「カサブランカ」の歌姫2-7 罪作りなヒップ

家まで送ると、レイラは私を部屋に招き入れ、
背中のホックを外してほしい、と言う。
露わになった白磁のような肌に口づけして、
私は、ゆっくりとその服を脱がせた――。
連載 「カサブランカ」の歌姫 ファイル-2 村尾レイラ〈7〉

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ジッパーを下すと、レイラのワンピースはハラリ……と、レイラの肌から剥がれた。
白磁のような白い肌が、鶴首の花器を思わせるなだらかな曲線を描いて、腰の下のふくらみへと連なっていた。
それは、男に愛でられることだけを目的に、酒の精だけで造られた造形物のようだ。
私は、レイラの肩に両手を置き、露わになった首筋にそっと唇を近づけた。シトラス系の香りに交じって、ほんのり汗の匂いがした。いつもボディコンシャスなステージ衣装に身を包み、ビジュアル系を気取って歌うレイラに、初めて感じた「生の女」の匂いだった。
その匂いを嗅いで、私の脳の中には、それまで意識したこともない思いが湧いて出た。
こいつをふつうの女にしてやりたい――。
私は、彼女の肩に置いた両手を滑らせて、華奢な肩にかろうじて引っかかっていたアームレットの縁をつかんだ。その縁を少し持ち上げて、肩から外すと、ワンピースは音もなくレイラの肩から滑り落ちて、足元にふわりと舞い落ちた。
まるでそれを予期していたかのように、レイラは身動きひとつしない。
私は、彼女の首の付け根に当てた唇を、ススーッと、肩甲骨と肩甲骨の間の窪みへと進ませた。気高く盛り上がった肩甲骨が、一瞬、内側へ閉じるような動きを見せた。閉じようとする肩甲骨の峰と峰をブリッジしていたブラのホックが、少し肌から浮いていた。私は、そのホックに手をかけた。
レイラは、背中を這い降りる私の唇に背中を反らせて、「ハァ……」と荒い息を吐いている。ホックを外すと、レイラのブラは彼女の体からはじけるように解けた。サイドベルトに押さえつけられていた彼女の肌には、ベルトの跡がくっきりと残っている。その跡が、彼女の肌が生身の現実であることを、痛々しく伝えている。
その締め跡をいとしいと感じて、そっと唇を這わせる。レイラはなおも背を反らせて、頭を無防備に私の胸に預けてきた。その頭皮の匂いを嗅ぎながら、私は、覆うもののなくなった彼女の脇から、両手を彼女の胸に回した。
細身と思われているレイラだが、拘束を解かれた乳房は、彼女の胸郭の上にほどよい張りの盛り上がりを見せていた。その盛り上がりを手のひらに包み込み、グイと引き寄せると、レイラは「あっ……」と短い声を挙げた。
包み込んだ盛り上がりの中央に、アーモンド大の高まりがあった。その高まりはコリッと身を固くして、存在を主張している。その高まりを指でつまんで、グリともんでみる。
「あ、ちょ……ちょっと……」
それまでつとめて冷静にふるまっていたレイラが、突然、私の手から逃れようとするように、身をよじり始めた。
乳房の上で屹立するその突起は、レイラを「ふつうの女」に戻すスイッチなのだ――と、そのとき、私は発見した。
白磁のような白い肌が、鶴首の花器を思わせるなだらかな曲線を描いて、腰の下のふくらみへと連なっていた。
それは、男に愛でられることだけを目的に、酒の精だけで造られた造形物のようだ。
私は、レイラの肩に両手を置き、露わになった首筋にそっと唇を近づけた。シトラス系の香りに交じって、ほんのり汗の匂いがした。いつもボディコンシャスなステージ衣装に身を包み、ビジュアル系を気取って歌うレイラに、初めて感じた「生の女」の匂いだった。
その匂いを嗅いで、私の脳の中には、それまで意識したこともない思いが湧いて出た。
こいつをふつうの女にしてやりたい――。
私は、彼女の肩に置いた両手を滑らせて、華奢な肩にかろうじて引っかかっていたアームレットの縁をつかんだ。その縁を少し持ち上げて、肩から外すと、ワンピースは音もなくレイラの肩から滑り落ちて、足元にふわりと舞い落ちた。
まるでそれを予期していたかのように、レイラは身動きひとつしない。
私は、彼女の首の付け根に当てた唇を、ススーッと、肩甲骨と肩甲骨の間の窪みへと進ませた。気高く盛り上がった肩甲骨が、一瞬、内側へ閉じるような動きを見せた。閉じようとする肩甲骨の峰と峰をブリッジしていたブラのホックが、少し肌から浮いていた。私は、そのホックに手をかけた。
レイラは、背中を這い降りる私の唇に背中を反らせて、「ハァ……」と荒い息を吐いている。ホックを外すと、レイラのブラは彼女の体からはじけるように解けた。サイドベルトに押さえつけられていた彼女の肌には、ベルトの跡がくっきりと残っている。その跡が、彼女の肌が生身の現実であることを、痛々しく伝えている。
その締め跡をいとしいと感じて、そっと唇を這わせる。レイラはなおも背を反らせて、頭を無防備に私の胸に預けてきた。その頭皮の匂いを嗅ぎながら、私は、覆うもののなくなった彼女の脇から、両手を彼女の胸に回した。
細身と思われているレイラだが、拘束を解かれた乳房は、彼女の胸郭の上にほどよい張りの盛り上がりを見せていた。その盛り上がりを手のひらに包み込み、グイと引き寄せると、レイラは「あっ……」と短い声を挙げた。
包み込んだ盛り上がりの中央に、アーモンド大の高まりがあった。その高まりはコリッと身を固くして、存在を主張している。その高まりを指でつまんで、グリともんでみる。
「あ、ちょ……ちょっと……」
それまでつとめて冷静にふるまっていたレイラが、突然、私の手から逃れようとするように、身をよじり始めた。
乳房の上で屹立するその突起は、レイラを「ふつうの女」に戻すスイッチなのだ――と、そのとき、私は発見した。

身もだえするレイラの突起をなおももみしだきながら、私はもう一方の手を彼女のパンツの縁に伸ばした。その縁をつかんで下に引き下ろすと、パンツは彼女のヒップの山からスルリと抜け落ちた。
一糸まとわぬ姿となったレイラは、もはや、「私が何年、この世界で歌ってると思ってるの?」と虚勢を張って見せたジャズ・シンガー、村尾レイラではなかった。
私は、まるで小さな女の子をトイレに連れていくように、その体を後ろからヒョイと抱きかかえた。レイラは、その格好を屈辱的と感じたのか、両足をバタバタとさせて、その姿勢から逃れようとしている。
かまわず、私は、その体をベッドに運んだ。うつ伏せのまま、上体をベッドに押さえつけ、その耳元にささやきかけた。
「もう、降参しなよ」
それでも、レイラは、「イヤ。こういうのは、イヤ……」と、なおも足をバタバタさせている。
私は、その尻をピシャリと叩いた。「あっ……」と小さな悲鳴が上がった。
「こんなにボクを引っ張りまわして、キミは、イケナイ子だねェ」
「私を見守ってくれる――って、荻野さん、言ってくれたし……」
「じゃ、わるい虫は退治しなくちゃね」
そう言って、また、ピシャリとぶつ。
「私、わるい虫なんかついてないもん」
「でも、わるい虫を呼び寄せたでしょう? その顔で、このお尻で?」と、ピシャリ。
「私、そんなこと……してない……」
「わるい虫に、おいしそう――と思わせたよね。この子に親切にしておけば、いい思いできるゾって、思わせたでしょ?」と、ピシャリ。
レイラの尻には、ぶった手形が赤く残っていた。
もう、足をバタバタもさせてない。
私は、もう一度、レイラの耳元に口を近づけて言った。
「キミにそんなつもりがなくても、相手はその気になる。それを利用しようという気持ちがキミの中に少しでもあったら、相手はそこにズンズン入ってくる。キミは、聴いてる人が愛を感じるように歌いたいんでしょ?」
「ウン」というふうに、レイラの首が動く。
「その愛が、ストーカーを生み出すような愛でいいの?」
今度は、「ウウン」と首を振る。
「キミが歌で歌う愛は、もっと普遍的な愛であってほしい。キミがそういうふうに愛を歌ってくれたら、ボクはもっとキミの歌が好きになると思うよ」
「ホント……?」
「ああ……」と答えながら頭を撫でると、レイラの全身から力が抜けていった。

脱力したレイラの体に、私は、そっと自分の体を重ねた。
わき腹から手を差し込んで、レイラが下腹の下に生やしたブッシュの中を這い進んだ。その奥に、小さな渓谷の始まりがある。その渓谷を辿って下りると、指先にクリッと固まったものが触れた。
そこを指先で撫でると、レイラは「ハッ……」と息を吐いて、尻をクイと持ち上げた。持ち上げられた尻は、そこを埋めるべき何かを探すように、私の下腹部を彷徨う。
吸い付くように、押し当てるように密着してくるレイラのヒップ。私は、そこに、怒張した分身の先端を押し当てた。
私の硬直をヒップに受け止めたレイラは、自分から体を動かした。私を自分の体に受け入れるように、ヒップをさらに高く突き出し、その狭い入口を「ここよ」というふうに、自ら私の分身に知らせた。
私は、右手を彼女の小さな突起に当てたまま、彼女が自ら示した裂け目に向けて腰を進ませた。
彼女のそこは、体の中からあふれ出てきたドレッシングで、すでに潤っていた。一瞬、小さな抵抗が、私の侵入を遮った。そこをグイと進むと、私のふくらみは彼女の関門をヌルリとくぐり抜けた。
「ハ……ハフーン……」
彼女の口から、それまで聞いたこともないロングトーンが漏らされた。
それは、それまで聞いたこともない、彼女のもっとも美しいウイスパーだった。
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教師のビンタが支配する教室から、突如、姿を消した美少女。卒業から40年経って、ボクはその真実を知ります。
【右】『『チャボのラブレター(マリアたちへ-1)』
2014年10月発売 定価122円
中学校の美しい養護教諭とボクの、淡い恋の物語です。

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