シェア・ハウスの男と女。その「夢」と「現実」
不純愛トーク 第332夜
土地を切り売りする「分譲」という考え方は、国は滅ぼす。大事なのは、「シェアの思想」だ――と説く、管理人・哲雄が、今回は、そのスタイルのひとつとして注目する「シェア・ハウス」を取り上げて、そこで暮らす人間たちのライフ・スタイルを紹介します。男も、女も、若いも中高年も、日本人も外国人も、住まいをシェアする空間で、問題になることとは――。
【今回のキーワード】 サ高住 シェア・ハウス 座りション
【SEOリンク・キーワード】 エロ 恋愛 恋愛小説 オーガズム コミュニケーション 不倫
AKI 分譲住宅は国を滅ぼす。前回は、そんな話をしたんですよね。土地は「私有」ではなく、「一代限りの永代使用権」とすべきである。特に問題なのは、マンションだ――というお話でした。
哲雄 ハイ。このままだと、この狭い国土は、処分しきれない「私有権」に切り刻まれて、やがて総ゴースト・タウン化してしまう――と、そんな話をしました。
AKI そこで、思いついたのが、住宅をシェアするという考えなんですね?
哲雄 別に、思いついたわけじゃありませんよ。すでに、そういうライフ・スタイルは、一部では実現しています。
AKI ああ、あれですね? シェア・ハウスとか……?
哲雄 「シェア・ハウス」も、そのひとつの形ですね。いま、各自治体が進めている「サービス付き高齢者住宅」も、シェア・スタイルのひとつと考えていいような気がします。ただ、「サ高住(サービス付き高齢者住宅の略です)」の場合は、食事は、住宅貸主側が提供することになっていて、月に3万円ぐらい取られるようですが、これはその……ちと高いような……。
AKI 哲ジイ、いまは、そういう話をしてるんじゃないでしょう!
哲雄 あ、失礼。でもね、ここ、けっこう重要だったりするんだよね。通常の「シェア・ハウス」と「サ高住」の違いは、実は、ここにある。
AKI ていうと、食事付きかどうか――ですか?
哲雄 食事も含めた、もろもろのサービスです。しかし、そんなのを有料のサービスにしてしまったら、それは、旧来の「老人ホーム」と大して変わらない、ということになってしまうんじゃないか。
AKI でも、「サ高住」も一種のシェア・スタイルだ――とは思うわけですね?
哲雄 居間と食堂が「共有」になってますからね。
シェア・ハウスというのは、
各入居者の「占有」部分とは別に、
「共有」で使うスペースがあって、
おたがいが顔を合わせて過ごせるように作られた住居のスタイル
と言えばいいかと思います。ほんとうは、「サ高住」にも、キッチンまで「共有」というものが出てきてもいいんじゃないか――と思うのですが、いまのところ、そういうタイプは登場してきてないようですね。
AKI シェア・ハウスでは、キッチンは共有なんですか?
哲雄 私が知っている限り、ほとんどのシェア・ハウスでは、キッチンとリビング、シャワー・ルームとトイレは、「共有」になってましたね。
AKI なってました――って、哲ジイ、シェア・ハウスに住んだことがあるんですか?
哲雄 いや、実はね、バイトでシェア・ハウスの清掃の仕事をやっていたことがあるんです。いくつかのシェア・ハウスの清掃を担当してたのですが、その経験から申し上げています。
AKI それは初耳。ね、哲ジイ、私、興味があるんですが、シェア・ハウスって、ひとつ屋根の下で、男も、女も、一緒に暮らすわけでしょ?
哲雄 そうですよ。男も女も、日本人も外国人も、若者も中高年も。そんな、いろんな階層の人たちが、ひとつ屋根の下で暮らす――というのが、シェア・ハウスという居住スタイルなんだ。
AKI プライバシーはどうなんですか? たとえば、私のような、若くてかわいい女の子が、シェア・ハウスで暮らすとなると、そこらへんが、いちばん気になるんですが……。
哲雄 若くてかわいい……かどうかは、見解の分かれるところではありますが、それは、プライバシーをどういうものと考えるか――次第だと思いますよ。基本的に、各居住者の個室には、カギもかかってますから、部屋の中でスッポンポンで暮らそうが、エッチな本を読んでよからぬ行為に耽ろうが、それを他の居住者に見られたり、気取られたり……という心配は、ありません。もっとも、そのとき、異常に荒い息を吐くとか、変な声を出すなんて人は、ハハァ、201号室のAKIちゃんはやってるな――と、隣人たちに知られることにはなるわけですがね。
AKI 失礼な! わたくし、個室でそんなことをしたりはしませんことよ。だいいち、声も出さないし……。
哲雄 ヘェ、声、出さないんだ?
AKI いいでしょ、そんなことはどうでも! でも、その程度の物音は、漏れちゃうんだ?
哲雄 マンションじゃありませんからね。個室は壁で仕切られていると言っても、分厚いコンクリートの壁なんかじゃありませんから、ある程度以上の物音は聞こえます。あ、いま、くしゃみをしたとか、やたら咳き込んでいるなぁ――とか、その程度の気配は、隣室や廊下にも伝わってきます。それが、シェア・ハウスのいいところでもあるんですがね。
AKI いいところ……?
哲雄 ええ、いいところだと私は思います。
人が生きてる気配が伝わる。
それって、人が人として暮らす上では、とてもたいせつなことだ
――と、私は思うんですよ。
AKI そう言えば、哲ジイは、完全防音のマンションが嫌いって言ってましたよね?
哲雄 ハイ、いまも言い続けています。
AKI ま、哲ジイの場合は、孤独死を防ぐ意味でも、そのほうがいいかもしれませんけどね。
哲雄 ハイハイ。死にそうになったら、隣室を「壁ドン」します――って、ほっとけ! それより、申し上げたかったのは、人が生きている気配を感じながら暮らすシェア・ハウスというスタイルは、「個体引きこもり」型の現代の住居スタイルよりは、数段ましだ――ということです。
AKI トイレも共同なんですよね? それも、男女共用?
哲雄 ハイ、共用です。ハウスの規模にもよると思いますけど、だいたい5~6室に1カ所ぐらいの目安で設置されているようですね。しかしね、AKIクン、シェア・ハウスでいちばん問題になるのが、このトイレの使い方のマナーなんだ。それは、何だと思います?
AKI わかった。水を流しすぎるとか、流さない――とか? あ、それとも、トイレット・ペーパーを使いすぎるとか?
哲雄 そういうこともあるかもしれませんが、私は聞いたことがありません。それより問題になるのは、男性の小用の足し方なんだ。
AKI あ、そうか! 「座りション」しない男がいるんだ。そうだよね、立ちションされると、トイレが汚れちゃうもんなぁ。
哲雄 それは言いがかりだ! と私は思います。いいじゃないか、「座りション」なんかしなくても――と私は思うんだけど、これがね、問題になるケースがある。特に、女性居住者のほうが強いシェア・ハウスだと、「小も座ってしましょう」なんていうルールが、女性居住者の主導で作られてしまったりします。
AKI そういうルールは、居住者たちが作ってしまうの?
哲雄 たいていのルールは、管理会社が作るんですよ。ゴミは指定の日に掃除当番の人が指定の場所に出しましょうとか、シャワールームの排水口にたまった毛などは、使用後に取り除いておきましょう――とかね。でも、その掃除当番はというと、居住者同士の話し合いで決める。つまり、大まかなハウス・ルールは、管理者側が決めるけど、細かいルールは、居住者自身が決める。
AKI ヘェ! でもさ、哲ジイ、そうなると、
人とコミュニケーションができないっていう人は、
シェア・ハウスでは暮らせない
ということになりますよね?
哲雄 ムリだと思います。それに、特に東京の都心部のハウスなんかでは、ある程度の英語力だって必要になる。
AKI あ、そうか。外国人もいるんだもんね。
哲雄 もちろん、シェア・ハウスで暮らすとなると、外国人側にも、片言程度の日本語理解能力は求められますよ。でも、それだけじゃ、十分に意思が伝わらない場合もあります。少なくとも、ハウスに1人ぐらいは、英語でコミュニケーションが取れる人間がいたほうがいい。別に、それが入居の条件ってわけではないけどね。
AKI なるほど、シェア・ハウスは、生きた英語を身に着ける場所にもなるわけですね?
哲雄 おや、だいぶ、興味が湧いてきたようですね。
AKI ま、ちょっとは……。そうだ、もうひとつお尋ねしておきたいのですが……。
哲雄 キミが訊きたいことはわかっています。ハウス内での色恋の問題ですね?
AKI ま、それも含めた人間関係に、ちょっと興味がありまして……。
哲雄 ようがす。それに関しては、私が見聞きしてきたことのすべてをお話しましょう。
AKI では、次回を楽しみにしてますわ。
管理人の本、Kindle で販売を開始しました。よろしければ、ぜひ!

シリーズ「マリアたちへ」Vol.1
『チャボのラブレター』
2014年10月リリース
Kidle専用端末の他、アプリをダウンロードすれば、スマホでもPCでも、ご覧いただけます。
作品のダウンロードは、左の写真をクリックするか、下記から。
チャボのラブレター (マリアたちへ)
『チャボのラブレター』
2014年10月リリース
Kidle専用端末の他、アプリをダウンロードすれば、スマホでもPCでも、ご覧いただけます。

チャボのラブレター (マリアたちへ)

管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
あなたの押してくださったポイントを見ては、喜んだり、反省したりの日々です。
どうぞ、正直な、しかしちょっぴり愛情のこもった感想ポチをお送りください。よろしくお願いいたします。



→このテーマの記事一覧に戻る →トップメニューに戻る
- 関連記事
-
- 「シェア・ハウス」では、居住者同士は恋愛禁止…? (2015/04/10)
- シェア・ハウスの男と女。その「夢」と「現実」 (2015/03/23)
- 分譲住宅は、国を滅ぼす、社会を殺す! (2015/03/08)