「モノ」な恋愛と「ポリ」な恋愛

「モノ=単数」と「ポリ=複数」の違いは、恋愛や婚姻のスタイルにも表れます。「モノガミー」は「配偶者が単一」という関係、「ポリガミー」は「配偶者が複数」という関係。「モノガミー」の世界でも「浮気」は行われます。しかし、その理由が、男と女では違っているのです――。
Talker
哲雄 自ら著作を手がけるエッセイスト。当ブログの管理人です。
AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指すアラサーの美女。
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AKI 「モノ=単一の」と「ポリ=複数の」は、恋愛の形としてもある。哲ジイ、前回は、そんなことをおっしゃいましたよね?
哲雄 あ……ハイ、ポリポリ。
AKI どうしたんですか?
哲雄 頭、かゆい~の。
AKI その「ポリ」じゃなくて。
哲雄 ハイ、わかっておりますよ。さて、AKIクン、世界には「モノガミー」な文化と「ポリガミー」な文化があるのですが、ご存じかな……?
AKI エッ!? 紙が一枚とか複数とか――じゃないですよね?
哲雄 その「紙」じゃなくて、「ガミー」。「ガミー」というのは、「配偶者」を意味するギリシャ語です。つまり、「モノガミー」というのは、「単一の配偶者」、「ポリガミー」というのは「複数の配偶者」を指すわけですがね。
AKI つまりあれですね。「一夫一妻」というのが「モノガミー」で、「一夫多妻」とか「一妻多夫」というのが「ポリガミー」、というふうに考えればいいわけですね。
哲雄 人間社会の場合はね。しかし、この区分は動物の世界についても使われます。動物学者らは、「モノガミー」をこんなふうに定義しています。
一個のオスと一個のメスの間の、長期的な、基本的には排他的な配偶関係。
AKI 「排他的な」かぁ。つまり、浮気はしませんっていう関係なんですね?
哲雄 ご安心を。ここで言う「排他的な」というのは、「貞節な」と同義ではないようですよ。
AKI エッ、てことは……浮気するんですか? オスってのは、まったく、どの世界でも信用ならないんだから。
哲雄 いやいや、AKIクン。浮気は何も、オスの専売特許ではありません。メスだって浮気するらしいです。『愛はなぜ終わるのか』という本を書いた、ヘレン・E・フィッシャーという自然人類学者がいるんだけど、そのフィッシャー女史は、同書の中で、こんな面白い話を紹介しています。
哲雄 あ……ハイ、ポリポリ。
AKI どうしたんですか?
哲雄 頭、かゆい~の。
AKI その「ポリ」じゃなくて。
哲雄 ハイ、わかっておりますよ。さて、AKIクン、世界には「モノガミー」な文化と「ポリガミー」な文化があるのですが、ご存じかな……?
AKI エッ!? 紙が一枚とか複数とか――じゃないですよね?
哲雄 その「紙」じゃなくて、「ガミー」。「ガミー」というのは、「配偶者」を意味するギリシャ語です。つまり、「モノガミー」というのは、「単一の配偶者」、「ポリガミー」というのは「複数の配偶者」を指すわけですがね。
AKI つまりあれですね。「一夫一妻」というのが「モノガミー」で、「一夫多妻」とか「一妻多夫」というのが「ポリガミー」、というふうに考えればいいわけですね。
哲雄 人間社会の場合はね。しかし、この区分は動物の世界についても使われます。動物学者らは、「モノガミー」をこんなふうに定義しています。

AKI 「排他的な」かぁ。つまり、浮気はしませんっていう関係なんですね?
哲雄 ご安心を。ここで言う「排他的な」というのは、「貞節な」と同義ではないようですよ。
AKI エッ、てことは……浮気するんですか? オスってのは、まったく、どの世界でも信用ならないんだから。
哲雄 いやいや、AKIクン。浮気は何も、オスの専売特許ではありません。メスだって浮気するらしいです。『愛はなぜ終わるのか』という本を書いた、ヘレン・E・フィッシャーという自然人類学者がいるんだけど、そのフィッシャー女史は、同書の中で、こんな面白い話を紹介しています。

ハゴロモガラスは、繁殖期には広大な沼地を縄張りにしており、一羽のオスの領分に数羽のメスがやってきて、そのオスとだけ交尾するといわれている。(中略)科学者が繁殖期前にオスの何羽かの精管切除をおこなった。メスはこの去勢された縄張りにやってきて、交尾し、巣作りをした。
ところが、(それらの)メスの多くが有精卵を産んだ。夫がひとりのはずのメスは、性的にパートナーに忠実ではなかった。このことを確認するために、科学者は31羽のメスのハゴロモガラスの巣のヒナの血液検査をした。すると、ほぼ半数の巣には、夫が父親ではないヒナが1羽または数羽いたのである。このメスたちのほとんどは、「流れ者」あるいは「隣のオス」と交尾していた。
AKI つまり、浮気していたというわけですね?
哲雄 そうです。この話に出てくるハゴロモガラスの場合は、一夫多妻の「ポリガミー」社会を築いていたわけですが、鳥類学者たちは、ほかの「一夫一妻」制をとっている100種類以上の鳥でも、「婚外交尾」が観察されたと報告しています。もちろん、これは、ほ乳類の世界でも起こっています。つまりね、AKIクン、こういうことですよ。動物の世界でオスが浮気者であることは、すでに知られていることですが、メスも十分に浮気者である――ということなんです。
AKI なんか、安心した……。
哲雄 ハテ……動物の浮気で、なぜAKIクンが安心なさるのか、私にはさっぱりわかりませんが、ま、いいでしょう。ところで、動物はどの種も、オスもメスも浮気する。これは事実としても、その浮気の動機が、いささか違っているようなんですよ。
AKI 面食いかどうか――とかですか?
哲雄 いや、そんなことではありません。オスにとって「浮気」は、「繁殖戦略」の一環なんですが、メスにとっては、どうもそうではない。
AKI 繁殖戦略……? 何ですか、それ?
哲雄 あのね、AKIクン、オスとメスのいちばんの違いは何でしょう?
AKI ま、あれではないですか? メスは子どもを産めるけれど、オスにはそれができない――ではありませんか?
哲雄 そのとおり。オスには、懐胎もできないし、その子を出産することも、ほ乳類の場合だと授乳させることもできません。つまり、オスにとって自分の遺伝子を残す唯一の方法は、メスを妊娠させるしかないわけです。
AKI つまり、妊娠・出産に関しては、業務委託するしかないわけですね?
哲雄 「業務委託」ですか? キミも、なかなかシュールなことをおっしゃる。でも、オスの立場としては、ある意味、そうかもしれませんね。オスとしては心配でもあるんですよ。委託したはいいが、そのメスがちゃんと自分の子孫を産んでくれるかどうか? あるいは、産んだ子どもをきちんと育ててくれるかどうか? そこに、保険をかけておきたいという動機が発生するのも、遺伝子的理由からすると、ムリもないことなわけです。
AKI それが、浮気をする理由……?
哲雄 現実のオスという生きものが、そんな理由を考えて行動している――というわけではありませんよ。ただね、遺伝子が、その「遺伝子的理由」に合致する生殖行動の形を「本能」として書き込んでいるわけです。
AKI その「遺伝子的理由」って、何なんです?
哲雄 ひとつしかありません。

です。この指令を果たすために、オスは、自分の精子をできるだけ広範にバラ撒いておこうとする。それを意識するかどうかはともかく、それが「愛の哲学」として正しいと思うかどうかもともかく、オスにはそういう本能が書き込まれているわけですね。
AKI 遺伝子の「コピー指令」に動かされるのは、メスも同じでしょ? じゃ、メスにも浮気の本能はあるんじゃないですか?
哲雄 ハイ、あります。でもね、その本能にスイッチが入るシステムが少し違います。メスは、あるオスの精子で受胎してしまうと、その子どもを無事に出産して、立派に育て上げることが、何よりも、遺伝子の「コピー指令」に応えることになります。もし、「浮気」というモチベーションが働くとしたら、それはまったく違う理由からです。
AKI その「違う理由」って何です?
哲雄 経済的理由です。
AKI エッ、経済的? 何、それ?
哲雄 種によって多少の違いはあるのですが、妊娠して子どもを育てることを何よりも重要な指令として与えられているメスの場合、その指令を遂行するためには、十分なエサを必要とします。そのエサを確保してきて与えるのは、たいていの場合、オスです。ところが、そのオスが十分なエサを確保できないとなったら、どうなるか?
AKI あ、そうか……。エサをたっぷり与えてくれるオスに、尻尾を振っちゃったりするかもしれませんね。
哲雄 実際、つがいが仲よくすることで知られる鳥の中にも、エサのために他のオスに交尾をさせる種がいます。たとえば、ツルなんぞは、オスが運んでくるエサが十分でないと感じると、他のオスのテリトリーに飛んでいって、お尻を振って誘惑し、交換にエサをもらったりすることがあるのだそうです。こうなると、「浮気」というより「売春」に近いと言うべきかもしれませんけどね。
AKI 人間の場合も、そうなんでしょうね。
哲雄 ハイ、資産の誘惑は、貞節の戒めを上回るんですね、女性の場合。しかしね、AKIクン、この話をするためには、人間社会に存在する「モノガミー」と「ポリガミー」の違いについて考察を加えねばならず、なおかつ、人間社会の「ポリガミー」にはどんな種類があるかを検討しなければなりません。
AKI 話、長くなるんですね?
哲雄 そのとおり。なので、この話の続きは、次回ということにさせていただきたい。
AKI ハーイ。それではまた次回。あ、哲ジイ、頭ポリポリもそうですけど、話しながら、お尻ポリポリするのも止めてくださいね。
哲雄 ゴホッ……。
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管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
あなたの押してくださったポイントを見ては、喜んだり、反省したりの日々です。
どうぞ、正直な、しかしちょっぴり愛情のこもった感想ポチをお送りください。よろしくお願いいたします。



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