第48夜☆恋が始まる「シュウハ数」?
第48夜
「愛とは何か?」をめぐって、管理人・哲雄がパートナー・AKIを相手に展開する、オヤジ・ギャグ風+ちょっぴりアカデミックおしゃべり。前回から、アイ・コンタクトの話に入り、見つめ合う時間がふたりの親密度によって違ってくる、という話をしました。今回は、恋が始まる視線の送り方についておしゃべりする予定――。

管理人は、ちぎれんばかりにシッポを振って喜びます。

管理人の脳内環境は、すこぶる改善されます。
哲雄 人は、好意を抱いてもいない他人からジーッと見つめられると、不快になる。前回は、そんな話をしたんだよね。
AKI 哲ジイは、電車の中でそれをやって、女の子を怒らせてしまったのよね。
哲雄 怒ったかどうかはわからないでしょう。もしかしたら、ただ恥ずかしくなっただけかもしれないし……。
AKI いいえ! 怒ったんです。恥ずかしくなったら、ただ目を伏せればいいわけですから。
哲雄 それそれ。きょうは、その話をしようと思います。
AKI 目を伏せる話……ですか?
哲雄 それも含めて、恋が始まる視線のお話。キミには特に、しっかり学習していただきたいものです。
AKI それ、合コンでも役に立つ話ですか?
哲雄 もちろん、合コンでも役に立つし、オフィスや学校の教室なんかでも大いに役に立つ話です。ポイントは、シュウハ数!
AKI シュ、シュウハ数……? あの、低周波とか高周波の周波数?
哲雄 残念ながら、その周波数ではない。漢字で「秋の波」と書いて「秋波」。よく「秋波を送る」なんて言い方をするんだけど、聞いたことないかなぁ?
AKI メールを送る、なら知ってるけど……。
哲雄 「目―ル」ってぐらいだからね、ブヒヒ……。
AKI このおっさん、壊れてますよぉ~。
哲雄 「秋波」というのは、元は「美人の涼やかな目許」を表す言葉なんだけど、そこから転じて「色目」という意味でも使われるようになった。「秋波を送る」で、「色目を使う」とか「色っぽい視線を送る」って意味になるんだね。ホラ、そうやって私を見るときの、キミのその視線……。
AKI これは疑心暗鬼の視線ですゥ。まったく、幸せなおっさんだわ、そこまでカン違いできたら……。それで? その「秋波」と「数」に、なんか関係があるんですか?
哲雄 大いにあるんだね、これが。ヘタな鉄砲、数撃ちゃ当たる……。
AKI それ、哲ジイの恋愛観でしょ?
哲雄 そういうことじゃなくてね、「秋波」は送る回数が重要って話です。
AKI そんなに何度も見つめるわけ?
哲雄 見つめるんじゃない。チラッと見るわけです。一日に何度も、チラッ、チラッ……と。ところが、相手と目が合うと、恥ずかしいから、目を伏せてしまう。でもまた、見てしまう。また、目が合う。目を伏せる。これを繰り返すわけです。
AKI 早く帰りたいOLが、柱の時計に何度も目をやるようなもんですね。
哲雄 うまいこと言うねぇ。
AKI ええ、私もさっきから、何度も、哲ジイの後ろの、壁時計を見てます。
哲雄 エッ、私じゃなくて時計を見てたわけ?
AKI だから、カン違いだと申し上げてるでしょ。でも、そっかぁ……そうやって何度も、チラチラッと見てたら、見られてるほうはカン違いしますよねェ、哲ジイみたいに。
哲雄 それが目的です。オフィスでも、教室でも、気がつくと目が合ってる。「彼女とはよく目が合うなぁ」と意識し始める。パンパカパァーン、いよいよ恋の始まりです。
AKI 別に、ファンファーレは必要ないと思いますけど……。
哲雄 ファンファーレは鳴り響かないと思うけど、確実に鐘は鳴りますね。私は、この短い人生の中で、少なくとも10回は、この鐘が鳴る瞬間を味わった。
AKI そして、数日後、早ければ数時間後には、それが木魚の音に変わる……。
哲雄 木魚……?
AKI ご愁傷さまでした。
哲雄 失礼な。そんなこと……7回ぐらいしかなかったわい。
AKI 木魚率7割。けっこう、ふられてますねェ、哲ジイ。ああ、それで、ヘタな鉄砲、数撃ちゃなのかぁ。
哲雄 いや、それはそういう意味じゃない。つまり、「秋波」というのは、向こうがそれに気づいてくれないと意味がない。自分が見ているときに、相手も自分を見る確率ってのは、それほど高くないから、送る側は何度も何度も、マメに送る必要がある。ま、好きになった相手には、自然にそうなっちゃうだろうと思うけど。
AKI だから、「秋波数」なんですね。
哲雄 それと、もうひとつの意味は、一度、目が合ったらそれで満足というのじゃなくて、これを何度も繰り返しなさい、ってこと。つまり、リピート効果ですね。
AKI 一度ですませようとすると、ジーッと見ちゃうことになるかもしれませんよね。でも、それだと、相手を不快にしてしまうかもしれない。
哲雄 あの子、なんかオレに文句でもあるのか――と思われるかもしれないよね。
AKI ねェ、ねェ、哲ジイ、これって、男から送ることもあるの?
哲雄 もちろん。長谷川一夫とか、杉良太郎なんてのは、この目線で人気になった。
AKI あの……私、どっちも知らないんですけど。
哲雄 エッ!? ウソ! 女性に人気のあった二枚目役者だよ。
AKI もしかして杉良太郎っていうのは、「スギリョウ」とか言われてた人? 名前は聞いたことあるけど、顔と名前がどうも……。
哲雄 ま、いいでしょう。どっちも、流し目の達人。でね、「秋波」の目線っていうのは、この「流し目」が基本なんだよね。
AKI したことないから、わかんな~い。
哲雄 (ウソ言え、いつもしてるくせに……)
AKI いま、何か言いました?
哲雄 いいえ。「流し目」の基本は、「下から目線」です。それも斜め下から、ちょっと斜め上を見上げるような形。いいですか、このアングルがとても大事なので、覚えておくんですよ。ここも、試験に出すから……。
AKI ウイ~ス。アングル、アングル……。哲オヤジはアンクル……と。よし、OK。
哲雄 同じように目線を流しても、真横に流すと「疑惑の目」、斜め上から斜め下に流すと「軽蔑の目」になってしまいます。上に30度、下に30度。この60度の間に、天国と地獄ほどの意味の違いが込められてしまうんだ。
AKI 目は口ほどにモノを言う……ってことですね。
哲雄 この話も長くなるから、続きは次回、ということにしましょうかね、流し目のAKIクン。
AKI だから、時計を見てるんですって。あっ、もう時間だ。
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哲雄 残念ながら、その周波数ではない。漢字で「秋の波」と書いて「秋波」。よく「秋波を送る」なんて言い方をするんだけど、聞いたことないかなぁ?
AKI メールを送る、なら知ってるけど……。
哲雄 「目―ル」ってぐらいだからね、ブヒヒ……。
AKI このおっさん、壊れてますよぉ~。
哲雄 「秋波」というのは、元は「美人の涼やかな目許」を表す言葉なんだけど、そこから転じて「色目」という意味でも使われるようになった。「秋波を送る」で、「色目を使う」とか「色っぽい視線を送る」って意味になるんだね。ホラ、そうやって私を見るときの、キミのその視線……。
AKI これは疑心暗鬼の視線ですゥ。まったく、幸せなおっさんだわ、そこまでカン違いできたら……。それで? その「秋波」と「数」に、なんか関係があるんですか?
哲雄 大いにあるんだね、これが。ヘタな鉄砲、数撃ちゃ当たる……。
AKI それ、哲ジイの恋愛観でしょ?
哲雄 そういうことじゃなくてね、「秋波」は送る回数が重要って話です。
AKI そんなに何度も見つめるわけ?
哲雄 見つめるんじゃない。チラッと見るわけです。一日に何度も、チラッ、チラッ……と。ところが、相手と目が合うと、恥ずかしいから、目を伏せてしまう。でもまた、見てしまう。また、目が合う。目を伏せる。これを繰り返すわけです。
AKI 早く帰りたいOLが、柱の時計に何度も目をやるようなもんですね。
哲雄 うまいこと言うねぇ。
AKI ええ、私もさっきから、何度も、哲ジイの後ろの、壁時計を見てます。
哲雄 エッ、私じゃなくて時計を見てたわけ?
AKI だから、カン違いだと申し上げてるでしょ。でも、そっかぁ……そうやって何度も、チラチラッと見てたら、見られてるほうはカン違いしますよねェ、哲ジイみたいに。
哲雄 それが目的です。オフィスでも、教室でも、気がつくと目が合ってる。「彼女とはよく目が合うなぁ」と意識し始める。パンパカパァーン、いよいよ恋の始まりです。
AKI 別に、ファンファーレは必要ないと思いますけど……。
哲雄 ファンファーレは鳴り響かないと思うけど、確実に鐘は鳴りますね。私は、この短い人生の中で、少なくとも10回は、この鐘が鳴る瞬間を味わった。
AKI そして、数日後、早ければ数時間後には、それが木魚の音に変わる……。
哲雄 木魚……?
AKI ご愁傷さまでした。
哲雄 失礼な。そんなこと……7回ぐらいしかなかったわい。
AKI 木魚率7割。けっこう、ふられてますねェ、哲ジイ。ああ、それで、ヘタな鉄砲、数撃ちゃなのかぁ。
哲雄 いや、それはそういう意味じゃない。つまり、「秋波」というのは、向こうがそれに気づいてくれないと意味がない。自分が見ているときに、相手も自分を見る確率ってのは、それほど高くないから、送る側は何度も何度も、マメに送る必要がある。ま、好きになった相手には、自然にそうなっちゃうだろうと思うけど。
AKI だから、「秋波数」なんですね。
哲雄 それと、もうひとつの意味は、一度、目が合ったらそれで満足というのじゃなくて、これを何度も繰り返しなさい、ってこと。つまり、リピート効果ですね。
AKI 一度ですませようとすると、ジーッと見ちゃうことになるかもしれませんよね。でも、それだと、相手を不快にしてしまうかもしれない。
哲雄 あの子、なんかオレに文句でもあるのか――と思われるかもしれないよね。
AKI ねェ、ねェ、哲ジイ、これって、男から送ることもあるの?
哲雄 もちろん。長谷川一夫とか、杉良太郎なんてのは、この目線で人気になった。
AKI あの……私、どっちも知らないんですけど。
哲雄 エッ!? ウソ! 女性に人気のあった二枚目役者だよ。
AKI もしかして杉良太郎っていうのは、「スギリョウ」とか言われてた人? 名前は聞いたことあるけど、顔と名前がどうも……。
哲雄 ま、いいでしょう。どっちも、流し目の達人。でね、「秋波」の目線っていうのは、この「流し目」が基本なんだよね。
AKI したことないから、わかんな~い。
哲雄 (ウソ言え、いつもしてるくせに……)
AKI いま、何か言いました?
哲雄 いいえ。「流し目」の基本は、「下から目線」です。それも斜め下から、ちょっと斜め上を見上げるような形。いいですか、このアングルがとても大事なので、覚えておくんですよ。ここも、試験に出すから……。
AKI ウイ~ス。アングル、アングル……。哲オヤジはアンクル……と。よし、OK。
哲雄 同じように目線を流しても、真横に流すと「疑惑の目」、斜め上から斜め下に流すと「軽蔑の目」になってしまいます。上に30度、下に30度。この60度の間に、天国と地獄ほどの意味の違いが込められてしまうんだ。
AKI 目は口ほどにモノを言う……ってことですね。
哲雄 この話も長くなるから、続きは次回、ということにしましょうかね、流し目のAKIクン。
AKI だから、時計を見てるんですって。あっ、もう時間だ。
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