「虚」で「虚」を生み出す生活は、もう止めようよ!

Talk 哲雄 人間関係についての著作を手がける、エッセイスト。本ブログの管理人です。
with AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指す推定年齢アラサーの美女。
第344夜 【本日のテーマ】 「虚」で「虚」を生み出す生活は、もう止めようよう!
前回は、「良心的貧者」として生きるなら、「虚」を捨てて「実」に生きよ、という話をしました。その「虚」とは何か?――が本日のテーマ。とりわけ、今回は、「虚」から「虚」を生み出そうとする現代人の生き方に、大いに疑問を投げかけてみます――。
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AKI 「良心的貧者」として生きようとしたら、「虚」は捨てよ、「実」に生きよ! 前回は、そんなことをおっしゃったんですよね、哲ジイ。
哲雄 ハイ、申し上げました。
AKI 本日は、哲ジイの言う「虚」とは何か――を、徹底的に追求させていただこうと思うのですが……。
哲雄 「虚」とは、文字どおり、そこに実在しないもののことを言います。しかし、この世は、なんと「虚」に満ち満ちていることか……。
AKI なんか、世をはかなんでいるような言い方ですわね。
哲雄 はかなみ続けて50年。いつの間にか、こんな歳になっちまいました。
AKI あら、大変。哲ジイが「虚」になっちまわないうちに、「虚」をしっかり定義しておいていただかないと――。
哲雄 「実際にはないのに、あるように見せるもの」すべて。それが「虚」です。たとえば、パットで上げ底されて、ないのにあるように見せたオッパイとか。
AKI ハイ、「虚乳」ですね。私は、断じて、「虚」じゃありませんからね。
哲雄 それは存じております。紛れもない「実・貧乳」ですものね。そうそう、最近は、年齢を誤魔化す「虚」も横行しておりますなぁ。
AKI 60代なのに30代に見えるスキン・ケア用品とか、化粧品とか……? そういうのも、わたくし、使っておりませんのよ。殿方だって、おやりになるではありませんか。実際にはハゲてるのに、それを隠すウイッグとか何とか増毛法ってやつ。
哲雄 イヤですねェ、そういう「虚」は。私・長住も、そのような「虚」のお世話にはなっておりませんよ。それに、少しでも背を高く見せようとするあれとか。
AKI あ、シークレットブーツですか?
哲雄 それそれ。ああいうのを履いてる男を見ると、スライディング・タックルかましたくなります。ともかくですね、ないものをあるように見せる「虚」というのは、人間の「虚栄心」から生み出されるわけですが、この「虚栄心」そのものが、人間の精神の構造物としては、「虚」の代表みたいなものでして……。
AKI そりゃ、「虚」っていう字がついているくらいですものね。でも、哲ジイ、その「虚栄心」が作り出すものって、世の中にあふれ返ってません?
哲雄 あふれてますねェ。子どもをいい学校に入れたい、一部上場のいい会社に入れたい、入りたい、三ツ星レストランで食事をしたい、いい服を着たい、高い宝石を身に着けたい、いいクルマを転がしたい……とかね。
AKI そういう「虚」をすべて捨てよ――と。哲ジイは、そう言いたいわけですね?
哲雄 完全に捨ててしまうのは、むずかしいかもしれませんけど、少なくとも、
そういう「虚」に満たされていることが「人生の充実」であると考えるような、
そんな価値観からは抜け出しましょうよ。

と申し上げたいですね。さて、それらの「虚」の中で最大のものは何であるか?
AKI まだ「最大」があるんですか?
哲雄 ハイ。なんたって、あなた、この世で最大の「虚」は、あなたも大好きなもの=「マネー」でございます。
AKI エッ、マネーが「虚」? そんなこと言ったら、日々の生活が成り立たないではありませんか?
哲雄 そんな小口の現金は、どうでもよろしい。しかしね、そのマネーを財として蓄えるとなったら、話は別です。考えてもみてください。いったん、社会がスーパー・インフレに襲われでもした日には、そうやって蓄えたマネーは、ただの紙切れになってしまうわけですよ。
AKI 実際、政府は、インフレに誘導しようとしているわけですよね?
哲雄 ええ。そのために「お金なんて、ジャブジャブ刷っちまえばいいじゃないか」なんぞとおっしゃった閣僚もいました。
AKI ま、恐ろしい! 現に、リーマン・ショックなんてのも起こりましたしね。
哲雄 この自由主義経済の社会というのは、「1円が1円の価値を持つ」という「信用」の上に成り立っています。私たちは、単に、その「信用」をやり取りして、生活しているわけですが、実は、この「信用」というのが、「虚」の代表みたいなもの。世界のどこか一カ所で「信用」が破たんしてしまうと、それはあっと言う間に世界中に広がって、グローバル規模で「信用破たん」が起こってしまいます。
AKI 大変じゃないですか、それ!
哲雄 大変ですよ。だから、どこかの国で「信用」が壊れそうになると、I MF(国際通貨基金)なんていう組織が介入してきて、その国の経済を立て直そうとしたりするわけです。それでも、「破たん」が防げないと、世界中が「信用崩壊」状態になる。そういうことが、半世紀に一度とか1世紀に一度とかいうレベルで起こります。
AKI 世界大恐慌とかになっちゃうわけですね?
哲雄 ま、それが「虚」なるものの宿命なのですが、そういうマクロな話は経済学者にでもおまかせするとしてです、私が問題だと感じているのは、
そういう「虚」をチラつかせては、それをショーバイにしようとする連中がいること、
そして、そういう「虚」に飛びつこうとする欲深い人たちが、相変わらず存在する、

ということです。
AKI 「虚」をチラつかせてショーバイ? あ、わかった。投資話とか……ですね?
哲雄 ピンポ~ン! 「虚」で「虚」を生み出そうとする「虚」な人たちのことです。AKIクン、私は思うんですよ。世の中に、これほど「虚」に満ちた生き方がありましょうか?
AKI 哲ジイ、怒っております!
哲雄 ですから、前回、申し上げました。人をそんな「虚」な欲望に導いては、その上前をはねて生きていこう――なんていう選択は、私にはできなかった。「虚」を動かして「虚」を生み出すという生き方は、自分でもやりたいとは思わない。
AKI でも、哲ジイ。この世の中には、一日中、パソコンと向かい合って株価の動きを見張り、売買を繰り返しては、その差益で生きている人たちもいるんですよ。
哲雄 デイトレーダーと呼ばれる人たちでしょう? クズですね、私に言わせれば。パチスロで生計を立てるというのと変わりないじゃありませんか? 前にもお話しましたが、右から左に、左から右に、モノや金を動かすだけで富を築こうなんていうのは、人間が考えるべきことではありません。
AKI 良心的貧者の道には外れるわけですね。
哲雄 外れまくりの「外道」です。それでも、自分でおやりになって破産するだけであれば、「バ~カ!」と笑っているだけですみますが、しかし、他人の金を預かって株式市場を動かそう――てなると、これはもう、犯罪的だと思います。
AKI 投資ファンドなんてもっての他……?
哲雄 私は、以前のように、厳しく法律で規制すべきだと思っています。しかし、規制緩和とやらのかけ声で、解禁してしまいましたからね。それで、欲に目のくらんだおバカちゃんたちが、一気に市場に流れ込んできちまった。
AKI ま、それはそれでいいことじゃないですか?
哲雄 でしょうかね。大量に市場に流れ込んだファンド系のマネーは、企業に何を要求するか?
AKI しっかり、利益を出せ――ですか?
哲雄 しっかり利益を出して、配当金を増やせ――ってことなんだけど、そのために、経営にも口を出すようになります。もっとコストを削減して、オレたちの取り分を増やせ、というわけですね。すると、どうなるか?
AKI そりゃ、そう言われると、会社としては、人件費を削るとか、福利厚生を低下させるとか……。
哲雄 それが航空会社だったりすると、安全なんて二の次でいいから、もっと収益を上げろ――と、整備費などをカットする方向に動くかもしれない。
AKI あんまり、いい方向へは向かいませんねェ。
哲雄 でしょ?
「虚」に走る連中が世の中を動かすようになると、
世の中からは、「社会的正義」とか「公平な分配」という理念は、消えていくことになる。
これが、「虚」を捨てよ――と私が主張する、第一の理由です。
AKI 第二も第三もあるんですね。
哲雄 ハイ、あります。しかし、それを語り出すと、長くなってしまうので。
AKI ファーイ。では、次回に。
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