そもそも、人と人は、なぜまとまろうとするのか?

Talker 哲雄 人間関係についての著作を手がける、エッセイスト。本ブログの管理人です。
with AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指す推定年齢アラサーの美女。
第356夜 【本日のテーマ】 そもそも、人と人は、なぜまとまろうとするのか?
前回、人はなぜ、旗のもとに集まろうとするのか――という話をしました。今回は、もう少し「そもそも」な話をしてみようと思います。そもそも、人はなぜ、ひとりでは生きられないのか? 「生殖」という生物学的理由を除けば、実は、人の「経済活動」が、人を集団で暮らすという生活へ導いたのですが、その「集団の規模も、形も、経済活動の変化とともに変わっていきました――。
【今回のキーワード】 経済活動 国境線
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哲雄 ところでAKIクン、わたくし、もうそろそろ、ひとり暮らし歴55年を迎えるのでございますよ。
AKI 存じております。あまりにガンコで、だれとも一緒に暮らせなかったんだろうなぁ――と想像しているのですが、違いますか?
哲雄 そう言われてしまうと、身も蓋もありませんが……。
AKI あら、認めてるし……。
哲雄 別に、認めてるわけじゃありませんよ。ただね、「私にはあなただけ」「あなたには私だけ」のような、ベタベタの関係がちょっと苦手であった――と、そういうことにしておきましょうか。
AKI てことは、草食系?
哲雄 その「草食系」とか「肉食系」っていう分類、そろそろ止めていただけませんかねェ。わたくし、草も食べますけど、肉も魚も食べます。できることなら、「森林系」とかにしておいていただけますでしょうか?
AKI 森林系……? てことは、霞と土を食って生きている……?
哲雄 つーか、美しい鳥たちが、何羽も停まっては、実をついばんだり、フンをぶっかけたりしていく、そういう樹でありたかったですねェ。
AKI しかし、ついに一羽の鳥にも停まっていただけないまま、朽ち果てていく憐れな老木。南無~。
哲雄 勝手に殺すな。ところで、AKIクン、前回、私は申し上げましたよね。「旗」のもとに集まるなんていう社会はつまらない――と?
AKI ハイ。「旗」なんぞは、所詮、記号にすぎないのだから、そんなことでひとつにまとまる社会になど、価値を認めない――とおっしゃいました。では、この社会は、何によってまとまっていくのか? 今回は、そんな話をするんでしたよね?
哲雄 ハイ、申し上げました。「社会」と言う以前に、人と人は、どうしてまとまろうとするのか? まず、そこからお話しましょうか?
AKI そりゃ、あれでございましょうよ。まずは、エッチするため――じゃないですか?
哲雄 オーッ、さすがAKIクン。するどい――と言えばするどい。でも、「エッチ」は、ある「目的」を遂行するための手段であって、それ自体が目的じゃあないんですね。
AKI わかった! 子孫を残すため――だぁ。
哲雄 そうです。むずかしく言うと、「種の保存」です。生物学的に言うと、これが第一の使命。もちろん、そのためにはSEXしなくちゃいけませんから、「性行為の相手」は必要になりますよね。最低でも、《オス1対メス1》 という「社会」が形成されるわけです。でもね、「種の保存」のためには、それだけじゃ不十分。なぜだかわかります?
AKI ウーン……と、もしかして襲われるから――とか?
哲雄 オーッ、正解! そうなんです。動物には、ほとんどの場合、自分たちを襲って捕食しようとする敵が存在します。強大な捕食動物と単体では闘えないという種は、捕食されることを防ぐために、「群れ」を作って行動しようとします。ヒトの祖先である「霊長類」も、群れを作って行動する種です。もちろん、ヒトもそうです。
AKI ヒトは元々、「社会」を作らないと生きていけない生きものなんですね? でも、「社会」を作る理由は、それだけじゃありませんよね?
哲雄 もっと大きな、第二の理由があります。それは、「経済活動」。
AKI つまり、「お金」?
哲雄 「お金」は、ずっと後になって登場します。それ以前の人間は、主に狩猟や採集によって、食料を確保していたのですが、しかし、それは、ひとりではできない。特に、狩猟は、自分より強大な動物相手に闘って――という場合が多いので、狩りは集団で行うことが多かっただろうと思われます。そこに、農業が登場します。これが、人間の社会を劇的に変化させたんですね。
AKI もしかしたら、役割の分担とかができた――ですか?
哲雄 そのとおり。「農業」が登場することによって、人類は、何ができるようになったでしょう?
AKI 定住できるようになった?
哲雄 定住するためには、その土地で安定して食糧が手に入る必要があります。「農業」がそれを可能にしたのですが、しかし、「農業」には、ある食糧植物を「栽培」する期間と、それを「収穫」するタイミングがあります。収穫した農産物で、一年間、安定して暮らすためには、何が必要になります?
AKI あ、そうか。「貯蔵」するシステムですね?
哲雄 そうです。蔵とか倉庫とか、そういうものが必要になります。しかし、その保管倉庫は、侵入者に襲われて、せっかく蓄えた食糧を奪われてしまうかもしれません。すると、今度は何が必要になる?
AKI もしかして、セキュリティ……?
哲雄 ピンポーン! 警備ですね。さて、ここで問題です。農業を始めたはいいが、たとえば、穀物を栽培して、収穫して、それを備蓄して、警備して――なんてことを、農民ひとりひとりでやれるでしょうか?
AKI ちょっと大変かもしれない。
哲雄 ですよね。そこで、最初の役割分担が起こりました。
耕作して収穫する人と、それを蓄えて警備し、管理する人とが分かれました。
警備・管理に当たる人間は、自分が担当できる何人分かの収穫物を、
まとめて管理するようになります。
これで、ある組織が発生します。
それは……?
AKI わかった! 「村」とか「町」っていう行政組織だ。
哲雄 最初は、数家族程度が集まった「部族」だったかもしれません。その数部族が集合して「氏族」となり、それが「村」や「町」のような行政組織を発生させ、さらにいくつかの行政組織の連合体として、「国」が誕生し、「国境線」が引かれるようになったんですね。
こうして自然に形成されていった「国」と「国境線」は、
ほぼ、同様の農業を営む地域の耕作分布域と
一致していると言っていいかと思います。
それは、後の民族大移動や宗教的紛争、さらには、「元」などによる世界侵略、近世以降は、いち早く工業化を進めた西洋列強による「帝国主義」的な領土拡大策などによって、変わっていくんですけどね。
AKI フーン、そうかぁ。ということはですね、
その社会がどのようにまとめられていくかは、「経済活動」によって決まる

と言ってもいいわけですね?
哲雄 おっしゃるとおりです。ところがですね、AKIクン。ここへ来て、この「経済活動」と現実に目にする「社会」との関係に、重大な変化が生じています。それは、何でしょう?
AKI エーとォ……たとえば、電子取引が増えたとか?
哲雄 オッ、いい線、ついてますねェ。しかし、それは、変化の一部にすぎません。
AKI ウーン、何だろう?
哲雄 実はね、その変化の結果、たとえば、国境なんてものに意味があるのか?――となってしまうような重大な変化なんですが……。
AKI エッ、何だろ? わかんない……。
哲雄 わかりました。では、その答えは次回に。
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