集団には、読んではいけない「空気」もある!

「集団」にも「感情」があります。
その「集団感情」が自分の「感情」と合わなかったら?
ムリに合わせようとすると、心を病んでしまいます。と言って、
「そうは思わない」とも言いにくい。そんなとき、あなたは……。
その「集団感情」が自分の「感情」と合わなかったら?
ムリに合わせようとすると、心を病んでしまいます。と言って、
「そうは思わない」とも言いにくい。そんなとき、あなたは……。
メンタル エロ 恋愛観 男の心理 女の心理 官能小説

書店で見かけたら、ぜひ、手に取ってご覧ください。
『すぐ感情的になる人から傷つけられない本』
発行・こう書房 定価・1400円+税


「集団」にも「感情」が成立する場合があります。
特に、職場や学校のように、毎日のようにみんなが顔を合わせるグループの中では、その成員たちの間に、共通の感情が形成されてしまう場合が少なくありません。
たとえば、特定の個人を「嫌いだ」という感情。「あいつ、生意気だよな」とか「人の女(男)に手を出す」とか、そういうことをだれかが言い出し、それに2人、3人とうなずく人がいると、たちまち、「あいつ、嫌い」は、集団の感情として定着してしまいます。
「あの人かわいそう」と同情する感情も、集団の中に広がりやすい感情です。
「おめでとう」と特定の個人の幸せを祝福する感情、それを「なんであいつだけが……」とやっかむ感情。これも、集団が染まりやすい感情です。
もっとハッキリしているのは、「やった~!」と、グループ全体で何かの成功を喜ぶ感情。大きくは、「愛校心」や「愛社精神」のように、特定の目的のために意図的に作り上げられる感情もあります。
こういう集団の感情があなたの感情と一致していれば、わるい感情でなければ、その感情をみんなと「共有」すればいいだろう――と思います。
しかし、もしこうした集団の感情が、あなたの感情と一致しなかったら――?

とか、

などという場合、あなたは、どうすればいいのでしょう?
「いや、私はそうは感じない」と自分の感情を素直に表明すべきなのか、それとも、「そうだね」とムリにでも自分の感情を集団の感情に合わせるように努力すべきなのでしょうか?

みなさんも無意識のうちに使っているのではないかと思いますが、「空気を読む」という言葉があります。
ここで言う「空気」とは、「集団の感情」と言い換えてもいいかと思います。
「空気を読め」とは、つまり、「集団の感情を察して、おまえもそれに同調しろ」と求めているわけですね。
その空気が読めないでいると、「KY」などと揶揄され、まるで、「集団生活不適格者」のように言われたりもします。
そうは思われたくないので、「みんな、何を感じているんだろう?」と集団を支配している感情を読み取り、それに自分の感情を合わせようと試みたりもします。しかし、この「空気を読む」という精神的作業は、はたして、ほんとうに必要な作業なのでしょうか?
私は、こう思います。
読んでもいいけど、読みすぎるな!

です。
なぜ、読みすぎてはいけないのか?
読みすぎると、「心を病む」からです。
日本人は、「周囲の評価を気にする」という性質が、とても強い民族です。心療内科などで自我の成長度合いを診るために使われる、「エゴグラム」という心理テストがあるのですが、このテストをやってみると、日本人は、《従順な子ども=AC》 の要素が、他の国の人たちに比べて、かなり高くなる傾向が見られるのだそうです。
「AC要素」というのは、「協調性」に富み、周囲の環境に「適応」する能力が高い半面、自立心が乏しく、周りの声を気にして、その評価に左右されてしまう――という性質。日本人は、この 《AC要素》 を、他の要素よりも強く持っているらしいんですね。
「AC要素」が強いと、「うつ」になりやすい――とも言われています。
「空気を読む」という行動も、「周囲の評価を気にする」行動の一種。
「空気」は読んでもいいけど、読みすぎるな――と申し上げたのは、ひとつには、それが「周囲の評価を気にしすぎる」という態度につながるからです。周囲の評価を気にしすぎると、自分の存在価値が周りの評価によって、揺れ動くことになります。
「自分はどう思われているんだろう?」をいつも気にしている人にとって、「集団の感情」は、耳を研ぎ澄まして感じ取り、自分を適応させなければならない「天の声」ともなります。
その感情が「自分の感情」と合わないと感じても、「合わせないと、みんなに仲間外れにされるかもしれない」などと思って、ムリに合わせようとするわけです。
しかし、考えてみてください。こういう態度をとり続けることは、本人の精神にはかなりの負担となります。ストレスで心身がズタズタになってしまうかもしれません。「空気を読みすぎてはいけない」という理由のひとつが、そこにあります。

「空気」を「読みすぎてはいけない」理由が、もうひとつあります。
「集団の感情」が醸成する「空気」は、必ずしも「いい空気」ばかりとは限りません。「あの人、かわいそうだね」とだれかの境遇に同情する空気、「よかったね。おめでとう」とだれかの成功や幸せを喜ぶ空気、「よし、やったぜ!」とグループの目標が達成されたことを喜ぶ空気……。
こんな空気なら、自分の感情をそこにシンクロさせることも、わるいことではないと思うのですが、もしそれが、「あいつ、生意気だから、つぶしてやろうぜ」とか、「あのバカ、みんなでからかってやろうよ」などという空気だったら、どうでしょう?
もし、そんな空気を読んで、あなたもその空気にシンクロしてしまったら、あなたは知らないうちに、「いじめ」の集団に加わってしまうことになります。
「いじめ」を生み出す「集団の感情」は、
あらゆる「集団の感情」の中でも最悪のものである。

と、私は思っています。
特定の個人をいじめるという空気が集団の中に広がっていくのは、自分の存在価値を「周囲の評価」に依拠して確かめようとする「弱い心」が、周囲の空気に同調することによって、自分の評価を保全しようとするからです。
そんな空気に触れたとき、あなただったら、どういう態度をとりますか?
たとえば、職場でだれかが、あなたの耳にこんな言葉を吹き込んできたとします。

発言の主は、どうやら○○を快く思ってないらしく、あなたにも「○○叩き」のタッグを組もうと働きかけているようにも見えます。
こんなとき、もしあなたが、「そうだよな」とその発言に共感を示すひと言を発してしまうと、あなたは、知らないうちに「○○いじめ」のメンバーにカウントされてしまいます。
いったん、カウントされてしまうと、「飲み会に○○誘うの、止めようぜ」などと言われても、異論を挟めなくなります。挟めば、今度は自分が「仲間外れ」にされてしまう。「従順な子ども」タイプは、それを恐れて、「いじめ」という「集団の感情」から抜け出せなくなってしまうのですね。
ほんとうなら、最初に「あいつ、態度でかいよな」と言われたときに、「いや、自分にはそうは見えないけど」と否定しておけばいいのかもしれません。しかし、これをやると、人間関係が壊れるような気がして、なかなかキッパリとは否定できない。特に、言い出した相手が上司や先輩など、あなたから見て「優位」にあると感じられる人物の場合には、つい、あいまいにうなずいてしまう。そういう人も多いのではないかと思います。

ムキになって否定すると、人間関係がギクシャクするなぁ――というときには、どうすればいいか?
私だったら、「興味ない」という姿勢をとります。
「あいつ、態度でかいよな」などと振られても、「ヘェ、そうなの?」と素っ気ない返事を返すだけにしておきます。少しくだけた関係であれば、「おまえ、ずいぶん○○に関心があるんだねェ」と冷やかして、ホコ先を交わす場合もあります。
「いじめ」のような「わるい集団感情」に対しては、間違っても、「そうだよな」とうなずいてはいけない。
できれば、「そんな感情で接するのはおかしいよ」と諌めたいところですが、そんな勇気が持てないときには、こうして「興味ない」「関心がない」という姿勢を見せておく。これを、私は「良心的無関心」と呼んでいます。
集団が見せる「いじめ」などの「わるい感情」に接したときには、
その感情に同調して「加害者」側に与するよりは、
「良心的無関心」を装ってニュートラルな立場を貫いたほうが、よほど賢い。

私は、そう思います。
もちろん、自分が「いじめ」を受ける立場になったときは、そんなことは言っていられません。
冷静に状況を分析して、そういう感情とは徹底的に闘うか、「無視」して少しも応えてないというフリをするか、あるいは、そんな集団には帰属する価値がないと、とっとと見切りをつけてしまうか――なのですが、この問題は、個々の事情に即して慎重に考えなければならない問題なので、ここでは、これ以上論じないことにしておきます。
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