ということになる。
AKI すごい差。その差はどこから生まれるんでしょうね?
哲雄 これはもう、教育と学習によるとしか言いようがない。たとえば、小さい頃から親が、「いい学校に入ることだけ考えて勉強しなさい。でないと、リッパなおとなになれないよ」と言い続けて育てた子どもに、どんな「社会的自我」が育つか? ただ受験技術を教え込むことだけに熱心な教師に教えられた子どもが、どんな「社会的自我」を獲得できるか? まして小学生にまで「株で儲ける」方法を教えようなんて教育を受けて育った子どもが、どんな崇高な「社会的自我」を身に着けられるというのか?
AKI ただいま、長住候補、日本の教育問題について、熱く語っております。
哲雄 そんな貧弱な「社会的自我」しか獲得しなかった人間に、はたしてまともな恋愛ができるのか?
AKI いきなり、論理が飛躍しております。
哲雄 飛んで、飛んで、飛んで……。
AKI 今度は、回り始めました。
哲雄 回って、回って……って、キミはいったい、私に何をやらせるつもりですか? あ~あ、せっかくきょうは、恋愛と「社会的自我」の関係について話そうと思ったのに……。
AKI では、それは次回のお楽しみ、ということで。さあ、回って、回って!
哲雄 ああ、目がクラクラしてきた。
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哲雄 昇華させたかどうかはわかりません。いまでも昇華しきれないリビドーが、悶々と渦を巻いておりますから。この、下腹の、前立腺のあたりで。ねェ、AKIちゃん……。
AKI あ、お代官さま、お止めください……って、エッ!? リビドーって、前立腺にあるんですか?
哲雄 そんなバカな。リビドーは、目に見える形で存在するわけじゃないけど、もしそれを発生させる場所はどこか? と言われたら、大脳の奥深いところにある「大脳辺縁系」ってところかな。これまでの話でも何度か登場した、いちばん原始的な大脳組織だね。で、そのリビドーが活発化して、性欲という形になって暴れ出すと、前立腺がコーフンしてくる。ナニも頭をもたげてくる。
AKI でも、そうなったら、やるっきゃないわけでしょ?
哲雄 ずいぶんあっさり言ってくれますねぇ。ところが、彼女はなかなかやらせてくれない。一日、立ちっぱなしのまま、リビドーを解放することもなく、デートを終えて帰ってくると、下っ腹が鈍痛に襲われてる。
AKI それ、前立腺の痛み?
哲雄 たぶんね。
AKI どうするんですか、そういうときは? 想像はつくけど、一応、読者のためにお尋ねしときます。
哲雄 ヌキます。
AKI もちろん、ご自分の手で?
哲雄 それしかないでしょ。そうしないと勉強も手につかない。
AKI まだ勉強する気なんだ、このおっさん。
哲雄 いや、いまの話じゃないよ。これは青少年時代の話だからね。勉強は、自分の社会的使命だと思ってましたから。
AKI じゃ、哲雄青年は、勉学のためにおヌキになってたわけですね? 一日に何本くらい?
哲雄 もしかして、これ、取り調べ?
AKI フィールド・ワークです。男性研究のための。で、何本?
哲雄 エーッと……ま、多いときで3本……少ないと1本くらいですむことも……。その日の勉強の科目数にもよりますけれど……。
AKI エッ!? じゃ、1科目1本? なんちゅー勉強法しとんじゃ、この少年は?
哲雄 妄想力高かったからね。たとえば、113÷14なんて計算をしてるでしょ? これ割れるか? ワ・レ・ル……ワ・レ……ワ・レ・メ……というふうに妄想が働き始めるわけですよ。そうなると、1本抜かないと、勉強が先へ進まなくなってしまう。
AKI それ、妄想しすぎ! そんなに妄想働かせてたら、栗饅頭なんて食べられないじゃないですか?
哲雄 クリ……マン……タベル……ああ、もうダメ。
AKI 変態だわ、このおっさん。
哲雄 妄想力は、創造力なり!
AKI ハイハイ、わかりました。ああ、もう、きょうは話が脱線しっぱなし。それでね、そういう妄想力なり、リビドーなりを、もっと高度な欲望へと昇華させるには、発達した「自我」が必要だとおっしゃいましたよね、前回。きょうは、そこのところを詳しく聞きたかったんです、ほんとは。前回、「自我」は発達するものだと言いましたよね?
哲雄 「発達」というより「拡大」すると言ったと思うけど。
AKI ただの子どもの自我から「社会的自我」へ、さらには「超自我」もいるゾ―ーと、そんな話でしたよね。
哲雄 わかりやすく言うとさ、AKIちゃんは、父・○○、母・××の「子ども」という自我を、まず獲得するわけだよね。細かく言うと、そこにも「いい子のAKI」とか「かわいいAKI」とか「叱られてばかりいるAKI」とか、いろんな自我が存在するわけだけど、ま、その違いはここでは置いておきます。次に学校に進みます。すると、今度は……。
AKI 「1年B組のAKI」とかになっちゃいますよね。
哲雄 私はこの段階の自我は、「チームの自我」だと思ってるんだ。この「チーム」というのは、「クラス」かもしれないし、仲よし同士の「グループ」かもしれないし、スポーツとかをやっていれば、文字通りその「チーム」かもしれない。どんなに拡大しても、せいぜい「学校」どまり。小学校ぐらいまで、発達の遅い子だと、中学校ぐらいまでは、自我はこの範囲にとどまる。だから、この「チーム」からはじき出されたりすると、自我そのものがものすごく傷つくんだよね。
AKI 友だちからのいじめに苦しんだりするのも、この段階の自我ってわけですね。
哲雄 前に話したリビドーの発達レベルで言うと、この段階のリビドーの対象は「同性の仲間」(第56夜「男の子がおチンチンの快感に目覚める日」図参照)だから、余計に打撃が大きい。ところが、早い子だと中学校の後半、遅くても高校生ぐらいになると、「チームの自我」を超える「社会的自我」を獲得し始めるんだね。
AKI 私は、この宇宙船「地球号」の一員である……みたいな?
哲雄 いきなり、そこまではいかないね。「社会的自我」というときの「社会」は、もう少しリアリティのある「社会」なんだ。「リアリティ」は感受性の問題だから、ものすごく個人差がある。せいぜい「学校」ぐらいまでしかリアリティを感じられない子にとっては、「学校」が「社会」だけれど、地域社会とか、日本の社会とかまで感じられる子なら、「この街」とか「日本」とかが「社会」になる。中には、アジアとかこの世界全体とかにまでリアリティを感じる子だっているかもしれないよね。そうなると、そういう子にとっての「社会」は、「この世界」ということになる。
AKI すごい差。その差はどこから生まれるんでしょうね?
哲雄 これはもう、教育と学習によるとしか言いようがない。たとえば、小さい頃から親が、「いい学校に入ることだけ考えて勉強しなさい。でないと、リッパなおとなになれないよ」と言い続けて育てた子どもに、どんな「社会的自我」が育つか? ただ受験技術を教え込むことだけに熱心な教師に教えられた子どもが、どんな「社会的自我」を獲得できるか? まして小学生にまで「株で儲ける」方法を教えようなんて教育を受けて育った子どもが、どんな崇高な「社会的自我」を身に着けられるというのか?
AKI ただいま、長住候補、日本の教育問題について、熱く語っております。
哲雄 そんな貧弱な「社会的自我」しか獲得しなかった人間に、はたしてまともな恋愛ができるのか?
AKI いきなり、論理が飛躍しております。
哲雄 飛んで、飛んで、飛んで……。
AKI 今度は、回り始めました。
哲雄 回って、回って……って、キミはいったい、私に何をやらせるつもりですか? あ~あ、せっかくきょうは、恋愛と「社会的自我」の関係について話そうと思ったのに……。
AKI では、それは次回のお楽しみ、ということで。さあ、回って、回って!
哲雄 ああ、目がクラクラしてきた。

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