権力者が、あなたの口を塞ぎに来る前に

キング牧師の演説 若者たちへ。24の手紙    
「いま」を生きる若者たちへ、愛と連帯を込めて。

国を自分の思い通りに操りたいと思う権力者たちは、
まず、批判や反対の声を挙げる言論を封殺にかかります。
だからこそ大事になるのは、ジャーナリズムの役目。
そしてそのジャーナリズムを育てる知識人の役割です。


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 「自国民を保護するため」

 たいていの場合、戦争は、そう言って出兵することから始まります。
 安倍総理が繰り返し口にしている「国民の命を守るため」は、過去、この地上で腐るほど繰り返されてきた、陳腐な「戦争の口実」にすぎません。
 日本が軍国主義へと踏み出すきっかけになった日清戦争も、「法人保護」を口実に朝鮮半島に出兵したことが、直接の引き金となりました。
 いったん、この口実を認めてしまうと、なし崩し的に、あれも、これも……と認めざるを得ない状況が作り出され、知らないうちに、日本の若者たちが戦争に巻き込まれていくことになります。
 その口実は、「私が総合的に判断する」と、安倍総理は言うわけです。「私が総理大臣なんですから」と――。
 長い間、歴代の総理大臣の言動を批判的に見てきましたが、これほどの傲慢、これほどの権力志向を見せた総理は、他に知りません。
 私は、この男が、前回の第一次安倍内閣(2006年9月―2007年9月)時代に、「美しい日本」という言葉をしきりに使い出したときから、「この男、危険!」と感じていました。

 国民をあらぬ方向へ誘導しようとするとき、為政者たちは、いつも「美しい言葉」を使います。

 「一身を奉げて愛国の人柱となれ」
 「この美しい国土を守れ!」
 「日本は神の国である」


 こういう言葉に、真っ先に酔ってしまうのは、多感な青少年たちです。
 そして、もうひとつ、あえて申し上げるなら、深く物事を考えることを、その方法を学んでない人たちです。

「特攻隊員」を「神様」扱いした戦時中の新聞

 それだからこそ――と、私は言いたいのです。

 こういう美辞の陰に隠れた為政者の「危険な意図」に気づいて、
 警鐘を鳴らす人たちが必要である!


 その役目を先頭切って果たさなければならないのは、まず第一には、ジャーナリズムであろう――と、私は思います。
 そういう役目をきちんと果たせる「健全なジャーナリズム」が存在することは、民主主義が成立するための基本要件である――と言っていいと思うのですが、天皇主権の絶対主義国家に近かった戦前の日本には、そういうジャーナリズムが存在しませんでした。
 存在しないどころか、政府が切ろうとしている「危険な舵」を、むしろ煽り立てているようなところがありました。
 「鬼畜米英」などという言葉を使って、反欧米感情を先頭切って煽ったのは、当時の新聞でした。
 戦時下の東条政権が、特攻作戦を敢行したときも、

 《陸海の神鷲、相次ぐ必殺の体当たり》 (東京朝日新聞、昭和19年11月14日)

 などと、書き立てました。
 ほんとうなら、そういう無謀な作戦をとるしかないほど戦況が悪化していることを報じ、「戦争終結」へと世論を導くべき新聞が、無残にも命を落としていく若者たちを「神兵」と崇め立て、「英霊」と誉めそやして「神格化」し、まるで少年たちを「特攻志願」へと煽り立てるような論調だったのです。
 こういう当時の新聞の論調を、当の特攻隊員たちの中には、「茶化されている」と感じた人たちもいました。『「特攻」と日本人』(講談社現代新書)を著したジャーナリスト・保阪正康氏は、沖縄戦で海軍の特攻隊員として戦死した23歳の青年の日記を紹介しています。その中に、こんな記述があります(一部を抜粋)。

俺の回りには十数人がゴロゴロゴロ寝てゐる。之が皆、生神(いきがみ)様と新聞で言はれてゐる連中だ。俺もその一人ださうだ。……(中略)……新聞紙上を賑はす様な死に方は俺は真平御免だ。遊び半分で死ぬんぢゃないんだからね。……(中略)……俺は新聞なんかに載せられて茶化されんのは厭だね。

 ものを見抜く目を持った若者たちのその目には、当時の新聞が書き立てる軍部ベッタリの記事が、「茶番」としか見えていなかったのかもしれません。

「戦争法案」の前に、まず、マスコミを締めつける

 こうして「戦争遂行」の旗振り役を演じた新聞は、終戦を迎えると、手のひらを返したように、「自由」や「民主主義」を賛美し始めました。
 現在は、政府寄りの論調を繰り返す保守色の強い『読売新聞』&『日本テレビ系列』、『産経新聞』&『フジテレビ系列』と、政府批判の論調が目立つリベラル色の強い『毎日新聞』&『TBS系列』、『朝日新聞』&『テレビ朝日系列』。日本の大手マスコミは、この二つに分かれているように見えます。とりわけ、安倍政権が『朝日新聞』を目の敵にしていることは、みなさんご存じのとおりです。
 しかし、戦前のこともありますから、現在の新聞・TVをどこまで信用していいのか――私は、極力、注意深く見守るようにしています。
 もちろん、ジャーナリズムの論調を見守っているのは、政府も同様です。政府に批判的な報道を繰り返す新聞やTVは、特に注意深く見守っています。そして、こう思うに違いないのです。

 まったく、こいつら、勝手な報道ばかりしやがって。
 ここはひとつ、懲らしめてやるか。


 このセリフ、どこかで聞いたことがありませんか?
 そうです。今年6月25日に開かれた「自民党文化芸術懇話会」に参加した議員たちが口走った、とんでもない発言の数々です。

まずは、大西英男衆院議員(東京16区、当選2回)の発言。
マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番。政治家には言えないことで、安倍晋三首相も言えないことだが、不買運動じゃないが、日本を過つ企業に広告料を支払うなんてとんでもないと、経団連などに働きかけしてほしい。

続いて、井上貴博衆院議員(福岡1区、当選2回)の発言。
福岡の青年会議所理事長の時、マスコミをたたいたことがある。日本全体でやらなきゃいけないことだが、スポンサーにならないことが一番(マスコミは)こたえることが分かった。

お後、長尾敬衆院議員(比例近畿ブロック、当選2回)が続けます。
沖縄の特殊なメディア構造をつくったのは戦後保守の堕落だ。先生なら沖縄のゆがんだ世論を正しい方向に持っていくために、どのようなアクションを起こすか。左翼勢力に完全に乗っ取られている。

さらには、来賓として招かれた作家・百田尚樹氏がとどめの一発。
本当に沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん。沖縄県人がどう目を覚ますか。あってはいけないことだが、沖縄のどっかの島でも中国にとられてしまえば目を覚ますはずだ。

さらに、氏は、沖縄県民が聞いたら頭に血が上りそうなことを言います。
沖縄の米兵が犯したレイプ犯罪よりも、沖縄県全体で沖縄人自身が起こしたレイプ犯罪の方が、はるかに率が高い。

 もちろん、これは、自民党の中でも「タカ派」と目されている人たちの発言。自民の中にも、「リベラル派=ハト派」と呼ばれる人たちが、少なからず存在します。かつての「田中派」や「宏池会」などは、その牙城でもあったのですが、いまは、少数派に転落しています。
 主流となった「タカ派」は、マスコミを締めつけにかかろうとしています。安保法案を強引に進めようとしている人たちとマスコミの締めつけを主張する人たちは、ほぼ重なると判断していいか――と、私は思います。

たとえマスコミが「変節」しようとも

 みなさん、これだけはどうか覚えておいていただきたいのですが、物事を自分たちの思いどおりに進めようとする権力者は、まず、マスコミを締めつけにかかります。
 「安保法案」が審議に入る前に、自民党が何をしたか? 「特定秘密保護法案」を成立させたのではありませんでしたか?
 政府に都合のわるい事実は伏せる。それを破った者には懲罰を科す。
 こうしてマスコミの締めつけに手をつけておいて、やおら「安保法案」にとりかかる。
 これらは、一連の動きと判断していいかと思います。
 ですから、みなさんにはくれぐれも申し上げておきたいのです。
 この後、新聞やTVがどんなに変節を遂げようとも、決して、「自分で考える力」を失わないでいただきたい。
 たとえ「楽しくなければテレビじゃない」(←80年代のフジテレビのキャッチフレーズです)などとわめき立てられて、「軽チャー路線」をTV文化の主流として押しつけられようとも、「情報は見世物である」(←同じくフジテレビの報道姿勢)とニュースをショー化されようとも、どうか、そんな路線に乗っかって、真実を見失うことはしないでいただきたいと、筆者は、切に願うわけです。

 世の中の危険な動きに警鐘を鳴らす役目を担うべき人たち。
 ジャーナリズムとともにその役目を担うべきなのは、「知識人」だろうと思います。
 そして、その卵とも言うべき、学生諸君です。
 しかし、この話を始めると長くなってしまいます。ここから先は、次回に回したいと思います。
 国会前のみなさん、とりわけ若いみなさん、暑い中、連日、ご苦労さまですが、どうかガンバってください。

【戦争法案反対の声を挙げている主な団体】
みなさんの熱心な活動に敬意を表して、そのHPをご紹介しておきます。

●戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会

●SEALDs~自由と民主主義のための学生緊急行動

●戦争をさせない1000人委員会

●安全保障関連法案に反対する学者の会

●安保関連法案に反対するママの会

 ――他にも、多くの団体が、全国各地で「法案反対」の活動を繰り広げています。
 みなさん、ガンバってください。



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