分譲住宅は、国を滅ぼす、社会を殺す!
不純愛トーク 第331夜
限られた大地を「私有権」で切り刻んで、自分の「所有欲」を満たそうとする人間たち。これほど、罪深いことはない――というのが、哲雄の考え方。このまま、「分譲」を進めていけば、この社会は、「処分しきれない私有権」にがんじがらめになって、やがて、ゴースト化してしまいます。そんな中で見直したいのが、「シェアの思想」。今回は、「土地」をテーマに、それをシェアするとはどういうことかを考えてみます――。
【今回のキーワード】 シェアの思想 放置家屋 耕作放棄地
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AKI 前回は、「シェアの思想」という話が出ました。哲ジイが言っている「シェア」というのは、「奥さん」をシェアしましょうという話なんですか?
哲雄 いいえ、すべてです。
AKI すべて……?
哲雄 人間の欲によって「所有」されているもののすべては、究極には、神様にお返しして「共有(シェア)」すべきである――と、私は思うんですよ。キリスト教も、仏教も、たぶんイスラムも、そういう世界になることを理想としているのですが、ま、人間に「私欲」がある限り、それはムリでしょうね。
AKI なんだ、ムリなんだ。
哲雄 ムリではあるけれど、その理想に近づくために、工夫できるところは工夫しましょうよ――というのが、「シェアの思想」です。
AKI とりあえず、どこらへんから手をつけましょうか、教授?
哲雄 まずは、「土地」です。
AKI エッ!? 土地? 土地を私有してはいけないとおっしゃるんですか?
哲雄 私は、こういうふうに考えるべきだと思います。そもそも、この「大地」というものは、神が……ここでは「神」としておきますが、「仏」でもいいし、あるいは「共通の善」という言い方でもいい。とりあえず、ここでは「神」としておきますね。その神が、すべての生きもののために与えた「贈り物」です。人は、というか、すべての生きものは、そこで生を営むことを、仮に許されているにすぎない。
AKI オーッ、それはまた、超深い考え方ですこと。「仮に」ということは、「生きている間は」というふうに考えてもよろしいのでしょうか?
哲雄 おお、察しがいいこと。そうです、
「生きている間」だけ、
「おまえは、そこを生の営みのために使っていいぞ」
と許されている場所。
それが「土地」というものだと考えればいいのだと思います。
なのに、欲の深い人間たちは、そこを「ここは、子々孫々、オレたちのもの」として「私有」しようとする。私に言わせれば、これほど強欲なことはない。
AKI そんなこと言ったら、「国境」もなくなるじゃありませんか?
哲雄 当たり前です。
神から見れば、
勝手に「国境」なんぞというものを策定して、
それを「恒久化」しようとしている――なんてことは、
人間の罪深さの表れ以外の何者でもない。
勝手に「国境」なんぞというものを策定して、
それを「恒久化」しようとしている――なんてことは、
人間の罪深さの表れ以外の何者でもない。
でもね、そんなことを言ってると、この社会のいろんなことが機能しなくなってしまうから、便宜上、おたがいが納得し得る限りにおいて、「仮の国境」を引いて生活圏を区分しておこうか――と。人間に許されていることは、その程度のことだと思います。
AKI でも、理想的には、国境なんてなくすべきだ――と、哲ジイは考えているんですね?
哲雄 世界は、少しずつ、そういう方向に向かってほしい――と思っています。現に、そういう歩みを始めている地域だってあるじゃありませんか?
AKI あ、もしかして、EUとか……?
哲雄 そうです。少なくとも、EUの世界では、国境を強化するという方向には、動いてないでしょう?
AKI そう言えば、そうですね。日本と韓国、日本と中国なんかとは、ちょっと違う気がします。
哲雄 「国境」だけじゃありませんよ。「私有地」という考え方も、神の目から見たら、人間の強欲さの表れでしかありません。しかし、人間が「家族」単位で生きている限り、その生活圏を区分するために、便宜的に境界線を設定することは、仕方がないことかもしれません。しかしね、それは、あくまで「便宜的に」であるべきです。
AKI つまり、「恒久化」すべきではない――と?
哲雄 具体的に言うと、その「便宜的な境界」を子孫に残すべきではない。
AKI てことは、土地を相続するな、ということですか?
哲雄 少なくとも、土地の「便宜的区分」は、「一代限り」にすべきである――と思います。自分が住んでいる土地は、「生の営み」のために、神から仮に「お借り」しているだけだから、死んだら、神に――というか、現実的に言うと、「公共のもの」としてお返しすべきである。つまり、土地というものは、「私有」するのではなく、「一代限りの永代使用権」を保有する、という程度にとどめるべきである、と思うわけです。
AKI それはまた、ずいぶん大胆な考え方ですこと。でも、それをやれば、「放置家屋」とかはなくなるかもしれませんね?
哲雄 放置家屋もなくなるし、耕作放棄地もなくなります。集合住宅のゴーストタウン化も防げると思いますよ。
AKI ということは、宅地分譲とか、分譲マンションとかは、やるべきではない――ということになりますね。
哲雄 ハイ。私は、以前からこう申し上げております。
分譲マンション、分譲住宅は、
国を滅ぼす。
社会を殺す。

考えてもみてください。少子化の進むこの国で、こんな分譲を続けていたら、国土は、処分しきれない「私有権」に切り刻まれて、総ゴースト化してしまいますよ。そんなこと、簡単に想像がつくはずなのに、目先の利益だけを考えるディベロッパーたちは、これでもかと、郊外に分譲住宅を建て続け、都心に高層マンションを建て続けていますし、愚かな政府は、それが景気をけん引するとして、むしろ積極的に進めようとさえしています。
AKI 近視眼的なんですね?
哲雄 いまの世代がよければそれでいい。目先の利益さえ確保できれば、50年後、100年後がどうなろうと、知ったことじゃない――という姿勢です。原発問題にしても同じなんですけどね。
AKI でも、つい最近、放置家屋を再利用できるようにしようっていう法案が、提出されたりもしましたよ。
哲雄 私の目には、付け焼刃な対策としか見えません。じゃ、集合住宅はどうするんだ?
AKI 超高層マンションが老朽化して、入居者が高齢化し、空き部屋だらけになったときにどうするか――っていう問題ですよね? 少数でも、「所有権者」が住んでいる限り、ぶっ壊して建て替えるというわけにはいきませんものね。
哲雄 巨大なゴーストタウンが、あっちにもこっちにも残る――ということになりますよね。そういう未来のビジョンが、この国の指導者たちには見えているのか?
AKI 見えてないでしょうね。だから、「一代限りの永代使用権」にせよ――ってことなんですね。それって、「借地権」を一代に限って「購入」できるようにするってことなんですね。でも、哲ジイ、もし子孫が引き続き、親が残した家に住みたいと思った場合にはどうなるんでしょう?
哲雄 「永代使用権」を優先的に購入できるようにすればいいんじゃないですか?
AKI でも、「購入」なんだ?
哲雄 ええ、「購入」ですね。いまでも、子が親の残した家を受け継ごうとすれば、莫大な「相続税」を払うわけでしょ? これまでは、受け継ぐ不動産が「更地」か「家屋付きの宅地」かによって、税率が大幅に違っていたりしたのですが、今回の法案では、その区別をなくそうとしています。「優先的な購入」か「相続税」か? 名目が違うだけで、かかる費用はほとんど変わらないと思いますよ。違うのは、「借地権」か「資産」か――ということだけ。でも、この違いは大きい。
AKI わかった。「資産」となれば、自由に売買できて、場合によっては、「投機」の対象にもなってしまいますよね?
哲雄 そうです。公共のものである土地を、投機の対象になどすべきではない――と、私は思っています。
AKI 考えてみれば、日本人って、なんだか……土地のために、一生を費やしているような気がします。
哲雄 そうですね。そのためにローンを組んで、その返済に追われて一生を費やす。なんてバカな生き方をしてるんだろう――と、私は思うんです。でも、その土地は、「生きている間だけの借り物」。そう考えれば、ずいぶん、生き方が変わるんじゃありませんか?
AKI と、ガンコな哲ジイは申しておりますが、いかがでしょうか?
哲雄 次回は、その住居をシェアするという考え方について、お話してみたいと思います。
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