シランケンの不純愛講座

クリトリスの包皮による刺激説

　マスターズとジョンソンが唱えた説はこうでした。
　ペニスが挿入されることによって、小陰唇が引っ張られ、それに伴ってクリトリスの包皮も引っ張られる。その結果、包皮とクリトリスの間に摩擦が生まれて、オーガズムが誘発される――というのです。
　なんか、少しムリっぽい、と感じる人も多いと思います。
　シェアー・ハイト女史は、この説を「ほとんどマンガに近い」と笑い飛ばしてしまいました。
　もし、両博士が言うように、周囲の皮膚が引っ張られることでオーガズムに達するというのなら、女性は歩いただけでもクリトリスが摩擦を受けて、ほとんど歩行不能に陥ってしまいます。
　シェアー・ハイト女史は、重要なのは「恥骨」だと説きました。

恥骨による刺激説

　ペニスとヴァギナが結合するとき、その体勢によっては、男性の恥骨がちょうど女性のクリトリスのあたりに当たる格好になります。
　恥骨は、ペニスの根元付近にありますから、ＳＥＸにおいて重要なのは、ペニスそのものの往復運動ではなく、その根元がクリトリスに当たる運動なのだ――というのが、ハイト女史の主張です。
　ところが、男性のほうは、そんなことにはおかまいなくスラスト（突く運動＝いわゆるピストン）運動に徹しますから、この刺激に関しては、女性のほうで動きをリードする必要がある、とハイト女史は解説しています。
　では、どうすれば？
　大事なのは、女性が動きやすい体勢をとることです。

女性上位のほうが快感を得やすい

　ひとつの方法は、女性が上になって、男性の恥骨がクリトリスを刺激しやすい位置をとること。女史のリポートに登場する女性の多くが、この姿勢のほうが、自分の好みの場所に彼の恥骨を当てることができる、と答えています。
　このとき、大事なのは、男性に動いてもらうのではなく、自分から動くこと。それも上下によりも、結合したまま、自分の腰を前後に動かして、クリトリスを恥骨でこするような動きをしたほうが感じる、という声が紹介されています。

スラスト（突く）よりグラインド（回す）

　ハイト女史のリポートに登場する女性たちは、双方の動き方にも注文をつけています。
　注目すべきは、ほとんどの女性が、スラスト（突く動き）をあまり重視してないということです。
　それよりも、大事なのは、「こすり合わせる」という動き。
　クリトリスと彼の恥骨を接触させたまま、臼をひくように腰を回転させる「グラインド」と呼ばれる動きです。
　これは、男性が上になる体位をとっている場合でも同じです。この場合でも、ふたりの腰が密着する姿勢をとることが重要。
　ただし、その形は、人によって異なります。足を彼の肩にかける姿勢がいいという女性もいれば、両足を伸ばしたまま、彼には浅く挿入してもらったほうがいい、という女性もいます。
　彼の恥骨がいちばんいい場所に当たるように、性交中の彼のヒップを両手で抱き寄せて、その動きをリードする、という女性もしました。
　どんな形をとれば、いちばんいい接触ができるか？
　これは、ふたりで工夫して、ベストなポジションを見つけるしかないでしょう。

　男性の動き方についても、ハイト女史はいくつかポイントを挙げているのですが、それについては、次回、ご報告することにしましょう。

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