妻の人数が「投資額」で決まる 《一夫多妻制》
不純愛トーク 第335夜
前々回からお届けしている「シェア・スタイル」の問題。今回は、女が複数で「夫をシェア」する 《一夫多妻制》 について、その過去と未来を語ってみます。動物の世界では、遺伝子的理由で始まった 《一夫多妻制》 だが、人間の世界では「経済的理由」が大。この考え方をさらに発展させると――。
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AKI 前回は、「シェア」のいろんな形をご披露いただいたわけですが……。
哲雄 何か、お気に召したプランはございましたでしょうか?
AKI 最後にご提示いただいた「妻共有プラン」なんですけど……。
哲雄 オーッ! 経済的にあるいは体力的に、ひとりでは、とても妻ひとりの面倒がみきれない――という男たちが、2人とか3人とかで妻を共有するっていう、例のプランですね? そうですか、AKIクンも共有されてみたいという気になりましたか?
AKI じゃなくて、その逆はないのかな……って思って。
哲雄 逆? ああ、複数の女でひとりの男を共有するという「シェア」の形ですか? 男の側から言うと、女を複数、囲い込むということですよね?
AKI そういうことになりますか?
哲雄 なりますねェ。でも、この形は、世界中いたるところにあるでしょう、《一夫多妻》 という形ですけど。
AKI ま、そう言えばそうですけど……。でも、《一夫多妻》 っていうのは、経済力のある男が複数の妻を持つ――っていう制度でしょ? 私がお訊きしたいのは……。
哲雄 おっしゃりたいことはわかります。実はね、AKIクン、この 《一夫多妻》 っていうのは、一概には論じられない問題でもあるんです。まず、遺伝子的に言うと、こういうことが言えます。オスは、自分の遺伝子を根絶やしにしないために、できるだけ広範囲に精子をバラ撒いておこうとします。株の投資と同じですね。
AKI リスクを分散するんですね?
哲雄 そうです。手持ちの資金を全部、A社に投資してしまうと、A社株が暴落したとき、取り返しのつかない痛手を負ってしまう。そうならないために、B社、C社の株も買っておこうとしますよね。それと同じ理屈です。
AKI そりゃね、妻だって、いつ病気で倒れるかわからないし、100%、丈夫な子どもを産めるかっていうと、そんな保証もありませんしね。
哲雄 メスのほうにも「打算」があるんですよ。
AKI エッ、どんな……? メスは損なだけ……のように見えますけど。
哲雄 いやいや、とんでもない。メスにしてみれば、少しでも優秀なオスの遺伝子をもらうことは、種の保存という意味からも、ものすごく重要なテーマなんですよね。たとえ、「愛人のひとり」という立場にしかなれなくても、カスみたいなオスに捕まって劣った遺伝子を受け継ぐよりも、優秀な遺伝子を分けてもらったほうが得―――と考える。そういう本能的打算が、メスの側にも働くわけですよ。
AKI ナルホド。だから、哲ジイの周りには、メスたちが集まって来なかったのかぁ……。
哲雄 コラ、だれがカスやねん!
AKI 失礼。とにかく、《一夫多妻》 というのは、遺伝子に保険をかけたいオスの打算と優秀な遺伝子を選別したいメスの打算とが合致した結果である――と。そんなふうに言ってもいいわけですね。でもね、哲ジイ、そうなると、困ったことになりませんか? 超優秀なオスがいると、メスは全部、そのオスに奪われてしまうってことになりません?
哲雄 ゾウアザラシとかサルの世界では、力の強いボスが群れのメスを根こそぎ従えて繁殖活動を行う――という姿が見られるのですが、もちろん、これには、物理的な限界があります。統率力が及ぶ距離的限界というのもあるし、いくらエッチし放題とは言っても、精子の産生能力にも限界があります。
AKI メスを確保できない他のオスたちの反乱もあるんじゃないですか?
哲雄 ありますねェ。動物界のオスたちは、メスの獲得をめぐって激しい抗争を続けます。ボスの座にいるのもラクじゃないんですよ。
AKI 人間の場合はどうなんです? やっぱり、遺伝子ネライ?
哲雄 それもあるでしょうけど、いちばん大きいのは、投資額だと思います。
AKI エッ、エ~ッ! 投資……って、何に投資するんです?
哲雄 別に、株や証券を買うわけじゃないですよ。ここで言う「投資」っていうのは、
男が、自分が囲う女ひとりに対して
いくらかけられるか?
というコストの問題です。
AKI つまり、財力ってこと……?
哲雄 そう言ってもいいでしょうね。原始時代であれば、妻ひとりに与えられる食糧の量だったかもしれませんが、時代が進むにつれて、そこに、衣服や装飾品が加わり、住居が加わり、金銭が加わった。つまり、どれだけ「甲斐性」を持っているか――で、何人、妻を持てるかが決定したわけですね。
AKI ま、合理的と言えば、合理的ですね。女としても、「甲斐性」のない男にくっついて苦労するより、何番目の奥さんでもいいから、「甲斐性」のある男に囲われたほうが得だ――っていう打算がはたらきますものね。でも、モメないんでしょうかね?
哲雄 モメる? 妻たちと夫がですか?
AKI じゃなくて、妻同士の間で――です。あっちの奥さんのほうが、たくさんもらってるとか、エッチの回数が多いとか……。そういうの、女同士って、けっこう気にすると思うんだけど。
哲雄 確かに、それは気になるでしょうね。でもね、AKIクン、たとえば、《一夫多妻制》 をとっているイスラム世界などには、不文律があるんですよ。
AKI どんな……?
哲雄 イスラムの教えでは、「妻は4人まで娶っていい」ということになってるんだけど、そこで戒められているのは、
妻は、平等に扱いなさい
という教えです。「おまえのほうがかわいいから、たくさんあげる」なんていうえこひいきは、してはいけないことになってるんですね。
AKI ヘーッ、不思議! よく、そんなルールができたものですね。
哲雄 そもそも、イスラム世界が 《一夫多妻》 になったのは、男が足りなかったからなんです。相次ぐ戦役で、どうしても、男の数が足りなくなる。そのままでは、結婚できない寡婦が社会にあふれることになってしまうので、余裕のある男は、その資力に応じて、妻を複数養いなさい――と、ムハンマドが指示したんですね。
AKI てことは、《一夫多妻》は、「権利」というより「義務」だったわけですね?
哲雄 これ、日本でもやってみたらよろしいんじゃないか?
AKI ハ……?
哲雄 日本の男は、年収1000万ごとに妻ひとりを娶るべし! これをやれば、生涯未婚率も下がるだろうし、少子化にも歯止めがかかるんじゃないか――なんてね。
AKI ジョーダンでしょ?
哲雄 ハイ、ジョーダンです。だいいち、日本では、「完全に平等な 《一夫多妻制》」はムリだろうと思います。
AKI それはまた、なぜ?
哲雄 戦前までの日本は、《一夫多妻》 に近い制度をとっていた――と、私は思っているのですが、それは、イスラムのような「平等な妻」を複数持つという制度ではなくて、「本妻」の他に「妾(愛人)」を何人か囲う、という制度でした。
AKI そうか。武家の世界でも、「正室」と「側室」がいたわけですものね。
哲雄 これを 《一夫多妻》 のひとつの形とするかどうかは、議論の分かれるところではありますがね。
AKI 私がお尋ねしたかったのは、むしろ、逆ですね。
哲雄 逆……? なんじゃ、それ?
AKI むしろ、女何人かで、若い男を飼うとか……。
哲雄 オーッ、新しい! その話、今度、ゆっくり聞かせてちょ。
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