「連帯」を求める心と「孤立」を恐れない精神

Talker 哲雄 人間関係についての著作を手がけるエッセイスト。本ブログの管理人です。
with AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指す推定年齢アラサーの美女。
第365夜 【本日のテーマ】 「連帯」を求める心と「孤立」を恐れない精神
前回、「空気」というものは、「醜い欲望」から作り出されることが多い、という話をしました。その「空気」に立ち向かうためには、「孤立」を恐れない精神が必要。「孤立」は恐れないけど、その元には、「連帯」を求める熱い心がある。今回は、そんな話をしてみます――。
【今回のキーワード】 孤立 連帯 東大全共闘
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AKI エーと、孤立型高齢者の哲ジイさま。ジイは、周りの空気を読まないんですよね。
哲雄 確かに、私は、みなさんが「空気、読めよ」なんておっしゃるような「空気」は、できるだけ読まないようにしているんですが、別に、それで孤立してるわけじゃございませんよ。「ひとり身=孤立」なんていうのは、それこそ偏見てェものです。
AKI ハイ、ハイ。わかりました。でも、哲ジイ、言ったじゃないですか。孤立することを恐れない――って?
哲雄 ハイ、申しました。しかし、その前に何か申し上げたでしょ?
AKI エーと、何でしたっけ?
哲雄 ホ~ラ、もう忘れてる。私は、こう言ったんですよ。
連帯を求めて、孤立を恐れず。
大事なのは、最初の「連帯を求めて」っていう部分なんだ。
AKI なんか、矛盾してません? 「連帯を求める」ってことは、「絆を結ぼうよ」ってことでしょ? もっとくだけて言うと、「愛し合おうよ」? なのに「孤立してもいいゾ」なんて言っちゃうんですか? それ、おかしいでしょ。
哲雄 ようがす。これ、弁証法的愛の告白と言ってもいいのだが、ここでそれを言っても、なかなかわかってはもらえないと思うので、卑近な例で解説しましょうか。
AKI ぜひ、お願いしたいものですわ、わかりやす~く。
哲雄 確かに、私は、みなさんが「空気、読めよ」なんておっしゃるような「空気」は、できるだけ読まないようにしているんですが、別に、それで孤立してるわけじゃございませんよ。「ひとり身=孤立」なんていうのは、それこそ偏見てェものです。
AKI ハイ、ハイ。わかりました。でも、哲ジイ、言ったじゃないですか。孤立することを恐れない――って?
哲雄 ハイ、申しました。しかし、その前に何か申し上げたでしょ?
AKI エーと、何でしたっけ?
哲雄 ホ~ラ、もう忘れてる。私は、こう言ったんですよ。
連帯を求めて、孤立を恐れず。
大事なのは、最初の「連帯を求めて」っていう部分なんだ。
AKI なんか、矛盾してません? 「連帯を求める」ってことは、「絆を結ぼうよ」ってことでしょ? もっとくだけて言うと、「愛し合おうよ」? なのに「孤立してもいいゾ」なんて言っちゃうんですか? それ、おかしいでしょ。
哲雄 ようがす。これ、弁証法的愛の告白と言ってもいいのだが、ここでそれを言っても、なかなかわかってはもらえないと思うので、卑近な例で解説しましょうか。
AKI ぜひ、お願いしたいものですわ、わかりやす~く。
哲雄 たとえば、私が、さる妙齢の女性を愛しているとします。いつか、その人と「真実の愛」で結ばれたいと願ってもいる。しかし、その彼女は、金に目がくらみ、FXで資産を増やすことを「まっとうな仕事」と思い込み、日夜、株価とにらめっこしては、「きょうはいくら儲かったわ」と心を躍らせている。私は、そんなのは、仕事でもなければ、人の生き方でもない――と、彼女を批判します。
AKI ま、わからないじゃありませんわ。でも、彼女は聞く耳持たないわけですね。
哲雄 彼女は言うのです。「ラクしてお金を稼ごうっていうのが、どこがおかしいの?」って。TVでも、ファイナンシャル・プランナーとかが言ってるし、みんな、心の底では願ってることじゃない――って。そこで、私は言うわけです。よく、考えるんだ。キミの買った株価を吊り上げるために、その会社は、アジアの片隅で貧しい労働者たちを低賃金でこき使い、劣悪な環境を作り出し、吸い上げた富で、この虚飾の街にイルミネーションに輝く巨大ビルを建てようとしてるんだよ。目を覚ませよ――ってね。「目を覚ましてほしい」と願うのは、その人に「愛の何たるか」を知ってほしいと願うからであり、そう願うのは、彼女を愛しているからでもある。それが、「連帯を求める」の真意です。
AKI しかし、彼女には、あなたの言う「連帯」の意味がわからないわけね?
哲雄 でしょうね。欲に目のくらんだ彼女は、「アジアの片隅? そんなの、どうだっていいじゃない」と反発し、「まったく、あの人の言うことは、なんだか暗くてさぁ」と、周りも巻き込んで、私を遠ざけようとするわけです。
AKI それで、「孤立」しちゃうわけですか?
哲雄 孤立……しちゃうわけです。その「孤立」を恐れるのなら、彼女の言うこと、やろうとしていることを「いいね」と上辺だけでも容認して、「ガンバれよ」と応援してあげればいいわけです。でも、私には、そんなことはできない。それじゃ、自分が信じる真実に目隠しして、「妥協」の上に成り立つ「偽りの愛」を「愛」と言い張るしかなくなります。それじゃ、「真実の愛」は成立しない。
AKI なるほど。そこで、哲ジイは、相手の目を真実に向けさせようとして、安易に連帯する道は選ばなかったわけですね。
哲雄 あ、これ、実話じゃないですよ。あくまで、「たとえば……」の話ですから。ほんとうは、この「連帯を求めて、孤立を恐れず」っていうの、かつて、安田講堂に立てこもった東大全共闘のキャッチフレーズだったんですけどね。
AKI ヘェ、そうなんだ。彼らも、ほんとうは「連帯」を求めてたんだ?
哲雄 そうですよ。市民よ、勤労者諸君よ、ボクたちは、あなたたちと対立したくて、こんな立てこもりをしているわけじゃない。キミたちに、真実に目を開いてもらいたくて、そうすることによって、ほんとうの連帯を築きたくて、あえて孤立するかもしれない道を選んでるんだ――とね。
AKI ワァ、複雑。でも、それ、わかってくれたんですかね、市民や一般学生たちは?
哲雄 わかってくれなかったでしょうね。しかしね、AKIクン、同じことは、いまも、ふつうの職場とか学校とか家庭の中でも起こってます。
AKI 家庭の中でも――ですか? そう言えば、前回、チラとそんなこと言ってましたよね?
哲雄 ほんとは、きょうはその話をしようと思ったんですよね。前回、ポピュリズムという話をしましたよね?
AKI 大衆が持っている利益や権利への願望につけ込んだり、不安や恐れを煽り立てたりして、支持を集めようっていう政治手法のことでしたよね。
哲雄 ばっちり復習してくれたんですね。
そういうポピュリズムが、真っ先にネライをつけるのは、
実は、家庭なんですよね。
去年の安保国会でも、安倍総理はそれに近い手法をとりました。あなたの夫や息子や娘の乗った船が、海外で武装勢力に襲われている。そのとき、いまの法律では、日本の自衛隊は、救出活動ができないわけですよ――なんてね、下手な絵まで描いて力説してました。
AKI あ、それ、覚えてます。
哲雄 あしき権力は、そうやって、まず家族を人質にとって、ある「空気」を社会に醸成しようとするわけです。きわめて残念なことではあるのですが、その人質作戦にもっとも弱いのは、家族だったりします。
AKI 弱いのは、夫? それとも、妻?
哲雄 どっちもです。でも、弱い部分が、夫と妻では少し違ってます。夫、つまり男のほうは、軍事的・政治的不安をあおられると弱く、妻、つまり女は、経済的得や道徳的正義をあおられると、すぐに「そうだ、そうだ」となる傾向があります。
AKI それ。もっと具体的に知りたいです。
哲雄 ようがす。それについては、次回、具体的にお話することにしましょう。AKIクンが、間違った結婚生活を選んだりしないためにもね。
AKI 残念ながら、その予定は、いまのところありませんので。
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