社員に「服従」を強いる「ファミリー企業」のワンマン体質

Talk 哲雄 人間関係についての著作を手がける、エッセイスト。本ブログの管理人です。
with AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指す推定年齢アラサーの美女。
第349夜 【本日のテーマ】 社員に「服従」を強いる「ファミリー企業」のワンマン体質
「社訓」がデカデカと掲げてあるような会社は、社員を幸せにしない。前回は、そんな話をしました。そういう会社は、創業者一族が経営権を独占している「ファミリー企業」である場合が多いのですが、そういう会社の社員は、経営者一族に精神的服従を強いられる場合が多いようです。今回は、日本の社会にはびこる「ファミリー企業」の問題点を探ってみます――。
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AKI 哲ジイって、会社を「見た目」で判断するんですか?
哲雄 ハ、だれがそんなことを申しました?
AKI 「この会社で働くかどうか?」を判断するときには、その職場でみなさんが実際に働いている姿を、観察するのがいちばんだ――と。
哲雄 確かに、申し上げましたが、それって、なかなか機会がありませんよね。
AKI ふつうは、説明会とかに行くしかありませんよね。でも、説明会では、その会社のほんとうの姿はわからない――と。
哲雄 わかりませんね。でもね、明らかに、ここダメ――というポイントは、ありますよ。前回もちょっと申し上げましたよね。
AKI エーッと、創業者や社長の写真がデカデカと掲げてあるような会社とか、やたらあちこちに社訓が張り出してあるような会社だと、哲ジイはパスなんですよね。
哲雄 はい。そういう会社は、同族会社または、ファミリー企業である場合が多いのでね。
AKI 「同族会社」っていうのは?
哲雄 税法上は、「株主3人以下で全株式の50%以上を占めている会社」が「同族会社」と判定されます。わかりやすく言うと、会社の経営権を少数の株主が握っている会社と言えばいいかと思います。その「少数の株主」が「創業者一族」であれば、そういう会社は、「ファミリー企業」とも呼ばれます。
AKI それって、問題なんですか?
哲雄 日本の会社は、この「ファミリー企業」が多いというのが特徴なんだよね。実に全企業の95%にも及びます。どうなるでしょうね、AKIクン? 会社の経営がひと握りの創業者一族で占められるようになると……。
AKI ワンマン経営になる?
哲雄 そうですね。会社の主要なポストは、ほとんどが創業者の血縁またはその関係者で占められ、その系列に属さない人間は、どんなに優秀でも、主要なポストに就くことができなかったりします。ま、いいですけどね。別に、役職に就きたいとか、いずれ社長になりたい――なんていう欲なんぞ、私にはありませんでしたから。
AKI じゃ、いいじゃありませんか。そういう会社って、けっこう老舗だったりするわけでしょ?
哲雄 「老舗」と思われている企業も多いと思いますよ。でもね、そうであればあるほど、創業者一族とそうでない社員との間には、どうしようもない「身分差」のようなものが生まれてしまう傾向があります。
AKI 「身分差」ですか? 貴族と平民のような?
哲雄 創業者や歴代の社長の写真がデカデカと掲げてあるような会社は、特に、その傾向が強いような気がします。TVにも出てきましたよね。経営者一族に対して最敬礼して、何か言われると、「御意!」と畏まるような社風。そういうのって、観察していれば、見えてくる場合もあります。
AKI 聞いた話ですが、私の友だちが勤めている会社では、ロビーに創業者の銅像だかブロンズ像だとかが飾ってあって、その前を通るときには、一礼しなくちゃいけないんですって。エーッ、江戸時代じゃあるまいし――って。
哲雄 江戸時代には、そんな風習、なかったと思いますよ。生まれたのは、明治になってからじゃないかなぁ。
AKI ヘェ、そうなんだ。
哲雄 肖像や彫像に敬礼させるっての、明治になった1874年に、天皇の「御真影」が学校などに下付され、児童・教師などに遥拝させた――ってのが始まりらしいですから。それを始めたのは、初代文部大臣だった森有礼だったと言われてます。あ、話がそれちゃいましたね。でね、AKIクン、こういうワンマン体制が放置されると、どうなるか?
AKI どうなるんです?
哲雄 たとえば、経営者一族が支援する政治家の選挙ポスターや演説会ポスターなどが、社内に貼り出されたり、社長の不細工な娘のピアノ発表会に社員が動員されたり、わけのわからない宗教団体のセミナーのポスターが貼り出されたり……なんてことが、行われるようになります。
AKI ワッ、そういう会社、入りたくないです、私。
哲雄 しかし、そういうことは、会社に入ってみて初めてわかるってことが多い。なので、極力、入ろうと思った会社は、事前に観察を――と申し上げたわけですが、それもなかなかむずかしい。私は、よく、その会社のトイレに入ってみます。
AKI 掃除が行き届いているか、チェックするため――とか?
哲雄 そんなことをチェックしても、何の得もありません。聞くんですよ、社員同士の話を。トイレって、わりと社員同士がホンネで話したりする場所だからね。「まったく、うちの会社も困ったもんだよなぁ」「なんで、オレたちが、社長のバカ息子の街頭演説に駆り出されなくちゃなんないですかね」なんて話が、もしかしたら聞けるかもしれないでしょ?
AKI 運がよければ――でしょ?
哲雄 女の子なら、その会社の女子社員がランチを食べに行くカフェとかに行って、彼女たちの話に耳を傾けるとかね。




なんて話を小耳にはさむかもしれないでしょ?
AKI それも、運がよければ――ですわねェ。
哲雄 それでも、彼女たちの話にグチが多いか、怒りに満ち溢れているか、それとも、生き生きとはたらいている様子か――ぐらいは、察しがつくのではないかと思いますよ。私はね、別に、ファミリー企業だからわるいなんてことを言ってるわけではない。ただ、
ファミリー企業には、ワンマンな会社が多い。
そして、そういうワンマン体質な会社には、従業員に精神的服従を強いる会社が多い。
私だったら、そういう会社には入りたいと思わない。ただ、そう言いたかっただけです。
AKI でも、哲ジイ、そういう会社に入りたがる人もいるんじゃありません?
哲雄 困ったもんですねェ。
AKI 困っちゃうんですか?
哲雄 困っちゃいます。世の中にそういう人が増えると、この社会は、自主性のない羊の群れのような社会になってしまいます。
AKI 羊の群れかぁ……。
哲雄 子どものうちは親に服従し、学校では教師に服従し、就職したら社会に服従し……という人生。そんな人生を望む人たちが、社会の多数を占めるような社会になったら、私は、そんな社会からは逃げ出したいと思うでしょうね。

AKI 「自由」を望む哲ジイなら、そう思うでしょうね。
哲雄 ただね、「自由」を貫こうとすると、「責任」も問われる。それがしんどいので、「服従」してるほうがラクだ――と考える人たちもいる。でも、ほんとうにそれはラクなのか? 企業の中での服従が、どんな形で強制されるのか、その問題は、もう少し検討してみる必要がありますね。
AKI ハイ。では、次回、じっくり聞かせていただくことにしましょうか。といっても、もしかしたら、年明けになるかもしれないけど……。
哲雄 もう、そんな時期ですか?
AKI もう、そんな時期です。その前にクリスマスとかありますけど、どうせ、何も予定ないんでしょ、哲ジイには?
哲雄 おかげさまで、静かに、世界の平和を祈ることができます。
AKI それは、それは、何よりでございます。では、よいクリスマスを。
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