美しすぎる従妹〈2〉 彼女の胸で目覚める蕾

帰省の自転車旅行。広島の叔父・叔母の家を訪ねた私を
中学生になった従妹は、ムームー姿で迎えてくれた。
そのゆったりとした胸元に、私は見てはいけないものを見た――
マリアたちへ 第18話
美しすぎる従妹〈2〉
前回までのあらすじ その小さな手が、どんなに懸命に私の手を握り締めていたか? その感触を、私はいまでも覚えている。それから10年、高校生になった私は、自転車で郷里・福岡へ帰る旅の途中、広島に立ち寄った。従妹・ユリは、美しい中学生に育っていた――
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このシリーズは、筆者がこれまでに出会ってきた思い出の女性たちに捧げる「ありがとう」の短編集です。いま思えば、それぞれにマリアであった彼女たちに、心からの感謝を込めて――。

「汗かいたでしょ、お風呂に入りんさい」
叔母に言われて、浴室に向かい、肌に張りついた汗だらけのシャツを脱いでいると、「あの……アキ兄ちゃん」と声がした。
「タオルと石鹸、これ、使ってください」
仕切の板戸の向こうで、涼やかな声がする。
「ありがとう。そこに置いといて」
「では、戸の前に置いときますけん、どうぞ、ごゆっくり」
ユリちゃん、いつの間に、こんなしっかりしたもの言いができるようになったんだろう?
まだ中学生なのに、ちょっとだけおとなっぽくなった――と感じられるユリちゃんの言葉遣いと、その声の純な響きに、私の胸が小さく波立った。
森高家の浴槽は、五右衛門風呂だった。
「あの……浴槽の鉄の縁に触れると熱いんで、気ィつけてくださいね。あ、もし熱かったり、ぬるかったりしたら、言うてくださいね」
「ありがとう」と返しながら、私は、竈に石炭をくべているユリちゃんの姿を想像した。
中学時代、風呂釜に薪を入れて火を起こし、燃え上がった薪の上に石炭をくべるのは、私の仕事だった。森高家では、その役目はユリちゃんなんだろうか……。
ユリちゃんが沸かした湯に、体を浸しながら、私は「ヘイ・ポーラ!」を口ずさんだ。

風呂から上がった頃、叔父が勤め先の工場から帰ってきた。
私が来ていると聞くと、叔父は、「おお、アキちゃんか。何年ぶりじゃろう」と言いながら、居間に入ってきた。
叔父に会ったのは、入院した母を見舞いに来てくたれとき以来だから、5年か6年ぶりぐらいだった。
「大きゅうなりんさったのぉ、アキちゃん。九州まで自転車で帰るゆうて聞いたけど……」
叔父も、私の自転車旅行の話を聞いて、驚いているようだった。
「ここから福岡まで何キロぐらいあるんかのぉ?」
「約300キロぐらいですかね」
「ホォ、300キロ。そりゃ、遠いわ。時速20キロで走り続けても15時間。しかし、平均20キロで走るのは、ちょっときつかろうのォ」
「上り下りもあるんで、ボクは平均15キロぐらいやろう思うてます」
「ウン、それぐらいじゃろうのォ。それでも20時間か。アキちゃん、そりゃ、途中で仮眠とらんとムリやろ?」
「ハイ、防府あたりで、駅のベンチででもひと休みしようかと思ってます」
「まぁ、駅のベンチで?」と、叔母が心配そうな声を挙げた。
「なぁに、若いんだから、それぐらいは平気じゃろ。それより、難関は、岩国―徳山じゃな。海岸周りで行くと、えらい遠回りになるから、岩徳線を使うたほうがええじゃろ」
「岩徳線ですか?」
「待てよ、確か道路地図があったな……」
叔父は、着替えもそこそこに立ち上がると、2階に上がり、「あった、あった」と言いながら、地図を手に居間に下りてきた。
「岩徳線は、国道2号のバイパスなんよ。ホラ、海岸回りで行くより、このバイパス使ったほうが、距離を節約できるやろ? 山越えなんで、ちょっと、上りはきついけど、上りきったら、後は、徳山まで下りで一気やから」
さすが、技術屋の叔父である。その解説は、理科的で説得力があった。
そんなふたりの話を、叔母とユリちゃんはポカンとして見ていた。

やがて、夕食の支度が整った。
真人ちゃんは、塾があって帰りが遅くなるというので、私と叔父・叔母、それにユリちゃんは、4人で食卓を囲むことになった。
蒸し暑い夜だった。
私は、ランニングシャツ一枚になって、食卓に着いた。
さて、食べようか――という段になって、叔父が、「そうだ、ユリ」と言い出した。
「アキちゃんにも、コップをひとつ、持ってきてあげんさい」
「エッ……!?」と、ユリちゃんが不思議そうな顔をしている。
「アキちゃんも、もう高2やろ? 一杯ぐらい、いけるやろ?」
叔父は、自分の前に置かれたビールを、私にも飲ませようというのだった。
「お兄ちゃんにも飲ませたことないのに」と、ユリちゃんが抗議すると、叔父は言うのだった。
「真人は、まだ高1じゃから。それに、ひとりで九州まで自転車で帰ろうというんじゃ。アキちゃんは、もう、立派なおとなじゃ」
ユリちゃんが、コップを持ってくると、叔父は言った。
「ユリ、アキちゃんに注いであげんしゃい」
ユリちゃんは、ちょっと恥ずかしそうにビールびんを両手で胸の前に抱えると、恐る恐るという感じで、黄金色の液体を私のコップに流し込んだ。
風呂上がりのユリちゃんは、ハワイのムームーのようなワンピースを着ていた。
その肌が、ほんのり上気していた。
「お、それぐらいでいいじゃろ」
叔父に言われて、傾けたビールびんを起こすと、今度は、叔父のやや大きめのタンブラーに、残りの液体を注いだ。
そのとき、私には見えたのだった。
やや前屈みになったユリちゃんの、ゆったりとしたムームーの胸元から、彼女の初々しい胸元が……。
かすかにふくらみ始めた、彼女の蕾。
それは、幼い頃に手を引いたユリちゃんが、可憐な少女時代を終え、もうすぐおとなになるゾ――と主張しているふくらみだった。
見てはいけないものを見たような気がして、私は目を逸らした。
「アキちゃんも、たくましい男になったなぁ。な、ユリ」
私とグラスを合わせながら叔父が言う。
「ウン……」
恥ずかしそうにうつむいた顔を上げ、私の目を上目づかいに見上げて、ユリちゃんの顔がうなずいた。
そのドレスの胸元で大きく息づく胸元に、またも、私の目は引きつけられた。
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シリーズ「マリアたちへ」Vol.1
『チャボのラブレター』
2014年10月リリース
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チャボのラブレター (マリアたちへ)
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