あらゆる「ハラスメント」の源流は、霞が関にあり!

Talk 哲雄 人間関係についての著作を手がける、エッセイスト。本ブログの管理人です。
with AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指す推定年齢アラサーの美女。
第351夜 【本日のテーマ】 あらゆる「ハラスメント」は、霞が関の産物
前回は、この社会で生み出されるさまざまな「ハラスメント」について、語り合いました。今回は、さらにその話を深め、「ハラスメント」がいったいどこからやって来るかについて、話し合ってみようと思います――。
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AKI 前回は、日本の社会に渦巻く、さまざまな「ハラスメント」を取り上げたんですよね。中には、こんなハラスメントあり……っていうのもありましたけど。
哲雄 笑っちゃうのもあったでしょ? 家事を手伝った亭主に文句をつける「カジハラ」とか、就活終わりにしろよっていう「オワハラ」とか……。何でもかんでも「ハラスメント」って言えばいいってもんじゃありませんぜ。
AKI 哲ジイは、「ドクハラ」受けたんですよね?
哲雄 受けた、受けた。これはキョーレツですよ。何しろ、相手は、人の命を人質にとってるわけですから、言いたい放題。
「あんた、いいの? 死んじゃうよ」
てなことを言い出す医者もいる。特に、そういう口の利き方するのは、東大病院とかの官学の医学部から派遣されてくる医者に多い。
AKI そ、そうなんですか?
哲雄 もう、そんな医者の言うこと聞いてられないと思って、「セカンド・オピニオン聞きたいから、紹介状書いてくれ」って言うと、「いいけど、そんなとこ行ったって待たされるだけだよ」と、またも、脅しにかかる。
AKI ひどいですね、それ。
哲雄 官僚的でしょ? 実はね、AKIクン、日本の社会には、いまだに、この「官はエラい、民は卑しい」という観念が根強く残っている。
AKI 官尊民卑――ですよね?
哲雄 オオッ、しゃれた言葉、知ってるじゃありませんか。
AKI シャレても何もないっすよ。哲ジイのそういう言い方も、ハラスメントっちゃあ、ハラスメントですわよ。
哲雄 一種の「アカハラ」でございます。
AKI アカハラ……? ああ、「アカデミック・ハラスメント」ですね。学識などをチラつかせて、「知らない人間」をいじくるハラスメント?
哲雄 「そんなことも知らないのか」なんて言葉で、人の無知をあざ笑ったりするのも、「ハラスメント」の一種と言えば一種です。でもね、AKIクン、そういうのは、ハラスメントの本流じゃない。
前にも言ったとおり、「ハラスメント」というのは、
地位や権力を笠に着て、力の弱い人間をいたぶったり、いじめたりすることを言うわけですから。
でね、そういうハラスメントの根源にあるのが、キミも言った「官尊民卑」だ――
と私は思ってるんです。
AKI そう言えば、私、いまでも覚えてますけど、あの大震災のとき、何とかっていう大臣が、視察に訪れた宮城県とか岩手県でひどいことを言ったことがありましたよね?
哲雄 松本龍復興大臣でしょ? 念のために、紹介しておきましょうか?

――2011年7月
・(自分は)九州の人間だから、何市がどこの県とか分からん。(岩手県達増知事に)
・知恵を出したところは助けるけど、知恵を出さないやつは助けない。そのくらいの気持ちを持て。(同上)
・お客さんが来る時は、自分が入ってからお客さんを呼べ。いいか、長幼の序がわかってる自衛隊ならそんなことやるぞ。(宮城県村井知事に)
AKI ワァ、ひどい! まるで、「オレは中央政府の人間だからエラい。おまえら、地方の役人だろ!」みたいな言い方ですよね。
哲雄 「みたい」じゃなくて、そのまま、そう思ってたんじゃないですか。こんな男を復興大臣に任命したのは、当時の菅総理の一世一代の失敗。これが菅政権の命取りになったとも言われてるんですよね。しかしね、AKIクン、この大臣の発言の中には、「ハラスメント」がどこから発生するのか――を示す、重大なヒントがひそんでいるんですよ。
AKI 何となくわかります。ひとつは、「官尊民卑」でしょ。で、もうひとつは、「長幼の序」?
哲雄 お見事! 私は、「ハラスメント」を引き起こす原因には、大きく3つあると思ってるんですよ。ちょっと整理してみましょうか。

[1]階級差・身分差……所属する階層、階級の差から発生するハラスメント
・国が地方を、中央官庁が地方の役所を一段下に扱い、従属させる。
・本庁が所轄を、本社が支社・支店を下に見て、権威を振りかざす。
・社長が部課長に、部課長が平社員に、人格的従属を強いる。
――など。
[2]年齢・経験差……長幼の序を盾に発生するハラスメント。
・入社年度、勤続年数などで、経験の浅い人間に権威を振りかざす。(職場などで)
・学年の差で、目下を絶対服従させようとする。(学校の部活などで)
・ベテランが新人をいびる。(あらゆる組織で見られる)
――など。
[3]性差……主に男性が女性に対して(まれに女性が男性に)行うハラスメント。
・「女のくせに」「男のくせに」などの言葉で、相手の性を攻撃する。
・性同一性障害者などを嘲笑・差別の対象とする。
・相手の体に触れるなどの性的接触を、相手の意思を無視して行う。
――など。
AKI 地位と年齢と性差の3つですね。
哲雄 そうなんですが、これを見て、AKIクン、何か感じませんか?
AKI なんか、古いなぁ――って思います。
哲雄 そうなんですよ。どれも、文明国と呼ばれる国では、遅くとも20世紀の1970年代までには解消してしまったような差別要因なんですよね。いまだにこういう「差別」が原因となったハラスメントが横行しているのは、先進国の中では日本だけ。日本は、いまだに「前近代」を引きずっている――と言っていいかと思います。
AKI どうしてそうなっちゃったのかしら?
哲雄 簡単に言ってしまうと、意識革命ができてないからなんですね。なぜ意識革命ができなかったかと言うと、日本では、「市民革命」が行われなかったからだ――と、私は思っています。
AKI 市民革命……?
哲雄 市民革命というのは、市民が立ち上がって、旧い封建体制をひっくり返した革命のことを言います。そんな中で、「自由」とか「平等」とか「博愛」という概念が、社会を主導する概念として定着するのですが、日本では、一度も、市民が立ち上がった経験がない。
AKI でも、選挙で自分たちの代表を選ぶ民主主義の制度はでき上がってますよね。
哲雄 形だけはね。でも、そうして選ばれた人たちが、議会でやってることは――と言うと、それでも市民の代表か、と思えるようなことが、あまりにも多い。平気で、女性議員にセクハラまがいの発言を繰り返す。「1年生議員のくせに」のような年功序列的な言動を横行させてしまう。選ばれる人間の資質にも問題があるけれど、選ぶ側の意識にも問題がある。
AKI 選挙民の意識が低いってことですか?
哲雄 きわめて低いと思います。なので、ちょっと利益誘導されただけで、そこらのゴロつきのような人たちが、議員バッジをつけることになってしまう。ま、政治の話はやりだすとキリがないので、話を元に戻しましょうか。とにかく、日本の社会でいまだに前近代的なハラスメントが絶えないのは、日本人の意識が「近代以前」を引きずっているからだと思うのです。
AKI それも、自分たちの手で「市民革命」を成し遂げなかったからだ――と言うんですね、哲ジイは?
哲雄 それが大きいだろうと思います。しかし、いまさらそんなことを言っても仕方がない。ほんとうなら、教育が、しっかりと市民としての意識教育をしなければいけないんだけど、いまの教師たちにその意欲と能力があるかと言うと、ちょっと疑問。なにしろ、学校でいじめがあっても、「その事実はない」などと、隠蔽に走ったりする教師たちですからね。
AKI そうですよね。もしかしたら、ハラスメントの土壌は、学校教育の中で作られてるんじゃないか――って思うくらい。特に、体育系の部活なんて、怪しいですよ。「先輩に絶対服従」とか、できない人間を「バカ」「間抜け」「グズ」呼ばわりするなんて、部活の中では平気で行われていますから。
哲雄 しごきとか体罰とかも、いまだに健在みたいですからね。そういう伝統は、旧軍隊時代から受け継がれたものだと思うのですが、そこらへんについては、次回、じっくり検討してみることにしましょうか。
AKI ファーイ。
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