「不満」な心にすり寄る 《負の偶像》 に惑わされるな

「いま」を生きる若者たちへ、愛と連帯を込めて。
世界中に渦巻く「不満」。そんな不満にバイアスをかけ、
「仮想敵=負の偶像」を創り上げようとする動きが、
目立つようになりました。若者よ、そんな悪魔の声に
惑わされず、真実の目を磨いてほしい――と願って。
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私たち日本人のメンタリティの中には、特定の人物などを「神」として祭り上げてしまう、という「偶像崇拝」な性質が備わっています。
実は、この性質は、とても危険――という話を、前回はお届けしました。
特に、危険なのは、この「偶像化」のメンタリティが、社会の中に渦巻く「不満」や「憎悪」と結びついてしまったときです。
「不満」や「憎悪」が、社会的にある一定量に達すると、人は、そのはけ口を求めます。
その「はけ口」として「偶像」が利用されることも、珍しくありません。
ここで使われる「偶像」には、2通りあります。
ひとつは、「わるい偶像」つまり「悪神」です。
もうひとつは、「よい偶像」つまり「善神」です。
たいていの場合、この2種の「偶像」は、「セット」で使われます。
そのプロセスは、こうです。
過去の独裁者たちも、多くは、こんなプロセスで産み出されていきました。
戦前のドイツでは、「反ユダヤ主義」を唱えるヒットラーが、「ユダヤ人」を 《仮想敵=負の偶像》 に仕立てることで、自らを 《ヒーロー=正の偶像》 に仕立て、ドイツをナチス一色に染め上げていきました。
イタリアでも、日本でも、同じことが起こりました。
そして、いままた……。
実は、この性質は、とても危険――という話を、前回はお届けしました。
特に、危険なのは、この「偶像化」のメンタリティが、社会の中に渦巻く「不満」や「憎悪」と結びついてしまったときです。
「不満」や「憎悪」が、社会的にある一定量に達すると、人は、そのはけ口を求めます。
その「はけ口」として「偶像」が利用されることも、珍しくありません。
ここで使われる「偶像」には、2通りあります。
ひとつは、「わるい偶像」つまり「悪神」です。

もうひとつは、「よい偶像」つまり「善神」です。

たいていの場合、この2種の「偶像」は、「セット」で使われます。
そのプロセスは、こうです。
〈1〉 自分がこんなに「不満」を抱えることになったのは、自分のせいじゃない。いったい、だれがわるいんだ?―― 《不満の発生》
〈2〉 そう言えば、あの「A」とか言う男が、わるいのは「Kのやつらだ」と言ってたな。―― 《不満の誘導》
〈3〉 そうか、すべては「K」のせいか。あいつらさえいなければ、自分の「不満」は解消されるはずだ。―― 《負の偶像の誕生》
〈4〉 それを指摘して声を挙げる「A」は、オレたちのヒーローだ。あの人の主張に従えば、きっといいことがあるはずだ。―― 《正の偶像の誕生》
〈2〉 そう言えば、あの「A」とか言う男が、わるいのは「Kのやつらだ」と言ってたな。―― 《不満の誘導》
〈3〉 そうか、すべては「K」のせいか。あいつらさえいなければ、自分の「不満」は解消されるはずだ。―― 《負の偶像の誕生》
〈4〉 それを指摘して声を挙げる「A」は、オレたちのヒーローだ。あの人の主張に従えば、きっといいことがあるはずだ。―― 《正の偶像の誕生》
過去の独裁者たちも、多くは、こんなプロセスで産み出されていきました。
戦前のドイツでは、「反ユダヤ主義」を唱えるヒットラーが、「ユダヤ人」を 《仮想敵=負の偶像》 に仕立てることで、自らを 《ヒーロー=正の偶像》 に仕立て、ドイツをナチス一色に染め上げていきました。
イタリアでも、日本でも、同じことが起こりました。
そして、いままた……。

実はいま、世界のあちこちで、危険な動きが起こっていることについては、すでにみなさん、何となく気づいているのではないでしょうか。
順風に見えた世界経済が、全世界的に減速傾向にあり、その中で「貧富の差」が拡大して、どの国でも、国民の間に「不満」が溜まっているのですが、その「不満」の矛先を、「移民」や「難民」、「不法滞在者」などの外国人に向けようとする動きが、ヨーロッパでも、アメリカでも、強まっているのです。
その典型的な例が、アメリカの大統領選でも見られます。
みなさんご存じのとおりの「トランプ旋風」がそれ。
まだ、予備選の段階ですが、共和党の大統領候補に名乗りを挙げているトランプ氏が、大方の予想を覆して、大善戦。もしかしたら、同党の大統領候補に指名されるかもしれない――という勢いを見せています。
簡単に言うと、同氏が主張していることは、次のとおり――。

あなたたちが職を失ったり、低い賃金にあえいだりしているのは、
わが国に流入してくるメキシコ人やイスラム教徒のせいであり、
日本や中国や韓国が、安い賃金で作った商品を、
どんどんわが国に持ち込んでしまうせいである。
日本や韓国などは、その上、わが国から膨大な軍事費を掠め取っている。
イスラム教徒は、もう入国させるな。
メキシコとの国境には壁を築いて、メキシコ人の不法流入を防げ。
日本や韓国には、防衛費を払わせろ。
アメリカ国民よ、もう一度、「強いアメリカ」を復活させようではないか。
乱暴でゲスとしか思えないこの主張に、「不満」を溜め込んだ国民の多くが、熱狂的とも思える拍手を送っているのです。
かつて、ヒットラーがドイツ国民を「反ユダヤ」に巻き込んでいったのと同じ旋風が、民主主義のアメリカで巻き起こっている。
このことに、アメリカでも、世界でも、知識人たちが危機感を募らせているのです。

「イスラム教徒」や「メキシコ人」を《仮想敵=負の偶像》に祭り上げたトランプ氏は、執拗に「毒舌」を吐き、そこに美人の娘を巻き込んで、自らを《ヒーロー=正の偶像》に仕立てようとしています。
同じことが、ドイツでも、フランスでも、そして日本でも、起こりかけています。
自らの中身のない経済政策を「アベノミクス」などと喧伝し、「仮想敵」として「中国の脅威」を煽り立て、何かと言えば「美しい日本を」と連呼する安倍総理も、自らを「偶像化」しようとしている政治家と言っていいかと思います。
そういう人物そのものも、危険ではあるのですが、そういう人物を「偶像化」してしまうような大衆の心の動き方のほうが、もっと危険かもしれない。さらには、そんな大衆のゲスな心理に迎合して、さらにそれを煽り立てようとする一部の「大衆迎合ジャーナリズム」は、もっと危険だ。
私は、そう思っています。
私にも経験があることですが、15~22歳という思春期から青春期にかけての精神は、《偶像》を創り出しやすい状態にあります。つい、「過激な言葉」に心を動かされ、「そうだ! そうだ!」と同調してしまう傾向が強いんですね。
残念ながら、「右」にも、「左」にも、言葉を過激にすることによって、そういう大衆の心理に迎合しようとする政治家や評論家やジャーナリズムが、この日本にも、少なからず存在します。
戦前は、「英米列強」を「鬼畜米英」と名指しし、中国大陸や南太平洋での戦いを「聖戦」と謳いあげ、戦闘に従事する兵士を「神兵」と崇めました。
私が学生であった時代のキャンパスには、デモへの参加を呼びかける立て看板が立ち並び、「首都制圧!」「霞が関を占拠せよ!」などの過激な言葉が溢れていました。
いまは、主に右派が、「反日韓国人」などと人種的バイアスのかかった言葉を使って、「憎悪」を煽り立てるのに使ったりしています。
若者が、「過激な言葉」に心を動かされてしまうのは、「バイアス」のかかりやすい時期でもあるからだ――と言っていいかと思います。
「バイアス」というのは、「精神に一定方向のゆがみをもたらす性質」のこと。簡単に言うと、「偏見」とでも言えばいいかと思います。まだ、未熟な状態にある精神は、この「バイアス」がとてもかかりやすいのです。
私は思うのです。
若者よ、キミたちの無垢な目に、バイアスをかけずに、物事を冷静に、客観的に見きわめてほしい。
邪な心を持って、バイアスだらけの言葉を投げつけてくるおとなたちの野心に、決して惑わされることなく、キミたちの目を、真実を見抜く目だけを養ってほしい。
本日は、そんな話をお届けしました。

「安保法案」をはじめとする安倍政権の危険な動きに、「反対」の声を挙げている団体。みなさんの熱心な活動に敬意を表して――。
●戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会
●SEALDs~自由と民主主義のための学生緊急行動
●戦争をさせない1000人委員会
●安全保障関連法案に反対する学者の会
●安保関連法案に反対するママの会
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