男と女から「スキンシップ」を奪う「清潔主義」

他人と接触することを「気持ちわるい」と感じる日本人が、増えているんだそうです。その結果、増えているのが、スキンシップしないカップル、セックスレスな夫婦。原因のひとつとして考えられるのが、「行き過ぎた清潔主義」。今回は、そんな話を掘り下げてみます――。
Talker
哲雄 自ら著作を手がけるエッセイスト。当ブログの管理人です。
AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指すアラサーの美女。
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AKI 自分の靴下さえはけない男に、女のパンツを脱がすことができるのか? 前回は、そう言ってお怒りでしたよね、哲ジイ。
哲雄 いや、別に怒ってはおりません。ただ、あきれているだけでして……。
AKI でも、SEXを面倒くさいと感じる人が増えている現状を、哲ジイは嘆いているんですよね? その理由の一端は、私たちフーゾクの仕事にもあるんじゃないか――とおっしゃいましたが。
哲雄 フーゾクも、何から何まで面倒をみてしまおうとする母親の存在も、自分からは何もしようとしない男たちを生み出す原因のひとつにはなっているだろう、と申し上げました。しかし、それは、一部にすぎない。実はね、AKIクン、私は、最近、ある傾向に気がついて、これはいったいどういうことだ――と、頭を悩ませているんですよ。
AKI その「ある傾向」とは?
哲雄 街などを歩くカップルが、どうも……淡泊というか、何かが足りないように見えてしょうがないんです。
AKI そもそも、カップル少ないし――というのは置いといて、その足りない「何か」って何でしょう?
哲雄 ひと言で言うと、スキンシップ――かな。キミ、思いませんか? カップルだったら、肩を組むとか、腕を絡め合うとか、手をつなぐとかして歩くんじゃないか。少なくとも、30~50年前だったら、そういうカップルがかなりいただろうに、いまは、そういうカップルをあまり見かけない。これは、どうしたことだと思うわけですよ。
AKI そう言えば、そうかもしれない。エッ!? もしかして、みんな、淡泊になっちゃった?
哲雄 草食化しちまったから? ま、それもなくはないだろうけど、私はね、もっと大きな問題が背景にあるような気がするんですよ。
哲雄 いや、別に怒ってはおりません。ただ、あきれているだけでして……。
AKI でも、SEXを面倒くさいと感じる人が増えている現状を、哲ジイは嘆いているんですよね? その理由の一端は、私たちフーゾクの仕事にもあるんじゃないか――とおっしゃいましたが。
哲雄 フーゾクも、何から何まで面倒をみてしまおうとする母親の存在も、自分からは何もしようとしない男たちを生み出す原因のひとつにはなっているだろう、と申し上げました。しかし、それは、一部にすぎない。実はね、AKIクン、私は、最近、ある傾向に気がついて、これはいったいどういうことだ――と、頭を悩ませているんですよ。
AKI その「ある傾向」とは?
哲雄 街などを歩くカップルが、どうも……淡泊というか、何かが足りないように見えてしょうがないんです。
AKI そもそも、カップル少ないし――というのは置いといて、その足りない「何か」って何でしょう?
哲雄 ひと言で言うと、スキンシップ――かな。キミ、思いませんか? カップルだったら、肩を組むとか、腕を絡め合うとか、手をつなぐとかして歩くんじゃないか。少なくとも、30~50年前だったら、そういうカップルがかなりいただろうに、いまは、そういうカップルをあまり見かけない。これは、どうしたことだと思うわけですよ。
AKI そう言えば、そうかもしれない。エッ!? もしかして、みんな、淡泊になっちゃった?
哲雄 草食化しちまったから? ま、それもなくはないだろうけど、私はね、もっと大きな問題が背景にあるような気がするんですよ。
AKI もっと大きな……ですか? 何だろう?
哲雄 関係あるかどうか、ちょっと不明ではあるのですが、こういう現象も指摘されています。かつては、学校教育の現場などでおなじみだった「フォークダンス」が、最近は、あまり踊られなくなった。その理由のひとつとして、
他人と手をつなぎ合うことを「気持ちわるい」と感じる子どもたちが増えた

――ということが挙げられてるんですねェ。
AKI エーッ!? そんな感じ方をするようになったんですか、いまの子どもたちは?
哲雄 というか、キミも立派に「いまの子ども」の一種だと思いますがね。
AKI それは、どうも。おホメに預かりまして……。
哲雄 別に、ホメちゃあいません。でね、AKIクン、こういう現象を見ていると、私は思うんですよ。なんだか、いまどきの日本人って、「他者に対する壁」が強すぎるのではないか? 特に、「生理的な壁」が強すぎる。
AKI 「生理的な壁」ですか?
哲雄 ハイ。AKIクンにも覚えがあるんじゃないですか? 女の子たちが、「お父さんのパンツと一緒に洗うのはイヤだ」とか言って、自分の洗濯物を分けて洗おうとするようになった時代がありました。
AKI だって、気持ちわるいじゃないですか。お父さんのパンツには、ウ×コとかついてるかもしれないし……。
哲雄 自分のにだってついてるかもしれないじゃないですか。それにね、そういう女の子たちが会社に入ってくると、職場のみんなと一緒の鍋をつつくなんてのを、嫌がったりするんだそうですよ。電車に乗っても、だれがつかまったかわからないつり革につかまることを、「気持ちわるい」と嫌ったりする。これってさ、
自分以外の「他者」と生理的に接触することを嫌うようになった

ってことじゃないか。
AKI 確かに、そういう女の子、増えたかもしれない。でも、それ、女の子だけじゃないですよ。男の子だって、だれかと握手したりしただけで、手をウエットティッシュで拭いたりする子、いますもの。
哲雄 ああ、世も末だ。私は思うんですよ、AKIクン。いったい、だれが、そして何が、こういう日本人を育ててしまったのか? 私は、行き過ぎた「清潔主義」ではないかと思ってるんです。
AKI 「清潔主義」ですか? 日本人は、もともと清潔を重んじる民族ですよね?
哲雄 そうです。神社へ参拝するときにも、御手洗(みたらし)で手を洗ったりしますしね。あれは、「禊=みそぎ」という行為で、元はと言うと、「死の穢れ」を洗い落とす行為のひとつなんですが――って、あ、いけない。また話が脱線してしまいました。確かに、AKIクン、キミが言うように、日本人はもともと、清潔を重んじる民族でした。しかし、最近は、それが行き過ぎてるような気がするんです。
AKI 私もそう感じることがあります。
哲雄 まな板は雑菌の巣だからと、抗菌剤入りの洗剤で洗う。外から帰ってきたダンナにファブリーズを振りかける。ま、CMの世界の話ですけどね。しかし、CMが訴える内容は、それを見る人間の中に、そういうニーズが存在するからでもある――と思うんですよ。
AKI 確かに、そうかもしれませんね。でも、そのこととスキンシップが欠けているということの間に、どんな関係が……? あ、そうか。
哲雄 そうです。完璧に清潔を求める人間は、他人との接触にも神経を尖らせます。接触を図ろうと接近してくる人間がいると、自分の周りに「生理的な壁」を作ってしまいます。
AKI それじゃあ、スキンシップなんてできない――と。哲ジイはそう言いたいわけですね?
哲雄 少なくとも「苦手」にはなるんじゃないか、と思います。仮に、そういう人に恋人ができても、手をつなぎ合ったり、肩を抱き合ったりして街を歩くなんてことは、しないだろうと思います。
AKI もし、そういうふたりが結婚したら……?
哲雄 そうですね。キミが心配するとおり、セックスレスな夫婦になってしまうことだって、あるかもしれない。少なくとも、朝にチュッ、夕方にチュッ、夜になったらチュ、チュッ……で、濃密な夜をすごすなんてことにはなりそうもありません。
AKI スキンシップレスなカップルは、結婚しても、セックスレスになっちゃったりする危険性があるわけですね。
哲雄 いずれにしても、「レス」ですね。こういう「レス」を招く原因のひとつが、先ほど申し上げた「行き過ぎた清潔主義」ではないか――というのが、私の持論なのですが、この過剰な「清潔主義」は、実はもうひとつ、社会的にも問題とされる、ある「精神的態度」を導き出す場合があります。
AKI エッ、それは何?
哲雄 ようがす。それについては、次回、詳しくお話いたしましょう。それまで、元気でね、レスなお嬢さん。
AKI 言っときますけど、私は、レスではございませんので。レスなのは、どこかのジイさまに対してだけですので、あしからず。
哲雄 オーッ、それこそラブレス!
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